JIS B 0182:1993 工作機械―試験及び検査用語 | ページ 2

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番号 用語 定義 参考(対応英語)
301 テストインジケータ test indicater
微小寸法を測定するための比較測長器。ダイヤルゲ
ージ,指針測微器,電気マイクロメータなどの総称。
302 定置 fix ;
一度置いた後は,その項目の測定が終わるまで位置
及び向きを変えないような置き方。 mount
測定の都合上,一時取り除いた後再び同じ場所に置
く場合は定置とはいわない。
303 基準側面 reference side surface
工作物又は工具を取り付けるときに,取付け位置の
基準として使用する側面(例えば,テーブルの側面
など)。
304 基準溝 reference tenon ;
工作物又は工具を取り付けるときに,取付け位置の
(きじゅんみぞ) reference slot ;
基準として使用するために,テーブル,刃物台など
の表面に設けた溝。T溝が多い。 reference groove
305 寸法精度 accuracy of dimension
構成要素又は工作物の所定の部分の寸法の正確さ。
306 形状精度 accuracy of form
構成要素又は工作物の形状の幾何学的な正確さ。
真直度,平面度,円筒度,ねじの山形,歯車の歯形
など。
307 位置精度 accuracy of position
一つの構成要素(直線・平面など)に対する他の構
成要素の位置の幾何学的な正確さ。
308 許容値 tolerance
ゼロ基準に対して許容される幾何偏差の限界値。
309 部分許容値 local permissible deviation
検査すべき対象の全範囲のうちの一部分の範囲に対
する許容値。
310 代表直線 representative line
線の真直度が最小となる直線。線の位置及び向きを
代表する。便宜的には,次のように定義する。
(1) 検査すべき線の両端近くで適当に選んだ2点
(ほとんどの場合,線の両端に非常に近い部
分は,わずかな部分欠陥をもっているので除
く。)を結ぶ直線。
(2) プロットした点群から計算される(例えば,最
小二乗法によって。)直線。
この直線の方向を,線の方向 (general direction of the
line) という。
311 真直度 straightness
直線でなければならない機械部分の幾何学的直線か
らの狂いの大きさ。
(1) 一つの平面内にある線は,その線上の指定され
た長さの間のすべての点が,その線の代表直線
に平行で,かつ,その線と同じ平面内にある二
つの直線の間にあり,この直線間の距離が最小
となるときの,この二つの直線間の距離で表す。
この値が許容値内にあるとき,この線は指定
された長さに対して真直であると見なす。
(2) 空間内の線は,その線の代表直線に平行な二つ
の所定の直交平面への投影のそれぞれが真直で
あるとき,指定された長さに対して真直である
と見なす。許容値は,それぞれの平面で異なる
ことがある。
312 運動の真直度 straightness of straight line
直進運動すべき運動部品の運動の幾何学的直線から
motion
の狂いの大きさ,及び運動中の姿勢の狂いの大きさ。
(1) 幾何学的直線からの狂いの大きさは,運動部品
上の1点(一般には,機能点又は代表点)の軌
跡の,運動方向を含む直交二平面内の真直度で

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表す。
運動方向の狂いは位置決め精度である。
(2) 運動中の姿勢の狂いは,3軸周りの角度偏差で表
し,ピッチ,ロール,ヨーである。
313 (運動部品の)機能点 運動部品が工具を運ぶ場合の工具の位置。 functional point (of moving
part)
314 (運動部品の)代表点 representative point (of
運動部品が工作物を運ぶ場合のテーブルの中央点。
moving part)
315 (運動の)軌跡 trajectory
運動部品上の1点(一般には,機能点又は代表点)
が運動中に空間に占める位置を連らねた線。
316 ピッチ pitch
一般には,面に沿って運動する物体の揺動のうち,
運動面に平行で,かつ,進行方向に直角な直線の周
りの揺動。縦揺れともいう。
317 ロール roll
一般には,面に沿って運動する物体の揺動のうち,
運動面に平行で,かつ,運動方向に平行な直線の周
りの揺動。横揺れともいう。
318 ヨー yaw
一般には,面に沿って運動する物体の揺動のうち,
運動面に垂直な直線の周りの揺動。かた揺れともい
う。
319 代表平面 representative plane
面の平面度が最小となる平面で,面の位置及び向き
を代表する。便宜的には,次の(1)又は(2)のように定
義する。
(1) 検査すべき面内で適当に選んだ3点(面の縁に
非常に近い部分は,部分的にわずかな欠陥をも
つので除く。)によって構成する平面。
(2) プロットした点群から最小二乗法によって計算
した平面。
この平面の方向を,面の方向 (general direction of the
plane) という。
320 平面度 flatness
平面でなければならない機械部分の表面の幾何学的
平面からの狂いの大きさ。
指定された測定面内で,その面上のすべての点が,
面の代表平面に平行な二つの平面内にあり,かつ,
この平面の間の距離が最小となるときの二つの面の
間の距離で表す。
この距離が許容値内にあるとき,この面は平面であ
ると見なす。
321 平行度 parallelism
互いに平行でなければならない機械部分の平行から
の狂いの大きさ。
(1) 一つの線と一つの面の間では,この面とそれに
垂直で,多くの点でこの線を含む平面との交線
の代表直線から,この線までの距離の最大差で
表す。この値が指定された範囲内で許容値を超
えなければ,この線は,この面に平行であると
見なす。
(2) 二つの線の間では,この一方の線が他の線の代
表直線を通る二つの平面に平行であるとき,こ
の二つの線は平行であると見なす。
この場合の許容値は,この二つの平面で異な
ることがある。

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(3) 二つの面の間では,この一方の面の代表平面か
ら他の面までの距離を少なくとも二方向で測定
したときの最大差が,指定された長さに対して
許容値を超えないとき,この二つの面は平行で
あると見なす。
322 運動の平行度 parallelism of motion
運動部品の運動と互いに平行でなければならない機
械部分の面,線又は他の運動部品の運動との平行か
らの狂いの大きさ。
運動部品上の1点(一般には,運動部品上の機能点
又は代表点)の軌跡との平行度で表す。
323 振れの平均位置 mean position of run-out
テストインジケータの測定子を指定された平面内で
回転軸を表す円筒面(回転軸にはめたテストバーな
ど)に当て,回転軸を低速で回転させたとき,テス
トインジケータの読みが最大値と最小値との中央の
値を示す回転の位置。
324 等距離度 equidistance
基準面又は基準線から等距離に配置されているべき
機械部分の等距離からの狂いの大きさ。
二つ以上の軸は,これらの軸を通る平面が基準平面
に平行であるとき,等距離であると見なす。軸は,
異なった軸でも,旋回後又は運動後異なった位置を
占める同じ軸でもよい。
325 直角度 squareness ;
互いに直角でなければならない機械部分の直角から
の狂いの大きさ。 perpendicularity
二つの面の間,二つの線の間,又は一つの線と一つ
の面との間では,直角定規の一辺を一方の線の代表
直線又は一方の面の代表平面に合致させたとき,他
方の線又は面と直角定規の他の辺との平行度が所定
の値を超えないとき,これらの線又は面は互いに直
角であると見なす。
基準とする直角定規は,測定用直角定規,角形水準
器,又は運動学的平面(例えば,回転する軸に取り
付けた腕に測定子が軸線に平行になるように設置し
たテストインジケータの測定子の先端が軸の回転に
よって描く円形軌跡の定める平面。)若しくは直線を
組み立てたものでもよい。
テストインジケータを振り回して測定する場合は,
振り回し直径に対する読みの最大差で表す。
326 運動の直角度 perpendicularity of motion
運動部品の運動と,互いに直角でなければならない
機械部分の面,線又は他の運動部品の運動との直角
からの狂いの大きさ。
運動部品上の1点(一般には,機能点又は代表点)
の軌跡との直角度で表す。
なお,テストインジケータを振り回して測定する場
合は,直角度は振り回し直径に対するテストインジ
ケータの読みの最大差で表す。
327 同軸度, coaxiality ;
共通の軸線をもつように配置された二つの機械部分
一致度 の軸線が一致していない程度。 coincidence ;
alignment
二つの線又は二つの軸では,指定された長さの中の
幾つかの点で測定したそれらの距離で表す。
その距離が許容値を超えないとき,同軸である,一

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致している,又は心が合っている(アライメントが
保たれている)と見なす。
二つの軸の場合は,一方の軸に取り付けたテストイ
ンジケータを振り回して測定した場合の読みの最大
差の21がこれに該当する。測定する距離は,実際の
線上にあっても,その延長上にあってもよい。
328 同心度 指定された位置における同軸度。 concentricity
二つの線又は二つの軸は,指定された位置における
その距離が許容値を超えないとき,同心であると見
なす。
329 片寄り(程)度 concentricity or intersection
同心度又は交差度の特定方向(例えば,水平方向,
垂直方向など)の成分。 in a specified direction
テストインジケータを振り回して測定した場合は,
それぞれの方向に対する読みの最大差の21がこれに
相当する。
330 (一断面内の)直径差 out-of round
軸上の指定された点で,軸に直角な平面内での輪郭
形状の円形形状に対する偏差。
(1) 軸については,外接円の直径と測定可能な最小
の直径との差で表す。
(2) 穴については,内接円の直径と測定可能な最大
の直径との差で表す。
331 (回転軸の半径方向 run-out
回転している軸の外面又は内面の半径方向の周期的
の)振れ な出入りの大きさ。
測定部における軸の幾何学的軸線と回転中心線との
距離の2倍と,測定部の直径差及び軸受の誤差によ
る回転の不整が重畳している。
例 主軸外面の振れ,主軸穴の振れなど。
332 (周期的)軸方向の動 periodic axial slip
軸方向の最小の遊びを除いて回転させたときの,回
き 転部品の回転中心線上の点の軸方向の往復運動の範
囲。
必要がある場合には,バックラッシの影響を除くた
めに,回転部品の軸方向に所定の大きさの荷重を加
える。
例 親ねじの軸方向の動きなど。
333 端面の振れ camming
一つの軸を中心として回転する端面が,回転中にこ
の軸に直角な一平面から外れる大きさであって次に
よる。
なお,面振れともいう。
(1) 回転中に面上の各点の軌跡が軸に直角な2平面
の間を動くとき,その2平面間の距離で表す。
(2) 軸からrだけ離れた点における端面の振れは,
直径が2rで,その対称軸として面の理論的回転
軸をもつ回転円筒によって描かれる面上の部分
が,この軸に直角な2平面の間を動くとき,こ
の2平面の間の距離で表す。
測定値には,端面の平面度,回転軸に対する端面の
直角度及び軸の周期的軸方向の動きが合成されたも
のが現れる。
334 分割精度 accuracy of division
機械部品上に所定の間隔をもつように配置されてい
なければならない分割点と正しい分割点との一致の

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程度。
335 (軸の)交差度 intersection (of axes)
1点で交わらなければならない2軸の中心線間の最
小距離。この値が規定された許容値内にあるとき,
この平行でない二つの軸は交差していると見なす。
336 目標位置,標点 運動部品を位置決めするために指令する位置。 target position
337 実停止位置 actual position
目標位置に位置決めした運動部品が,実際に停止し
(じつていしいち) た位置。目標位置に対応して使用する用語。
338 位置決め偏差 deviation of positioning ;
位置決めした運動部品の実停止位置と目標位置との
差。 positioning deviation
直線運動による位置決め偏差と回転運動による位置
決め偏差とがある。
339 一方向位置決め unidirectional positioning
正又は負の一つの向きで複数回位置決めをするこ
と。
位置決めの向きは,正の向きと負の向きとを区別す
る。
340 両方向位置決め bidirectional positioning
正の向きからの位置決めと負の向きからの位置決め
を含む複数回の位置決めを行うこと。
位置決めは,正・負いずれの向きから始めてもよい。
341 平均一方向位置決め偏 mean unidirectional
一つの目標位置に対して,複数回一方向位置決めを
差 行ったときの位置決め偏差の算術平均値。 positioning deviation
位置決めの向きは,正の向きと負の向きとを区別す
る。
342 (一つの目標位置にお reversal value (at a position)
一つの目標位置における正の向きの平均一方向位置
ける)反転差 決め偏差と,負の向きの平均一方向位置決め偏差と
の差。
343 標準偏差の推定値 estimator of standard
一つの目標位置に対して,複数回一方向位置決めを
deviation
行ったときの,位置決め偏差の標準偏差の推定値。
標準偏差の推定値は,次式で求める(参考 JIS B
6201参照)。
n
sj= 1 (xji xj ) 2
n1 i 1
ここに, j : 位置決め目標位置の番号
Pj : j番目の目標位置
Xji : Pjにおけるi回目の実停止位置と
目標位置との偏差
x : Pjへのn回の位置決めの停止位置
j
の平均偏差
344 制御軸の位置決め精度 positioning accracy of an
各目標位置における正及び負の平均一方向位置決め
偏差にその標準偏差の推定値の3倍を加えた値のうaxis
ちの最大値と,平均一方向位置決め偏差からその標
準偏差の推定値の3倍を引いた値のうちの最小値と
の差。
この定義は,一方向位置決め精度及び両方向位置決
め精度に適用する。
345 (一つの目標位置にお unidirectional repeatability
一つの目標位置に対し複数回一方向位置決めを行っ
ける)一方向繰返し位 たときの位置決め精度。 of positioning (at a target
置決め精度 標準偏差の推定値の6倍の値で表す。 position)
位置決めの向きは,正の向きと負の向きとを区別す
る。

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