この規格ページの目次
53
B 6190-7 : 2019 (ISO 230-7 : 2015)
附属書C
(参考)
回転軸のコンプライアンス特性に関する用語及び定義
C.1
コンプライアンス(compliance)
構造ループ内の2点間の単位力当たりの変位。
力の作用位置及び向き,並びに変位の測定位置及び向きは規定する。
C.2
剛性(stiffness)
コンプライアンスの逆数。
C.3
半径方向コンプライアンス(radial compliance)
力及び変位の方向がZ基準軸に垂直なときのコンプライアンス。
C.4
傾斜方向コンプライアンス(tilt compliance)
Z基準軸を含む平面内におけるモーメント及び傾き変位に適用できるコンプライアンス。
C.5
軸方向コンプライアンス(axial compliance)
力及び変位の方向がZ基準軸と同軸であるときのコンプライアンス。
C.6
端面方向コンプライアンス(face compliance)
力及び変位の方向がZ基準軸と同軸,かつ,平行であり,指定した半径方向位置で適用できるコンプラ
イアンス。
C.7
コンプライアンス線図(compliance plot)
力と変位との関係を表す直交座標線図。
C.8
コンプライアンス値(compliance value)
指定された変位又は力に対するコンプライアンス線図の勾配。
――――― [JIS B 6190-7 pdf 56] ―――――
54
B 6190-7 : 2019 (ISO 230-7 : 2015)
附属書D
(参考)
主軸,回転テーブル及び旋回主軸頭に発生する
熱的誤差に関する用語及び定義
D.1
半径方向の熱的誤差(thermally-induced radial error)
Z基準軸に垂直に測定された軸の半径方向ずれ。
D.2
傾斜方向の熱的誤差(thermally-induced tilt error)
熱影響によって生じるZ基準軸に対する軸の傾斜方向ずれ。
D.3
軸方向の熱的誤差(thermally-induced axial error)
Z基準軸と同軸又は平行な軸方向ずれ。
D.4
端面方向の熱的誤差(thermally-induced face error)
指定した半径方向位置で測定された軸方向及び傾斜方向の軸ずれの組合せ。
D.5
熱的誤差線図(thermal error plot)
時間に対して記録した熱的誤差の線図。
D.6
熱的誤差の値(thermal error value)
指定された一つ(又は複数)の速度で測定された温度変化の,指定された時間にわたる最大値と最小値
との差。
――――― [JIS B 6190-7 pdf 57] ―――――
55
B 6190-7 : 2019 (ISO 230-7 : 2015)
附属書E
(参考)
静的誤差運動試験方法
E.1 一般
静的誤差運動試験は,主軸駆動システムの動的な影響によって引き起こされる主軸誤差運動から主軸軸
受誤差を分離することを目的に行う。主軸軸受によって引き起こされる誤差を分離することは重要である。
主軸駆動系に問題が生じたとき,それが原因であると非難されることが多いからである。
E.2 試験方法
試験装置は,5.3及び5.4に規定したものと同様のものを使用する。
主軸は,ニュートラル位置に置く。主軸がベルト駆動の場合には,ベルトに張力をかけないのが望まし
い。できれば,主軸は全ての外力から解放する。
主軸は,1回転当たり最少8点の位置で止めて測定する。主軸は,少なくとも手で2回転させる。
手の力を全て解放して各点で読みを取り,平均化する。各点での読みを平均化することによって主軸が
停止しているときの構造誤差運動の影響を排除できる。
E.3 データ解析
データは,5.3及び5.4に規定した方法を用いて,半径方向,傾斜方向及び軸方向の誤差運動を解析する。
――――― [JIS B 6190-7 pdf 58] ―――――
56
B 6190-7 : 2019 (ISO 230-7 : 2015)
附属書F
(参考)
回転軸の試験における測定不確かさの推定
F.1 測定不確かさの推定
測定不確かさの推定は,ISO/TR 230-9に記載する手順及び式に従って行う。測定不確かさUは,包含係
数をk=2として計算する。
測定不確かさは,長さ測定値(すなわち,半径及び軸方向運動)についてはマイクロメートル(μm),
及び角度測定値(すなわち,傾斜方向運動)についてはマイクロメートル/メートル(μm/m)で表すのが
望ましい。
半径及び軸方向運動の測定不確かさは,異なる可能性がある。測定不確かさは,周波数範囲が違うと異
なる,すなわち,主軸速度範囲が違うと異なる可能性がある。
F.2 測定不確かさに及ぼす要因
F.2.1 一般
一般に,回転軸の試験における測定不確かさに及ぼす主な要因は,測定器及び環境変動誤差(EVE)であ
る。
次の仮定をする。
− 測定器は,測定器の製造業者の指針に従って正しく使用する。
− 全ての必要な心出し及び調整の手順は,正しく実行する。
− 適用できる場合には,長さ測定器も,触ることのできる表面に直角に置く。
− 測定器は,静的及び動的に強固に,かつ,少しのバックラッシもなく取り付ける。
− 測定器を保持する機械の部品は,剛体として振る舞う。
− 測定器は,試験報告書に記載されている位置からの差が10 mm以内になるように工作機械上に定置す
る。
− 測定器は,その製造業者の指定した許容周波数範囲内で使用する。
− ソフトウェア評価の不確かさは,測定器の測定不確かさに含める。
これらの仮定が満たされない場合には,測定不確かさに新たな要因を追加することを考えるのが望まし
い。
F.2.2 測定器による不確かさ,UDEVICE
校正された測定器を使用することを推奨する。校正証明書に,長さ測定値についてはμmで,角度測定
値についてはμm/mで不確かさが記載されている場合には,式(F.1)を適用する。
UDEVICE (F.1)
UCALIBRATION
ここに, UDEVICE : 長さ測定値をμmで,角度測定値をμm/mで表した測
定器の不確かさ
UCALIBRATION : 包含係数をk=2として,長さ測定値をμm,角度測定
値をμm/mで表した校正証明書に従った校正の不確
かさ
校正証明書は利用できないが,製造業者が長さ測定値をμm及び角度測定値をμm/mで測定値の誤差範
囲を記載している場合は,式(F.2)を用いる。一般に,測定器の分解能の影響は無視でき,ISO/TR 230-9:2005
――――― [JIS B 6190-7 pdf 59] ―――――
57
B 6190-7 : 2019 (ISO 230-7 : 2015)
の式(C.3)に従って確かめることができる。
UDEVICE 6.0RDEVICE (F.2)
ここに, UDEVICE : 包含係数をk=2とし,長さ測定値をμm,角度測定値を
μm/mで表した測定器の不確かさ
RDEVICE : 長さ測定値をμm,角度測定値をμm/mで表した測定器
の製造業者が与えた誤差範囲
測定器が,異なった部品から構成されている場合には,少なくとも次の要因をその測定器の測定不確か
さの推定に用いるのが望ましい。
− 基準器の真円度及び表面仕上げ
− 関係する場合には,試験中の主軸上の基準器の心出し
− 変位計の測定不確かさ
− 変位計の分解能
− 傾斜方向運動の測定不確かさを評価するための半径方向又は端面方向の測定点間の距離
− 基準器の表面への変位計の位置決め
− 読み取った測定値の評価(平均値,中心の決定などのパラメータ)
F.2.1に記載した他の全ての仮定を満足するのが望ましい。測定器の測定不確かさの推定は,ISO/TR
230-9:2005の式(1)式(7)を用いることができ,包含係数をk=2とするのが望ましい。この推定は,試験
している軸の速度範囲が違えば異なる。
F.2.3 環境変動誤差(EVE,又は温度ドリフト)による不確かさ,UEVE
ほとんどの場合,測定中に工作機械及び測定器に影響する温度変化及び振動が観察される。これらの影
響,特にドリフトは最小限に抑える必要がある。
その影響は,単純な試験,すなわち,ドリフト試験で確かめることができる。
この規格に従った測定を始める前に,試験中の回転軸は停止させる。回転軸の測定に必要な時間の間,
測定器の読みを記録する。読取りの範囲(EVE)は,ISO/TR 230-9の式(C.9)に基づいた式(F.3)に従って対
応する不確かさを推定するために用いる残留環境変動誤差である。
UEVE 6.0EVE (F.3)
ここに, UEVE : 包含係数をk=2とし,長さ測定値をμm,角度測定値を
μm/mで表した環境変動による測定器の不確かさ
EVE : 長さ測定値をμm,角度測定値をμm/mで表したドリフ
ト試験からの範囲
F.3 誤差運動線図及び誤差運動値の不確かさの推定
F.3.1 一般
非同期誤差運動,内側誤差運動及び外側誤差運動[図7のd) 及びe) 参照]は,1回の測定値の最大値
又は最小値に基づき,同期誤差運動[図7 b) 参照)]は,数回の誤差運動線図の平均値に基づいている。
誤差運動値については,図9に示すように誤差運動線図の二つの極端な値を用いる。
次の仮定をする。
− 誤差運動中心の評価は,正しく行われる。
− 正しい誤差運動中心は,誤差運動値の評価に用いる。
− 測定不確かさの主な要因は,測定器及び環境変動誤差である。
− 環境変動誤差は,異なった線図及び異なった角度に対して相関がない。
――――― [JIS B 6190-7 pdf 60] ―――――
次のページ PDF 61
JIS B 6190-7:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 230-7:2015(IDT)
JIS B 6190-7:2019の国際規格 ICS 分類一覧
JIS B 6190-7:2019の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB6190-1:2016
- 工作機械試験方法通則―第1部:幾何精度試験