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B 2713 : 2009
表11−ぜんまいばねの基本的な特性,種類及び特徴
番号 ばね特性 ばねの種類 特徴
1 線形特性 非接触形ぜんまい及びひげぜ振動周期の等時性を重視する
んまい 点で特異性がある。
2 非線形特性 接触形ぜんまい 巻き始めは板間摩擦の影響に
よって高いばね定数となる
が,たわみが大きくなると,
非接触となるため,低いばね
定数が得られる。
3 定荷重特性 定荷重ぜんまい 渦巻が解けるときの荷重は,
たわみにほとんど無関係で一
定となり,ばね自身の寸法の
数倍にも達するたわみが得ら
れる。
6.2 材料の選択
多くの場合,既存の用途ごとに使用材料の種類が大まかに知られているので,それらを参考にするとよ
い(例えば,自動車部品 : みがき特殊帯鋼,電気関係のスイッチ類 : ばね用のベリリウム銅,チタン銅,
りん青銅,ニッケル−すず銅及び洋白の板及び条)。一般的には,材料を選択するときには,表1及び表
12を参照し,次の項目を考慮して選択する。
a) 薄板ばねの使用環境 許容される薄板ばねの占める体積,寸法,使用温度,雰囲気など。
b) 要求性能 荷重,たわみ,必要とされる耐久性など。また,前記のほかに次のような点も考慮する必
要がある。
c) 材料の入手性(市場性)。
d) 材料及びばね加工工程の経済性。
e) 廃棄の容易性,再資源化(リサイクル)までの無公害性,安全性,及び法規制の遵守。
表12−材料選択の目安
材質区分
材料
弾性限 加工性 導電性 耐食性 耐熱性 経済性
冷間圧延鋼帯(ばね加工後熱処理)◎ ○ ○ ◎
冷間圧延鋼帯(熱処理をした材料)◎ ○ ○
ばね用ステンレス鋼帯 ○ ◎ ◎ ○
ばね用ベリリウム銅 ○ ◎ ◎ ○ ○
ばね用りん青銅 ◎ ○ ○ ○
ばね用洋白 ◎ ○ ○ ○
注記 ◎ : 非常に良好 ○ : 良好
7 設計計算式
7.1 基本設計計算式
薄板ばねの形状は,表1に示したように多種多様であり,また使われ方も様々であるから,すべての場
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合について規定することはできないので,ここでは,基本的なものについて規定する。
a) 真直はり 表13に示す,板厚t及び板幅bが一定で長さがlのはりの荷重P及び応力σは,それぞれ
式 (1) 及び式 (2) によって求める。
3
1 EI 1 Ebt
P 3 3 (1)
l 12l
M 6M
2 (2)
Z bt
ここに, P : ばねにかかる荷重 (N)
β : たわみの係数
E : 縦弾性係数 (MPa)
I : 断面二次モーメント (mm4)
b : 材料の板幅 (mm)
t : 材料の板厚 (mm)
l : はりの長さ (mm)
δ : ばねのたわみ (mm)
σ : 曲げ応力 (MPa)
M : 曲げモーメント (N・mm)
Z : 断面係数 (mm3)
ただし,たわみの係数β及び曲げモーメントMは,はりの種類によって決まる係数であり,表13
による。
表13−はりの種類,たわみの係数及び曲げモーメント
番号 はりの種類 たわみの係数β 曲げモーメントM
1 片持ちはり
1
Pl
3
2 両端支持はり
1 Pl
48 4
3 両端固定はり
1 Pl
192 8
例1 数値を代入した計算例として,次のときの荷重と応力とを求める。
b : 3 (mm) t : 0.1 (mm) l : 10 (mm)
E : 1.86×105 (MPa)
となる片持ちはりを考えると,たわみの係数βは1/3となり,ばねのたわみδを1とすると,荷
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重Pは次の式による。
.186 105 3 1.03
P 3 1
12 103
= 0.140 (N)
また,片持ちはりのため,曲げモーメントMはPlとなり,応力σは次の式による。
6M 6Pl 6 .0140 10
2 2 2
bt bt 3 1.0
= 280 (MPa)
b) 円弧状はり 図1に示す,板厚tの円弧状はりの荷重P及び応力σは,式 (3) 及び式 (4) によって求
める。
図1−円弧状はりのモデル
3 1
Ebt 2 3
P 3 π 2 cos 1 sin 2 (3)
12r 2
6r cos 1
2 (4)
bt
ここに, P : ばねにかかる荷重 (N)
E : 縦弾性係数 (MPa)
b : 材料の板幅 (mm)
t : 材料の板厚 (mm)
r : 円弧の半径 (mm)
α : 開口部角度(図1参照)(rad)
δ : ばねのたわみ (mm)
σ : 曲げ応力 (MPa)
例2 数値を代入した計算例として,次のときの荷重と応力とを求める。
E : 1.86×105 (MPa)
r : 10 (mm) α : π/12 (rad)
b : 3 (mm) t : 0.1 (mm) δ : 4 (mm)
とすると,荷重P及び応力σは次の式による。
.186105 3 1.03
P 4 0.020 7(N)
3 π π 3 π
12 10 π 2cos 2 1 sin
12 12 2 6
――――― [JIS B 2713 pdf 13] ―――――
12
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π
6 10 cos 1
12
0.020 7 81.4 (MPa)
3 1.02
7.2 簡易分割形計算式(板幅変化形)
7.2.1 一般
直線と円弧とを組み合わせた薄板ばね,直線と円弧以外の曲線とを組み合わせた薄板ばねなどの複雑な
形状をもつものについては,計算が煩雑になり,厳密な荷重及び応力の計算が困難な場合がある。
近年は有限要素法(FEM)などの活用によって,計算ができるようになってきているが,従来とは異な
った力量が必要となる。また,概略設計及び幾つかの類似形状を比較する場合などにはあまり適していな
い。そのような場合の薄板ばねの設計には,簡易分割計算法が活用でき,有用である。
7.2.2 基本的な使い方
図2に示す,板厚t及び板幅bが一定の薄板ばねの一端を固定し他端に荷重Pを加える場合は,次の手
順によって荷重及び応力を求める。
a) 薄板ばねの軸線方向の形状を,図2のように直線及び円弧の要素に分割する。
図2−要素分割例
b) 各要素の形状による係数Λを計算する。Λは,薄板ばねの軸線の,荷重作用点に対する2次モーメン
トであり,たわみの係数βと形状とによって決まる係数である。直線及び円弧要素のΛは,表14及
び表15を参照するのがよい。ここで,Sは軸線の長さであり,lは荷重作用点に対する直角方向の長
さである。図2のA,B及びCの各要素の形状による係数Λは,次の式による。
2
ΛA Sl1
π π
ΛB R3 n2 2n
2 4
3
l2
ΛC
3
ここに, ΛA : 要素Aの形状による係数 (mm3)
ΛB : 要素Bの形状による係数 (mm3)
ΛC : 要素Cの形状による係数 (mm3)
S : 要素Aの長さ (mm)
l1 : 要素Aの荷重点からの距離 (mm)
l2 : 要素Cの長さ (mm)
R : 要素Bの半径 (mm)
n : l2/R
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表14−直線要素のΛ
形状 形状による係数 Λ
3l
3
Sl2 又は ml3
3 3
S
ここに, m
l
Sl2
1 3 3
lB lA
3
m 3 3
lB lA
3
S
ここに, m
lBlA
表15−円弧要素のΛ
形状 形状による係数 Λ
1
R3 n2 5.0 2nsin sin 2
4
上記の場合のΛをΛ(α)と表して,
Λ(α1)+Λ(α2)
Λ(α2)−Λ(α1)
π π
R3 n2 2n
2 4
――――― [JIS B 2713 pdf 15] ―――――
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JIS B 2713:2009の国際規格 ICS 分類一覧
- 21 : 一般的に使用される機械的システム及び構成要素 > 21.160 : ばね
JIS B 2713:2009の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0103:2015
- ばね用語
- JISB2709:2000
- ねじりコイルばね ― 設計・性能試験方法
- JISG3311:2016
- みがき特殊帯鋼
- JISG3311:2021
- みがき特殊帯鋼
- JISG4313:2011
- ばね用ステンレス鋼帯
- JISG4802:2019
- ばね用冷間圧延鋼帯
- JISH3130:2018
- ばね用のベリリウム銅,チタン銅,りん青銅,ニッケル―すず銅及び洋白の板及び条