JIS A 9501:2019 保温保冷工事施工標準 | ページ 14

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A 9501 : 2019
図59−円形ダクトの施工例 (3) 屋内隠蔽部(きっ甲金網仕上げの場合)
図60−円形ダクトの施工例 (4) 屋内隠蔽部(テープ仕上げの場合)
図61−円形ダクトの施工例 (5) 水ぬれの懸念のある箇所

――――― [JIS A 9501 pdf 66] ―――――

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A 9501 : 2019
附属書A
(参考)
配管輸送流体の温度変化を設計条件とする場合の保温厚さの計算
A.1 一般
配管内を流れる流体(液体,気体)の温度変化を求めるには,この附属書の計算式を使用するのがよい。
また,計算に使用する熱伝導率(λim)1) は,保温材の種類及び温度範囲をもとに表2表4の熱伝導率算
出参考式などを使用するのがよい。計算に使用する温度は流体の入口温度を使用すると安全側となる。
注1) 輸送流体は連続的に温度が変化するので,平均熱伝導率の算定は困難である。このような場合
は,安全を考慮し設計条件下で最も大きい熱伝導率値から算出するのがよい。
A.2 一般式
a) 輸送流体の温度降下は,式(A.1)及び式(A.2)から求める。
fm a im a
e al
(A.1)
6.3 Ul
a (A.2)
m Cp
b) 管の熱通過率(Ul)は,式(A.3)を使用するのがよい。一般に,流体の入口部周辺と出口部周辺とでは,
表面熱伝達率が異なることから,安全側として表面熱伝達率を考慮していない場合の算出を示す。
2 im
Ul (A.3)
De
ln
Di
1
RTl Rl
Ul
c) 式(A.1),式(A.2)及び式(A.3)から式(A.4)が導かれ,熱抵抗(RTl)を式(A.4)によって求める。
6.3 l
RTl (A.4)
im a
m Cp ln
fm a
d) 保温厚さ(d)を式(A.5)及び式(A.6)から求める。
De 2 π im 6.3 l
ln (A.5)
Di im a
m Cp ln
fm a
2 π im 6.3 l
De Di exp (A.6)
im a
m Cp ln
fm a
DeDi
d
2

――――― [JIS A 9501 pdf 67] ―――――

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A 9501 : 2019
ここに, θim : 流体の入口温度(℃)
θfm : 流体の出口温度(℃)
θa : 周囲温度(℃)
Cp : 流体の定圧比熱[kJ/(kg・K)]
m' : 流量(kg/h)
l : 管の長さ(m)
Ul : 管の場合の熱通過率[W/(m・K)]
RTl : 管の場合の全体の熱抵抗(m・K/W)
Rl : 管の場合の保温材の熱抵抗(m・K/W)
d : 保温の厚さ(m)
λim : θim時の使用保温材の熱伝導率[W/(m・K)]

――――― [JIS A 9501 pdf 68] ―――――

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A 9501 : 2019
附属書B
(参考)
静止流体の時間に対する温度変化及び保温厚さの計算
B.1 一般
内部流体が周囲温度より高い状態で,配管・機器・容器内への流体(以下,内容物という。)の出入りを
なくし,内容物が独立静止した場合(熱対流は除く),時間と共に温度は降下する。この附属書では,この
現象の温度変化,内容物停止時間及び保温材の厚さを求める計算について示す。
B.2 平面の場合
B.2.1 内容物の比熱だけで計算する場合
内容物の初期温度から定められた温度変化の設計値までの温度変化に要する時間(tv)は,式(B.1)及び
式(B.2)によって求める。
ci a
ci a m Cp ln
cf a
tv (B.1)
q 6.3 A
ci a
q (B.2)
d 1
ci hse
ここに, θci : 内容物の初期温度(℃)
θcf : 内容物のtv時間後の温度(℃)
θa : 周囲温度(℃)
q : 平面の場合の放散熱量(W/m2)
A : 機器,容器の表面積(m2)
tv : 内容物の温度変化に要する時間(h)
m : 内容物の質量(kg)
Cp : 流体の定圧比熱[kJ/(kg・K)]
λci : θci時の使用保温材の熱伝導率[W/(m・K)]
hse : 表面熱伝達率[W/(m2・K)]
d : 保温厚さ又は保冷厚さ(m)
B.2.2 機器,容器の比熱も含む場合の計算
温度変化計算は,内容物の熱容量だけで機器,容器の熱容量は計算に入っていない。小さな機器,容器
に対しては,式(B.1)に式(B.4)と類似の項(機器,容器の熱容量)を加えた式(B.3)となる。
ci a
ci a m Cp mv Cpv ln
cf a
tv (B.3)
q 6.3 A
ここに, Cpv : 機器,容器の定圧比熱[kJ/(kg・K)]
mv : 機器,容器の質量(kg)
B.3 管(配管)
与えられた温度に対する配管の温度変化に要する時間は,B.2.2と同様に配管の比熱を考慮して計算する
のがよい。これを式(B.4)及び式(B.5)に示す。

――――― [JIS A 9501 pdf 69] ―――――

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A 9501 : 2019
pi a
pi a m Cp mp Cpp ln
pf a
tl (B.4)
ql 6.3 l
pi a
ql (B.5)
De
ln
Di 1
2 π pi hse π De
ここに, θpi : 管内物の初期温度(℃)
θpf : 管内物のtl時間後の温度(℃)
θa : 周囲温度(℃)
ql : 管の場合の放散熱量(W/m)
l : 管の長さ(m)
tl : 管内物の温度変化に要する時間(h)
m : 内容物の質量(kg)
mp : 管の質量(kg)
Cp : 流体の定圧比熱[kJ/(kg・K)]
Cpp : 管の定圧比熱[kJ/(kg・K)]
λpi : θpi時の使用保温材の熱伝導率[W/(m・K)]
hse : 表面熱伝達率[W/(m2・K)]
Di : 保温材又は保冷材の内径(m)
De : 保温材又は保冷材の外径(m)

――――― [JIS A 9501 pdf 70] ―――――

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JIS A 9501:2019の国際規格 ICS 分類一覧

JIS A 9501:2019の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISA0202:2008
断熱用語
JISA1322:1966
建築用薄物材料の難燃性試験方法
JISA1412-2:1999
熱絶縁材の熱抵抗及び熱伝導率の測定方法―第2部:熱流計法(HFM法)
JISA5538:2003
壁・天井ボード用接着剤
JISA5547:2003
発泡プラスチック保温板用接着剤
JISA5549:2003
造作用接着剤
JISA5556:2012
工業用ステープル
JISA5556:2021
工業用ステープル
JISA5758:2016
建築用シーリング材
JISA9504:2017
人造鉱物繊維保温材
JISA9510:2016
無機多孔質保温材
JISA9511:2017
発泡プラスチック保温材
JISB0147:2004
ブラインドリベット―用語及び定義
JISB1122:1960
ボルト・ナット検査
JISB1122:2015
十字穴付きタッピンねじ
JISB1123:1952
リベット検査
JISB1123:2015
六角タッピンねじ
JISB1126:2015
つば付き六角タッピンねじ
JISB1181:2014
六角ナット
JISB7414:2018
ガラス製温度計
JISC1602:2015
熱電対
JISC2336:2012
電気絶縁用ポリ塩化ビニル粘着テープ
JISG3302:2019
溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
JISG3312:2019
塗装溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
JISG3313:2015
電気亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
JISG3313:2021
電気亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
JISG3314:2019
溶融アルミニウムめっき鋼板及び鋼帯
JISG3316:2019
鋼板製波板の形状及び寸法
JISG3317:2019
溶融亜鉛―5%アルミニウム合金めっき鋼板及び鋼帯
JISG3318:2019
塗装溶融亜鉛―5%アルミニウム合金めっき鋼板及び鋼帯
JISG3321:2019
溶融55%アルミニウム―亜鉛合金めっき鋼板及び鋼帯
JISG3322:2019
塗装溶融55%アルミニウム―亜鉛合金めっき鋼板及び鋼帯
JISG3350:2017
一般構造用軽量形鋼
JISG3350:2021
一般構造用軽量形鋼
JISG3352:2014
デッキプレート
JISG3547:2015
亜鉛めっき鉄線
JISG3551:2005
溶接金網及び鉄筋格子
JISG3551:2021
溶接金網及び鉄筋格子
JISG3553:2002
クリンプ金網
JISG3554:2002
きっ甲金網
JISG4305:2012
冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
JISG4305:2021
冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
JISG4309:2013
ステンレス鋼線
JISH4000:2014
アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
JISH4001:2006
アルミニウム及びアルミニウム合金の焼付け塗装板及び条
JISH4160:1994
アルミニウム及びアルミニウム合金はく
JISK6804:2003
酢酸ビニル樹脂エマルジョン木材接着剤
JISZ1524:2009
包装用布粘着テープ
JISZ1528:2009
両面粘着テープ
JISZ1702:1994
包装用ポリエチレンフィルム
JISZ8806:2001
湿度―測定方法