JIS B 1519:2009 転がり軸受―静定格荷重 | ページ 3

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B 1519 : 2009 (ISO 76 : 2006)

8.2 静等価アキシアル荷重

8.2.1  単式軸受及び複式軸受の静等価アキシアル荷重
のスラストころ軸受の静等価アキシアル荷重(P0a)は,式(12)によって求める。
P0a=2.3Frtan 懿 Fa (12)
複式軸受の場合は,この式は,Fr/Faの値に関係なく適用できる。単式軸受の場合は,この式は,
Fr/Fa≦0.44cot 湘 懿
に正しく当てはまり,0.44cot Fr/Fa≦0.67cot 湘 には,ほぼ満足な値を与える。
懿 90°のスラストころ軸受は,アキシアル荷重だけを受けることができる。この形式の軸受の静等価
アキシアル荷重(P0a)は,式(13)によって求める。
P0a=Fa (13)
8.2.2 並列配列の軸受の静等価アキシアル荷重
2個以上の同様なスラストころ軸受が同一軸に並べて取り付けられ,並列配列でユニット(一対取付け
又は多数取付け)として機能する場合は,静等価アキシアル荷重は,Fr及びFaの値はその配列にかかる全
荷重として,式(12) によって求める。

9 静安全係数

9.1 一般

  重荷重用途に対する軸受の適合性は,その軸受の基本静定格荷重が十分であることを確認することによ
って検証することが望ましい。これは,式(14)又は式(15)によって得られる静安全係数S0を用いて決める
ことができる。
C0r
S=
0 (14)
P0r
C0a
S=
0 (15)
P0a
式(14)はラジアル軸受に,式(15)はスラスト軸受に適用する。
軸受に動的な荷重が負荷され,軸受が軸受寿命によって選定される場合でも,基本静定格荷重が運転条
件を十分満足することを確認することが望ましい。
9.2及び9.3に様々な運転条件及び用途での静安全係数S0の指針を示す。
その他の特殊な運転条件の静安全係数S0については,軸受製造業者に相談することが望ましい。

9.2 玉軸受

  玉軸受の静安全係数S0の指針は,表4による。

――――― [JIS B 1519 pdf 11] ―――――

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B 1519 : 2009 (ISO 76 : 2006)
表4−玉軸受の静安全係数S0の指針
運転条件 S0(最小)
静粛な回転が要求される用途 :
2
滑らかな回転,振動を生じない,高い回転精度
衝撃荷重を受ける用途 :
1.5
著しい衝撃荷重a)
通常の回転用途 :
1
滑らかな回転,振動を生じない,普通の回転精度
注a) 玉軸受が衝撃的に静等価荷重を負荷した場合は,衝撃荷重は静等価荷
重の約1.5倍になると推定している。衝撃荷重の大きさが不明の場合
には,S0は,少なくとも1.5を使用することが望ましい。衝撃荷重の
大きさが正確に分かっている場合は,より小さなS0を採用すること
ができる。

9.3 ころ軸受

  ころ軸受の静安全係数S0の指針は,表5による。
表5−ころ軸受の静安全係数S0の指針
運転条件 S0(最小)
静粛な回転が要求される用途 :
3
滑らかな回転,振動を生じない,高い回転精度
衝撃荷重を受ける用途 :
3
著しい衝撃荷重a)
通常の回転用途 :
1.5
滑らかな回転,振動を生じない,普通の回転精度
注記1 スラスト自動調心ころ軸受の場合は,S0は,すべての運転条件で4
とすることが望ましい。
注記2 はだ焼鋼のシェル形針状ころ軸受の場合は,S0は,すべての運転条
件で3とすることが望ましい。
注a) ころ軸受が衝撃的に静等価荷重を負荷した場合は,ころの転動面端
部と軌道輪との間に発生する応力集中も考慮し,最大衝撃荷重は静
等価荷重の約3倍になると推定している。衝撃荷重の大きさが不明
の場合は,S0は,少なくとも3を使用することが望ましい。衝撃荷
重の大きさが正確に分かっている場合は,より小さなS0を採用する
ことができる。

――――― [JIS B 1519 pdf 12] ―――――

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附属書A
(参考)
アンギュラ玉軸受の基本静定格荷重の不連続性

序文

  この附属書は,本体の規定を補足するものであって,規定の一部ではない。
A.1 一般
接触角α=45°を境に,アンギュラ玉軸受をラジアル軸受として考えた場合と,スラスト軸受として考
えた場合とでは,基本静アキシアル定格荷重の計算結果がわずかに異なり不連続となる。これは,ラジア
ル軸受としてのアンギュラ玉軸受(α≦45°)の玉の直径に対する軌道溝半径の比(以下,溝半径の比とい
う。)が,スラスト軸受としてのアンギュラ玉軸受(α>45°)の溝半径の比と異なるためである。この附属
書では,この不連続について記述する。
さらに,ラジアル軸受の溝半径の比を用いて,α>45°のスラストアンギュラ玉軸受を製造したり,ス
ラスト軸受の溝半径の比を用いて,α≦45°のラジアルアンギュラ玉軸受を製造することがあり,実際の
溝半径の比を用いた基本静アキシアル定格荷重を計算し比較することが必要となる場合がある。この附属
書では,この規格から計算するC0r及びC0aから実際の溝半径の比を用いた基本静アキシアル定格荷重を求
める方法を記述する。
A.2 量記号
この附属書で用いる量記号は,箇条4によるほか,次による。
C0aa : スラスト軸受(α>45°)の補正基本静アキシアル定格荷重 (N)
C0ar : ラジアル軸受(α≦45°)の補正基本静アキシアル定格荷重 (N)
re : 外輪の軌道溝半径 (mm)
ri : 内輪の軌道溝半径 (mm)
A.3 ラジアル及びスラストアンギュラ玉軸受の基本静定格荷重を計算する場合の玉の直径に対する軌道
溝半径の比
A.3.1 ラジアルアンギュラ玉軸受 (α≦45°)
C0rの計算では,玉の直径に対する溝半径の比は5.1.1に従う。
ri/Dw≦0.52及びre/Dw≦0.53
A.3.2 スラストアンギュラ玉軸受 (α>45°)
C0aの計算では,溝半径の比は6.1に従う。
ri/Dw≦0.54及びre/Dw≦0.54
A.4 ラジアル及びスラストアンギュラ玉軸受に対する基本静アキシアル定格荷重C0arとC0aaとの比較
A.4.1 一般
通常,静定格荷重の比較は,アキシアル荷重が支配的な用途で運転される軸受に必要となることが多い
ので,基本静アキシアル定格荷重の求め方を記述する。この基本静アキシアル定格荷重は,それぞれ,式

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(A.1)式(A.4)によって計算できる。ただし,接触角αはアキシアル荷重に依存せず一定と仮定しているの
で,接触角が小さな軸受が重荷重を受けた場合は計算誤差が生じる。
A.4.2 ラジアル軸受の溝半径の比をもつアンギュラ玉軸受の補正基本静アキシアル定格荷重の求め方
(ri/Dw≦0.52及びre/Dw≦0.53)
− ラジアル軸受としてのアンギュラ玉軸受(α≦45°)の基本静ラジアル定格荷重C0rから求める方
法は,式(A.1)による。
C0ar=C0r/Y0 (A.1)
− スラスト軸受としてのアンギュラ玉軸受(α>45°)の基本静アキシアル定格荷重C0aから求める
方法は,式(A.2)による。
C0aa=1.43C0a (A.2)
A.4.3 スラスト軸受の溝半径の比をもつアンギュラ玉軸受の補正基本静アキシアル定格荷重の求め方
(ri/Dw≦0.54及びre/Dw≦0.54)
− ラジアル軸受としてのアンギュラ玉軸受(α≦45°)の基本静ラジアル定格荷重C0rから求める方
法は,式(A.3)による。
C0ar=0.7C0r/Y0 (A.3)
− スラスト軸受としてのアンギュラ玉軸受(α>45°)の基本静アキシアル定格荷重C0aから求める
方法は,式(A.4)による。
C0aa=C0a (A.4)
A.5 計算例
A.5.1 α=45°のアンギュラ玉軸受の基本静アキシアル定格荷重の不連続性
α=45°の単列アンギュラ玉軸受をラジアル軸受及びスラスト軸受と考えた場合の基本静アキシアル定
格荷重の不連続性を記述する。計算軸受では,ラジアル軸受の溝半径の比をもち,(Dwcosα)/Dpw=0.16,i
=1とした。
− ラジアル軸受としての基本静アキシアル定格荷重の計算 ラジアル軸受の基本静ラジアル定格荷重
C0rは,式(1)のC0r=f0iZDw2cosαによって計算する。表1によってf0=14.9で,表2によってY0=0.22
である。
C0r=14.9×Z×Dw2×cos45°=10.54ZDw2
C0r及びY0を式(A.1)に代入すると次のようになる。
C0ar=10.54×Z×Dw2/0.22=47.9ZDw2
− スラスト軸受としての基本静アキシアル定格荷重の計算 スラスト軸受の基本静アキシアル定格荷重
C0aは,式(4)のC0a=f0ZDw2sinαで計算し,式(A.2)に代入する。表1によってf0=48.8である。
C0aa=1.43×48.8×Z×Dw2×sin45°=49.3ZDw2
この計算によって,α=45°の単列アンギュラ玉軸受をラジアル軸受と考えた場合とスラスト軸受と考
えた場合とでは,基本静アキシアル定格荷重には不連続が生じるものの,C0ar C0aaで,大きな誤差がない
ことを確認できる。
A.5.2 α=40°のアンギュラ玉軸受の補正基本静アキシアル定格荷重C0arの求め方
α=45°の単列アンギュラ玉軸受の補正基本静アキシアル定格荷重C0arの求め方を記述する。計算軸受は,
スラスト軸受の溝半径の比をもち,α=40,Dw/Dpw=0.091,玉の呼び直径Dw=7.5 mm,玉の列数i=1,
転動体数Z=27とする。ラジアル軸受の基本静ラジアル定格荷重C0rは,式(1)のC0r=f0iZDw2cosαによって

――――― [JIS B 1519 pdf 14] ―――――

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計算する。表1によって,(Dwcos40°)/Dpw=0.091×cos40°=0.07で,f0=16.1となり,また,表2によっ
てY0=0.26が求まる。
C0r=16.1×27×7.52×cos40°=18 731
注記 この計算したC0rは,ラジアル軸受の溝半径の比に基づいている。
式(A.1)によって,ラジアル軸受の溝半径の比をもつα=40°の単列アンギュラ玉軸受の補正基本静アキ
シアル定格荷重C0arは,次のように求まる。
C0ar=18 731/0.26=72 042
C0ar=72 000 N
式(A.3)によって,スラスト軸受の溝半径の比をもつα=40°の単列アンギュラ玉軸受の補正基本静アキ
シアル定格荷重C0arは,次のように求まる。
C0ar=0.7×18 731/0.26=50 430
C0ar=50 400 N
A.5.3 α=60°のアンギュラ玉軸受の補正基本静アキシアル定格荷重C0aaの求め方
α>45°の単列アンギュラ玉軸受の補正基本静アキシアル定格荷重C0aaの求め方を記述する。計算軸受は,
スラスト軸受の溝半径の比をもち,α=60°,Dw/Dpw=0.091,玉の呼び直径Dw=7.5 mm,転動体数Z=27
とする。スラスト軸受の基本静アキシアル定格荷重C0aは,式(4)のC0a=f0ZDw2sinαによって計算する。表
1によって,(Dwcos60°)/Dpw=0.091×cos60°=0.046で,f0=57.82となる。
C0a=57.82×27×7.52×sin60°=76 049
注記 この計算したC0aは,スラスト軸受の溝半径の比に基づいている。
式(A.4)によって,スラスト軸受の溝半径の比をもつα=60°の単列アンギュラ玉軸受の補正基本静アキ
シアル定格荷重C0aaは,基本静アキシアル定格荷重C0aと同じであり,次のように求まる。
C0aa=C0a=76 049
C0aa=76 000 N
式(A.2)によって,ラジアル軸受の溝半径の比をもつα=60°の単列アンギュラ玉軸受の補正基本静アキ
シアル定格荷重C0aaは,次のように求まる。
C0aa=1.43×76 049=108 750
C0aa=109 000 N

JIS B 1519:2009の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 76:2006(IDT)

JIS B 1519:2009の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 1519:2009の関連規格と引用規格一覧