JIS B 0134:2015 ロボット及びロボティックデバイス―用語 | ページ 3

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B 0134 : 2015 (ISO 8373 : 2012)
番号 用語 定義 対応英語
5.5 自動運転 automatic operation
ロボットがタスクプログラムを所定のとおり実行している状
態。
5.6 停止点 stop-point
ロボットの核軸に,速度指令0,位置決め偏差なしの条件で到
達させる指令ポーズであり,教示又はプログラムで設定する。
5.7 fly-by point,
フライバイポイント, ロボットの各軸が一定の偏差をもって到達させる指令ポーズ
経由点 via point
であり,教示又はプログラムで設定される。偏差の値は,この
ポーズの前後の軸速度のパターン,及び所定の通過基準(速度,
位置偏差)によって決まる。
5.8 ペンダント, pendant,
制御システムに接続して,ロボットにプログラムを教示し,又
教示ペンダント はロボットを動作させることのできる手持ちユニット。 teach pendant
5.9 ジョイスティック joystick
手動制御する装置で,その位置,姿勢,加えられる力などが計
測されロボット制御システムへの指令となるもの。
5.10 遠隔操作, teleoperation
人が遠隔の場所から実時間でロボット又はロボティックデバ
遠隔操縦 イスの運動を制御すること。
例 爆弾処理,宇宙ステーションの組立,水中での検査,手術
などにおけるロボット操縦。
5.11 プレイバック運転 playback operation
ロボットに,教示プログラミングによって格納したタスクプロ
グラムを繰り返し実行させる運転方法。
5.12 ユーザインタフェー user interface
人間-ロボット相互作用の中で,人とロボットとの間で情報及
ス び動作の交換を行うための手段。
例 マイクロフォン,スピーカ,グラフィカルユーザインタフ
ェース,ジョイスティック,ハプティック装置。
5.13 ロボット言語 タスクプログラムを記述するためのプログラム言語。 robot language
5.14 同時動作 simultaneous motion
単一制御ステーションの制御下において2台以上のロボットが
同時に行う動作であり,共通の数学的関連下で協調して又は同
期して行うことがある。
注記1 単一制御ステーションの例として,ペンダントがある。
注記2 協調は,マスタスレーブ制御として実現されることが
ある。
5.15 制限装置 limiting device
ロボットの全ての動作を直接的・間接的に停止させることによ
って最大空間を制限(し制限空間を形成)する手段。
5.16 プログラム検証 program verification
ロボットの経路及び作業性能を確認するためのタスクプログ
ラムの実行。
注記 プログラム検証は,タスクプログラムの実行の間にエン
ドエフェクタ中心点がたどる全経路について,又は経路
の一部について行ってもよい。命令は,単一命令ごとに,
又は連続した一連の命令で実行してもよい。プログラム
検証は,新しいアプリケーションにおいても,既存のア
プリケーションの微細調整・編集においても用いる。
5.17 保護停止 protective stop
安全防護の目的で動作を停止するときに再起動を容易にする
ためにプログラム論理を保持する形式の運転の中断。
5.18 安全適合 safety-rated
所定の安全関連の性能を満たすことによって規定の安全機能
を実現していること。
例 安全適合低減速度,安全適合監視速度,安全適合出力。
5.19 単一制御点 single point of
ロボット動作の始動・制御変更が一つの制御源からだけ可能で
control
あり,運転途中で他の制御源から始動・制御変更が行えないよ
うな運転方法。

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B 0134 : 2015 (ISO 8373 : 2012)
番号 用語 定義 対応英語
5.20 低減速度制御, reduced speed
ロボットの速度を250 mm/s以下に制限する動作制御モード。
低速制御 注記1 低減速度は,人がロボットの危険な運動から身を引くcontrol,
slow speed control
か,又はロボットを停止することができるように十分
な時間を与えるためのものである。
注記2 この定義は,当面,産業用ロボットにだけ適用する。

6 性能

  番号         用語                                定義                            対応英語
6.1 正常運転条件 normal operating
ロボットの性能に影響を与える環境条件及び他のパラメータ
conditions
(供給電源の不安定性,電磁場など)の通常の範囲。製造業者
の規定するロボット性能は,この範囲内で有効である。
注記 環境条件には,温度,湿度などが含まれる。
6.2 負荷 Load
6.2.1 負荷 load
メカニカルインタフェース又は移動架台に加えられる力及び
トルク。これらは,所定の速度・加速度条件下における種々の
方向の運動に沿って加えられる。
注記 負荷は,ロボットが支持する質量,慣性モーメント,及
び静的・動的な力の関数である。
6.2.2 定格負荷 rated load
正常運転条件の下で,性能仕様を損なうことなくメカニカルイ
ンタフェース又は移動架台に加え得る最大の負荷。
注記 定格負荷は,必要な場合には,エンドエフェクタ,附属
物,工作物などの慣性効果を含んでいる。
6.2.3 制限負荷 limiting load
運転条件が限定されるが,ロボットの機構に損傷若しくは故障
を与えることがないような,メカニカルインタフェース又は移
動架台に加え得る最大の負荷。製造業者が提示するもの。
6.2.4 付加質量 additional load,
定格負荷に加えてロボットが担うことができる負荷。マニピュ
additional mass
レータのメカニカルインタフェース以外の部分(一般に,腕)
に加えられる。
6.2.5 最大スラスト負荷 maximum thrust,
ロボット機構に永久損傷を与えることなくメカニカルインタ
maximum force
フェース又は移動架台に継続して加え得るスラスト負荷(慣性
項は含まない。)。
6.2.6 最大モーメント負荷 maximum moment,
ロボット機構に永久損傷を与えることなくメカニカルインタ
maximum torque
フェース又は移動架台に継続して加え得るモーメント負荷(慣
性項は含まない。)。
6.3 速度 Velocity
6.3.1 単軸速度 単一の軸が動作したときの所定の点の速度。 individual joint
velocity,
individual axis
velocity
6.3.2 経路速度 経路に沿った単位時間当たりの位置の変化。 path velocity
注記 ポーズ(4.5)参照。
6.4 加速度 Acceleration
6.4.1 単軸加速度 単一の軸が動作したときの所定の点の加速度。 individual joint
acceleration,
individual axis
acceleration
6.4.2 経路加速度 経路に沿った単位時間当たりの速度の変化。 path acceleration

――――― [JIS B 0134 pdf 12] ―――――

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B 0134 : 2015 (ISO 8373 : 2012)
番号 用語 定義 対応英語
6.5 ポーズ精度 pose accuracy,
同一指令ポーズに同一方向から近づけたときの,指令ポーズと
実現ポーズの平均との差。 unidirectional pose
accuracy
6.6 ポーズ繰返し精度, pose repeatability,
同一指令ポーズに同一方向から繰り返し近づけたときの,実現
一方向ポーズ繰返し ポーズのばらつき。 unidirectional pose
精度 repeatability
6.7 多方向ポーズ戻り精 multidirectional
同一指令ポーズに直交する三方向からそれぞれ複数回近づけ
度 たときの,各々の実現ポーズの平均の間の最大距離。 pose accuracy
variation
6.8 距離精度 指令距離と実現距離の平均との差。 distance accuracy
6.9 距離繰返し精度 distance repeatability
同一方向から同一指令距離で繰り返し動かしたときの,実現距
離のばらつき。
6.10 ポーズ安定化時間 pose stabilization
ロボットが到達信号を発した瞬間から,メカニカルインタフェ
ース又は移動架台の減衰振動若しくは減衰運動が所定の限界time
内に収まる瞬間までに経過する時間。
6.11 ポーズ行過ぎ量 pose overshoot
ロボットが到達信号を発した後の,接近指令経路と実現ポーズ
との間の最大距離。
6.12 ポーズ精度のドリフ 所定時間内におけるポーズ精度の変化。 drift of pose accuracy

6.13 ポーズ繰返し精度の 所定時間内におけるポーズ繰返し精度の変化。 drift of pose
ドリフト repeatability
6.14 経路精度 指令経路と実現経路の平均との差。 path accuracy
6.15 経路繰返し精度 path repeatability
同一指令経路に沿って動かしたときの,複数の実現経路のばら
つき。
6.16 経路速度精度 path velocity
指令経路に沿って動かしたときの,指令経路速度と実現経路速
度の平均との差。 accuracy
6.17 経路速度繰返し精度 path velocity
指令経路速度で動かしたときの,実現経路速度のばらつき。
repeatability
6.18 経路速度変動 path velocity
指令経路に沿って指令速度で動かしたときの,実現速度の最大
値と最小値との差。 fluctuation
6.19 最短移動時間 minimum posing
メカニカルインタフェース又は移動架台が静止状態から出発
time
し,あらかじめ定められた距離を動き静止状態に達するまでに
経過する最短時間(ポーズ安定化時間を含む)。
6.20 静的コンプライアン static compliance
メカニカルインタフェースに加えられる単位負荷当たりのメ
ス カニカルインタフェースの最大変位。
6.21 最小変位 resolution
ロボットの各軸又は各ジョイントが実現し得る動きの最小の
増分。
6.22 サイクル タスクプログラムの1回の実行。 cycle
注記 タスクプログラムは,循環的とは限らない。
6.23 サイクルタイム サイクルを実行するのに必要な時間。 cycle time
6.24 標準サイクル standard cycle
ロボットが所定の条件の下で代表的なタスク(標準タスク)を
1回実行するときの一連の動き。

7 センシング及びナビゲーション

  番号         用語                                定義                            対応英語
7.1 環境地図, 環境をその目立つ特徴を基に記述した地図又はモデル。 environment map,
環境モデル 例 格子地図,幾何地図,トポロジカル地図,意味地図。 environment model
7.2 位置同定 localization
移動ロボットが自分のポーズを認識すること,又は環境地図上
での自分のポーズを同定すること。

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B 0134 : 2015 (ISO 8373 : 2012)
番号 用語 定義 対応英語
7.3 ランドマーク landmark
環境地図上で同定可能で,移動ロボットの位置同定に用いる人
工物又は自然物。
7.4 障害物 obstacle
所期の動きを妨げる静止若しくは移動する物体,地面又は壁,
天井などの形状。
注記 地面の障害物には,段差,穴,不整地などがある。
7.5 マッピング, mapping,
検出可能な幾何学的特徴,ランドマーク,障害物などを用いて
地図作成, 環境を記述する環境地図を作成すること。 map building,
地図生成 map generation
7.6 ナビゲーション navigation
環境地図及び位置同定に基づいて移動方向を決定し制御する
こと。
注記 ナビゲーションには,ポーズからポーズへの移動のため
の,及び全領域掃引のための経路計画がある。
7.7 移動面 移動ロボットがその上を移動する地表面。 travel surface
7.8 推測航法, dead reckoning
既知の初期ポーズから内界計測だけを用いて移動ロボットの
デッドレコニング ポーズを求める方法。
7.9 センサ融合, sensor fusion
ロボットの複数のセンサからの情報を総合して,より高度な情
センサフュージョン 報を得る処理。
7.10 作業計画, task planning
実行しようとする作業を分解し,部分作業及び運動を含む作業
タスクプラニング 手順を生成する処理。
注記 作業計画には,自律的作業計画と使用者が行う作業計画
とがある。
7.11 ロボットセンサ robot sensor
ロボットの制御のために内部及び外部の情報を得るための変
換器。
7.11.1 内界センサ, ロボットの内部の状態を計測するためのロボットセンサ。proprioceptive
内界計測センサ sensor,
例 エンコーダ,ポテンショメータ,回転速度計,又は,加速
度計及びジャイロスコープのような慣性センサ。 internal state sensor
7.11.2 外界センサ, exteroceptive sensor,
ロボット環境の状態又はロボットと環境との相互作用の状態
外界計測センサ を計測するためのロボットセンサ。 external state sensor
例 GPS,視覚センサ,距離センサ,力センサ,触覚センサ,
聴覚センサ。

――――― [JIS B 0134 pdf 14] ―――――

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B 0134 : 2015 (ISO 8373 : 2012)
附属書A
(参考)
ロボットの機械構造形式の例
図A.1−直角座標ロボット
図A.2−円筒座標ロボット
図A.3−極座標ロボット

――――― [JIS B 0134 pdf 15] ―――――

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JIS B 0134:2015の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 8373:2012(IDT)

JIS B 0134:2015の国際規格 ICS 分類一覧