JIS A 5523:2021 溶接用熱間圧延鋼矢板 | ページ 3

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13 表示

  検査に合格した鋼矢板は,打込み開始時まで容易に消えない適切な方法で,鋼矢板ごとに次の項目を表
示しなければならない。ただし,注文者の承認を得た場合は,製品識別が可能な範囲で項目の一部を省略
してもよい。
a) 種類の記号
b) 溶鋼番号又は検査番号
c) 形状及び寸法(又は断面性能)を表す略号(受渡当事者間で合意された略号)
d) 長さ(メートルで表す。)
e) 製造業者名又はその略号

14 報告

  製造業者は,特に指定のない限り,検査文書を注文者に提出しなければならない。報告は,JIS G 0404
の箇条13(報告)による。ただし,注文時に特に指定がない場合,検査文書の種類は,JIS G 0415の5.1
(検査証明書3.1)による。
フリー窒素含有率に関する報告は,表2を満足していることを記載するか,又は表2の注b) に基づいて
実施したひずみ時効シャルピー衝撃試験結果が表5に規定している値を満足していることを記載すること
によって行う。全窒素含有率の値が表2の窒素の値を満足しているときは,フリー窒素含有率の代わりに,
全窒素含有率を報告してもよい。
なお,表2及び炭素当量の計算式に含まれる合金元素の含有率を報告しなければならない。また,表2
以外の化学成分を添加した場合は,その合金元素の含有率を報告しなければならない。

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附属書A
(規定)
鋼−窒化物型窒素定量方法
A.1 適用
この附属書は,フリー窒素含有率を求めるための,鋼材製品の窒化物型窒素の定量方法について規定す
る。ただし,窒化けい素は,この方法では窒化物型窒素として定量されない。
A.2 一般事項
定量方法に共通な一般事項は,JIS G 1201による。
A.3 要旨
試料のマトリックスである鉄を適切な方法で分解した後,残さをポリカーボネート製メンブランフィル
ターでろ過する。捕集した残さを硫酸及び硫酸カリウムで分解し,この溶液中の窒素をJIS G 1228の附属
書1,附属書2又は附属書3で定量する。
A.4 試薬
試薬は,次による。
A.4.1 硫酸
A.4.2 硫酸カリウム
A.4.3 メタノール
A.4.4 酢酸メチル
A.4.5 臭素−メタノール溶液
メタノール135 mLをメスシリンダーではかりとって三角フラスコ(300 mL)に移し入れる。臭素15 mL
をメスシリンダー又は円すい(錐)形液量計ではかりとって加え,かき混ぜる。この溶液は使用の直前に
調製する。
A.4.6 臭素−酢酸メチル溶液
酢酸メチル135 mLをメスシリンダーではかりとって三角フラスコ(300 mL)に移し入れる。臭素15 mL
をメスシリンダー又は円すい形液量計ではかりとって加え,かき混ぜる。この溶液は使用の直前に調製す
る。
A.4.7 よう素−メタノール溶液
よう素42 g 1) をはかりとってビーカー(300 mL)に移し入れる。メタノールを加えてかき混ぜ,全量を
300 mL 1) とする。この溶液は使用の直前に調製する。
注1) 使用量によって,はかりとり量及び全量をこの比で変えてもよい。
A.4.8 塩化テトラメチルアンモニウム(TMAC)−アセチルアセトン−メタノール電解液
TMAC([(CH3)4N]Cl)5 gをはかりで,アセチルアセトン50 mLをメスシリンダー又は円すい形液量計
でそれぞれはかりとってビーカー(500 mL)に移し入れる。メタノールを加えてかき混ぜ,全量を500 mL
とする。この溶液は使用の直前に調製する。

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A.5 操作
A.5.1 窒化物型窒素の分離
窒化物型窒素の分離は,次のいずれかによる。
a) よう素−メタノール法
1) 試料15 gを1 mgの桁まではかりとり,乾いた共通すり合わせ三角フラスコ(500 mL)に移し入
れ,試料1 gにつき50 mLのよう素−メタノール溶液(A.4.7)を加える。試料はかりとり量は,窒
化物型窒素の予想含有率から算出した窒素量が,適用するJIS G 1228の窒素の定量方法の適用範囲
内になるように決定する。乾いた共通すり合わせ蛇管冷却器を取り付け,水浴中で60 ℃に加温する。
加温中は,超音波装置又は磁気かくはん機を用いて溶液のかき混ぜを行う。分解中に沈殿を生じた
場合は,よう素−メタノール溶液(A.4.7)の量を増やす。母材の分解が終了したら,水浴からフラ
スコを取り出して冷却する。
2) ポリカーボネート製メンブランフィルター(47 mmφ,孔径0.2 μm)を用いて溶液を吸引ろ過し,
残さをフィルター上に捕集する。フィルターの着色が認められなくなるまでメタノールで洗浄する。
3) 吸引ろ過器からフィルターを取り外し,フィルターを室温で乾燥する。
b) 臭素−酢酸メチル法
1) 試料15 gを1 mgの桁まではかりとり,乾いた共通すり合わせ三角フラスコ(300 mL)に移し入
れ,臭素−酢酸メチル溶液(A.4.6)150 mLを加える。試料はかりとり量は,窒化物型窒素の予想
含有率から算出した窒素量が,適用するJIS G 1228の窒素の定量方法の適用範囲内になるように決
定する。乾いた共通すり合わせ蛇管冷却器を取り付け,室温で分解する。分解中は,超音波装置又
は磁気かくはん機を用いて溶液のかき混ぜを行う。
2) ポリカーボネート製メンブランフィルター(47 mmφ,孔径0.2 μm)を用いて溶液を吸引ろ過し,
残さをフィルター上に捕集する。フィルターの着色が認められなくなるまで酢酸メチルで洗浄する。
3) 吸引ろ過器からフィルターを取り外し,フィルターを室温で乾燥する。
c) 臭素−メタノール法
1) 試料15 gを1 mgの桁まではかりとり,乾いた共通すり合わせ三角フラスコ(300 mL)に移し入
れ,臭素−メタノール溶液(A.4.5)150 mLを加える。試料はかりとり量は,窒化物型窒素の予想
含有率から算出した窒素量が,適用するJIS G 1228の窒素の定量方法の適用範囲内になるように決
定する。共通すり合わせ蛇管冷却器を取り付け,室温で分解する。分解中は,超音波装置又は磁気
かくはん機を用いて溶液のかき混ぜを行う。
2) ポリカーボネート製メンブランフィルター(47 mmφ,孔径0.2 μm)を用いて溶液を吸引ろ過し,
残さをフィルター上に捕集する。フィルターの着色が認められなくなるまでメタノールで洗浄する。
3) 吸引ろ過器からフィルターを取り外し,フィルターを室温で乾燥する。
d) 定電位電解法
1) 適切な大きさのブロック状に切り出した試料の表面を研磨布紙(JIS R 6010の3. に規定する粒度の
種類P120P400)で研磨して,メタノール中で超音波洗浄し,乾燥した後,質量をはかる。
2) あらかじめTMAC−アセチルアセトン−メタノール電解液(A.4.8)500 mLを入れた電解槽内に,
試料を白金線でつるすか又は磁石を用いて固定して陽極とし,白金又は銅を陰極として定電位電解
装置を用いて所定の電位で電解して,母材を溶解する。母材の溶解量は,1 g程度とする2)。
注2) 100 mAで1時間電解した場合,約0.1 gが溶解する。
3) 電解が終了した後,試料を電解槽から取り出し,乾いたビーカー(200 mL)に入れ,試料が完全に

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浸るまでメタノールを加えて超音波洗浄し,付着している残さをふるい落とす。ポリカーボネート
製メンブランフィルター(47 mmφ,孔径0.2 μm)を用いて試料の洗浄液と電解液とを吸引ろ過し,
残さをフィルター上に捕集する。フィルターの着色が認められなくなるまでメタノールで洗浄する。
4) 吸引ろ過器からフィルターを取り外し,フィルターを室温で乾燥する。
5) 試料は,メタノールでよく洗浄し,乾燥した後,質量をはかり,1)で得た質量から減じて,試料の
溶解量とする。
A.5.2 残さの分解
A.5.1 a),A.5.1 b),A.5.1 c)又はA.5.1 d)で得た残さを,ポリカーボネート製メンブランフィルターごと
三角フラスコ(300 mL)に移し入れ,硫酸カリウム10 g及び硫酸20 mLを加える。穏やかに加熱して水
分を蒸発させた後,フラスコの口に漏斗を載せて加熱して,約1時間三酸化硫黄の白煙を発生させ,残さ
などを分解する。室温まで放冷した後,水100 mLを少量ずつ加え,しばらく煮沸して二酸化硫黄を除去
する。室温まで冷却する。
A.5.3 窒素の定量
A.5.2で得た溶液中の窒素定量方法は,次のいずれかによる。
a) アンモニア蒸留分離アミド硫酸滴定法 JIS G 1228の附属書1による。
b) アンモニア蒸留分離ビス(1-フェニル-3-メチル-5-ピラゾロン)吸光光度法 JIS G 1228の附属書2に
よる。
c) アンモニア蒸留分離インドフェノール青吸光光度法 JIS G 1228の附属書3による。

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JIS A 5523:2021の関連規格と引用規格一覧