JIS A 1420:1999 建築用構成材の断熱性測定方法―校正熱箱法及び保護熱箱法 | ページ 2

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試験体が不均質な場合,局所的な熱伝達率及び試験体表面温度は一様とはならない。 び 必要
に応じて校正する。このため,加熱箱の周壁は熱流計として使用できるようにする。さらに,加熱箱と試
験体との接触部分の試験体表面に計測部分と保護部分にまたがるようにサーモパイルを取り付けることが
できるようにする。通常の試験では,これらの損失熱量の測定は,校正及び計算によって省略してもよい。
6.1.2 伝熱面積 伝熱面積の定義は,次のとおりとする。
a) 保護熱箱法の場合 試験体の厚さが、加熱箱と試験体が接する先端部接触面の幅と等しいか又はそれ
よりも厚い場合,接触面の幅の中央線で囲まれる面積とする。試験体の厚さが,加熱箱先端部と試験
体との接触面の幅よりも薄い場合,加熱箱の内のり寸法とする。
b) 校正熱箱法の場合 加熱箱の内のり寸法とする。
試験装置の伝熱面積の寸法によって,測定可能な試験体の最大厚さが決まる。加熱箱側面寸法と試
験体厚さとの比及び保護部の幅と試験体厚さとの比は保護熱板法に従う。
熱箱法による試験での測定誤差は,伝熱面積の周長に一部比例し,伝熱面積が大きくなるほど小さ
くなる。したがって,保護熱箱法の場合,伝熱面積の一辺は,試験体厚さの3倍又は1mのうち大き
い方とする。校正熱箱法の場合,伝熱面積の最小寸法は,1.5×1.5mとする。
備考 試験体の寸法が,1.5×1.5mより小さい場合は,附属書1によって測定を行ってもよい。
6.1.3 加熱箱への供給熱量の最小値 加熱箱への単位面積当たりの供給熱量は,次の式で与えられる熱量
以上でなければならない。
(Tsi−Tse) /Ru
6.1.4 加熱箱への供給熱量の最大値 最大供給熱量は,温度の均一性及び熱伝達率によって決まる。通過
熱量が大きくなると,空気温度を均一に保つために,更に箱内をかくはんしなければならなくなり,表面
での熱移動に影響を与える。保護熱箱法の場合,試験体の熱抵抗が小さくなると,要求精度を実現するに
は,更に厳しい条件が要求されることになる。
6.2 試験体に関する制限及び誤差
6.2.1 試験体の厚さ及び熱抵抗 試験装置寸法に対する試験体の厚さは,試験体の特性及び境界条件によ
って制限される。試験体の最大厚さは, は 試験体が厚くなるほど小さ
なるが, 歛 は逆に増え,精度を落とすことになる。
6.2.2 試験体の不均質性 建築物,工業製品を代表する試験体は,ほとんどが不均質であり,そのため試
験体を通過する熱流密度は影響を受ける。その結果,一次元熱流を実現できないことになる。試験体の厚
さの変化も,熱流密度の不均一性の原因となる。温度及び局所的な表面熱伝達率の不均一性によって,次
のことが非常に困難になり,不可能となる場合もある。
a) 平均表面温度の決定
b) 保護熱箱法における温度の不均衡の検出
c) 伝熱面積の決定
d) 試験結果に対する誤差解析
また,不均一といっても次のような特別な場合も考えられる。
e) 熱伝導性の高い表面材 表面材の熱伝導率が大きいと び 歛譱 経路を形成するが,測定部
と保護部との境界部分の表面材を切断することで改善できる。均質な層が熱流に対して直列に配置さ
れている場合,JIS A 1412-1又はJIS A 1412-2によって各層の熱伝導率を測定することで試験体の熱
抵抗を得ることができる。
f) スタッドのような水平及び垂直な主要構造部材 これらの影響は,ほとんどのものが対称的である。

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g) 異種材料を組み合わせた試験体の断面 材料ごとの温度差は等しくならない。このため,異種材料の
接触面付近で熱流が生じる。この接触面が加熱箱周辺に近い場合,温度が不均一になりやすく,不均
衡が生じ,伝熱面積があいまいとなる。
h) 試験体内部の空げき(隙) 空げき内での対流が,不均衡熱流 となる。
これらすべての問題を解決することは不可能である。測定者は,これら例外の影響に十分注意しな
ければならない。試験体が不均一な場合の不均衡熱流の影響を計算することは,試験体の断熱性能を
予測するために有効である。予測した値と測定値に説明のつかない大きな差がある場合は,実際の試
験体と予測値を算出する根拠となる試験体図との間に,寸法,材質などに違いがないか試験体を調べ
る。相違点がある場合は報告する。
6.2.3 試験体の含水率 試験体内の湿気移動は,測定結果に影響を与えるが,試験前の養生条件を標準化
することは困難である。したがって,試験前の養生条件を報告する。湿気移動は,非常に遅く,通常,測
定精度を下げないで,定常な湿気移動を仮定できるまでに温度差を小さくすることはできない。試験体内
部の湿気移動だけでなく,湿気の拡散及び相変化も測定結果に影響を与えることに注意する。
6.2.4 温度との相関 試験体の熱抵抗又は熱貫流率は,温度差によって変化することがある。このため,
測定結果の報告及び解釈に当たっては注意が必要である。
7. 試験装置 図1及び図2は,保護熱箱法及び校正熱箱法の典型的な例であるが,装置は図4及び図5
に示すような構成としてもよく,要求精度を満足できれば,これら以外の構成としても差し支えない。装
置の設計に際しては,試験体の種類及び試験条件を考慮する。
図4 図5
7.1 設計要件 装置は,試験体の使用目的に応じた寸法とし,次の点を考慮して設計する。
a) 伝熱面積は,試験体を代表するのに十分な大きさとする。試験体が,モジュール寸法によって作られ
るものは,伝熱面積の寸法は,すべてのモジュールにまたがる大きさとする。
b) 加熱箱の周囲部分では一次元熱流が維持できないために,伝熱面積に対する加熱箱の周囲長さの比が,
測定精度に影響を与える。この加熱箱周囲部分の熱流は,伝熱面積が小さくなるに従って増加する。
c) 保護熱箱内の不均衡熱流 加熱箱周囲付近の温度及び熱伝達率の不均一によって生じる。
d) 保護熱箱法において,加熱箱の先端部分(試験体と接触する部分)を通って試験体へ,熱量の移動が
あるが,加熱箱の先端部分には幅があるため,この部分では一次元熱流とはならない。

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e) 試験体周囲の断熱と周囲部の境界条件は,保護熱箱法においては 校正熱箱法においては 歟
響を与える。
f) 以上a) e)の問題は,加熱箱周囲付近の試験体の不均一性によって,更に複雑になる。
g) 一般に,加熱箱の寸法によって装置の他の部分の寸法が決まる。加熱箱の奥行きは,要求される境界
条件(境界層の厚さなど)を維持し,その装置を調節するのに必要最小限の大きさとする。
h) 放射によって,試験体表面と熱交換が起きる装置表面の放射率は,高くても,また,低くてもよいが,
放射率が高い場合(0.8以上),実際の建物及び工業製品の状態を再現するといえる。
i) 装置表面の放射率が低い場合,一般的な熱伝達率を得るために,試験体表面の風速を早くするなどし
て対流成分を大きくする必要がある。こうすると,温度の均一性が良くなり,熱伝達率の分布も小さ
くなるが,実際の使用条件下での熱挙動とはかなり違ったものとなる。特に,放射熱を透過しやすい
表面をもつ試験体には適さない。
7.2 加熱箱
7.2.1 箱の構造 加熱箱を構成する断熱材は,試験体の熱抵抗及び温度差によって決めるが,加熱箱から
の損失熱量が試験体通過熱量に与える誤差が0.5%以上にならないようにする。箱の構造は,箱内の温度を
均一にし,かつ,箱からの損失熱量をサーモパイル又は熱流計によって測定するためにも,熱的に均質な
構造とし,熱橋などを含まない構造とする。
さらに,ヒータ,ファンなどが,壁面との放射伝熱によって加熱箱内温度の均一性に影響を与えること
に注意する。
加熱箱は,発泡プラスチックを適当な表面材で挟み込んだパネルなどの適当な断熱材で製作する。
加熱箱先端部のシール及び試験体は,空気及び湿気移動による誤差をなくすため,透気性及び透湿性が
ないようにする。
保護熱箱法では,加熱箱は,気密材で試験体に密着させる。加熱箱先端の気密材の幅は,伝熱幅の2%
以下又は20mm以下とする。
7.2.2 加熱器及び循環用ファン 加熱器及び循環用ファンによって,加熱箱内の試験体に垂直な方向での
温度差が,試験体両面の空気温度差の2%以下になるようにする。また,気流方向の空気の温度こう配は,
均質な試験体の表面境界層の外側で測定して,どの部分でも2K/mを超えてはならない。
加熱器には,通常,電気ヒータを用いるが,表面への放射伝熱を最小とするように,シールドする。
強制対流が必要な場合,加熱箱内に試験体に平行なバッフル板を設ける。バッフル板の幅は,加熱箱の
内のり寸法とし,上下に気流循環用のすき間を開ける。バッフル板は,その表面に平行な気流速度の調節
を補助するために,表面に対して垂直な方向に動かすことができるようにする。自然対流の場合でも,ヒ
ータからの放射伝熱を防ぐためにバッフル板が必要となる場合もある。
放射率に関する7.1の注意点は,このバッフル板にも適用する。
試験体を水平な状態にした測定では,自然対流による循環で,十分に温度の均一性及び要求される表面
熱伝達率を得ることができる。自然対流によって循環がある場合は,試験体とバッフル板との距離は表面
境界層よりも大きくするか,又はバッフル板は使用しない。自然対流によって,必要な条件が得られない
場合,循環用ファンを取り付ける。このとき,ファンのモータを加熱箱内に設置する場合には,その消費
電力を測定し,ヒータの消費電力に加える。もし,ファンだけを加熱箱内に設置する場合,ファン軸の消
費電力を決定し,ヒータ電力に加える。このとき,試験体通過熱量測定における誤差が0.5%以下になるよ
うにする。

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7.3 保護熱箱 保護熱箱法では,加熱箱は保護熱箱の中に設置される。この保護熱箱を用いる目的は,
び \ 加熱箱周囲の空気温度及び表面熱伝達率を調節することにある。
予想される最大厚さ及び熱抵抗をもつ均質な試験体を測定する場合に,周囲からの損失熱量
発生する熱量の誤差が,試験体通過熱量 下となるように,加熱箱の寸法,保護熱箱の寸法及
び周囲断熱材の仕様を決める。この誤差を求める手順は,JIS A 1412-1に従う。
放射率,ヒータのシールド及び温度安定性に関する要求事項は,加熱箱と同様である。温度の不均衡に
よって生じる熱量の誤差が,試験体通過熱量の0.5%以下となるように,温度を均一にする。
箱内に空気が滞留しないように,循環用ファンを設置する。
7.4 試験体枠 校正熱箱法の場合,試験体枠は, \ 要となり,測定精度を左右す
る。試験体枠には,試験体を支えるための強度と断熱性という相反する性能が要求されるが,少なくとも,
試験体と接する面は熱を伝えにくい材料で仕上げることが必要である。
通常,保護熱箱法では,試験体枠は用いず,周囲断熱材によって \ 試験体枠を用いる
場合は,7.3に従って \
7.5 冷却チャンバ 冷却チャンバの寸法は,図1,図2,図4及び図5に示すように,校正熱箱法の場合
は加熱箱寸法に,保護熱箱法の場合は保護熱箱の寸法によって決まる。
チャンバは,冷凍機の負荷を少なくし,結露を起こさない構造とする。チャンバの内側表面は,要求さ
れる放射伝熱が得られるような放射率に仕上げる。放射率,ヒータのシールド及び温度安定性に関する要
求事項は,加熱箱と同様である。
冷却側空気温度を精度良く制御するために,電気ヒータを用いるのが一般的である。一様な空気温度分
布を得るために,加熱箱の項で述べたようなバッフル板を用いてもよい。原則として,気流方向は,自然
対流と同様とする。モータ,ファン,冷却器及びヒータは放射遮断用シールドを取り付ける。
試験時に必要な表面熱伝達率を得るために,気流速度は可変とし,そのときの気流を測定する。建築構
成材に対する自然条件を考慮して,気流の速度範囲は,0.1m/s10m/sとする。
8. 温度測定 一般には,加熱箱内空気温度及び試験体表面温度を測定するためのセンサは,伝熱面積内
で等間隔で,かつ,加熱側と冷却側の同じ位置に設置する。
平均放射温度Trを計算するために,試験体に相対する装置壁面の表面温度を測定する。
空気温度及び表面温度測定用のセンサは,1m2当たり2本以上とし,かつ,各測定面ごとに9本以上と
する。ただし,温度分布を測定するのに,他に適切な方法があれば,この限りではない。
試験体両側の空気温度差及び表面温度差,更に加熱箱内外表面温度差は,精度をあげるためにサーモパ
イルによる測定を行ってもよい。
8.1 試験体表面温度測定 試験体表面温度を測定するためのセンサは,測定点の温度に変化を与えない
ものを選ぶ。
このため,熱電対を用いる場合は,線径は0.25mm以下のものを用い,表面の等温線に沿って100mm以
上はわせる。このとき,熱電対を表面に固定する材料として,試験体表面と同程度の放射率をもつ接着剤
又はテープを用いる。
表面熱伝達率は,可能な限り実際の使用条件に合わせる。表面熱伝達率は,均質な試験体を,類似した
条件で測定することによって得られるが,この結果をすべての場合に当てはめるには,特に注意が必要で
ある。
不均質な試験体の場合,前述したセンサの数では正確な表面平均温度の測定は難しい。不均一性がさほ

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ど激しくない場合,表面温度が変わると予想される部分にセンサを追加する。各部分の表面平均温度を,
各部分の面積の割合によって加重平均して,試験体の表面平均温度とする。
不均一性が激しい場合,すなわち,不均一による表面温度の差が,試験体両表面の平均表面温度差の20%
を超えた場合,表面平均温度は測定できない。したがって,熱抵抗Rを測定することはできず,試験体両
側の環境温度差から熱貫流率Uだけを測定する。
8.2 空気温度測定 空気温度は,適当な時間間隔で測定を行う。空気温度測定センサには,放射熱を遮
断するためのシールドを行うが,シールドの有無によって温度測定精度に影響を与えないことが確認され
た場合は,この限りではない。
自然対流の場合,温度センサは表面境界層の外側に設置するが,通常,境界層の厚さは数cmである。
乱流の場合,境界層厚さは0.1m以上である。
強制対流では,試験体とバッフル板の間は乱流となる。センサは,平均的な空気温度が測定できる位置
に設置する。
8.3 サーモパイル サーモパイルは,加熱箱周壁の熱流 視するために用いる。周壁全面で熱流密
度が均一であると考えられる場合,8.1と同様な方法で,0.25m2に一組以上の接点を設ける。熱流密度が
ヒータ,ファンなどの放射伝熱によって影響を受けるなら,必要な精度を得るために接点の数を増やす。
同様に,測定部と保護部にまたがる試験体表面には, 視するためのサーモパイルを設ける。接点
の数は,測定部の周長0.5m当たり一組以上とする。
加熱箱の先端に近い部分では先端の影響によって,表面温度が不均一になり,逆に先端から遠い位置で
は, 湟 P 体表面温度は不均一になる。さらに,局所的な表面熱伝達率の不均一のために影響を
受ける。以上を考慮して サーモパイルの位置を決めなければならない。また,このサーモパイルの出
力がこれらの不均一性によって影響を受けることに注意する。
8.4 加熱箱及び冷却チャンバ内側表面温度 加熱箱及び冷却チャンバ内側の表面温度は,8.1と同様な方
法で測定する。
8.5 温度制御 定常状態において,加熱箱,保護熱箱及び冷却チャンバ内の空気温度の変動は,連続し
た2回の測定期間で試験体両側の空気温度差の1%以内とする。また,保護熱箱内の空気温度は,
の0.5%を超えないように制御する。
8.6 計測装置 温度差は,試験体両側の空気温度差の±1%の精度で測定する。測定装置は,0.05K以上
の精度をもつものとする。絶対温度は,試験体両側の空気温度差の±5%の精度で測定する。
サーモパイルの出力,ヒータ及びファンへの印加電力などの測定は,試験体通過熱量 歛地
1.5%以上の誤差を与えないようにする。
9. 性能評価及び校正
9.1 初期性能チェック 装置完成後,設計要件をすべて満足しているかを確認するための初期性能チェ
ックを行う。チェックには,実際に試験を行う熱抵抗の範囲にわたる断熱性をもつ均質な試験体を用いる。
初期チェックは,温度分布及び安定性,気流速度,加熱側及び冷却側表面熱伝達率,不均衡及び周囲環
境が精度に与える影響について行う。
9.2 補足測定 試験体及び装置のある部分での局部的な熱流は,熱流計での測定によって行うことがで
きる。装置に用いる材料の熱伝導率は,JIS A 1412-1(保護熱板法)又はそれと同等以上の精度をもつ方法
によって測定する。
試験体に熱橋,漏気がある場合には,最適な表面温度測定位置を決めるために,赤外線カメラを用いて

――――― [JIS A 1420 pdf 10] ―――――

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JIS A 1420:1999の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 8990:1994(MOD)

JIS A 1420:1999の国際規格 ICS 分類一覧

JIS A 1420:1999の関連規格と引用規格一覧