JIS B 1601:1996 角形スプライン―小径合わせ―寸法,公差及び検証方法 | ページ 2

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B 1601-1996
5.8.1 通り側 通りゲージ(スプラインリングゲージ又はプラグゲージ)は,定められた荷重又は自重に
よって,検査されるスプラインの全長にわたりすきまなしに滑らなければならない。ゲージにおける検査
は,等分に分割された,少なくとも3か所の角度位置(円周方向に)において行う。ゲージは,摩擦の影
響を最小限にするために,前後にわずかに動かすのがよい。
5.8.2 止まり側 止まりセクタゲージは,単純形状の部品の検査のためのゲージと同じ方法で用いる。ゲ
ージによる検査は,すべての角度位置において行う。
5.9 ゲージ管理
5.9.1 通り側 通りゲージは,一般に直接測定によって管理する。
5.9.2 止まり側 止まりセクタゲージは,ゲージによる単純形状の部品の検査のためのゲージと同じ条件
の下に管理する。
6. ゲージ
6.1 一般 6.には,通りゲージ・止まりゲージの公差位置及び公差値,並びに通り側の許容摩耗限界を規
定する。さらに,ゲージの測定部長さについても規定する。
備考1. ゲージが,最大実体限界 (maximum material limit) で作られたときには,許容差の外側に形状
誤差があってはならない。
2. ゲージの数を少なくするために,ハブの寸法の最小許容限界をチェックするのは,ただ1個
の通りスプラインプラグゲージを用いる(ブローチ加工後に,熱処理する,しないに関係な
く。)。
3. 以下に記載する文中において“ゼロゲージライン”という表現は,理論的な線を呼ぶために
用いる。
“ゼロアッセンブリライン”(基準寸法)と同類で,その理論的な線との関係から通りゲー
ジが位置付けられる。
“ゼロゲージライン”の位置は,通りゲージが,セクタゲージではなく,総形ゲージであ
ることを考慮して,組立て及び作動上の要求を満足するために,最大実体状態 (maximum
material condition) にあるスプラインの限界値をチェックするものとして決定された。
“ゼロゲージライン”は,“ゼロアッセンブリライン”(すなわち,製品の基準寸法)と,
幾つかの場合に一致する。
4. 小径は,スプラインの中心合わせに用いる。したがって,小径は,他の要素(すなわち,ス
プラインの幅B,大径)の幾何学的な欠陥の管理のための基準として用いる。
これに関連して,“中心合わせに関係しない寸法”及び“中心合わせに関係する寸法”とい
う表現を,それぞれの要素を表示するために用いる。
6.2 基本原理
6.2.1 通りゲージ 通りゲージは,スプラインの小径d,大径D及び幅Bを同時にチェックする総形ゲー
ジである。
6.2.1.1 中心合わせのための寸法(小径d)の通りゲージ 中心合わせを確保する小径dの通りゲージに
ついては,穴用又は軸用ゲージの寸法公差の値及び公差位置,摩耗限界並びに形状公差は,ISO/R 1938の
要求事項に適合しなければならない。
6.2.1.2 中心合わせに関係しない寸法の通りゲージ

――――― [JIS B 1601 pdf 6] ―――――

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6.2.1.2.1 ゼロゲージラインの位置 中心合わせに関係しない大径Dの通りゲージについては,軸及び穴
の両方に共通のゼロゲージラインが,対象とすスプラインの最大許容実体状態 (maximum permissible
material condition) にある軸と穴との中央に位置する。
幅Bの通りゲージについては,4.に示す形式,すなわち,自由,滑動及び固定について考える。
a) 自由結合形式 軸及び穴の両方に共通のゼロゲージラインが,スプラインの最大許容実体状態にある
軸と穴との中央に位置する。
b) 滑動結合形式 穴用ゲージ(プラグゲージ)は自由結合形式のゲージと同じで,穴のゼロゲージライ
ンが,それと同じ位置にある。
軸用ゲージ(リングゲージ)については,ゼロゲージラインが,スプラインの最大許容実体状態に
ある軸と穴との中央ではなく,ゼロライン(基準寸法)に位置する。
c) 固定結合形式 穴用ゲージ(プラグゲージ)は自由結合形式又は滑動結合形式と同じで,穴のゼロゲ
ージラインが,それと同じ位置にある。
軸用ゲージ(リングゲージ)については,軸のゼロゲージラインが,軸の最大許容実体状態(基準
寸法)に対して,自由結合形式用と同様,すなわち,基礎となる寸法許容差1)の半分だけ上方に位置
する。
6.2.1.2.2 中心合わせに関係しない寸法の通りゲージに対する公差及び公差位置,並びに摩耗限界 穴又
は軸の通りゲージの寸法公差の値は,6級の値に相当し,寸法及び形状の誤差(すなわち,同心度,対称
度,位相,ねじれ,アライメントなど)の両方を含む。
6.2.1.2.1で規定したゼロゲージラインと,ゼロラインに最も近い量の6級の値との間の偏差は,4級の値
に一致する。
ゲージ摩耗限界は,上記のゼロゲージラインに一致する。
6.2.2 止まりゲージ 止まりゲージは,スプラインの小径d,大径D及び幅Bを別々にチェックするセク
タゲージである。
各要素別の止まりゲージについては,ゲージ公差の数値及び公差位置は,ISO/R 1938に適合しなければ
ならない。
6.3 公差位置及び公差値
6.3.1 小径d1対しての大径D1のバックラッシの公差及び対称度公差 図2による。
1) 付表1,2及び3では,簡略に“許容差”と記載する。

――――― [JIS B 1601 pdf 7] ―――――

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図2 ゲージの幾何公差
6.3.2 中心合わせに関係する寸法,及び中心合わせに関係しない寸法,並びにスプライン幅 中心合わせ
に関係する寸法及び関係しない寸法並びに公差位置及び公差値は付表13による。
6.4 ゲージの測定部の長さ
6.4.1 通りゲージの測定部 通りゲージ(プラグ又はリング)の測定部の長さは,少なくとも表4に示す
最小値に等しく,標準数のR20シリーズから選択しなければならない。
軸の通りゲージ(リング)は,その全長にわたってスプラインがなく,ゲージスプラインの大径Dと同
じ大径及び公差の単純円筒部とする。
穴の通りゲージ(プラグ)は,その全長にわたって,スプライン加工をする。
備考 穴の通りゲージは,検査する穴に容易に入るように,1か所(又は2か所)に単純円筒部があ
ってもよい。
6.4.2 止まりゲージの測定部 穴又は軸の止まりセクタゲージの測定部の推奨長さは,表5に示す。
6.5 ゲージの面取り プラグでは,面取りを施してもよい。ただし,45°面取りの最大値が,検査され
る軸とハブとの間のすきまを超えてはならない。
6.6 プラグゲージの柄 プラグゲージの柄は,普通,単純又はねじゲージ(ISO 3670参照)用のものと
する。

――――― [JIS B 1601 pdf 8] ―――――

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表4 通りゲージの測定部の最小長さ
単位 mm
通りプラグゲージ
スプラインの大 通りリングゲージ スプラインの通りプラグゲージ 通りリングゲージ
径Dの基準寸法 (穴) (軸) 大径Dの基準 (穴) (軸)
最小長さ 寸法 最小長さ
スプライン部分 合計 スプライン部分 スプライン部分 合計 スプライン部分
14 20 20 10 50 50 50 25
16 54
20 25 20 10 58
22 60
62
25 31.5 25 12.5 65
26 68 50 56 28
28 72
30 78
32 40 28 14 82
34 88 50 63 31.5
36 45 35.5 18 92
38 98
40 102
42 108
112 56 71 35.5
46 50 45 22.4 120
48 125
表5 止まりセクタゲージの測定部の推奨長さ
単位 mm
スプラインの大径 止まりセクタゲージ スプラインの大径 止まりセクタゲージの
Dの基準寸法 の測定部−推奨長さ Dの基準寸法 測定部−推奨長さ
(穴又は軸) (穴又は軸)
14 10 54 18
16 58
20 12 60
22 62
25 14 65
26 68 25
28 72
30 78
32 15 82
34 88
36 92
38 98
40 102
42 18 108
46 112 25
48 120
50 125

――――― [JIS B 1601 pdf 9] ―――――

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B 1601-1996
付表1 中心合わせに関係する寸法の公差位置及び公差値(小径)

――――― [JIS B 1601 pdf 10] ―――――

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JIS B 1601:1996の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 14:1982(IDT)

JIS B 1601:1996の国際規格 ICS 分類一覧