JIS B 2710-2:2020 重ね板ばね―第2部:設計方法 | ページ 4

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10.4 板間摩擦及び動ばね定数

  重ね板ばねは,リーフ間の摩擦のため,図16に示すように,力とたわみとの関係が加力時と減力時とで
異なり,ヒステリシス特性を示す。
図16−板間摩擦によるヒステリシス
その結果,動ばね定数は静ばね定数より高めとなり,無視できない影響を及ぼすことがある。一方では,
板間摩擦による制振効果を期待することも多い。したがって,設計では板間摩擦の程度を考慮する必要が
ある。
板間摩擦を減少するためには,リーフ数を少なくする,板端に摩擦係数の低いスペーサを挟むなどの方
策があり,板間摩擦を増加するためには,リーフ数を多くする,リーフを締め付けるなどの方策がある。
板間摩擦による動ばね定数の変化は,ばねのたわみが小さい範囲で特に大きく,そのためばねを含む振
動系の共振周波数が変化して,他の防振対策などの効果を損ねることがあるので注意が必要である。
なお,潤滑による板間摩擦の低減策は,効果の持続性が期待できない。

10.5 フレッティング

  重ね板ばねの中央締付部は,フレッティングによる摩耗を生じやすいので,リーフ間に樹脂又は軟鋼の
センタスペーサを挟むなど,対策を工夫することが望ましい。
フレッティングを起こす箇所の作用応力が高いと,疲労破壊を起こしやすい。例えば,Uボルトによる
締付部では,Uボルトの締付け境界部から折損することがある。

――――― [JIS B 2710-2 pdf 16] ―――――

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附属書A
(参考)
重ね板ばねの疲労設計
A.1 重ね板ばねの強度耐久性
重ね板ばねの強度耐久性は,実際の使用環境における種々の作用応力の大きさ及びその変動条件の影響
を強く受ける。しかし,それら応力条件の詳細は,個別のばねによって大きく異なり,一定の基準を示す
ことは困難である。この附属書は,過去の経験に基づく応力条件の実態を示す重ね板ばねの疲労設計に関
する資料について記載している。
なお,この附属書に示すデータは,トラック,バスなどに用いる線形特性ばねの設計において,国内の
製造業者が考慮している応力条件の調査結果をまとめたもので,2000年当時のものである。ばねには,シ
ョットピーニング施工ばね,ストレスピーニング施工ばね,モディファイドオースフォーミングなどの高
強度ばねを含んでいる。
A.2 常用曲げ応力と最大作用曲げ応力との関係
ばねの常用曲げ応力と最大作用曲げ応力との関係について,図A.1図A.3に例を示す。疲労設計にお
いては,常用曲げ応力を平均応力σm,最大作用曲げ応力を最大応力σmaxと考えると,応力振幅σaは,式(A.1)
及び式(A.3)で表される。
a) σmax<2σmの場合 :
σa=σmax−σm (A.1)
このとき,最小最大応力比Vは,式(A.2)で表される。
2 m
V 1 (A.2)
max
b) σmax≧2σmの場合は,V=0と考えて,
max
a (A.3)
2
図A.1−ショットピーニング施工ばねにおける常用曲げ応力と最大作用曲げ応力との関係

――――― [JIS B 2710-2 pdf 17] ―――――

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図A.2−ストレスピーニング施工ばねにおける常用曲げ応力と最大作用曲げ応力との関係
図A.3−高強度ばねにおける常用曲げ応力と最大作用曲げ応力との関係
A.3 疲労強度
平均応力を基準値σm0にとったときのばねの疲労強度の例を,図A.4図A.6に示す。
ここで,実際のデータは種々の異なる平均応力σmの下での応力振幅σaなので,真破断応力σTを用いて
σm0に対する応力振幅σa0に換算している。計算に用いたσm0及びσTの値は,各図中に示した。換算の方法
は,式(A.4)で表される。
T m0
a0 a (A.4)
T m
曲げ応力の計算は展開法又は板端法によって,マルチリーフスプリングでは中心穴位置,テーパリーフ
スプリングでは曲げ応力が最大となる位置について求めている。

――――― [JIS B 2710-2 pdf 18] ―――――

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図A.4−ショットピーニング施工ばねの応力振幅と折損回数との関係
図A.5−ストレスピーニング施工ばねの応力振幅と折損回数との関係
図A.6−高強度ばねの応力振幅と折損回数との関係
A.4 時間強度線図
ばねの設計に用いる時間強度線図の例を,図A.7図A.9に示す。
時間強度線図は,A.3に示した応力振幅及び折損回数から求めている。このとき,時間強度のばらつき

――――― [JIS B 2710-2 pdf 19] ―――――

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は寿命によらず一定とし,かつ,正規分布に従うと仮定している。
図A.7−ショットピーニング施工ばねの時間強度線図
図A.8−ストレスピーニング施工ばねの時間強度線図

――――― [JIS B 2710-2 pdf 20] ―――――

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JIS B 2710-2:2020の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 2710-2:2020の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB0103:2015
ばね用語
JISB0156:2015
ばね記号
JISB2710-1:2008
重ね板ばね―第1部:用語
JISB2710-1:2020
重ね板ばね―第1部:用語
JISB2710-3:2008
重ね板ばね―第3部:試験方法
JISB2710-4:2008
重ね板ばね―第4部:製品仕様