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b) 水を入れた容器をかくはん(攪拌)する。かくはん方法は,容器を手動で円を描くように1分間かく
はんし,1分間静置する。この操作を合計3回繰り返す。
c) 水の温度20±3 ℃に制御した恒温室内に3日間静置した後,吸引ろ過する。吸引ろ過は,ろ紙又は
メンブレンフィルター(0.45 μm)を使用する。ろ紙を使用した場合は,測定直前で再度メンブレン
フィルター(0.45 μm)を使用してろ過を行う。
d) 吸引ろ過した溶液を全量フラスコで定容する。全量フラスコの容量は,1 000 mL又はそれ未満の容
積のものとする。1 000 mL以下の容積の全量フラスコを使用した場合は,希釈によって1 000 mLに
合わせる。この溶液を分析溶液とする。
e) aイオン標準液を用いて検量線を作成した後,分析装置を用いて分析溶液中のCaイオン量を測定す
る。
f) 測定は2回行い,その平均値を測定結果とする。測定結果は,四捨五入によって小数点以下2桁に丸
める。
D.5 計算
D.5.1 可溶性Ca含有率
試料中の可溶性Ca含有率(%)を次の式によって算出する。
圀 1
Ca 100
1 000
ここに, Ca : 可溶性Ca含有率(%)
X : 可溶性Ca量の測定値(mg/L)
W : はかりとった試料の質量(g)
D.5.2 生石灰含有率
試料中の生石灰含有率(%)を次の式によって算出する。
X 56.08 100 1
C 100
W 40.08 A 1 000
ここに, C : 生石灰含有率(%)
X : 可溶性Ca量の測定値(mg/L)
W : はかりとった試料の質量(g)
56.08/40.08 : CaO/Caの分子量比
A : 使用した生石灰のCa含有率(%)
――――― [JIS A 5031 pdf 26] ―――――
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附属書E
(規定)
溶融スラグ骨材の環境安全品質試験方法
E.1 概要
この附属書は,溶融スラグ骨材の環境安全品質試験方法について規定する。
E.2 試験の種類及び試験項目
試験項目は,形式試験及び受渡試験に応じて,表E.1の○で示す項目について行う。
表E.1−環境安全品質の試験項目
項目 形式試験 受渡試験
溶出量 含有量 溶出量 含有量
カドミウム ○ ○ ○ −
鉛 ○ ○ ○ ○
六価クロム ○ ○ ○ −
ひ素 ○ ○ ○ −
水銀 ○ ○ − −
セレン ○ ○ ○ −
ふっ素 ○ ○ ○ ○
ほう素 ○ ○ − −
E.3 試料の採取及び縮分
試料は,あらかじめ定めた採取場所及び採取方法に従って毎週1回試料採取を行い,これを1か月分ま
とめて混合したものをJIS A 1158によって縮分する。
E.4 環境安全形式試験
E.4.1 一般
形式試験として,溶出量試験及び含有量試験を実施する。
溶出量試験及び含有量試験のいずれの場合も,利用模擬試料又は溶融スラグ骨材試料のいずれかを選択
する。
利用模擬試料を選択した場合は,7.3.4に規定する受渡検査判定値を設定するため,利用模擬試料の調
製に用いたものと同一の製造ロットの溶融スラグ骨材を用いてE.5の受渡試験を実施する。
E.4.2 溶出量試験
E.4.2.1 試料の調製
試料の調製は,利用模擬試料による場合はa)に,溶融スラグ骨材による場合はb)による。
なお,利用模擬試料の調製は,溶融スラグ骨材の製造業者から委託を受けた,材料の試験を主たる事業
としている試験事業者が実施する。
a) 利用模擬試料による場合 利用模擬試料による場合は,次の手順に従って試料を調製する。
1) .3によって採取及び縮分した溶融スラグ骨材を用い,受渡当事者間の協議によって決定した配合
条件に従ってコンクリート成形体を作製する。成形体の大きさ及び個数は,E.4.2で必要な量の検
――――― [JIS A 5031 pdf 27] ―――――
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液が得られるように決定する。成形体の養生は水中とせず,封かん養生で行う。養生の期間は28
日以内とし,7日を標準とする。
注記1 実際の配合は利用条件によって異なるが,試験の効率化の観点から,当該JISごとに基
本となる配合条件を示すことが望ましい。
なお,溶融スラグ骨材の製造業者と利用者との双方の協議によって,配合条件を設定
することができる。
注記2 セメントなどの種類によっては,形式検査の結果に影響を与える可能性がある。そのよ
うな場合は,セメントなどの種類を考慮して試験を実施することが望ましい。
2) 1) で作製及び養生した成形体をハンマなどで粗く砕いた後,JIS Z 8801-1に規定する呼び寸法40
mmのふるいを用いて分級し,ふるい上に残ったものを更に砕いて,全量がふるいを通過するよう
にする。
3) 2) の試料をJIS Z 8801-1に規定する呼び寸法20 mm,5 mm及び2.5 mmのふるいを用いて分級す
る。
4) 3)で分級した試料から,それぞれの粒度が偏らないように分取し,表E.2に示す割合で混合する。
注記3 特定の粒度区分の試料が不足する場合は,より大きい粒度区分の試料を破砕して追加し
てもよい。
表E.2−溶出量試験に用いる利用模擬試料の粒度区分ごとの混合割合
単位 %
粒度区分a) 40 mm以上 4020 mm 205 mm 52.5 mm 2.5 mm以下 合計
質量分率 0 30±5 40±5 10±5 20±5 100
注a) ふるいの呼び寸法は,それぞれJIS Z 8801-1に規定するふるいの公称目開き37.5 mm,19 mm,
4.75 mm及び2.36 mmである。
5) 4) の試料から,粒度が偏らないように3 kg以上分取する。
b) 溶融スラグ骨材試料による場合 溶融スラグ骨材試料による場合は,6.1によって採取及び縮分した
溶融スラグ骨材を用い,JIS K 0058-1の5.3.2(試料の調製)によって調製する。
E.4.2.2 検液の調製及び分析
検液の調製及び分析は,次による。
なお,検液の調製及び分析は,溶融スラグ骨材の製造業者から委託を受けたJIS Q 17025又はJIS Q
17050-1及びJIS Q 17050-2に適合している試験事業者,又は環境計量証明登録事業者4)が実施する。
注4) 計量法に基づく計量証明の事業区分が“水又は土壌中の物質濃度に係る事業”の登録を受けた
者とする。
なお,この場合は,溶融スラグ骨材に関する事業は,水又は土壌中の物質の濃度に係る事業
ではないので計量証明書の発行はできず,分析結果報告書等の様式で発行されることとなる。
a) 試験装置 試験装置は,JIS K 0058-1の5.1(試験装置)による。
b) 試薬及び器具 試薬及び器具は,JIS K 0058-1の5.2(試薬及び器具)による。
c) 検液の調製 検液の調製は,JIS K 0058-1の5.4(検液の調製)による。
d) 検液の分析 検液の分析は,JIS K 0058-1の5.5(検液の分析)による。
――――― [JIS A 5031 pdf 28] ―――――
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E.4.3 含有量試験
E.4.3.1 試料の調製
試料の調製は,利用模擬試料による場合はa),溶融スラグ骨材試料による場合はb) による。
なお,利用模擬試料の調製は,溶融スラグ骨材の製造業者から委託を受けた,材料の試験を主たる事業
としている試験事業者が実施する。
a) 利用模擬試料による場合 利用模擬試料による場合は,E.4.2.1 a) 1)によって作製した成形体から300
g以上の試料片を採取し,次の手順に従って試料を調製する。
1) 試料片をハンマ,クラッシャーなどで粗く破砕する。
2) 1) の試料をJIS Z 8801-1に規定する呼び寸法2.0 mmのふるいを用いて分級し,ふるいに残った試
料を更に破砕し,全量がふるいを通過するようにする。
3) 2) の試料をJIS Z 8801-1に規定する呼び寸法0.6 mm及び0.15 mmのふるいを用いて分級する。
4) 3) で分級した試料を表E.3に示す割合で混合する。
注記1 特定の粒度区分の試料が不足する場合は,より大きい粒度区分の試料を破砕して追加し
てもよい。
表E.3−含有量試験に用いる利用模擬試料の粒度区分ごとの混合割合
単位 %
粒度区分a) 2.0 mm以上 2.00.6 mm 0.60.15 mm 0.15 mm以下 合計
質量分率 0 50±5 25±5 25±5 100
注a) ふるいの呼び寸法は,それぞれJIS Z 8801-1に規定するふるいの公称目開き2 mm,0.6 mm
及び0.15 mmである。
b) 溶融スラグ骨材試料による場合 溶融スラグ骨材試料による場合は,6.1によって採取及び縮分した
溶融スラグ骨材から300 g以上を用いて,次の手順に従って試料を調製する。
1) IS Z 8801-1に規定する呼び寸法2.0 mmのふるいを用いて分級する。
2) 1) のふるい上の試料をハンマ,クラッシャーなどで更に粉砕し,全量がJIS Z 8801-1に規定する
呼び寸法2.0 mmのふるいを通過するようにする。
3) 2) の試料をJIS Z 8801-1に規定する呼び寸法0.6 mm及び0.15 mmのふるいを用いて更に分級す
る。
4) 1) 及び3) の試料を表E.3に示す割合で混合する。
注記2 特定の粒度区分の試料が不足する場合は,より大きい粒度区分の試料を破砕して追加し
てもよい。大きい粒度区分の試料が不足する場合は,小さい粒度区分の試料で代用して
もよい。
E.4.3.2 検液の調製及び分析
検液の調製及び分析は,次による。
なお,検液の調製及び分析は,溶融スラグ骨材の製造業者から委託を受けたJIS Q 17025又はJIS Q
17050-1及びJIS Q 17050-2に適合している試験事業者,又は環境計量証明登録事業者4)が実施する。
注4) .4.2.2の注4)参照。
a) 試薬及び器具 試薬及び器具は,JIS K 0058-2の5.(試薬及び器具)による。
b) 検液の調製 検液の調製は,JIS K 0058-2の7.(検液の調製)による。
c) 検液の分析 検液の分析は,JIS K 0058-2の8.(検液の分析)による。
――――― [JIS A 5031 pdf 29] ―――――
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E.5 環境安全受渡試験
E.5.1 一般
受渡試験として,溶出量試験及び含有量試験を実施する。溶出量試験及び含有量試験のいずれの場合も,
溶融スラグ骨材試料を用いる。
なお,受渡試験は,溶融スラグ骨材の製造業者又は溶融スラグ骨材の製造事業者から委託を受けた試験
事業者が実施する。
E.5.2 溶出量試験
E.5.2.1 試料の調製
溶出量試験用試料の調製は,E.4.2.1 b)による。
E.5.2.2 検液の調製及び分析
検液の調製及び分析は,E.4.2.2のa) d)による。
E.5.3 含有量試験
E.5.3.1 試料の調製
含有量試験用試料の調製は,E.4.3.1 b)による。
E.5.3.2 検液の調製及び分析
検液の調製及び分析は,E.4.3.2のa) c)による。
参考文献
JIS A 5373 プレキャストプレストレストコンクリート製品
JIS A 5406 建築用コンクリートブロック
JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水
JIS P 3801 ろ紙(化学分析用)
――――― [JIS A 5031 pdf 30] ―――――
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JIS A 5031:2016の国際規格 ICS 分類一覧
- 91 : 建設材料及び建築物 > 91.100 : 建設材料 > 91.100.30 : コンクリート及びコンクリート製品
JIS A 5031:2016の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISA0203:2019
- コンクリート用語
- JISA1102:2014
- 骨材のふるい分け試験方法
- JISA1103:2014
- 骨材の微粒分量試験方法
- JISA1109:2020
- 細骨材の密度及び吸水率試験方法
- JISA1110:2020
- 粗骨材の密度及び吸水率試験方法
- JISA1122:2014
- 硫酸ナトリウムによる骨材の安定性試験方法
- JISA1145:2017
- 骨材のアルカリシリカ反応性試験方法(化学法)
- JISA1146:2017
- 骨材のアルカリシリカ反応性試験方法(モルタルバー法)
- JISA1158:2014
- 試験に用いる骨材の縮分方法
- JISA1158:2020
- 試験に用いる骨材の縮分方法
- JISA1804:2009
- コンクリート生産工程管理用試験方法―骨材のアルカリシリカ反応性試験方法(迅速法)
- JISA5005:2009
- コンクリート用砕石及び砕砂
- JISA5005:2020
- コンクリート用砕石及び砕砂
- JISA5011-2:2016
- コンクリート用スラグ骨材―第2部:フェロニッケルスラグ骨材
- JISA5011-3:2016
- コンクリート用スラグ骨材―第3部:銅スラグ骨材
- JISA5308:2019
- レディーミクストコンクリート
- JISA5371:2016
- プレキャスト無筋コンクリート製品
- JISA5372:2016
- プレキャスト鉄筋コンクリート製品
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0058-1:2005
- スラグ類の化学物質試験方法―第1部:溶出量試験方法
- JISK0058-2:2005
- スラグ類の化学物質試験方法―第2部:含有量試験方法
- JISK0115:2004
- 吸光光度分析通則
- JISK0115:2020
- 吸光光度分析通則
- JISK0119:2008
- 蛍光X線分析通則
- JISK0121:2006
- 原子吸光分析通則
- JISK8001:2017
- 試薬試験方法通則
- JISQ17025:2018
- 試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項
- JISQ17050-1:2005
- 適合性評価―供給者適合宣言―第1部:一般要求事項
- JISQ17050-2:2005
- 適合性評価―供給者適合宣言―第2部:支援文書
- JISR5201:2015
- セメントの物理試験方法
- JISZ8801-1:2019
- 試験用ふるい―第1部:金属製網ふるい