JIS A 8202-3:2010 トンネル工事機械―安全―第3部:全断面トンネル掘進機(TBM)の要求事項 | ページ 2

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A 8202-3 : 2010
JIS A 8326 土工機械−運転座席−寸法及び要求事項
JIS A 8334 土工機械−取扱説明書−内容及び様式
JIS A 8340-1 土工機械−安全−第1部 : 一般要求事項
JIS A 8920 土工機械−落下物保護構造−台上試験及び性能要求事項
JIS B 8361 油圧システム通則
JIS B 8370 空気圧システム通則
JIS B 9700-1 機械類の安全性−設計のための基本概念,一般原則−第1部 : 基本用語,方法論
JIS B 9700-2 機械類の安全性−設計のための基本概念,一般原則−第2部 : 技術原則
JIS B 9703 機械類の安全性−非常停止−設計原則
JIS B 9706-1 機械類の安全性−表示,マーキング及び操作−第1部 : 視覚,聴覚及び触覚シグナルの
要求事項
JIS B 9706-2 機械類の安全性−表示,マーキング及び操作−第2部 : マーキングの要求事項
JIS B 9716 機械類の安全性−ガード−固定式及び可動式ガードの設計及び製作のための一般要求事

JIS B 9960-1 機械類の安全性−機械の電気装置−第1部 : 一般要求事項
JIS B 9960-11 機械類の安全性−機械の電気装置−第11部 : 交流1 000 V又は直流1 500 Vを超え36
kV以下の高電圧装置に対する要求事項
JIS C 0920 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
JIS C 3312 600 Vビニル絶縁ビニルキャブタイヤケーブル
JIS C 3327 600 Vゴムキャブタイヤケーブル
JIS C 3605 600 Vポリエチレンケーブル
JIS C 6802 レーザ製品の安全基準
JIS C 8201-1 低圧開閉装置及び制御装置−第1部 : 通則
JIS C 8480 キャビネット形分電盤
JIS C 60079-0 爆発性雰囲気で使用する電気機械器具−第0部 : 一般要件
JIS D 1201 自動車,及び農林用のトラクタ・機械装置−内装材料の燃焼性試験方法
JIS Z 9101 安全色及び安全標識−産業環境及び案内用安全標識のデザイン通則
IEC 60439-1:1985,Low-voltage switchgear and controlgear assemblies−Part 1: Type-tested and partially
type-tested assemblies
IEC 60439-3:2000,Low-voltage switchgear and controlgear assemblies−Part 3: Particular requirements for
low-voltage switchgear and controlgear assemblies intended to be installed in places where unskilled
persons have access for their use−Distribution boards
IEC 60439-4:1999,Low-voltage switchgear and controlgear assemblies−Part 4: Particular requirements for
assemblies for construction sites (ACS)

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
全断面トンネル掘進機,TBM
機械前面のカッタヘッドをトンネル切羽に押し付けながら回転させて,主として岩盤の掘削を行う全断

――――― [JIS A 8202-3 pdf 6] ―――――

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面トンネル掘進機で,グリッパ装置などによって主要な推進反力をとり,推進ジャッキによって前進し,
トンネルを掘削する機械。
注記 岩盤掘削の手段としては,カッタヘッドに装着した回転式のカッタを使用し,岩をはく(剥)
離破砕させる方式が一般的である。
3.1.1
オープン形TBM
掘削機全体を覆う防護殻をもたないTBM(図A.1参照)。ただし,地山からの崩落ずりなどから防護す
るために掘削機の一部に防護殻を装備する場合もある。
3.1.2
シールド形TBM
掘削機全体を覆う防護殻をもつTBM(図A.2参照)。
3.1.3
リーミング形TBM
所要の断面を得るために,掘削済みの先進導坑を切り広げることを目的とするTBM(図A.3参照)。
3.1.4
立坑掘削用TBM
立坑を掘削することを目的とするTBM(図A.4参照)。
3.2
後続設備
TBMの後方に位置し,TBMの運転制御機器,覆工作業設備,運転員及び作業員の作業並びに休息のた
めの補助設備などを備えた設備(図A.5参照)。
3.2.1
移動形後続設備
TBMの後方にけん引又は接続されて移動する後続設備。
3.2.2
定置形後続設備
トンネル坑内,発進立坑の内部又は底部,及び立坑付近の地上に定置して設置される後続設備。
3.3
覆工部材
掘削されたトンネル地山内面の被覆に用いる部材。TBMでは,円周分割された形鋼,円周分割されたラ
イナ,及びコンクリート製又は鋼製のセグメントのいずれかを示す。
注記 いずれの場合においても,分割された部材をTBM内又はTBM後部で順次組み立て,トンネル
全周の被覆を行うのが一般的である。ただし,下部にだけ部材を設置する場合もあり,その場
合はインバートライナ又はインバートセグメントという。
3.4
覆工組立装置
TBMにおいて,トンネル空間を防護する覆工部材の取付けのために用いられる装置。多くはエレクタと
称し,TBMに附属する場合又は後続設備の中に置かれる場合がある。
注記 覆工組立装置には,ウインチワイヤ及びレバーで覆工部材を移動する固定式,トンネル周方向
のどの位置にも覆工部材を直接旋回位置決めできる回転式などがある。

――――― [JIS A 8202-3 pdf 7] ―――――

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3.5
操作位置
運転員がTBM及び後続設備に関する一つ以上の機能を操作する,TBM及び後続設備上の位置。
3.6
運転員
TBM及び後続設備の運転操作を行う人。
3.7
歩行通路
TBM及び後続設備の中で,人が歩いたりはったりして移動するための空間。
3.8
作業区域
トンネル掘削作業,機械・設備の日常的な保全作業,必要に応じて修理作業を行うTBM及び後続設備
内の場所。
3.9
出入口
TBM及び後続設備内の作業区域に隣接する開口部で,作業員が作業区域へ出入りするためのもの。

4 重大な危険源のリスト

  TBM及び後続設備にかかわる重大な危険源のリストは,附属書Bによる。

5 安全要求事項・安全方策

5.1 一般

  TBM及びその後続設備は,この規格の安全要求事項及び安全方策に適合しなければならない。さらに,
リスクアセスメント(JIS B 9702参照)の結果,その機械に附属書Bに規定した重大な危険源のリストに
ない新たな危険源が存在する場合は,JIS B 9700-1及びJIS B 9700-2に従って設計しなければならない。
注記 重大な危険源とは,リスクアセスメントを設計者・製造業者が行ったときに,直接関連するも
のとして特定され,リスクを除去又は減らすために具体的な行動が求められる危険源をいう。

5.2 TBM及び後続設備の強度

  TBMは,機械の掘削時に受ける反力とともに,周辺地盤から受ける圧力及び掘削時に発生する振動に耐
えるように設計しなければならない。
移動形後続設備は,けん引力の大きさ及び方向によって変形を生じない強度で設計・製作しなければな
らない。
TBM及び後続設備を設計当初に想定した工事以外に使用する場合,製造業者は,当該TBM及び後続設
備がその工事の諸条件を満足するかどうかを使用者が判断するのに必要な,TBM及び後続設備の構造設計
に関する情報(例えば,工事条件に関連する設計計算書,使用する上で必要な機械図面など)を,取扱説
明書に記載するか,又は,機械の寿命期間若しくは最低10年間のいずれか短い期間にわたり,使用者に提
供しなければならない。

5.3 けん引設備の連結

  TBMと移動形後続設備との間及び移動形後続設備相互間のけん引設備は,すべての移動形後続設備のけ
ん引に必要なけん引力に,次の安全係数を考慮した力に耐えるように設計・製造しなければならない。

――――― [JIS A 8202-3 pdf 8] ―――――

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− チェーン接続の場合 破断荷重に対し 4
− けん引棒などの場合 降伏荷重に対し 2
− ワイヤ接続の場合 降伏荷重に対し 5
けん引力の計算における摩擦係数μには,次の値を用いる。
− 車輪式台車でレール上を走行する場合 μ = 0.2
− 車輪式台車でレール以外の面を走行する場合 μ = 0.3
− そり式台車の場合 μ = 0.8
TBMと移動形後続設備との間及び移動形後続設備相互間のけん引荷重を,ジャッキ油圧,ひずみゲージ
などで監視し,過荷重を警告する装置を備えなければならない。荷重が設計荷重を25 %以上上回った場合,
けん引動作を自動的に停止しなければならない。
こう配が25 %以上の傾斜のあるトンネル内及び斜坑においては,最大けん引力で設計された二つの独立
したけん引連結設備を連結部に装備しなければならない。

5.4 ローリング

  TBMは,ローリングが発生した場合に,機械の機能面及び使用上の安全面で許容できる範囲の位置に戻
すために,ローリング修正ジャッキ装置などの有効なローリング修正手段を備えなければならない。
回転するカッタヘッドを装備したTBMには,それが切羽に捕そく(捉)され,TBMに急激なローリン
グが起きたときに,駆動モータの回転を自動的に停止する防護装置を設けなければならない。

5.5 移動形後続設備の安定性

  移動形後続設備のけん引位置及びけん引方向によって,坑内で後続設備の横すべり又は転倒が生じない
ように設計しなければならない。曲線施工が含まれる工事に使用される移動形後続設備には,必要に応じ
てこれら不安定現象の発生を防止する装置を装備しなければならない。

5.6 グリッパ装置

  グリッパ装置は,TBMが後方へ滑る,又は回転することがないように,グリッパの油圧が一定圧力以上
に達しなければ,カッタヘッドの回転及び推進を開始できず,また,掘削中にグリッパの油圧が一定値以
下に低下した場合は,カッタヘッドの回転及び推進を自動的に停止する機能をもたなければならない。さ
らに,25 %以上のこう配又は立坑においては,受渡当事者間の協定によって,グリッパ張直し時又はグリ
ッパ損傷時に,TBM及び後続設備が滑落しないよう,使用者が施工面で覆工部材などによって滑落防止処
置を施すか,又は外部動力を用いない油圧ジャッキ,ばねなどの滑落防止設備を設けなければならない。
また,この滑落防止設備は,グリッパ圧力低下時においても自動的に働かなければならない。
なお,この滑落防止設備は,TBMのトンネル方向自重の1.25倍以上の荷重を保持できなければならな
い。

5.7 材料

  機械に用いる材料は,使用時に人の健康及び安全に対するリスクを軽減するように選定する。特に火災
時に大量の有毒ガスを発生しないものを用いる。

5.8 操作位置及び作業区域への出入り

5.8.1  アクセス
製造業者は,作業員がすべての作業区域に安全に出入りできるように階段,はしご,歩行通路などを設
けなければならない。作業員が動き回ったり,立ち入ったりできる区域は,転落,押しつぶしなどのリス
クを最小にするように設計・製造しなければならない。
坑内搬送装置(坑内列車など)との間で資材の受渡しが生じる作業区域は,特に作業員が安全に出入り

――――― [JIS A 8202-3 pdf 9] ―――――

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できるように設計・製造しなければならない。また,取扱説明書には,設計時に想定した坑内搬送装置の
詳細寸法を記載する。
5.8.2 歩行通路
トンネル坑内及び後続設備上の歩行通路は,最低でも高さは700 mm以上,幅は450 mm以上の身体が
通過できる長方形開口とし,その開口部面積は,0.5 m2以上あることが望ましい。これらの寸法の適用例
を図1に示す。
歩行通路内の踏み面の幅は,300 mm以上あることが望ましい。幅が300 mm未満の箇所には,手すり及
びつま先板を設ける。歩行通路は,出入口及び資材又は装置の貯蔵区域によって妨害されてはならない。
資材の仮置きなどによって一時的に通路妨害が発生する場合は,妨害を発生させる作業員が,妨害物に対
するガード及び警告表示を設置しなければならない。
歩行通路の上下方向及び左右方向への進路変更は,できるだけ避けるのがよい。傾斜路又は階段が必要
な場合は,少なくとも歩行通路の片側に手すり又はにぎりを設けなければならない。
機械が小さく,階段又ははしごを備えるまでもない場合でも,手すり,踏み板,防滑表面及び安全さく
(柵)の固定点を設ける(JIS A 8302参照)。
単位 mm
開口部 : ハッチング領域
高さ700 mm以上,幅450 mm以上で,かつ,
断面積としては,0.5 m2以上あることが望ましい。
a) 坑内全断面通路
b) 後続設備との併設通路 c) 後続設備上の通路
図1−歩行通路の例
5.8.3 出入口
隔壁に設ける切羽部への出入口は,断面の最小寸法が400 mmで,かつ,断面積が0.2 m2以上の身体が

――――― [JIS A 8202-3 pdf 10] ―――――

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JIS A 8202-3:2010の国際規格 ICS 分類一覧

JIS A 8202-3:2010の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISA8307:2006
土工機械―ガード―定義及び要求事項
JISA8310-1:2019
土工機械―操縦装置及び表示用図記号―第1部:共通図記号
JISA8310-2:2019
土工機械―操縦装置及び表示用図記号―第2部:特定機種,作業装置及び附属品図記号
JISA8312:1996
土工機械―安全標識及び危険表示図記号―通則
JISA8312:2021
土工機械―機械安全ラベル―通則
JISA8315:2010
土工機械―運転員の身体寸法及び運転員周囲の最小空間
JISA8316:2010
土工機械―電磁両立性(EMC)
JISA8323:2001
土工機械―運転席及び整備領域―端部の丸み
JISA8326:2003
土工機械―運転座席―寸法及び要求事項
JISA8334:2006
土工機械―取扱説明書―内容及び様式
JISA8340-1:2011
土工機械―安全―第1部:一般要求事項
JISA8920:2009
土工機械―落下物保護構造―台上試験及び性能要求事項
JISB8361:2013
油圧―システム及びその機器の一般規則及び安全要求事項
JISB8370:2013
空気圧―システム及びその機器の一般規則及び安全要求事項
JISB9700-1:2004
機械類の安全性―設計のための基本概念,一般原則―第1部:基本用語,方法論
JISB9700-2:2004
機械類の安全性―設計のための基本概念,一般原則―第2部:技術原則
JISB9703:2019
機械類の安全性―非常停止機能―設計原則
JISB9706-1:2009
機械類の安全性―表示,マーキング及び操作―第1部:視覚,聴覚及び触覚シグナルの要求事項
JISB9706-2:2009
機械類の安全性―表示,マーキング及び操作―第2部:マーキングの要求事項
JISB9716:2019
機械類の安全性―ガード―固定式及び可動式ガードの設計及び製作のための一般要求事項
JISB9960-1:2019
機械類の安全性―機械の電気装置―第1部:一般要求事項
JISB9960-11:2004
機械類の安全性―機械の電気装置―第11部:交流1000V又は直流1500Vを超え36kV以下の高電圧装置に対する要求事項
JISC0920:2003
電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
JISC3312:2000
600Vビニル絶縁ビニルキャブタイヤケーブル
JISC3327:2000
600Vゴムキャブタイヤケーブル
JISC3605:2002
600Vポリエチレンケーブル
JISC60079-0:2010
爆発性雰囲気―第0部:電気機器―一般要件
JISC6802:2014
レーザ製品の安全基準
JISC8201-1:2020
低圧開閉装置及び制御装置―第1部:通則
JISC8480:2016
キャビネット形分電盤
JISD1201:1998
自動車,及び農林用のトラクタ・機械装置―内装材料の燃焼性試験方法
JISZ9101:2018
図記号―安全色及び安全標識―安全標識及び安全マーキングのデザイン通則