14
B 2809 : 2018
附属書C
(参考)
ワイヤグリップの使用基準の例
ワイヤグリップの使用基準を定める場合の例を示す。
a) グリップは,ロープの公称径に適合した寸法のものを必ず使用する。Sよりのワイヤロープに鍛造製
のグリップを使用する場合,突起の方向が図1に示すものとは反対のものを使用するのが望ましい。
b) 異種ワイヤロープ及び異径ワイヤロープを,同一のグリップで止めない。
c) 図C.1に示す重ね継ぎは,保持効率が悪いので行わない。
図C.1−重ね継ぎ
d) 3本以上のワイヤロープを,同一グリップで止めると抜けやすい。
e) アイ部分には,使用上に差し支えのない限りシンブルを使用することが望ましい。
f) グリップの取付けは,図C.2のようにU字側をワイヤロープの端末側にする。
図C.2−グリップの取付方法
g) シンブルのアイに最も近いグリップは,シンブルにできるだけ近づける。また,グリップ終端末部の
ワイヤロープの長さは,シンブルの有無に関係なくロープの公称径の6倍以上とする。
h) グリップの取付間隔 隣接グリップの中心間距離は,表C.1のとおりワイヤロープのよりの長さにほ
ぼ合致するようにする。
表C.1−グリップの取付間隔
項目 ワイヤロープの種類
6×24,6×37 6×7 平行より 34ストランド
ワイヤロープ
よりの長さ(ロープの公称径に対する倍率) 6.5 8 6.2 10.5
グリップの中心間距離 6.5×ロープの 8×ロープの 6.2×ロープの 10.5×ロープの
公称径 公称径 公称径 公称径
――――― [JIS B 2809 pdf 16] ―――――
15
B 2809 : 2018
i) グリップの取付個数 よりの長さが長く,かつ,剛性の大きいワイヤロープ(6×7,34ストランド
ワイヤロープなど)の場合は,規定個数より少なくとも1個多く取り付ける。スパイラルロープの場
合は,規定個数より50 %以上多く取り付ける。
j) グリップの締付トルク 締付効率は,グリップの取付間隔及び取付個数のほかに,締付トルクの影響
が大きいため,適正なトルクで締め付けなければならない。締付けの順序は,端末のグリップから,
同一順序で3回以上に分けて順次締めるとよい。
k) グリップの増締め ワイヤロープに引張力がかかると,ロープ径が細くなり滑りやすくなるので,表
C.2の締付トルクの許容範囲内で増締めを行う。
l) グリップの取付基準 グリップの取付基準は,表C.2による。
表C.2−グリップの取付基準(6×24,6×37ワイヤロープ用)
ロープの グリップ 取付 取付 締付トルク 参考値 Uボルト
公称径 の種類の 個数 間隔 標準 許容範囲 スパナ 想定締付 想定入力 トルク限界
記号 握り長さ トルク
(mm) (cm) (N・m) (N・m) (cm) (N・m) (N) (N・m)
6 F6 4 4 4 3 6 − − − −
8 F8 4 5 8 7 12 − − − −
10 F10 4 7 16 15 20 15 1529 98196 51
12 F12 4 8 24 22 33 20 2239 108196 69
14 F14 4 9 37 34 51 25 4056 157226 69
16 F16 4 10 52 47 72 25 4756 186226 89
18 F18 5 12 67 60 89 30 5973 196245 89
20 F20-22 5 13 82 75115 40 7998 196245 167
24 F24-25 5 16 119 107166 − − − −
26 F26-28 5 17 137 124192 − − − −
30 F30-32 6 20 188 168260 − − − −
36 F33-38 7 23 261 236365 − − − −
40 F40-45 7 26 299 270418 − − − −
47.5 F47-50 8 31 397 358556 − − − −
注記1 この表は一般社団法人送電線建設技術研究会発行の“送電線工事用索道教本”に基づいて作成している。
ただし,F6及びF8についてはこの規格で独自に設定したものである。
注記2 6×19,6×7ワイヤロープでは,表C.2に対し,取付個数はそれぞれ25 %,50 %増し,締付トルクはそれ
ぞれ20 %,40 %増しとする。また,取付間隔は,6×19ワイヤロープは表C.2の値とするが,6×7ワイヤ
ロープでは,ロープの公称径の8倍を標準とする。
注記3 取付間隔は,ワイヤロープの1よりの長さにすると最も締付効率が大きくなるので,ロープの公称径の6.5
倍とした。
注記4 表C.2に示していない中間ロープ径のワイヤロープの締付トルクは,この表の中間値をとる。
注記5 締付トルクの許容範囲は,標準締付トルクの90140 %とした。
注記6 スパナは,スパナ握り長さより5 cm以上長いものを使用する必要がある。
注記7 想定入力は,グリップの締付力試験結果によるもので,締め付けにくいため締付トルクは小さな値になっ
た。
注記8 Uボルトトルク限界は,Uボルトのねじ切り強度実験値の70 %とした。
――――― [JIS B 2809 pdf 17] ―――――
16
B 2809 : 2018
附属書D
(参考)
ワイヤグリップの点検基準の例
ワイヤグリップの点検基準を定める場合の例を示す。
D.1 使用中の管理
a) 使用頻度,環境,実績などによって,日常,週間,月間の点検制度を決め,計画的に点検を実施する
ようにする。
b) 特に重要な箇所では,グリップの締付けが完了し,ワイヤロープに引張力をかけた時点で,図D.1の
ようにマーキングを施し,使用中におけるスリップの有無を確認するようにする。通常,最初に滑り
始めるのは,図D.1のマーキングの箇所である。
図D.1−マーキングを施す場所
c) 長期間にわたってグリップで止めておく場合は,ときどき指定の締付トルクに増締めを行う。
D.2 点検事項及びその結果による対応
a) スリップが発生していないか点検する。発生している場合は,指定のトルクに増締めを行う。著しい
スリップの場合は,負荷を除いてグリップの取付けを最初からやり直す。
b) グリップ(本体,Uボルト,六角ナット及び座金)に割れ(ひび割れ)及び変形が発生していないか
点検する。また,さびの有無とその程度を調査する。割れ若しくは変形の発生したもの又は著しく腐
食したものは,グリップを取り替える。グリップを取り替えるときは,負荷の小さい状態で1個ずつ
行う。
参考文献 JIS G 3537 亜鉛めっき鋼より線
JIS G 5502 球状黒鉛鋳鉄品
JIS G 5705 可鍛鋳鉄品
JIS B 2809:2018の国際規格 ICS 分類一覧
- 77 : 金属工学 > 77.140 : 鉄及び鋼製品 > 77.140.65 : 鋼線,ワイヤロープ及びリンクチェーン
- 21 : 一般的に使用される機械的システム及び構成要素 > 21.060 : 締結用部品 > 21.060.99 : その他の締結用部品
JIS B 2809:2018の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0148:2006
- 巻上機―用語
- JISB0209-1:2001
- 一般用メートルねじ―公差―第1部:原則及び基礎データ
- JISB0415:1975
- 鋼の熱間型鍛造品公差(ハンマ及びプレス加工)
- JISB1051:2014
- 炭素鋼及び合金鋼製締結用部品の機械的性質―強度区分を規定したボルト,小ねじ及び植込みボルト―並目ねじ及び細目ねじ
- JISB1052-2:2014
- 炭素鋼及び合金鋼製締結用部品の機械的性質―第2部:強度区分を規定したナット―並目ねじ及び細目ねじ
- JISB1181:2014
- 六角ナット
- JISB1256:2008
- 平座金
- JISG3101:2015
- 一般構造用圧延鋼材
- JISG3101:2020
- 一般構造用圧延鋼材
- JISG3525:2013
- ワイヤロープ
- JISH0401:2013
- 溶融亜鉛めっき試験方法
- JISH8641:2007
- 溶融亜鉛めっき