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B 1054-4 : 2013 (ISO 3506-4 : 2009)
特殊な注文で製造されたタッピンねじに対しては,タッピンねじ及びラベルの双方に付加的な表示を施
すのが望ましい。既に製造された在庫の品を発送する場合のタッピンねじに対しては,ラベルに付加的な
表示を施すのが望ましい。
4 化学成分
この規格によるタッピンねじに適合するステンレス鋼の化学成分を,表2に示す。
注記 表2の化学成分は,関連する鋼種区分に対してJIS B 1054-1の表1に与えられた化学成分と一
致している。
鋼種区分ごとに規定された範囲内での化学成分の最終選択は,受渡当事者間の事前の合意がない場合,
製造業者の任意とする。
粒界腐食の危険がある場合には,JIS G 0573又はJIS G 0575による試験を推奨する。このような場合,
鋼種区分A3及びA5の安定化ステンレス鋼又は炭素含有量が0.03 %を超えない鋼種区分A2及びA4のス
テンレス鋼が望ましい。
表2−ステンレス鋼の鋼種区分−化学成分
鋼種分類 鋼種区分 化学成分a)
質量分量 %
C Si Mn P S Cr Mo Ni Cu
オーステナイ A2c) ) 0.10 1 2 0.05 0.03 1520 −b) 819 4
ト系 A3e) 0.08 1 2 0.045 0.03 1719 −b) 912 1
A4d) ) 0.08 1 2 0.045 0.03 1618.5 23 1015 4
A5e) ) 0.08 1 2 0.045 0.03 1618.5 23 10.514 1
マルテンサイ C1f) 0.090.15 1 1 0.05 0.03 11.514 − 1 −
ト系 C3 0.170.25 1 1 0.04 0.03 1618 − 1.52.5 −
フェライト系 F1h) ) 0.12 1 1 0.04 0.03 1518 −g) 1 −
注記1 特定の目的をもつステンレス鋼の鋼種分類及び鋼種区分の適用に関する説明を,附属書Aに示す。
注記2 ISO 4954で規定しているステンレス鋼の例を,附属書Bに示す。
注記3 特定の目的に適する幾つかの材料を,附属書Cに示す。
注a) 値は,ほかに示すものがなければ,最大を示す。
b) モリブデン(Mo)の添加は,製造業者の任意である。ただし,モリブデンの含有量の制限が必要な場合は,
購入者が注文時に指定しなければならない。
c) クロム(Cr)の含有量が17 %以下の場合には,ニッケル(Ni)の含有量の最小を12 %とするのがよい。
d) 炭素(C)の含有量が0.03 %以下のオーステナイト系ステンレス鋼に対しては,窒素(N)の含有量は,最大
0.22 %まで含んでもよい。
e) 安定化のために,チタン(Ti)の含有量は,炭素(C)の含有量の5倍以上で,最大0.8 %までとするか,ニ
オブ(Nb)及び/又はタンタル(Ta)の含有量は,炭素(C)の含有量の10倍以上で,最大1.0 %までとす
る。
f) 直径の大きいもので,規定の機械的性質を満足させるために,炭素含有量を多くすることは,製造業者の任
意であるが,オーステナイト系ステンレス鋼に対しては,0.12 %を超えてはならない。
g) モリブデン(Mo)の添加は,製造業者の任意である。
h) チタン(Ti)は,炭素(C)の含有量の5倍以上で,最大0.8 %まで含んでもよい。
i) ニオブ(Nb)及び/又はタンタル(Ta)は,炭素(C)の含有量の10倍以上で,最大1.0 %まで含んでもよ
い。
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B 1054-4 : 2013 (ISO 3506-4 : 2009)
5 機械的性質
5.1 一般
受入れ目的に対する機械的性質及び性能は,6.16.4によって試験したとき,5.25.5に適合しなければ
ならない。
5.2 表面硬さ
マルテンサイト系ステンレス鋼製のタッピンねじは,6.1によって試験を行ったとき,表3に規定する表
面硬さに適合しなければならない。
表3−表面硬さ
鋼種分類 鋼種区分 硬さ区分 表面硬さ
HV0.3
最小
マルテンサイト系 C1 30H 300
C3 40H 400
5.3 心部硬さ
オーステナイト系及びフェライト系ステンレス鋼製のタッピンねじは,6.2によって試験を行ったとき,
表4に規定する心部硬さに適合しなければならない。心部硬さに疑義が生じた場合,製品受渡しの決定は,
5.5による。
表4−心部硬さ
鋼種分類 鋼種区分 硬さ区分 心部硬さ
HV a)
最小
オーステナイト系 A2,A3,A4,A5 20H 200
25H 250
フェライト系 F1 25H 250
注a) ねじの呼びがST3.9以下のものに対しては,試験力HV 5を用いる。
ねじの呼びがST3.9を超えるものに対しては,試験力HV 10を用いる。
5.4 ねじり強さ
ステンレス鋼製タッピンねじは,6.3によって試験をしたとき,それを破壊させるトルクが,該当する硬
さ区分に対して,表5の値を満足しなければならない。
5.5 ねじ山の成形性能
ステンレス鋼製タッピンねじは,6.4によって試験用板にねじ込んだとき,そのねじ山が変形することな
く,かん合するめねじ山を成形することができるものでなければならない。
6 試験
6.1 表面硬さ試験
この試験は,マルテンサイト系ステンレス鋼製のタッピンねじに適用する。
ビッカース硬さ試験は,JIS Z 2244による。
ビッカース硬さのくぼみは,平らな面(なるべくなら頭部の平らな面)に付けなければならない。
6.2 心部硬さ試験
この試験は,オーステナイト系及びフェライト系ステンレス鋼製のタッピンねじに適用する。
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B 1054-4 : 2013 (ISO 3506-4 : 2009)
ビッカース心部硬さ試験は,JIS Z 2244による。測定の位置は,タッピンねじの先端から十分離れた平
行ねじ部を,軸線に対して直角に切断した横断面の谷底と軸心とのほぼ中間点とする。
6.3 ねじり強さ試験
破壊トルクMBは,図2に示すような試験装置を用いて求める。トルク測定器は,測定する最小破壊ト
ルクの±6 %以内の精度がなければならない。
受入状態(表面処理の有無に関係なく)のままの供試タッピンねじのねじ部は,それにかみ合う半割り
のねじ付きダイス又はそれに代わるねじインサートに固定する。そのとき,タッピンねじの固定部分にき
ずを付けずに,平行ねじ部の2山以上が固定ジグの外側に残り,かつ,テーパ部を除いた平行ねじ部の2
山以上が固定ジグの中にあるように固定する。ねじ先部を除く部分で破壊が起こることを保証するような
袋穴の深さであれば,固定ジグの代わりに袋穴をもったねじインサート(図2参照)を用いてもよい。
ねじが破壊するまで,タッピンねじにトルクを加える。タッピンねじは,表5に示す最小破壊トルクを
満たさなければならない。
表5−最小破壊トルク
ねじの呼び 破壊トルク MB
(最小)
Nm
硬さ区分
20H 25H 30H 40H
ST2.2 0.38 0.48 0.54 0.6
ST2.6 0.64 0.8 0.9 1
ST2.9 1 1.2 1.4 1.5
ST3.3 1.3 1.6 1.8 2
ST3.5 1.7 2.2 2.4 2.7
ST3.9 2.3 2.9 3.3 3.6
ST4.2 2.8 3.5 3.9 4.4
ST4.8 4.4 5.5 6.2 6.9
ST5.5 6.9 8.7 9.7 10.8
ST6.3 11.4 14.2 15.9 17.7
ST8 23.5 29.4 32.9 36.5
――――― [JIS B 1054-4 pdf 8] ―――――
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B 1054-4 : 2013 (ISO 3506-4 : 2009)
1 半割りねじ付きダイス又はねじインサート
2 袋穴付きねじインサート
3 半割りねじ付きダイス
図2−破壊トルクMBを求めるための試験装置
6.4 ねじ込み試験
受入状態(表面処理の有無に関係なく)のままの供試タッピンねじは,平行ねじ部の1山が完全に通過
するまで試験用板にねじ込む。
オーステナイト系及びフェライト系ステンレス鋼製のタッピンねじのねじ込み試験に対する試験用板は,
硬さが80 HV 30120 HV 30のアルミニウム合金とする。
マルテンサイト系ステンレス鋼製のタッピンねじのねじ込み試験に対する試験用板は,炭素含有量が
0.23 %を超えない低炭素鋼とする。試験用板の硬さは,JIS Z 2244による測定で,125 HV 30170 HV 30
とする。
試験用板の板厚は,表6による。
試験用板の穴は,ドリル加工,パンチ加工後ドリル加工,又はパンチ加工後リーマ加工のいずれかによ
るものとし,その穴径は,表6による。
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表6−試験用板の板厚及び穴径
単位 mm
ねじの呼び 板厚 穴径
最小 最大 最小 最大
ST2.2 1.17 1.30 1.905 1.955
ST2.6 1.17 1.30 2.185 2.235
ST2.9 1.17 1.30 2.415 2.465
ST3.3 1.17 1.30 2.680 2.730
ST3.5 1.85 2.06 2.920 2.970
ST3.9 1.85 2.06 3.240 3.290
ST4.2 1.85 2.06 3.430 3.480
ST4.8 3.10 3.23 4.015 4.065
ST5.5 3.10 3.23 4.735 4.785
ST6.3 4.67 5.05 5.475 5.525
ST8 4.67 5.05 6.885 6.935
――――― [JIS B 1054-4 pdf 10] ―――――
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JIS B 1054-4:2013の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 3506-4:2009(IDT)
JIS B 1054-4:2013の国際規格 ICS 分類一覧
- 21 : 一般的に使用される機械的システム及び構成要素 > 21.060 : 締結用部品 > 21.060.10 : ボルト,ねじ,びょう
JIS B 1054-4:2013の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB1007:2015
- タッピンねじのねじ部
- JISB1047:2006
- 耐食ステンレス鋼製締結用部品の不動態化
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- JISG0573:1999
- ステンレス鋼の65%硝酸腐食試験方法
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- ステンレス鋼の硫酸・硫酸銅腐食試験方法
- JISZ2244:2009
- ビッカース硬さ試験―試験方法