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B1091:2003(ISO 3269 : 2000)
JIS Z 9900 品質管理及び品質保証の規格―選択及び使用の指針
備考 ISO 8402:1994,Quality management and quality assurance−Vocabularyが,この規格の参考“品
質管理と品質保証の規格―用語”と一致している。
ISO 10683:2000,Fasteners−Non-electrolytically applied zinc flake coatings
3. 定義
この規格で用いる主な用語の定義は,次による。これらの定義は,JIS Z 8101-2及びJIS Z 9900
によっている。
3.1 受入検査 抜取り,ゲージ検査,測定,比較,試験など,締結用部品のロットの合格又は不合格を
決めるための手順。
3.2 供給者 締結用部品の製造業者,又は締結用部品を供給する販売業者若しくは代理者。
3.3 購入者 締結用部品の受領者又はその代理者。
備考 購入者は,締結用部品の使用者であるとは限らない。
3.4 検査ロット 同じ供給者から,一度に受け取る同一表示の締結用部品の限定的な集まり。
3.5 ロットの大きさ(N) 1ロットに含まれる締結用部品の数。
3.6 サンプル すべての締結用部品が等しい抜取り機会をもつような方法で,一つの検査ロットからラ
ンダムに抜き取られた1個以上の締結用部品。
3.7 サンプルの大きさ(n) サンプルに含まれる締結用部品の数。
3.8 特性 限界を規定された製品の寸法,機械的性質又は他の認識できる特徴項目。
例 頭部高さ,円筒部直径,引張強さ又は硬さ。
3.9 不適合 個々の規定からの特性のずれ。
3.10 不適合締結用部品 一つ以上の不適合をもつ締結用部品。
3.11 合格判定個数(Ac) 任意のサンプルにおいて,超過すればそのロットが不合格となる,同一特性に
ついての不適合最大数。
3.12 抜取検査方式 情報を入手し,ロットの合否を決めるためにサンプルを抜き取る方式。
3.13 合格品質水準(AQL) 抜取検査方式において,高い方の合格確率に対応する品質水準。
備考 この規格において,その確率は95 %以上である。
3.14 限度品質(LQ) 抜取検査方式において,低い方の合格確率に対応する品質水準。
備考1. この規格において,その確率は10 %以下である。
2. LQ10は,製品特性に適合しない締結用部品の割合であり,抜取検査においては合格確率が1/10
となる。これは,通常,消費者危険と呼ばれる。
3.15 生産者危険 抜取検査方式において,その品質水準がそれぞれのAQL値に対応しているのにかかわ
らずロットが不合格となる確率。
3.16 合格確率(Pa) ある抜取検査方式において,ある品質のロットが合格する確率。
4. 一般原則及び要求事項
4.1 事前の合意が得られていない場合,必要又は経済的に正当と判断したとき,購入者は,機能及び使
用性について,生産者危険が5 %を超えないという条件で,納入された締結用部品の試験をしてもよい。
4.2 受入検査においては,製品が意図された機能を果たし得るか否かに重点を置くことが重要である。
異議は,不適合が締結用部品のもつべき機能又は使用性を損なう場合にだけ申し立てるものとする。した
がって,必ずしも規格に規定されたすべての試験を行う必要はない。
――――― [JIS B 1091 pdf 6] ―――――
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B1091:2003(ISO 3269 : 2000)
購入者は,見いだされたいかなる不適合についても,供給者に確認する機会を与えるものとする。
検査時に,多用途のため実用上の機能が確定していないなら(例えば,ストック部品の場合),規定され
た公差からのいかなるずれも,機能又は使用性を損なうものと見なす。
4.3 締結用部品の不合格ロットは,不適合が修正されるか,又は,そのロットの選別が行われない限り,
再検査に付してはならない(5.6参照)。
備考 もつべき機能又は使用性を損なうかもしれない修正は,いかなる場合にも購入者の同意を必要
とする。
4.4 締結用部品の寸法及び性質が規格の限界内にあるなら,検査用のゲージ及び測定器具によって,そ
の締結用部品を不適合と判定してはならない。論争が生じた場合には,直接測定によって判定する。
このことは,ゲージによる検査が規定されているねじ部に対しては適用しない(JIS B 0251も参照)。
4.5 そのロットがこの規格の受入条件を満たす場合でも,同意した技術的要求を満たさない個々の締結
用部品を不合格と判断することができる。
5. 締結用部品の特性に対する受入検査手順
1)5.1 各特性は,個別に評価をする。5.2 寸法特性に対しては,表14において,検査する締結用部品の種類を見いだし,検査に該当するす
べての特性とそれぞれに対応するAQL値を記録する。寸法以外の特性に対しては,表6 9によって,対
応するAQL値に加えて検査するすべての特性を記録する。
5.3 4.1に従って,適切なLQ10 の値を選ぶ(表5の例を参照)。
備考1. LQ10は,締結用部品の機能又は使用性,若しくは両方に対応させる。より以上に重要な締結
用部品の機能又は使用性に対しては,LQ10の値をより小さくしてよいが,この場合,サンプ
ルの大きさが増し,検査コストが増加する。そのロットが継続的生産管理を実施している既
知の製造元から納入されているなら,検査する締結用部品の割合を減らすことができる。この
場合,従来の検査ロットが良好な品質を維持しているなら,より大きなLQ10の値を選ぶ。反
対に,そのロットの均一性が疑わしいか,又は複数の製造業者から納入されているなら,検査
する締結用部品の割合を増やしてもよい。
LQ10値の選択は,もっぱら購入者の判断に任せるものとする。
2. 表5の抜取検査方式は,AQLの選択及び消費者危険(LQ10)によって決定される。これら二
つのパラメータが決定されると,サンプルの大きさ及び合格判定個数が自動的に決まる。JIS Z
9015-1の表1に示される,ロットの大きさとサンプルの大きさとの関係は,継続的な一連のロ
ットを生産する場合にだけ適用することを意図したものであるから,ここで用いるのは不適
当である。しかし,表5は,LQ10の適切な選択が行われれば孤立ロットに適用できるのと同
様に,そのような場合においても,適用することができる。
5.4 AQLを知り,選択したLQ10 値を用いて,表5からサンプルの大きさ及び合格判定個数を求める。
5.5 3.6に基づいてサンプルを選ぶ。各特性に対して検査を実施し,不適合締結用部品の数を記録する。
その数が合格判定個数以下であるなら,そのロットは合格とする。非破壊試験の場合,ロットの大きさが
要求されるサンプルの大きさ未満であるなら,全数検査を実施する。
5.6 不合格の場合,そのロットの処置は購入者と供給者との合意によるものとする(4.3 参照)。
5.7 引張試験用のサンプルは,可能であれば非破壊的な硬さ試験に用いたものでよく,引張強さを求め
注1) 附属書A(参考)に,受入検査の推奨手順を示す。
――――― [JIS B 1091 pdf 7] ―――――
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る場合には最小硬さのサンプルが,伸びを求める場合には最大硬さのサンプルが適用できる。引張試験は
破壊的であるから,非破壊的な硬さ試験の場合よりサンプルの大きさは小さくてよい。
備考 上記は,破壊的な硬さ試験,例えば,表面硬さ試験,浸炭又は脱炭を検出するための硬さ試験
及びサンプルの断面で行うような他の試験の場合に適用できない。
保証荷重試験は,破壊試験と見なす。
例1. 安定した品質で知られている供給者からの,部品等級Aの六角ボルトのねじ検査。
この場合,LQ10=6.5(AQL 1.0)が適用できる。
AQL 1−サンプルの大きさ80−Ac 2
例2. 供給者が分からない六角穴付きボルトの六角穴の検査。
この場合,LQ10は,3.0以下にとる。
AQL 1−サンプルの大きさ400−Ac 7
例3. 機械的性質の検査 : ナットの保証荷重応力
AQL 1.5−サンプルの大きさ3−Ac 0
5.8 表面欠陥を検出するための非破壊(目視)試験は,必ずしも欠陥の種類及び寸法についての結果を
与えるものとはいえない。それらは,破壊試験によってだけ検証できる。したがって,後に破壊試験に供
する締結用部品を特定するために,表面欠陥についての非破壊試験には,より大きなサンプルが必要であ
る[表6の注(8)も参照]。
5.9 AQLによる受入検査は,統計的に評価できる系統的な不適合に対してだけ適用可能である。
限界を指定できない非系統的な不適合,例えば,“熱処理の欠陥”,“マーキングの欠陥”,“ねじ山の欠
陥”に対する評価方法は,購入者の判断に任せられる。
――――― [JIS B 1091 pdf 8] ―――――
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表 1 ねじ部品に対する寸法特性
寸法特性 製品グループ
1 2 3 4 5 6
部品等級(1) 部品等級(1) 部品等級(1) 部品等級(1) タッピン 5欄以外のフ
A及びBのボ Cのボルト, A及びBのナ Cのナット ねじ(2)及 ォーミングね
ルト,ねじ及ねじ及び植 ット び木ねじ じ,ドリルね
び植込みボ 込みボルト じなど
ルト
AQL
二面幅 1 1.5 1 1.5 1.5 1
対角距離 1 1.5 1 1.5 1.5 1
ナットの高さ ― ― 1 1.5 ― ―
すりわりの幅 1 ― ― ― 1.5 1
すりわりの深さ 1 ― ― ― 1.5 1
十字穴の沈み深さ 1 ― ― ― 1.5 1
ソケット穴,通りゲージ 1 ― ― ― ― ―
ソケット穴,止りゲージ 1 ― ― ― ― ―
首下部の形状 1 ― ― ― ― 1
通り側ねじゲージ 1 1.5 1 1.5 ― 1(3)
止り側ねじゲージ 1 1.5 1 1.5 ― 1(3)
外径 ― ― ― ― 2.5 1
幾何公差(4) 1 1.5 1 1.5 2.5 1
その他 1.5 2.5 1.5 2.5 2.5 1.5
不適合締結用部品 2.5 4 2.5 4 4 2.5
注(1) 部品等級の分類は,製品のはめあい及び公差による(JIS B 1021参照)。
(2) IS B 1007のねじ山をもつねじ。
(3) この特性は,特定の製品(例えば,スレッドローリングねじ)によって成形されためねじの山について評価
する。
(4) 各幾何公差は,個々に評価をする。
表 2 平座金に対する寸法特性
寸法特性 部品等級(5) A 部品等級(5) C
AQL
内径 1 1.5
外径 1.5 2.5
その他 2.5 4
注(5) 部品等級の分類は,製品のはめあい及び公差による(JIS
B 1022参照)。
表 3 ピンに対する寸法特性
寸法特性 製品グループ
平行ピン テーパピン クレビスピン スプリングピン 割りピン
AQL
ピンの直径 1 1 1 1 1.5
表面粗さ 1 1 1 ― ―
テーパ ― 1 ― ― ―
その他 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5
――――― [JIS B 1091 pdf 9] ―――――
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表 4 ブラインドリベットに対する寸法特性
寸法特性 AQL
リベットの直径 1.5
リベットの長さ 1.5
頭部の直径 1.5
マンドレルの突出し長さ 1.5
その他 2.5
表 5 抜取検査方式の例(6)
Ac AQL
0.65 1.0 1.5 2.5 4.0
(上段) n(7)
(下段) LQ10
0 8 5 3 ― ―
25 37 54
1 50 32 20 13 8
7.6 12 18 27 42
2 125 80 50 32 20
4.3 6.5 10 17 25
3 200 125 100 50 32
3.3 5.4 6.6 13 20
4 315 200 125 80 50
2.6 3.9 6.2 9.6 15
5 400 250 160 100 ―
2.4 3.7 5.8 9.3
6 ― 315 200 125 80
3.4 5.2 8.4 13
7 ― 400 250 160 100
3.0 4.7 7.3 11.5
8 ― ― 315 200 125
4.2 6.6 10
10 ― ― 400 250 160
3.9 6.0 9.5
12 ― ― ― 315 200
5.6 8.8
14 ― ― ― 400 250
5.0 8.0
18 ― ― ― ― 315
7.8
22 ― ― ― ― 400
7.3
備考 すべての抜取検査方式に対して,生産者危険は5 %以下である。
注(6) 抜取検査方式は,JIS Z 9015-1から直接に,又はある場合には補間に
よって得られる。
(7) 非破壊試験の場合,ロットの大きさが要求のサンプルの大きさより少
ない場合には,全数検査を行う。
――――― [JIS B 1091 pdf 10] ―――――
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JIS B 1091:2003の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 3269:2000(IDT)
JIS B 1091:2003の国際規格 ICS 分類一覧
- 21 : 一般的に使用される機械的システム及び構成要素 > 21.060 : 締結用部品 > 21.060.01 : 締結用部品一般
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- 締結用部品―表面欠陥 第1部 一般要求のボルト,ねじ及び植込みボルト
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- 締結用部品―表面欠陥 第2部:ナット
- JISB1043:1993
- 締結用部品―表面欠陥 第3部 特殊要求のボルト,ねじ及び植込みボルト
- JISB1044:2001
- 締結用部品―電気めっき
- JISB1051:2014
- 炭素鋼及び合金鋼製締結用部品の機械的性質―強度区分を規定したボルト,小ねじ及び植込みボルト―並目ねじ及び細目ねじ
- JISB1052:1998
- 鋼製ナットの機械的性質
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- 炭素鋼及び合金鋼製締結用部品の機械的性質―硬さ区分を規定した止めねじ及び類似のおねじ部品―並目ねじ及び細目ねじ
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- 耐食ステンレス鋼製締結用部品の機械的性質―第1部:ボルト,小ねじ及び植込みボルト
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- 耐食ステンレス鋼製締結用部品の機械的性質―第3部:引張力を受けない止めねじ及び類似のねじ部品
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- 締結用部品―プリベリングトルク形鋼製ナット―機能特性
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- 浸炭焼入焼戻しを施したメートル系スレッドローリングねじの機械的性質及び性能
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- 計数値検査に対する抜取検査手順―第1部:ロットごとの検査に対するAQL指標型抜取検査方式
- JISZ9900:1994
- 品質管理及び品質保証の規格 ― 選択及び使用の指針