JIS B 7414:2018 ガラス製温度計 | ページ 2

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1) 計ることのできる最高の温度が300 ℃以下のものであって,目量が0.5 ℃以下のもの
2) 計ることのできる最高の温度が300 ℃を超え500 ℃以下のものであって,目量が2 ℃以下のもの
3) 塩酸,硫酸その他の腐食性の高い薬品の温度を計ることができるものであって,計ることのできる
最高の温度が200 ℃を超え500 ℃以下のもののうち,目量が2 ℃以下のもの
b) 有機液体であって,染料によって着色している場合は,その染料は,容易に退色し又は沈殿してはな
らない。

6.4 封入気体

  水銀又はその合金を封入している温度計の場合,感温液よりも上側には,封入気体として乾燥した不活
性ガスを充しなければならない。また,計ることのできる最高の温度が300 ℃以上の温度計の場合,水
銀の蒸発を最少にするために,封入気体の圧力を高くしなければならない。

7 構造

7.1 形状

  温度計は,直線状でなければならない。その断面は,円形又は平形でなければならない。ただし,棒状
温度計で,目盛を読みやすくするためのレンズ形状の外形が,円形断面から外れていてもよい。

7.2 頭部の仕上げ

  外管の頭部を溶封していない二重管温度計は,その頭部は水分の発生しにくい材料で封じたものでなけ
ればならない。

7.3 膨張容積

  毛細管の頭部には,膨張容積を設けなければならない。この膨張容積は,孔の延長又は膨張室のいずれ
かの形をとってもよい。ただし,幹部がほうけい(硼珪)酸ガラス以外で作られている場合には,膨張室
は半球状の西洋ナシの形とする。

7.4 孔の膨らみ

  孔の膨らみを設ける場合には,孔の膨らみと最も近い目盛線又は浸没線との間に,毛細管の内径が一定
な部分を10 mm以上設ける。

7.5 各部の名称及び寸法

  温度計の各部の名称及び寸法は,図1及び図2並びに表3表8による。

7.6 目盛

  目盛は,次による。
a) 相互に対応する目盛線は,大きさ及びその他の性質が均一でなければならない。
b) 目盛線は,目盛線の太さの中心によって温度を表すように目盛らなければならない。
c) 全浸没の温度計の目盛線は,その温度計を鉛直の状態にし,かつ,感温液の液面の位置までその目盛
線が表す温度に保持したときに,その示度の位置に目盛らなければならない。
d) 目盛線は,感温液が水銀などの場合は液面の最上部による示度によって,また,水銀など以外の液体
の場合は液面の最下部による示度によって目盛らなければならない。
e) 主な目盛線及び特定の温度を表す目盛線には,その見やすい箇所に,それらの表す温度の値又はその
値を表す数値を表記する。
f) 部分浸没の温度計[以下,浸没線付温度計(図1参照)という。]の目盛線は,規定の浸没で,その露
出部の平均温度が表2,表3又は表4に示す温度で目盛らなければならない。
g) 表3のうち,低い方の公称目盛範囲の限界が0 ℃又は高い方の公称目盛範囲の限界が100 ℃である温

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度計の場合には,その目盛は,それぞれの限界を超えて,3目盛以上でなければならない。他の全て
の場合についても,その公称目盛範囲の限界を超えて,目盛を適切に拡張してもよい。
h) 浸没線付温度計については,その浸没線を幹部の上に目盛線と交差しない1本の線で表示する。
i) 腐食目盛の場合には,その充に用いる色素は正常な使用条件下で,目盛線,目盛数字,表記及び浸
没線から脱落してはならない。
j) 浸没線は,幹部正面に球部下端から規定の浸没位置に刻み,“浸”若しくは“没”の文字を記入するか,
又は浸没線付温度計の裏面に,例えば,“76 mm IMM”の文字を記入する。
注記 IMMとは,浸すこと(immersion)の略語である。
k) 目盛線及び目盛数字は,図3及び図4の記入例に従い,目盛線は管軸に直角で,表3表8に従って
記入する。

7.7 機構

  温度計は,測定することができる最高の温度に保ったとき,感温液の沸騰,酸化,蒸発,凝結,気泡の
発生,球部の変形などが生じることで,示度の視定しにくいもの,及び容易に液切れ又は示度に誤差が生
じるおそれがあるものであってはならない。

7.8 零点示度変化量

  温度計は,8.3によって試験を行ったとき,測定することのできる温度が100 ℃未満のものについては,
その零点示度変化量は目量の70 %以下とし,温度が100 ℃以上のものについては,目量以下でなければ
ならない。

8 試験方法

8.1 試験装置

8.1.1  参照温度計
8.1.1.1 標準温度計 標準温度計は,国家計量標準にトレーサビリティが確保された温度計又はこれと同
等の温度計とし,試験を行う温度計(以下,試験温度計という。)の目量と同等又はこれより細かい目量の
ものとする。ただし,目量が0.1 ℃よりも細かい試験温度計には,目量0.1 ℃の標準温度計でもよい。
8.1.1.2 校正された浸没線付温度計 校正された浸没線付温度計は,浸没線付温度計の目量の試験に使用
するものであって,次の構造及び寸法をもつものとする。
a) 試験温度計と同等の膨張係数をもつガラスで構成し,浸没線から温度計頂部まで同一種類の形状及び
寸法のもので,かつ,露出部の平均温度が表2,表3又は表4に示す値のとき,正しい示度が得られ
るように校正されていなければならない。
b) 試験温度が指定されている温度計については,その目盛の補正値,指定されていない温度計について
は,目盛範囲の中央及び両端付近の目盛の補正値を記入した校正証明書が添付されていなければなら
ない。
なお,目盛の補正値の算出方法は,8.2.3による。
8.1.1.3 浸没線付目盛検査用温度計 浸没線付目盛検査用温度計(図5参照)は,全浸没目盛及び浸没線
付目盛の両目盛を備え,次の構造及び寸法をもつものとする。ただし,その浸没線付目盛は,露出部の平
均温度が表2,表3又は表4に示す値のとき,正しい示度が得られるように目盛られたものでなければな
らない。
a) 試験温度計と同等の膨張係数をもつガラスで構成し,かつ,試験温度計と同一種類の形状及び寸法の
ものであって,浸没線付目盛を表示する前に,試験温度計の目盛範囲を全浸没目盛で表示する。この

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目盛の刻入位置は,温度計の球部を下にして鉛直に保持したとき,正面に向かって左側とする。
b) 全浸没目盛の右側には,浸没線から上の感温液を表2,表3又は表4に示す露出部の平均温度に保っ
たときの感温液の液柱頂部を次によって求め,その対応関係を満たす浸没線付目盛を刻み,かつ,規
定の位置に浸没線を刻み,“浸”又は“没”の文字を記入する。
温度Tに対応する浸没線付目盛の位置は,露出部の補正値C1によってT−C1として全浸没目盛上に
求められ,その位置に浸没線付目盛を刻む。この露出部の補正値C1は,式(1)によって算出する。
C1=n1K T ts (1)
ここに, C1 : 露出部の補正値(℃)
n1 : 浸没線から感温液柱の頂部までの長さを,その温度計の全浸
没目盛における1 ℃に相当する長さで除した値
K : 感温液のガラスに対する見掛けの膨張係数(℃−1)(表1によ
る。)
T : 温槽の温度(℃)
ts : 規定の露出部の平均温度(℃)(表2,表3又は表4を参照)
c) 全浸没目盛及び浸没線付目盛のそれぞれに対し,試験温度が指定されているものについては,その目
盛の補正値を,また,指定されていないものについては,目盛範囲の中央部及び両端部付近の目盛の
補正値を記入した校正証明書が添付されたものでなければならない。
なお,全浸没目盛の補正値は,8.2.1 h) に規定の試験方法で行う場合,露出部の補正値は無視でき
るため,校正証明書に記載されている参照温度計の補正値だけからなる。また,浸没線付目盛の補正
値は,浸没線付目盛の式(1)に基づく全浸没目盛の計算値からのずれに起因する補正値に,全浸没目盛
の補正値(校正証明書に記載の補正値)を加算した値とする。
8.1.2 温槽 8.2の器差試験に使用する温槽の槽内温度は,温度計に要求される温度を設定できるものと
する。また,槽内温度を均一に保つための液体をかくはんする装置を備え,参照温度計と試験する温度計
とを,槽内中心部に接近させて挿入した状態で,次の温度分布幅の性能をもつことが望ましい。
− 水温槽では±0.02 ℃
− 油温槽では±0.05 ℃
− 硝石槽では±0.1 ℃
− 低温槽では±0.03 ℃

8.2 器差試験

8.2.1  器差試験の共通事項
器差試験の共通事項は,次による。
a) 公称目盛範囲の最高の温度を表す目盛線,公称目盛範囲の最低の温度を表す目盛線及び公称目盛範囲
内の任意の1本以上の目盛線,並びに零点示度を表す目盛線のある温度計にあっては,0 ℃を表す目
盛線についてそれぞれ行う。ただし,公称目盛範囲の最高の温度又は公称目盛範囲の最低の温度を表
す目盛線についての器差試験が困難な場合は,できるだけそれに近い目盛線について行う。
b) 参照温度計との比較によって行う。
c) 参照温度計及び試験温度計の温度を感じる速さに応じ,温槽の温度が試験に必要な一定の温度に保た
れる状態又は極めて緩やかに上昇する状態において行う。
d) 温槽内の液体をかくはんして,液体の各部の温度が常に均一であるようにして行う。
e) 器差試験を行う参照温度計及び試験温度計の目盛線は,目盛面に視線が垂直になる位置に置いて,そ

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の正面から示度を視定する。
f) 示度の視定は,感温液が水銀などであるときは,液面の最上部において,また,有機液体である場合
は,液面の最下部において行う。
g) 温度計の温度300 ℃以上の目盛線の試験を行う場合に,参照温度計及び試験温度計を温槽中に沈める
ときは,250 ℃以上の温度変化を急激に試験温度計に与えないようにあらかじめ予熱する。温槽中か
ら取り出すときは,試験温度計を温槽中に浸せきした部分を3分間以上空気中に保持する。
なお,保持中は球部に急激な温度変化を与えてはならない。
h) 標準温度計と試験温度計の目盛の比較は,全浸没の状態にした場合,温槽の側面が透明なものでは,
その示度は側壁を通して観測し,側壁が不透明なものでは,感温液柱頂部が見えるまで引き上げて直
ちに示度を観測し,観測後は直ちに元の位置に戻す。また,標準温度計の感温液柱頂部が栓(液体の
上部に蓋がない場合には,液体の表面)から僅かに露出した状態のままで観測する場合には,その露
出した度数と同程度に試験温度計を露出させて示度を観測する。次の1) 及び2) の観測と観測との間
の時間は,できる限り等しい時間とし,記録した示度の間に著しい差がある場合には,その観測をや
り直す。
なお,この観測は,二人の観測者によって交互に行うことが望ましい。
1) 示度の観測方法は,試験温度計が1本の場合には,参照温度計をS,試験温度計をaとすると,S,
a,S,a,Sの順に行い,次による。
− 参照温度計の示度を観測し,その値S1を記録する。
− 試験温度計の示度を観測し,その値a1を記録する。
− 参照温度計の示度を観測し,その値S2を記録する。
− 試験温度計の示度を観測し,その値a2を記録する。
− 参照温度計の示度を観測し,その値S3を記録する。
− [(S1+S2+S3)/3]+補正値1)=S4を計算する。
− [(a1+a2)/2]−S4が試験温度計aの器差である。
注1) 参照温度計の校正証明書に器差が記載されているものについては,その器差の符号を逆
にした値をいう。
2) 試験温度計の数が多い場合には,例えば,3本を一組とし,参照温度計をS,試験温度計をa,b,
及びcとすると,その示度の観測は,S,a,b,c,S,c,b,a,Sの順に行い,次による。
− 参照温度計の示度を観測し,その値S1を記録する。
− 試験温度計の示度をa,b,cの順に観測し,その値a1,b1及びc1を記録する。
− 参照温度計の示度を観測し,その値S2を記録する。
− 試験温度計の示度を前と逆の順に観測し,その値c2,b2及びa2を記録する。
− 参照温度計の示度を観測し,その値S3を記録する。
− [(S1+S2+S3)/3]+補正値1)=S4を計算する。
− [(a1+a2)/2]−S4が試験温度計aの器差である。
− [(b1+b2)/2]−S4が試験温度計bの器差である。
− [(c1+c2)/2]−S4が試験温度計cの器差である。
8.2.2 全浸没温度計の器差試験
全浸没温度計の器差試験は,次による。
a) 全浸没温度計の器差試験は,試験すべき温度を表す目盛線の位置の温度に保った状態で行う。ただし,

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温槽の構造及びその他のやむを得ない事由によって,目盛線の位置と同一の温度とすることができな
いときは,この限りでない。
b) ) のただし書きによって,試験する温度を表す目盛線の位置まで同一の温度とすることができなかっ
た場合には,式(2)によって算出する値C2によって補正する。
C2=n2K T (2)
ここに, C2 : 露出部の補正値(℃)
n2 : 露出部(試験を行う目盛線とそれに対応する温度に保持した
箇所との間の部分をいう。)の長さをその目盛面における1 ℃
に相当する長さで除した値
K : 感温液のガラスに対する見掛けの膨張係数(℃−1)(表1によ
る。)
T : 温槽の温度(℃)
t : 露出部の平均温度(℃)(JIS Z 8705:2006の9.2を参照)
c) 温度計の示度の視定は,当該温度計を温槽に沈めた状態で行う。
d) 試験は,8.2.1の規定による。
8.2.3 部分浸没温度計の器差試験
部分浸没温度計の器差試験は8.2.1によるほか,次のいずれかの条件で行う。
a) 標準温度計と示度比較を行う方法 試験温度計と標準温度計とを全浸没の状態で並べて温槽に差し込
む。目盛の比較は,8.2.1 h) の規定を準用し,まず全浸没の状態での器差を求める。この値から式(3)
で算出した露出部の補正値C3を減じて,規定の浸没条件における目盛の器差を求める。
C3 n3K T ts (3)
ここに, C3 : 露出部の補正値(℃)
n3 : 浸没線から感温液の頂部までの露出度数(温度計の示度と浸
没線の位置に相当する温度値との差)
K : 感温液のガラスに対する見掛けの膨張係数(℃−1)(表1によ
る。)
T : 温槽の温度(℃)
ts : 規定の露出部の平均温度(℃)(表2,表3又は表4を参照)
b) 校正された浸没線付温度計と示度比較を行う方法 試験温度計と校正された浸没線付温度計とを並
べ,浸没線は蓋を使用しない場合には温度媒体の液面に,蓋を使用する場合には栓の下面に一致する
ように温槽に差し込む。目盛の比較は,8.2.1 h) の規定を準用する。ただし,8.2.1 h) の規定で標準温
度計とあるところは,校正された浸没線付温度計と読み替える。
なお,この方法で疑義を生じた場合は,a) の方法による。
c) 浸没線付目盛検査用温度計と示度比較を行う方法 試験温度計と浸没線付目盛検査用温度計とを並
べ,浸没線は蓋を使用しない場合には温度媒体の液面に,蓋を使用する場合には栓の下面に一致する
ように温槽に差し込む。目盛の比較は,8.2.1 h) の規定を準用する。ただし,8.2.1 h) の規定で標準温
度計とあるところは,浸没線付目盛検査用温度計の浸没線付目盛と,補正値とあるところは,浸没線
付目盛検査用温度計の浸没線付目盛の校正証明書に記載された補正値と読み替える。
なお,この方法で疑義を生じた場合は,a) の方法による。

8.3 零点示度変化量試験

  零点示度変化量試験は,次による。

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JIS B 7414:2018の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 1770:1981(MOD)
  • ISO 1771:1981(MOD)

JIS B 7414:2018の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 7414:2018の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISZ8103:2019
計測用語