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B 1061 : 2020 (ISO 898-3 : 2018)
浸炭焼入焼戻しを行う組込みタッピンねじの座金の化学成分は,JIS B 1257に従って,炭素含有量は
0.12 %を超えてはならない。
座金の各製造ロットは,それぞれ単一の鋳造ロット(同じ溶解番号)に由来するものでなければならな
い。
表2−鋼材
強度区分 材料及び工程 化学成分 最低焼戻し
(溶鋼分析値,%)a), b), c) 温度b), c)
材料 工程 C P S B d) (℃)
最小. 最大 最大 最大 最大
材料は,表3の規定を満足する場合,製造業者の選択
100HV 鋼 熱間·冷間圧延 NA
とする。
熱間·冷間圧延,材料は,表3の規定を満足する場合,製造業者の選択
200HV e) 鋼 NA
又は焼入焼戻し とする。
炭素鋼g) 0.17 0.80 0.035 0.035 0.003 425
300HV f) 焼入焼戻し
合金鋼h) 0.14 1.30 0.035 0.035 0.003 425
炭素鋼g) 0.40 0.80 0.035 0.035 0.003 425
380HV f), i) 焼入焼戻し
合金鋼h) 0.20 1.30 0.035 0.035 0.003 380
NA : 適用しない。
注a) 疑義が生じた場合には,製品分析値を適用する。
b) 組込み座金については,JIS B 1257又はJIS B 1258を参照。化学成分及び最低焼戻し温度は,発注時に受渡
当事者間で合意する。
c) 特定の用途(例えば,溶融亜鉛めっきを施す座金)の場合,化学成分及び最低焼戻し温度は,発注時に受渡
当事者間で合意する。
d) ほう素(B)の含有量は,最大0.003 %とする。ただし,チタン(Ti)及び/又はアルミニウム(Al)の添加
によって非有効なほう素(B)が制御される場合は,0.005 %までとしてもよい。
e) 強度区分200HVの座金は,適切な機械的性質をもつ材料を用いる,又は成形後に焼入焼戻しすることによっ
て製造することが可能である。工程の選択は,表3の規定を満足する場合,製造業者が決定する。
f) これらの強度区分の材料は,焼戻し前の焼入状態で,座面間の中心部で約90 %のマルテンサイト組織となる
ような十分な焼入性がなければならない。
g) この炭素鋼には,添加物を含む場合がある。例えば,クロム(Cr),マンガン(Mn),ニッケル(Ni)。
h) この合金鋼には,次の最小含有量の元素を,少なくとも1種類含まなければならない。
クロム0.30 %,マンガン0.20 %,ニッケル0.30 %,バナジウム0.10 %,モリブデン0.08 %,ほう素0.000 8 %。
なお,これらの元素を組み合せて含む場合,鋼種区分の判別に用いる限界値は,組み合せて用いる各元素
に対する上記限界値の合計の70 %とする。
i) 水素ぜい化については,ISO/TR 20491を参照して配慮する。
7 機械的及び物理的性質
強度区分が規定された座金は,製造工程中の試験及び最終検査の試験のいずれでも,10 ℃35 ℃の環境
温度範囲において,表3の機械的及び物理的性質を満足しなければならない。
箇条8に,表3の特性を座金が満たしているかを検証するための試験方法を規定する。
強度区分380HVについては,注文時に購入者が特に要求する場合,附属書Aに規定する延性試験を適
用する。
――――― [JIS B 1061 pdf 6] ―――――
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B 1061 : 2020 (ISO 898-3 : 2018)
表3−機械的及び物理的性質
強度区分 100HV 200HV 300HV 380HV a)
最小 100 200 300 380
ビッカース硬さ,HV
最大 200 b) 300 370 450
最小 − − 30 39
ロックウェル硬さ,HRC
最大 − − 39 45
c)
部分脱炭,HV 0.3 最大 − − 30 d)
c)
teffの2 %又は
完全脱炭層の深さ,G 最大 − −
0.02 mm e)
c)
浸炭,HV 0.3 最大 − − 30 f)
再焼戻し後の硬さの低下,HV 10 最大 − − 20 20
注a) 現行JISの平座金の製品規格には,強度区分380HVは採用されていない。この強度区分は,必要な場合,受
渡当事者間で合意して使用する。
b) 硬さの最大値が250HV以下の場合,不合格としてはならない。
c) 刻み付き座金及びリブ付き座金の場合は,強度区分380HVの最大値を適用する。
d) 座金の表面からの深さ0.1 mmでの硬さは,8.2.3で規定する座金の軸線を通る縦断面の中央部で求めた硬さよ
りビッカース硬さで30ポイント小さい値以上でなければならない。
e) 小さい方の値を適用する。
f) 座金の表面からの深さ0.1 mmでの硬さは,8.3で規定する座金の軸線を通る縦断面の中央部で求めた硬さよ
りビッカース硬さで30ポイント大きい値以下でなければならない。
8 試験方法
8.1 硬さ試験
8.1.1 一般
この試験は,次の事項を検証することを目的とする。
− 座金の硬さが,表3に規定する最小値及び最大値の要求を満足していること。
− 焼入焼戻しした座金において,材料に要求される条件が表2の規定を満足していること。
この試験は,全ての強度区分の座金に適用する。
座金は,組込み後に焼入焼戻しする組込み座金を除き,受け取った状態で試験する。
硬さは,表4に従って,座金の適切な表面又は軸線を通る縦断面で測定する。
表4−硬さ試験
強度区分 定期検査 疑義が生じた場合
100HV 座面
200HV a) 座面 8.1.2
300HV 8.1.2 軸線を通る縦断面の硬さ
380HV 8.1.3
注a) 注文時の購入者の要求によって,焼入焼戻しを行う強度区分200HVの座金
において,疑義が生じた場合には,軸線を通る縦断面の硬さ試験によって
評価する。
8.1.2 座面表面の硬さ試験
8.1.2.1 一般
硬さは,ビッカース硬さ試験又はロックウェル硬さ試験によって測定する。
− ビッカース硬さ試験は,JIS Z 2244による。
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B 1061 : 2020 (ISO 898-3 : 2018)
− ロックウェル硬さ試験は,JIS Z 2245による。
8.1.2.2 ビッカース硬さ試験の試験力
ビッカース硬さ試験の試験力は,座金のそれぞれの強度区分及び有効厚さによって選択する。
試験力Fは,図1及び式(1)に基づいて選択することが望ましい。
teff 2
HV
F (1)
0.39
teffHV
注記 対応国際規格では, F となっているが,誤りのため,正しい式を記載した。
0.39
単位 mm
図1−座面表面のビッカース硬さ試験の試験力(強度区分及び有効厚さとの関係)
例 有効厚さ0.3 mm,強度区分300HVの座金は,HV5の試験力で試験することになる。
8.1.2.3 ロックウェル硬さ試験の試験力
ロックウェル硬さ試験の試験力は,座金のそれぞれの強度区分及び有効厚さによって選択する。試験力
は,図2に基づいて選択するのが望ましい。
適切なロックウェル試験力が見つからない場合は,ビッカース硬さ試験を適用する。
ロックウェル硬さとビッカース硬さとの変換については,ISO 18265を参照するのがよい。
――――― [JIS B 1061 pdf 8] ―――――
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単位 mm
図2−座面表面のロックウェル硬さ試験の試験力(強度区分及び有効厚さとの関係)
例 有効厚さ0.5 mm,強度区分380HVの座金は,294 N(HR30N)の試験力で試験することになる。
8.1.2.4 試験手順
硬さは,表面皮膜,酸化膜(スケール)などを取り除き,適切に準備した後,座面の中央部において測
定する。
溶融亜鉛めっきを施した座金の場合,鉄−亜鉛合金層を含むめっきを,素地金属との境界まで完全に除
去しなければならない。
硬さは,座金の大きさが許容する場合,同一座金上で少なくとも3か所の測定値の平均とする。
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B 1061 : 2020 (ISO 898-3 : 2018)
8.1.2.5 強度区分100HV及び200HVの座金に対する要求事項
定期検査では,8.1.2に従って求めた座面表面の硬さは,表3による。
疑義が生じた場合は,ビッカース硬さ試験によって,図1に規定する試験力で平座金の座面で測定する。
ただし,有効厚さteff≦0.5 mmの座金に対しては,より小さい試験力で測定してもよいが,HV 1を下回っ
てはならない。
8.1.2.6 強度区分300HV及び380HVの座金に対する要求事項
定期検査では,8.1.2に従って求めた座面表面の硬さは,表3による。
疑義が生じた場合は,8.1.3によって軸線を通る縦断面で測定した硬さを適用する。
8.1.3 座金の軸線を通る縦断面の硬さ試験
8.1.3.1 一般
硬さは,JIS Z 2244に規定するビッカース硬さ試験によって測定する。
この試験は,焼入焼戻しした座金に適用する。
8.1.3.2 試験手順
穴の軸線を通る縦断面で切り出し,表面を適切に準備する。試験片は,樹脂に埋め込むか又はクランプ
などで固定する。試験片を固定した後,表面を適切な金属組織学的手法によって研削及び研磨する。
硬さ測定は,ビッカース硬さ試験によって,図3に示す軸線を通る縦断面の中央部を測定する。硬さの
値は,同一座金上で少なくとも3か所で測定し,その平均値とする。
1 測定領域(半径0.25 teff)
図3−硬さ測定範囲
8.1.3.3 要求事項
硬さは,表3による。
さらに,3か所で求めたビッカース硬さの値に30ポイントを超える差がみられる場合,表2によるマル
テンサイトが約90 %という要求が達成されていることを検証しなければならない。
8.2 脱炭試験
8.2.1 一般
脱炭試験は,強度区分300HVのギザ付き座金又はリブ付き座金及び強度区分380HVの全ての座金の座
面が脱炭されているかどうかを検出し,脱炭層の深さを求めることを目的とする。
脱炭の領域は,図4による。
――――― [JIS B 1061 pdf 10] ―――――
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JIS B 1061:2020の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 898-3:2018(IDT)
JIS B 1061:2020の国際規格 ICS 分類一覧
- 21 : 一般的に使用される機械的システム及び構成要素 > 21.060 : 締結用部品 > 21.060.20 : ナット
JIS B 1061:2020の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0101:2013
- ねじ用語
- JISB1048:2007
- 締結用部品―溶融亜鉛めっき
- JISB1051:2014
- 炭素鋼及び合金鋼製締結用部品の機械的性質―強度区分を規定したボルト,小ねじ及び植込みボルト―並目ねじ及び細目ねじ
- JISB1052-2:2014
- 炭素鋼及び合金鋼製締結用部品の機械的性質―第2部:強度区分を規定したナット―並目ねじ及び細目ねじ
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- 鋼製平座金組込みねじ―座金の硬さ区分200HV及び300HV
- JISB1257:2004
- 座金組込みタッピンねじ用平座金―並形及び大形系列―部品等級A
- JISB1258:2012
- 座金組込みねじ用平座金―小形,並形及び大形系列―部品等級A
- JISZ2244:2009
- ビッカース硬さ試験―試験方法
- JISZ2245:2016
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- JISZ2245:2021
- ロックウェル硬さ試験―試験方法