4
B 0134 : 2015 (ISO 8373 : 2012)
番号 用語 定義 対応英語
3.2 腕, robotic arm,
マニピュレータのうち,相互連結されたリンクと動力ジョイン
一次軸 arm,
トとの集まりで,長さ方向のリンクを構成し,手首を位置決め
する部分。 primary axes
3.3 手首, robotic wrist,
マニピュレータのうち,相互連結されたリンクと動力ジョイン
二次軸 wrist,
トとの集まりで,腕とエンドエフェクタとの間に位置し,エン
ドエフェクタを支持しその位置・姿勢を決める部分。 secondary axes
3.4 脚 robotic leg,
リンク構造であり,往復運動及び移動面との間欠的接触を行う
ことによって,移動ロボットを支持し推進するもの。 leg
3.5 コンフィギュレーシ configuration
ある時刻の全てのジョイントの値の集合であり,ロボットの形
ョン, 状を完全に決定するもの。
姿容(しよう)
3.6 リンク ジョイントによって互いに連結される剛体。 link
3.7 ジョイント Joints,
joint
3.7.1 直進ジョイント 二つのリンクの相対直進運動を可能にするジョイント。 prismatic joint,
sliding joint
3.7.2 回転ジョイント, rotary joint,
二つのリンクの固定軸の回りの相対回転運動を可能にするジ
関節 ョイント。 revolute joint
3.7.3 円筒ジョイント cylindrical joint
二つのリンクの相対直進運動及びその直進運動方向の軸回り
の相対回転運動を可能にするジョイント。
3.7.4 球ジョイント spherical joint
二つのリンクの固定点の回りの三自由度相対回転運動を可能
にするジョイント。
3.8 ベース マニピュレータの第一リンクの原点を設定する構造体。 base
3.9 ベース取付面 腕(ベース)とそれを支持する構造体との間の接合面。 base mounting
surface
3.10 メカニカルインタフ mechanical interface
マニピュレータの先端に設けられた,エンドエフェクタの取付
ェース 面。
注記 JIS B 8436及びJIS B 8441参照。
3.11 エンドエフェクタ end effector
ロボットが作業を行えるように,メカニカルインタフェースに
取り付けて用いる機器。
例 把持部,ナット回し,溶接ガン,スプレーガン。
3.12 エンドエフェクタ結 end effector
エンドエフェクタを手首に取り付けるための,手首先端のフラ
合装置 ンジ又はシャフト,及びロック機構又は付加部品。 coupling device
3.13 エンドエフェクタ自 automatic end
メカニカルインタフェースとエンドエフェクタとの間に設け
動交換装置 られ,エンドエフェクタの自動交換を可能にする結合装置。effector exchange
注記 JIS B 8442参照。 system
3.14 把持部(はじぶ), gripper
把握したり保持したりするために設計されたエンドエフェク
グリッパ タ。
3.15 ロボットの機械構造 Types of mechanical
の形式 structure of robot
3.15.1 直角座標ロボット rectangular robot,
腕に三つの直進ジョイントをもち,それらの軸が直角座標系に
一致するロボット。 Cartesian robot
例 ガントリロボット(図A.1参照)。
3.15.2 円筒座標ロボット cylindrical robot
腕に少なくとも一つの回転ジョイントと一つの直進ジョイン
トとをもち,それらの軸が円筒座標系を構成するロボット。
注記 図A.2参照。
3.15.3 極座標ロボット polar robot,
腕に二つの回転ジョイントと一つの直進ジョイントとをもち,
それらの軸が極座標系を構成するロボット。 spherical robot
注記 図A.3参照。
――――― [JIS B 0134 pdf 6] ―――――
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B 0134 : 2015 (ISO 8373 : 2012)
番号 用語 定義 対応英語
3.15.4 振り子ロボット pendular robot
ユニバーサルジョイントで旋回する部分を含む極座標ロボッ
ト。
注記 図A.4参照。
3.15.5 多関節ロボット 腕に三つ以上の回転ジョイントをもつロボット。 articulated robot
注記 図A.5参照。
3.15.6 スカラロボット SCARA robot
二つの平行な回転ジョイントをもち,選択された平面内にコン
プライアンスを構成するロボット。
注記 スカラ(SCARA)は,Selectively Compliant Arm for Robotic
Assemblyに由来する。
3.15.7 スパインロボット 腕が二つ以上の球ジョイントで構成するロボット。 spine robot
3.15.8 パラレルロボット, 腕に閉ループ構造を構成するリンクをもつロボット。 parallel robot,
並行リンクロボット 例 スチュワートプラットフォーム。 parallel link robot
3.16 移動ロボットの機械 Types of mechanical
構造の形式 structure of
mobile robot
3.16.1 車輪移動ロボット 車輪を用いて移動するロボット。 wheeled robot
注記 図A.6参照。
3.16.2 脚移動ロボット 1本以上の脚を用いて移動するロボット。 legged robot
注記 図A.7参照。
3.16.3 二足ロボット 2本の脚を用いて移動するロボット。 biped robot
注記 図A.8参照。
3.16.4 クローラロボット クローラを移動機構とするロボット。 crawler robot,
注記 図A.9参照。 tracked robot
3.17 人間形ロボット, 胴体,頭部,肢をもち,外観及び動作が人のようなロボット。 humanoid robot
ヒューマノイドロボ
ット
3.18 移動架台 mobile platform
移動ロボットの移動機能を実現する全ての構成部分を組み立
ててできる架台。
注記1 移動架台は,負荷を支持する(載せる)車体を含むこ
とがある。
注記2 ベースとの混同を避けるために,移動ベースを移動架
台の意味で用いることは避けるのがよい。
3.19 全方向移動機構 移動ロボットの瞬時の移動方向を任意に設定できる車輪機構。 omni-directional
mobile mechanism
3.20 無人搬送車, automated guided
あらかじめ路面マーク又は外部誘導指令によって設定した経
AGV 路をたどる移動架台であり,工場で使用することが多い。 vehicle,
AGV
注記 AGVに関する国際規格は,ISO/TC 110 Industrial trucks
が担当している。
4 幾何学及び運動
番号 用語 定義 対応英語
4.1 順運動学 forward kinematics
機械的連結体の二つの部品の座標系の関係を,この連結体の各
ジョイントの値から数学的に求めること。
注記 マニピュレータでは,順運動学は,通常,エンドエフェ
クタ座標系とベース座標系との関係を求めることであ
る。
――――― [JIS B 0134 pdf 7] ―――――
6
B 0134 : 2015 (ISO 8373 : 2012)
番号 用語 定義 対応英語
4.2 逆運動学 inverse kinematics
機械的連結体の各ジョイントの値を,この連結体の二つの部品
の座標系の関係から数学的に求めること。
注記 マニピュレータでは,逆運動学は通常,エンドエフェク
タ座標系とベース座標系との関係から各ジョイントの
値を求めることである。
4.3 軸 axis
運動を直進又は回転モードで記述するときの方向ベクトル。
注記 軸は,ロボット機構のジョイントの意味にも使われる。
4.4 自由度 degree of freedom,
空間において剛体の運動を記述するために必要な変数の数(最
大6)。 DOF
注記 混同を避けるために,ロボット機構の運動を記述する軸
数の意味で自由度を用いないのがよい。
4.5 ポーズ 空間における位置と姿勢との組合せ。 pose
注記1 マニピュレータのポーズは,通常,エンドエフェクタ
又はメカニカルインタフェースの位置及び姿勢をさ
す。
注記2 移動ロボットのポーズとは,ワールド座標系における
移動架台のポーズと移動架台に搭載されたマニピュレ
ータのポーズとを合わせていうことがある。
4.5.1 指令ポーズ タスクプログラムによって指示されるポーズ。 command pose,
programmed pose
4.5.2 実現ポーズ 指令ポーズに応答してロボットが実際にとるポーズ。 attained pose
4.5.3 アライメントポーズ ロボットの幾何的基準となる特定のポーズ。 alignment pose
4.5.4 経路 ポーズの順序集合。 path
4.6 軌道 経路に時間をパラメータとして付加したもの。 trajectory
4.7 座標系 注記 JIS B 8437参照。 Coordinate systems
4.7.1 ワールド座標系 地面に設定した座標系。ロボットの運動とは独立である。world coordinate
system
4.7.2 ベース座標系 ベース取付面に設定した座標系。 base coordinate
system
4.7.3 メカニカルインタフ メカニカルインタフェースに設定した座標系。 mechanical interface
ェース座標系 coordinate system
4.7.4 ジョイント座標系 joint coordinate
ジョイント軸に設定した座標系。各ジョイントの座標は先行す
るジョイントの座標に対して又は他の座標系に対して相対的system
に決められる。
4.7.5 エンドエフェクタ座 tool coordinate
メカニカルインタフェースに取り付けたエンドエフェクタ又
標系, は工具に設定した座標系。 system,
ツール座標系 TCS
4.7.6 移動架台座標系 移動ロボットの移動架台の一要素に設定した座標系。 mobile platform
注記 移動ロボットの一般的な移動架台座標系は,前方に+Xcoordinate system
軸,上方に+Z軸をとり,+Y軸は右手の法則で決定す
る。
4.8 空間 Spaces
4.8.1 最大空間 maximum space
ロボットの可動部品が掃引する空間で製造業者が定義したも
のに,エンドエフェクタ及び工作物が掃引する空間を加えたも
の。
注記 移動架台については,最大空間は,理論的に移動によっ
て到達できる容積の全体とみなすことができる。
――――― [JIS B 0134 pdf 8] ―――――
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B 0134 : 2015 (ISO 8373 : 2012)
番号 用語 定義 対応英語
4.8.2 制限空間 restricted space
最大空間の一部であり,ロボット動作の限界を設定する制限装
置によって限定されている空間。
注記 移動架台については,制限空間は,床又は壁の特別なマ
ーク又は内部地図上に定義されたソフトウェア制限に
よって限定されることがある。
4.8.3 運転空間 operational space,
制限空間の一部で,タスクプログラムによって指令される全て
の運動を実行するとき実際に使われる部分。 operating space
4.8.4 作動空間 working space
手首基準点によって掃引される空間に,手首の各ジョイントの
直進又は回転の範囲を加えた空間。
注記 作動空間は,マニピュレータの全ての可動部品によって
掃引される空間よりも小さい。
4.8.5 安全防護空間 安全防護装置によって囲まれた空間。 safeguarded space
4.8.6 協働作業空間 collaborative
安全防護空間内の,生産作業中にロボットと人とが同時に作業
を実行することができる作業空間。 workspace
注記 この定義は,当分産業用ロボットにだけ適用する。
4.9 TCP, TCP, tool centre
与えられたアプリケーションにおいて,メカニカルインタフェ
ツールセンタポイン ース座標系上で定められた点。 point
ト
4.10 手首基準点 wrist reference point,
最も内側の(すなわち,最も一次軸に近い)二つの二次軸の交
wrist centre point,
点。交点がない場合は,最も内側の二次軸上において指定され
た点。 wrist origin
4.11 移動架台基準点 移動架台座標系の原点。 mobile platform
origin,
mobile platform
reference point
4.12 座標変換 ポーズの座標を,ある座標系から他の座標系に変換する処理。 coordinate
transformation
4.13 特異点 singularity
直角座標系における経路速度を維持しようとしたとき,ジョイ
ント空間におけるジョイント速度が数学的には無限大となる
点。この点では運動学から導出されるヤコビ行列のランクがフ
ルランクより小さくなる。
注記 実際の作業では,直角座標空間で定義され特異点の近く
を通る運動は,高い軸速度を発生することがある。この
高速度は,オペレータにとっては予想できないことがあ
る。
5 プログラミング及び制御
番号 用語 定義 対応英語
5.1 プログラム Program
5.1.1 タスクプログラム task program
ロボット又はロボットシステムが所期のタスクを実行するた
めの運動及び補助機能を行わせる命令の集まり。
注記1 この種のプログラムは,通常,ロボットの据付け後に
作成されるものであり,訓練を受けた者は一定の条件
の下でそれを修正することができる。
注記2 アプリケーションは仕事の一般的な範囲を指し,タス
クはアプリケーションの中の特定の仕事を指す。
――――― [JIS B 0134 pdf 9] ―――――
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B 0134 : 2015 (ISO 8373 : 2012)
番号 用語 定義 対応英語
5.1.2 制御プログラム control program
ロボット又はロボットシステムの能力,動作,応答を規定する
固有の制御命令の集まり。
注記 この種のプログラムは,通常,据付けの前に作成され,
その後は製造業者だけが修正する。
5.2 プログラミング Programming
5.2.1 タスクプログラミン タスクプログラムを作成する行為。 task programming,
グ programming
5.2.2 マニュアルデータ入 manual data input
スイッチ,配線盤,キーボードなどを用いてプログラムを作成
力プログラミング, しロボット制御システムに直接格納すること。 programming,
MDI MDI
5.2.3 teach programming
教示プログラミング, ロボットのエンドエフェクタ又は模擬機構を手で又はペンダ
教示 ントを用いて動かし,ロボットに所望の位置を1ステップずつ
たどらせることによってプログラムを作成すること。
5.2.4 オフラインプログラ off-line
タスクプログラムをロボットとは別の装置の上で作成し,その
ミング 後にロボットに格納するプログラミング方法。 programming
5.2.5 作業指示プログラミ goal-directed
ロボットの経路を指定しなくても,実行させるタスクを規定す
ング ることによってタスクプログラムを作成する方法。 programming
5.3 制御 Control
5.3.1 PTP制御 pose-to-pose control,
ロボットが通過させる指令ポーズだけを指定し,ポーズ間でた
どるべき経路を指定しない制御方式。 PTP control
5.3.2 CP制御 continuous path
ロボットに指令ポーズの間でたどらせる経路を指定する制御
方式。 control,
CP control
5.3.3 軌道制御 CP制御で,速度パターンをプログラムできるもの。 trajectory control
5.3.4 マスタスレーブ制御 master-slave control
一次装置(マスタ)の運動を二次装置(スレーブ)に再生させ
る制御方式。
注記 マスタスレーブ制御は,遠隔操作に用いることが多い。
5.3.5 感覚制御 sensory control
ロボットの運動又は力が外界センサの出力に従って調整され
る制御方式。
5.3.6 適応制御 adaptive control
制御系のパラメータが作業実行中に検出される状況に基づい
て調整される制御方式。
5.3.7 学習制御 learning control
以前のサイクルで得られた経験を下に,制御パラメータ及び/
又はアルゴリズムを自動的に変更する制御方式。
5.3.8 運動計画 motion planning
ロボット制御プログラムが,使用者が指定した指令ポーズの間
で,選択した補間型式に従って機構のジョイントの動きを決め
る処理。
5.3.9 コンプライアンス compliance
ロボット又は付随する工具がそれに働く外力に応答して変位
する振る舞い。
注記 振る舞いがセンサフィードバックに依存する場合は能
動コンプライアンスであり,依存しない場合は受動コン
プライアインスである。
5.3.10 運転モード ロボット制御システムの状態。 operating mode,
operational mode
5.3.10.1 自動モード automatic mode
設定したタスクプログラムに従ってロボット制御システムが
動作する運転モード。
5.3.10.2 手動モード manual mode
ロボットを,自動モードではなく,押しボタン,ジョイスティ
ックなどによって操作する運転モード。
5.4 サーボ制御 servo-control
ロボット制御システムが,実現ポーズを指令ポーズに一致させ
るようにロボットのアクチュエータを制御する処理。
――――― [JIS B 0134 pdf 10] ―――――
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JIS B 0134:2015の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 8373:2012(IDT)
JIS B 0134:2015の国際規格 ICS 分類一覧
- 25 : 生産工学 > 25.040 : 産業オートメーションシステム > 25.040.30 : 産業用ロボット.機械操縦装置
- 01 : 総論.用語.標準化.ドキュメンテーション > 01.040 : 用語集 > 01.040.25 : 生産工学(用語集)