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B 0651 : 2001(ISO 3274 : 1996)
4.1 触針の形状 理想的な触針の形状は,球状先端をもつ円すいである。呼び寸法は,次による。
− 触針先端の半径 : rtip=2 5 10
− 円すいのテーパ角度 : 60°, 90°
理想的な測定機では,特別な指示がない限り,円すいのテーパ角度は60°とする。
4.2 静的測定力 触針の平均位置(変位の中央位置)における静的測定力の呼び値は,0.75mNとする。
測定力の変化の割合の呼び値は,0N/mとする。
参考1. 測定力の変化の割合の呼び値を0N/mとしている理由は,規格での表現は理想的なオペレータ
を前提としているためである。現実的には,附属書1を参考にするとよい。
2. オペレータとは,不確かさの概念を導入するために,形体を求めるのに必要な測定原理,測
定方法,測定条件,データ処理など一連のものを順序に従って並べてまとめたものである。
理想的なオペレータとは,測定機器及び量子化(ディジタル化)されたデータなどに誤差が
なく,離散化されたデータの数も無限に大きいなど,理論的に正確なオペレータをいう。
4.3 輪郭曲線フィルタのカットオフ値 フィルタ特性の詳細事項は,JIS B 0632に規定されている。輪
郭曲線フィルタのカットオフ値の呼び値は,次の系列による。
···, 0.08mm, 0.25mm, 0.8mm, 2.5mm, 8.0mm, ···
4.4 粗さ曲線用カットオフ値 触針先端半径rtip及びカットオフ比 係 特別な指示がない場
合には,触針先端半径rtip,及び粗さ曲線の標準カットオフ値 トオフ比 表1によ
る。
表1
最大rtip 最大サンプリング間隔
0.08 2.5 30 2 0.5
0.25 2.5 100 2 0.5
0.8 2.5 300 2(1) 0.5
2.5 8 300 5(2) 1.5
8 25 300 10(2) 5
注(1) a>0.5 はRz>3 梗戰歛地 通常,rtip=5 いても,
測定結果に大きな差を生じさせない。
(2) カットオフ値 び8 湘 には,推奨先端半径をもつ触針の
機械的フィルタ効果による減衰特性は,定義された通過帯域の外側にある。
したがって,触針の先端半径又は形状の多少の誤差は,測定値から計算され
るパラメータの値にはほとんど影響しない。
特別なカットオフ比が必要な場合には,その比を明示しなければならな
い。
――――― [JIS B 0651 pdf 11] ―――――
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B 0651 : 2001(ISO 3274 : 1996)
附属書A(参考) JIS B 0651 : 1976による測定機
A.1 はじめに この規格JIS B 0651 : 2001(ISO 3274 : 1996準拠)は,JIS B 0651 : 1976に対して,次の2
項目が大幅に改正された。
− 振幅伝達特性が変更になった。
− スキッドの使用が外された。
A.2 2RCフィルタを用いたアナログ測定機 JIS B 0632及びこの規格で規定されたカットオフ値のフィル
タを用いてRa,Rz及び同様のパラメータを測定する場合には,2RCフィルタを用いた測定機とこの規格
による理想的(理論的に正確)な測定機との差は,通常無視できる。工業的に製造される単一加工プロセ
スによる[“プラトー面のように,二種類以上の加工プロセスによる痕跡のある表面”ではない。]表面間
の差は,同一表面上のパラメータの自然なばらつき以下である。
A.3 スキッドを用いた測定機 スキッドを用いた測定機は,粗さパラメータだけの測定に利用することが
できる。
A.3.1 スキッドの半径 スキッドを用いる場合には,測定方向のスキッドの半径は,呼びのカッドオフ値
の50倍以上でなければならない。前後に2個連結したスキッドでは,スキッドの半径は,呼びのカットオ
フ値の8倍以上でなければならない。
A.3.2 スキッドの押付け力 対象面へのスキッドの押付け力は,0.5N以下でなければならない。
――――― [JIS B 0651 pdf 12] ―――――
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B 0651 : 2001(ISO 3274 : 1996)
附属書B(参考) 規格改正の背景
B.1 はじめに これまでの測定機では,アナログ2RCフィルタ又は同じ特性のディジタル処理によるフィ
ルタが適用されてきた。しかし,すべての測定機において,短波長成分の再現に限界があることが,一般
に理解されていない。この再現できる限界は,次の要因の一部又は全部に起因する。
a) 有限な大きさ(例えば,2 5 槿 の触針は,谷底に入り込む量が制限され,ある程度のフィ
ルタ効果が生じる。
b) 触針の形状(例えば,ピラミッド,円すい,球)が,特に短波長域において,表面の忠実な再現を低
下させる(例えば,山頂の形状のゆがみ)。
c) サンプリング間隔(例えば,0.25 0.5 槿 が,表面上の細部の把握に限界を生じさせる。
d) データのサンプリング方法(例えば,時間ベース又は空間ベース,データ点の等配置又は不等配置な
ど)が,振幅伝達特性に影響する。
短波長成分が再現できる限界を低下させる要因は幾つかあるが,短波長成分を再現させる測定機の
能力を向上させるために,その要因を明確にすることは容易ではない。
これらの要因の影響は,ある場合(例えば,サンプリング間隔)には明確にすることができるが,
触針に起因する要因に対しては,困難である(附属書B図1参照)。さらに,各要因の関連性は,表
面及び/又はフィルタのカットオフ値が変わると変化するかも知れない。このことは,これらの要因
の積み重なりによる影響が不確定であり,不確かな領域が生じる原因になることを意味する。
短波長再現の限界が不確定であるので,この附属書では,明確化できる再現の限界又は測定領域外
の不確かな領域の短波長成分を遮断する低域フィルタのカットオフ値 ( ‰ く方法論を示唆して
いる。
B.2 帯域通過フィルタ導入の主な目的 上記の方法論を用いることによって,次の目的が達成される。
a) 表面間及び測定機間の結果の比較を可能にする この規格の主な目的は,類似した表面間(表面と表
面)の比較,又は異なった測定機間(測定機と測定機)の測定結果の比較を可能にすることである。
これには,測定結果の確定の基本となる手法及び変数を,十分又は適切に定義することが必要である。
短波長成分を遮断するカットオフ値 ( ‰鉦 記し,触針の推奨寸法に注意を払うことによって,
測定機間又は表面間の相関関係を低下させる主な原因を克服することが可能となる。
b) 測定機の短波長成分が再現できる限界を定義する手段を提供する 測定機の再現限界の明確な表現
がされれば,使用者は部品に要求された機能に適した測定条件を選択すればよいようになるであろう。
信頼性の高い信号処理機器(例えば,ハイファイ増幅器,オッシロスコープなど)を採用すること
によって,測定機の仕様及び測定に適用可能な(正確な触針を用いたときの)再現の限界についての
あいまいさのない明確な記述がされるようになるであろう。
――――― [JIS B 0651 pdf 13] ―――――
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B 0651 : 2001(ISO 3274 : 1996)
B.3 おわりに この附属書の概念は,数学的原理(すなわち,ガウス形の位相補償フィルタ。JIS B 0632
参照)を用いることによって,表面性状評価のさらなる標準化の手段を提供する。さらに,帯域通過フィ
ルタにおける波長の上限及び下限の伝達特性を管理することによって,測定機間の相互比較及び表面間の
相互比較が,より高い精度で行われるであろう。
附属書B図1 先端半径2 針に起因する不確かな伝達特性を
併記したガウス形の位相補償フィルタの振幅伝達特性
――――― [JIS B 0651 pdf 14] ―――――
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B 0651 : 2001(ISO 3274 : 1996)
附属書C(参考) GPSマトリックス
GPSマトリックスの詳細は,TR B 0007[製品の幾何特性仕様 (GPS) −マスタープラン]を参照。
C.1 規格及びその利用についての情報 この規格は,輪郭曲線方式の表面粗さ測定機について規定し,輪
郭曲線を評価するための“表面性状”チェーンの他の規格の適用を促進する。また,輪郭曲線の評価に影
響する測定機の特性について述べ,触針式表面粗さ測定機(輪郭曲線測定機及び輪郭曲線記録装置)の仕
様の基本事項を与える。
C.2 GPSマトリックスにおける位置付け この規格は,附属書C図1に示すGPSマトリックスの粗さ曲
線,うねり曲線及び断面曲線に関する規格チェーンのリンク番号5にかかわるGPS基本規格である。
C.3 関連国際規格 関連国際規格は,附属書C図1に示す規格チェーンに含まれる規格である。
――――― [JIS B 0651 pdf 15] ―――――
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JIS B 0651:2001の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 3274:1996(IDT)
JIS B 0651:2001の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.040 : 線及び角度の測定 > 17.040.30 : 測定機器
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.040 : 線及び角度の測定 > 17.040.20 : 表面の特性
JIS B 0651:2001の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0601:2013
- 製品の幾何特性仕様(GPS)―表面性状:輪郭曲線方式―用語,定義及び表面性状パラメータ
- JISB0631:2000
- 製品の幾何特性仕様(GPS)―表面性状:輪郭曲線方式―モチーフパラメータ
- JISB0632:2001
- 製品の幾何特性仕様(GPS)―表面性状:輪郭曲線方式―位相補償フィルタの特性
- JISB0633:2001
- 製品の幾何特性仕様(GPS)―表面性状:輪郭曲線方式―表面性状評価の方式及び手順