JIS B 6912:2002 規格概要
この規格 B6912は、鉄鋼の高周波焼入焼戻し加工又は高周波焼入れ加工について規定。
JISB6912 規格全文情報
- 規格番号
- JIS B6912
- 規格名称
- 鉄鋼の高周波焼入焼戻し加工
- 規格名称英語訳
- Process of induction hardening and tempering of iron and steel
- 制定年月日
- 1968年3月1日
- 最新改正日
- 2015年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 25.200, 77.140.01
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- 熱処理 2020
- 改訂:履歴
- 1968-03-01 制定日, 1971-06-01 改正日, 1974-06-01 確認日, 1977-06-01 確認日, 1980-07-01 確認日, 1985-02-01 改正日, 1986-10-01 確認日, 1991-10-01 確認日, 1996-03-01 改正日, 2002-01-20 改正日, 2007-01-20 確認日, 2010-08-20 改正日, 2015-10-20 確認
- ページ
- JIS B 6912:2002 PDF [14]
B 6912 : 2002
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本金属熱処理工
業会 (HTTAJ) /財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を改正すべきと
の申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格(日本産業規格)である。これに
よってJIS B 6912 : 1996は改正され,この規格に置き換えられる。
今回の改正では,加工材料,加工方法などが改正され,新たに加工の種類及び記号,熱処理油などに対
する環境の保全,附属書(規定)鉄系焼結材料の履歴,加工品の品質及び試験方法が規定された。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS B 6912には,次に示す附属書がある。
附属書(規定) 鉄系焼結材料の履歴,加工品の品質及び試験方法
(pdf 一覧ページ番号 )
――――― [JIS B 6912 pdf 1] ―――――
日本工業規格(日本産業規格) JIS
B 6912 : 2002
鉄鋼の高周波焼入焼戻し加工
Process of induction hardening and tempering of iron and steel
1. 適用範囲 この規格は,鉄鋼の高周波焼入焼戻し加工又は高周波焼入れ加工(以下,加工という。)に
ついて規定する。
2. 引用規格 付表1に示す規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成
する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 6905によるほか,次による。
a) 高周波焼入焼戻し 鉄鋼製品の表面全体又は部分の表面硬化を目的として,誘導加熱によってAc3点
又はAc1点以上の適切な温度に加熱した後,適切な冷却剤で冷却し(焼入れ),更に硬さを調節し,じ
ん(靭)性を増すために,Ac1点以下の適切な温度に通常の焼戻炉中で加熱した後,冷却する(焼戻
し)処理。焼戻しは高周波焼戻しも含む。
b) 加工材料 加工の対象となる部品及び材料であって,部品とは,機械器具,ジグ,装置又はそれらの
部品で,ほぼ完成若しくはそれに近い状態の鉄鋼製品。材料とは,圧延,鋳造,鍛造などによる鉄鋼
材料及び半成品。
c) 加工品 加工材料につき,この規格による加工を終了したもの。
d) 変形 加工材料に対する加工品の形状又は寸法の狂い。変形のうち,長手方向に対して直角方向の狂
いを曲がりという。狂いは各方向についてそれぞれの最大値で示す。
e) 単体 1個又は一組の加工品。
4. 加工の種類及び記号 加工の種類及び記号は,加工の方法によって,表1のとおりとする。
表1 加工の種類及び記号
加工の種類 記号(1)
高周波焼入焼戻し(2) HQI-HT
高周波焼入れ・高周波焼戻しHQI-HTI
高周波焼入れ HQI
注(1) 記号は,JIS B 0122に準拠する。
(2) 焼戻炉による通常の焼戻しをいう。
5. 加工材料
5.1 加工材料の種類 加工材料の種類は,表2に規定するもの,又は加工品の品質が,8.及び附属書の
5.の規定に適合するものでなければならない。
――――― [JIS B 6912 pdf 2] ―――――
2
B 6912 : 2002
表2 加工材料の種類
規格番号 種類の記号
a) 機械構造用炭素鋼・合金鋼
JIS G 4051 S20C, S22C, S25C, S28C, S30C, S33C, S35C, S38C, S40C, S43C,
S45C, S48C, S50C, S53C, S55C, S58C
JIS G 4052 SMn433H, SMn438H, SMn443H
SMnC443H
SCr430H, SCr435H, SCr440H
SCM435H, SCM440H, SCM445H
SNC631H
JIS G 4102 SNC236, SNC631, SNC836
JIS G 4103 SNCM240, SNCM431, SNCM439, SNCM447, SNCM625, SNCM630
JIS G 4104 SCr430, SCr435, SCr440, SCr445
JIS G 4105 SCM430, SCM432, SCM435, SCM440, SCM445
JIS G 4106 SMn433, SMn438, SMn443
SMnC443
b) 特殊用途鋼
JIS G 4303 SUS403, SUS420J1, SUS420J2
JIS G 4311 SUH1, SUH3, SUH4
JIS G 4401 SK1, SK2, SK3, SK4, SK5, SK6, SK7
JIS G 4404 SKS2, SKS5, SKS51, SKS4, SKS41, SKS43, SKS44, SKS3, SKS31
JIS G 4410 SKC3, SKC11, SKC24, SKC31
JIS G 4801 SUP3, SUP6, SUP7, SUP9, SUP9A, SUP10, SUP11A
JIS G 4805 SUJ1, SUJ2, SUJ3, SUJ4, SUJ5
c) 鋳鍛造品
JIS G 3201 SF440A, SF490A, SF540A, SF590A, SF540B, SF590B, SF640B
JIS G 5101 SC410, SC450, SC480
JIS G 5111 SCC3, SCC5
SCMn1, SCMn2, SCMn3, SCMn5
SCSiMn2
SCMnCr2, SCMnCr3, SCMnCr4
SCMnM3
SCCrM1, SCCrM3
SCMnCrM2, SCMnCrM3
SCNCrM2
JIS G 5121 SCS2
JIS G 5501 FC200, FC250, FC300, FC350
JIS G 5502 FCD400, FCD450, FCD500, FCD600, FCD700, FCD800
JIS G 5704 FCMP440, FCMP490, FCMP540, FCMP590, FCMP690
d) 機械構造部品用焼結材料
JIS Z 2550 SMF4030, SMF4040, SMF5030
5.2 加工材料の履歴 加工材料の履歴については,表3の項目が明らかにされたものでなければならな
い。
――――― [JIS B 6912 pdf 3] ―――――
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B 6912 : 2002
表3 加工材料の履歴
項目 備考
a) 加工材料の材料試験成績
加工材料の種類
化学成分(3)
溶鋼番号(3)
引張試験成績(3)
硬さ試験成績(3)
焼入性試験成績(3)
金属組織試験成績(3) 結晶粒度,脱炭層,非金属介在物,ミクロ組織及びマクロ組織
焼結密度試験成績(3)
b) 加工材料の製造方法の区別
鋳造
焼結(4)
鍛造 熱間,冷間の区別を含む。
圧延 熱間,冷間の区別を含む。
押出し 熱間,冷間の区別を含む。
プレス加工 熱間,冷間の区別を含む。
引抜き 熱間,冷間の区別を含む。
転造 熱間,冷間の区別を含む。
圧入 熱間,冷間の区別を含む。
焼ばめ
溶接 肉盛り修正を含む。
機械加工
c) 加工材料の前処理の有無及び方法の区別 必要なときは,加熱温度,保持時間及び冷却方法も明らかにす
焼ならし る。
鍛造焼入れ
完全焼なまし
球状化焼なまし
応力除去焼なまし
焼入焼戻し
浸炭(5)
軟窒化(5)
d) 加工材料の表面仕上げ条件及び矯正の度合い(3)
切削方法及びその条件
矯正の度合い 熱間,冷間の区別を含む。
注(3) 加工に支障がないときは,省略してもよい。
(4) 鉄系焼結材料については,附属書(規定)による。
(5) 浸炭焼入焼戻し,浸炭窒化焼入焼戻しも含む。
5.3 加工材料の外観,形状及び寸法 加工材料の外観,質量,形状,寸法などについては,表4の項目
が明らかにされたものでなければならない。
――――― [JIS B 6912 pdf 4] ―――――
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B 6912 : 2002
表4 加工材料の外観,形状及び寸法
項目 備考
a) 加工材料の外観 割れ,きず,さび,黒皮など。
b) 加工材料の質量(3)
c) 加工材料の形状(3)
特異形状
肉厚の不同
穴部の形状と位置
d) 加工材料の寸法と精度(3)
寸法
加工の範囲
全体の加工代
加工の範囲の表面粗さ
寸法精度
形状偏差(6) (参考) 形状偏差とは,真直度,平面度,真円度,円筒度,線の輪郭
度及び面の輪郭度をいう。
姿勢偏差(6) (参考) 姿勢偏差とは,平行度,直角度及び傾斜度をいう。
位置偏差(6) (参考) 位置偏差とは,位置度,同軸度,同心度及び対称度をいう。
e) 加工材料のブラスト仕上げ
サンドブラスト
ショットブラスト
f) 防せい(錆)油の種類(3)
注(6) 各偏差の定義は,JIS B 0621による。
5.4 加工材料の確認 加工材料の受入れに際しては,5.15.3に規定する加工に必要な項目を,受渡当事
者間で確認し,必要があれば,JIS G 0565,JIS G 0566及びJIS Z 2343による方法,その他適切な方法に
よって,加工材料の品質を明らかにしなければならない。
6. 加工設備
6.1 誘導加熱装置 高周波焼入れに使用する誘導加熱装置は,次による。
a) 高周波発振装置は,電動発電機式,真空管式,サイリスタ式,トランジスタ式などの種類の別を問わ
ず,常用の作業条件で,加熱目的に適した出力及び周波数を発生できるもので,出力側又は入力側に
制御装置をもち,設定された電圧又は電力の変動は,定常状態において,表5の精度に制御できる設
備でなければならない。
b) 加熱時間を制御できる時限装置(7)をもち,表6に規定する総合精度に,保持又は調整できなければな
らない。
注(7) 時限装置とは,タイマ,開閉器などを含む装置全体をいう。
参考 誘導加熱装置は,効率の高い装置であることが望ましい。
表5 高周波発振装置の精度
単位 %
高周波発振装置の種類 精度
電圧 電力
電動発電機式,真空管式,その他 ±2.5 ±5
サイリスタ式,トランジスタ式 ±2 ±4
――――― [JIS B 6912 pdf 5] ―――――
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JIS B 6912:2002の国際規格 ICS 分類一覧
JIS B 6912:2002の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0122:1978
- 加工方法記号
- JISB0621:1984
- 幾何偏差の定義及び表示
- JISB6901:1998
- 金属熱処理設備―有効加熱帯及び有効処理帯試験方法
- JISB6905:1995
- 金属製品熱処理用語
- JISB7503:2017
- ダイヤルゲージ
- JISB7514:1977
- 直定規
- JISB7524:2008
- すきまゲージ
- JISB7725:2010
- ビッカース硬さ試験―試験機の検証及び校正
- JISB7725:2020
- ビッカース硬さ試験―試験機の検証及び校正
- JISB7726:2017
- ロックウェル硬さ試験―試験機及び圧子の検証及び校正
- JISB7727:2000
- ショア硬さ試験―試験機の検証
- JISB7734:1997
- ヌープ硬さ試験―試験機の検証
- JISB7734:2020
- ヌープ硬さ試験―試験機の検証及び校正
- JISG0551:2013
- 鋼―結晶粒度の顕微鏡試験方法
- JISG0551:2020
- 鋼―結晶粒度の顕微鏡試験方法
- JISG0552:1998
- 鋼のフェライト結晶粒度試験方法
- JISG0558:2007
- 鋼の脱炭層深さ測定方法
- JISG0558:2020
- 鋼の脱炭層深さ測定方法
- JISG0559:2019
- 鋼の炎焼入及び高周波焼入硬化層深さ測定方法
- JISG0565:1992
- 鉄鋼材料の磁粉探傷試験方法及び磁粉模様の分類
- JISG0566:1980
- 鋼の火花試験方法
- JISG3201:1988
- 炭素鋼鍛鋼品
- JISG4051:2016
- 機械構造用炭素鋼鋼材
- JISG4052:2016
- 焼入性を保証した構造用鋼鋼材(H鋼)
- JISG4102:1979
- ニッケルクロム鋼鋼材
- JISG4103:1979
- ニッケルクロムモリブデン鋼鋼材
- JISG4104:1979
- クロム鋼鋼材
- JISG4105:1979
- クロムモリブデン鋼鋼材
- JISG4106:1979
- 機械構造用マンガン鋼鋼材及びマンガンクロム鋼鋼材
- JISG4303:2012
- ステンレス鋼棒
- JISG4303:2021
- ステンレス鋼棒
- JISG4311:2019
- 耐熱鋼棒及び線材
- JISG4401:2009
- 炭素工具鋼鋼材
- JISG4404:2015
- 合金工具鋼鋼材
- JISG4410:1984
- 中空鋼鋼材
- JISG4801:2011
- ばね鋼鋼材
- JISG4801:2021
- ばね鋼鋼材
- JISG4805:2019
- 高炭素クロム軸受鋼鋼材
- JISG5101:1991
- 炭素鋼鋳鋼品
- JISG5111:1991
- 構造用高張力炭素鋼及び低合金鋼鋳鋼品
- JISG5121:2003
- ステンレス鋼鋳鋼品
- JISG5501:1995
- ねずみ鋳鉄品
- JISG5502:2001
- 球状黒鉛鋳鉄品
- JISG5704:1988
- パーライト可鍛鋳鉄品
- JISK2242:2012
- 熱処理油剤
- JISZ2244:2009
- ビッカース硬さ試験―試験方法
- JISZ2245:2016
- ロックウェル硬さ試験―試験方法
- JISZ2245:2021
- ロックウェル硬さ試験―試験方法
- JISZ2246:2000
- ショア硬さ試験―試験方法
- JISZ2251:2009
- ヌープ硬さ試験―試験方法
- JISZ2343:1992
- 浸透探傷試験方法及び浸透指示模様の分類
- JISZ2501:2000
- 焼結金属材料―密度,含油率及び開放気孔率試験方法
- JISZ2550:2016
- 焼結金属材料―仕様