JIS B 1081:1997 ねじ部品―引張疲労試験―試験方法及び結果の評価 | ページ 3

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B 1081 : 1997 (ISO 3800 : 1993)
7.2.3.1 ステアケース法 第1の供試体は,遷移領域のメジアンにできるだけ近い応力振幅段階を予想し
て,そこで試験する。もし破壊が起これば,次の供試体に対する荷重は段階的(同じ階差)に小さくし,
非破壊となるまで続ける。非破壊の後には,荷重を段階的に大きくし,破壊が起こるまで続ける。第1の
供試体に対し非破壊が記録された場合には,上の手順は反対になる。実際には,この手順では大変速くメ
ジアンに近づき,多数の供試体を用い,出発点の応力段階が好ましい位置の場合には,破壊の度数と非破
壊の度数は同じかほぼ同じである。全体として,より少なく起こった事象(破壊又は非破壊)を計算に用
いる。
評価は,次の段階からなる。
a) メジアンの推定値
A
FA50 Fao FaII x
C
(表3の記号の説明参照)
b) 標準偏差の推定値
CE A2
S(FA) .162 FaII .0029
C2
ただし,
CE A2
>3.0
C2
でなければならない。
(表3の記号の説明参照)
表3にステアケース法による疲労試験の評価の一例を示す。
7.2.3.2 2点法 2点法の手順を,図9を基にして説明する。遷移領域の位置は,試験前には未知であり,
一般に近似的にしか求めることができないので,最初は第1の荷重振幅段階で供試体を試験する。この例
では,この荷重振幅はFa=2 500Nである。もしこの第1の供試体が,あらかじめ決めた応力繰返し数NG
まで破壊しなければ,第1の供試体が破壊するまで荷重振幅を順次大きくする。この例では,これはFa1
=4 000Nの荷重振幅である。初めて以前の試験と異なる事象(破壊又は非破壊)が起こる段階で数回の試
験を行う。ここで,供試体の数は結果の要求される精度によって決まる。この例では,供試体の数は8で
ある。第2の荷重振幅段階の選び方については,遷移領域の幅を知ることが有利である。これによって,
期待されるべき結果がより正確になるような限界に,数学的に有効な方法で第2の荷重振幅段階を選ぶこ
とができる。
第2の荷重振幅段階の決定には,次の式を適用する。
Fa2=Fa1+ 愀
r
r≦0.5nの場合に 愀1 BFa1
n
r
r≧0.5nの場合に 愀 BFa1
n
Bという量は,遷移領域の幅を考慮に入れている。Bに対して,0.15と0.20との間の値を推奨する。
第2の荷重振幅段階で,図9の例にみられるように,再び8個の供試体を試験し,破壊確率Ptを次の式
で推定し,これを正規確率紙にプロットする。

――――― [JIS B 1081 pdf 11] ―――――

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3 1
pt
3 1
[図9,b)]
ただし, r : 破壊した供試体の数
n : 試験した供試体の数
正規分布を仮定して,二つのプロットした点を直線で結べば,メジアンFA50及びFA10,FA90のような限
界値を決定することができる。
表3 ステアケース法による疲労試験の評価の例
JIS B 1180-M10×80-8.8
供試体 : 六角ボルト
参考 この項は,ISO 4014 (Hexagon head bolts−Product grades A and B) -M10×80-8.8と同等である。
平均荷重Fm : 0.6F0.2 (N)
1 2 3 4 5 6 7 8
Fa(N) ×破壊 ○非破壊 × ○ z f zf z2f
4 700 × 1 0 3 0 0 0
4 300 × × ○ × 3 1 2 1 2 4
3 900 × × ○ ○ × ○ × 4 3 1 3 3 3
3 500 ○ ○ ○ 0 3 0 3 0 0
供試体番号 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
3,4,6,7,8欄の合計 8 7 − 7 5 7
C A E
A
FA50 Fao FaII x 3986 N
C
CE A2
S(FA) .162 FaII 2
.0029 336 N
C
1欄 荷重振幅
:
2欄 事象の表示(破壊×,非破壊○)
:
3欄 荷重振幅ごとの破壊事象の数
:
4欄 荷重振幅ごとの非破壊事象の数
:
5欄 最小荷重振幅段階を0とした順序数 z
:
3欄と4欄とで度数の少ない方の事象に対応させる。表3の例では,破壊の合計度数8
の3欄に比較し,非破壊の合計度数7の4欄である。
6欄 : 度数,3欄又は4欄の合計度数の小さい方の値を繰り返し書く(ここでは4欄)。
7欄 : 5欄と6欄の積 (zf)
8欄 : 5欄と7欄の積 (z2f)
C, A, E : 6欄,7欄及び8欄のそれぞれの合計
Fao : 3欄又は4欄のうち,合計度数の小さい方における最小の荷重振幅
(ここでは4欄,Fao=3 500N)
FA50 : メジアン,残存確率50%の荷重振幅
x : 6欄=4欄の場合には+0.5
6欄=3欄の場合には−0.5
愀 : 階差(ここでは 愀 400N)
S : 標準偏差

――――― [JIS B 1081 pdf 12] ―――――

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図9 2点法による疲労試験の実施と評価の例
7.2.3.3 アークサイン法 アークサイン法の手順は2点法の手順に似ている。疲労試験は幾つかの等間隔
の荷重振幅段階で,各段階ごとに同数の供試体について行う。これらの段階の各々に対して対応する残存
確率を, arcsinp 変換,例えば,次の式を用いて計算する。
arcsin (r )1 /(n)1 arcsinr /(n )1
遷移領域を,対応する確率紙を用いてグラフによって,又は計算値について対応する変換を行った後に
回帰直線を数式によって決定する。
7.3 完全なS−N曲線(ウェーラ曲線)の作成 完全なS−N曲線を作成するには,7.1.2及び7.2.2によ
る試験の結果を図10のようにグラフに表現する。
7.4 組合せ試験法
7.4.1 供試体の数 S−N曲線の傾斜部を決定するために,4応力振幅段階で各2個ずつ(計8個)を用
い,水平部を決定するために6個の供試体を用いて少数の供試体によるステアケース法を適用するので,
少なくとも14個の供試体が試験に必要である。実際には,常に図11に示すように試験が進行するとは限
らず,14個を超える供試体を必要とする場合があるので,準備の段階で幾つかの供試体を余分に用意して
おかなければならない。

――――― [JIS B 1081 pdf 13] ―――――

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図10 S−N曲線(ウェーラ曲線) 懿 f (N)
備考 図中の番号は,試験の順序を示す。
図11 14個の供試体による組合せ試験方法の基本的パターンの例

――――― [JIS B 1081 pdf 14] ―――――

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7.4.2 有限寿命領域の試験 有限寿命領域(S−N曲線の傾斜部)の試験方法は,次による。
同種の材料,同種の形状の供試体,同種の負荷形式に対する既存のデータを参照し,供試体のN=5×104
及びN=1×106における有限寿命疲労強度 び する。
AA AB
aI
3 を求める(数値は適宜丸めた値とする)。この 愀 鉐 斜部の試験応力振幅間隔の初期
設定値とし, k 愀 k=±1, ±2, ···) を試験応力振幅段階の初期設定値とする。
第1の供試体を応力振幅階差 愀 1) = 愀 する。
最初の未破壊データが生じるまで,応力振幅段階を 愀 摎 げながら,
愀 2) = 愀 1)− 愀 愀 3) = 愀 2) − 愀 ······,の順に,各段階で1個の供
合に,試験の進行に伴って 愀 しを行い,必要に応じてその後の 愀 越 定する(1)。
供試体が破壊しなかった応力振幅段階(2)に隣接する上位四つの応力振幅のうち,まだ供試体が破壊して
いない応力振幅段階で1個ずつ試験し,これら4応力振幅段階の各々で1個ずつの供試体が破壊するよう
にする。
供試体が破壊しなかった応力振幅段階(2)に隣接する上位の応力振幅段階で,合計8個の供試体が破壊す
るまで,それらの応力振幅段階の低い方から順に,2個目の試験を行う(3)。
得られた8個の破壊供試体のデータを片対数グラフ ( 愀 logN) で整理し,S−N曲線を求める。
破壊確率50%のS−N曲線の傾斜部及び標準偏差を次の式によって求める。
S−N曲線の傾斜部の回帰直線
log N
a
ここに,
log N
a
n
(4 )
i
a)( a i
log N)( log N
i 1
n
2
i
a)( a
i 1
n
1
log N log N)(
i ( 4)
8 i 1
n
1
a i
a )(( 4)
8 i 1
疲労寿命の対数標準偏差S (logN) の推定値
(2/1 4 )
n
1 2
S (log N) i
log N)( [ ai
( ) ]
6 i 1
疲労強度の標準偏差S ( 愀 ‰ 定値
1
S( a) S (log N)
注(1) 湎 が著しく不適当な場合には,供試体が 愀 1) で破壊しないことがある。その場

――――― [JIS B 1081 pdf 15] ―――――

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JIS B 1081:1997の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 3800:1993(IDT)

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