JIS A 8507:2002 建設用回転圧縮機の仕様書様式及び性能試験方法 | ページ 3

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5.4 気温及び湿度 気温及び湿度は,機械から発生する熱の影響を受けない場所で測定する。気温は温
度計を,湿度は乾湿温度計を用い,湿度についてはJIS Z 8806に規定する方法によって測定する。
5.5 回転速度 回転速度は,回転速度計又は電子式カウンタを用いて測定する。測定結果の正確さは,
測定対象の1%以内とする。
5.6 騒音 騒音は,JIS C 1505に規定する精密騒音計を用い,附属書2に規定する方法によって測定す
る。
6. 定格負荷試験 定格負荷試験は,定格負荷状態において各部の圧力及び温度が安定してから連続30
分間運転させ,次の事項について測定し,附属書1付表1に記入する。
a) 試験開始前及び終了後に測定する事項 大気圧,気温及び湿度。
b) 試験中に測定する事項 附属書1付表1に示す圧力・温度,空気量,エンジン回転速度及び燃料消費
量。
7. 減負荷試験 減負荷試験は,7.1に示す各負荷状態において運転状態が安定してから連続20分間運転
させ,7.2及び7.3の事項について測定して,附属書1付表1に記入する。
7.1 一般 次による負荷状態とする。
a) 減負荷状態 運転可能な最低吐出し圧力を含む2種類以上の圧力について行う。
b) 定格負荷状態
7.2 試験開始前及び終了後に測定する事項 大気圧,気温及び湿度。
7.3 各負荷状態ごとに試験中に測定する事項 附属書1付表1に示す圧力・温度,空気量,エンジン回
転速度及び燃料消費量。
8. アンローダ試験 アンローダ試験は,定格吐出し圧力付近でアンローダを3回以上作動させ,アンロ
ーダ作動圧力及びエンジン回転速度について測定し,附属書1付表1に記入する。
9. 安全弁作動試験 安全弁作動試験は,仕切弁を全閉にして圧縮機を運転し,吐出し圧力を最高使用圧
力に調整して安全弁を2回以上作動させ,吹出し圧力,閉止圧力及び作動状態について測定し,附属書1
付表1に記入する。
安全弁の性能は,最高使用圧力10%の範囲で確実に作動するものでなければならない。

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附属書1付表1 建設用回転圧縮機試験成績表

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附属書1付表1 建設用回転圧縮機試験成績表(続き)
注(1) 測定時の回転速度が定格回転速度と異なる場合は、定格エンジン回転速度に換算する。

――――― [JIS A 8507 pdf 13] ―――――

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附属書2(規定) 回転圧縮機の発生する周囲騒音の測定
序文 この附属書2は,一般的な騒音源の音響パワーレベル測定方法を規定したJIS Z 8733に基づいて,
回転圧縮機の定置状態での騒音測定の条件を定めた日本工業規格(日本産業規格)の附属書である。

1. 適用範囲

 この附属書2は,回転圧縮機が,定格回転定格負荷条件の下で運転しているときの,機械
が発生する周囲騒音を,A特性音響パワーレベルに換算して測定する方法を規定する。この附属書2は,
回転圧縮機(本体図1参照。)に適用する。
2. 定義 この附属書2で用いる主な用語の定義は,JIS Z 8733及び次による。
a) 等価騒音レベル (equivalent continuous A-weighted sound pressure level) pAeq,T 騒音レベルが時間とと
もに変化する場合,測定時間内でこれらと等しい平均二乗音圧を与える連続定常音の騒音レベル。
参考 JIS C 1505に規定する,A特性で重み付けられた音圧をpA,基準音圧をp0 (20 愀 測定時間
をT=t2−t1とすれば,等価騒音レベルLpAeq,Tは,
1 p2A tT
LpAeq,T=10 log dt dB
T 0 p20
b) 特性音響パワーレベル (A-weighted sound power level) WA 測定対象とする全音響パワーと基準の
音響パワーとの比の常用対数の10倍で,A特性で重み付けられたもの,基準の音響パワーは,1pW。
参考 測定場所 (test site) 測定を行う場所全体で,測定面の半径の3倍に至るまでの間とするのが
よい。
参考 測定面 (measurement surface) 音源を包み込む面積Sの仮想的な表面で,測定点を配置したも
の。この規格では半球測定面を用いる。
参考 測定面の地上への投影面 (test area) 測定面の半球の地表面への投影を示す。
3. 測定機器 騒音測定機器は,6.1に定める測定を行う能力をもつものでなければならない。積分平均型
の精密騒音計は,JIS C 1505に対する要求を満足するものでなければならない。これ以外の騒音測定機器
の場合も,マイクロホン及びケーブルを含めJIS C 1505に対する要求を満足するものでなければならない。
マイクロホン及び接続ケーブルは,測定中の温度範囲で顕著な感度変化を生じないものを選定する。
4. 試験環境
4.1 一般 JIS Z 8733の4.2(試験環境の適正基準)及びJIS Z 8733の附属書Aの要求事項を満足する平
たんな屋外空間を使用する。
4.2 測定場所 試験環境は,音源の中心から,測定半球面の半径の3倍に等しい距離の内側に音を反射
する物体がないものとする。反射面はアスファルト又はコンクリートのような硬く平たんな地表面からな
り,測定面の地上への投影面をカバーしていなければならない。
やむを得ず理想的な条件から逸脱した試験環境で試験を行う場合は,JIS Z 8733の附属書Aによって環
境補正値を求め音響パワーレベルの計算に用いる。

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4.3 暗騒音 複数のマイクロホン位置上でパワー平均した暗騒音のレベルは,測定されるべき音圧レベ
ルよりも,少なくとも6dBは低くなければならない。可能ならば15dB以上低いことが望ましい。暗騒音
の音圧レベルと音源の騒音のそれとの差が6dB以上のときは,JIS Z 8733の8.3(暗騒音に対する補正)
によって暗騒音補正値を求めて音響パワーレベルの計算に用いる。
5. 測定機器 JIS Z 8733の5.(測定器)による。
6. 機械の設置及び運転条件
6.1 機械の設置 建設用回転圧縮機は,本体の図1に示す機械の騒音測定用基準寸法Lsの中点を,附属
書2図1のC点と一致させ,機械の前方をB点に向けて前後方向の中心線をX軸と一致させる。
6.2 機械の運転条件 建設用回転圧縮機は,定格回転定格負荷状態とする。
運転中の空気吐出し音は,測定対象音に含めない。このため,吐出し音の大きさが,機械が発生する音
より15dB以上低くなるように,吐出し空気は十分な長さの配管により測定点から遠ざけて,吐出し口に
はサイレンサーを取り付ける。
7. 音圧レベルの測定
7.1 測定面の寸法 測定面は半球測定面を用いる。半球の半径は,本体の図1に示す機械の騒音測定用
基準寸法Lsによって定める。この基準寸法Lsは,タイヤなどを含む機械本体の全長とするが,けん引棒は
含まない。
騒音測定用基準寸法Lsと測定半球面の半径との関係は,次のとおりとする。
− 基準寸法Lsが1.5m未満の場合は,4mとする。
− 基準寸法Lsが1.5m以上,4m未満の場合は,10mとする。
− 基準寸法Lsが4m以上の場合は,16mとする。
7.2 測定面上のマイクロホン位置 マイクロホンは,附属書2図1に示す座標寸法に配置する6か所と
する。

――――― [JIS A 8507 pdf 15] ―――――

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