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6. 性能試験方法 この流量計の性能評価は,附属書1又は附属書2の性能試験方法によって行う。附属
書1は詳細な試験方法であり,附属書2は簡易な試験方法である。これらの性能試験方法は,いずれも流
量計の総合的な評価を目的とする際に適用し,製造業者が実施する一般的な出荷検査の試験方法としては
適用しない。
7. 測定誤差及び流量特性
7.1 測定誤差 電磁流量計の測定誤差は,指示値に対する誤差(指示値誤差)又はフルスケール流量に
対する誤差(フルスケール誤差)によって表す。
指示値に対する誤差eは,次の式によって定める。
I Q
e 100 (%)
Q
ここに, e : 指示値に対する誤差
I : 流量計の指示値
Q : 基準校正器又は基準校正装置によって求めた実流量
また,フルスケール流量に対する誤差eFは,次の式によって表す。
I
eF 100 (%)
max
ここに eF : フルスケール流量に対する誤差
Imax : 流量計のフルスケール流量
7.2 流量特性 6.に示す実流校正試験の場合,次のような流量特性を定義する。横軸を流速とし,縦軸を
指示値誤差として測定結果を表す例を図6に示す。
流量計の流量特性は,各流量測定点における指示値誤差の平均値を結ぶ曲線によって表される。フルス
ケール誤差を使用する場合においても,指示値誤差に換算して流量特性を求めることが望ましい。
図6 流量特性の例
8. 検査 流量計の検査は,次による。
a) 外観 目視によって外観を検査し,5.2.1の規定に適合しなければならない。
b) 寸法 寸法測定はノギス,巻尺などによって行う。面間など主要な部位の寸法は,製造業者の指定に
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よる。
c) 精度定格 実流試験を行い,定められた精度定格に適合しなければならない。ただし,実流校正検査
を行うフルスケール流速は,使用者の指定する値又は2m/sとし,流量値はその0%,50%及び100%
付近の3点とする。また,50%より小さい値まで指示値誤差の精度定格を表示する流量計は,その流
量値においても測定を行う。
d) 検出部の耐水圧性 最高使用圧力の1.5倍又は最高使用圧力+0.5MPaのいずれか大きな水圧を5分間
加え,漏れがあってはならない。
e) 絶縁性 電源端子と接地端子との間の絶縁抵抗値は,10M 坎 上とする。
f) 構造 目視によって5.2.1の規定に適合していることを確認する。
g) こん(梱)包 検査に合格した流量計は運搬保管の条件を考慮して,ライニング,電極,配管接続面
を保護するためビニル袋,ふた,木枠などによって適切なこん包を行うことが望ましい。
9. 表示 流量計の見やすい箇所に,次の事項を表示しなければならない。
a) 検出器
1) 製造業者の定める型式と製造番号
2) 定格圧力と温度
3) 電源 : 電圧,周波数,電力(検出器に独立に電源が供給される場合,又は一体形の場合)
検出器には,更に次の事項も表示することが望ましい。
4) 保護構造等級
5) 公称口径
6) ライニング材質
7) 電極材質
8) 流れの方向
9) 検出器定数
10) 質量
b) 変換器
1) 製造業者の定める型式と製造番号
2) 電源 : 電圧,周波数,電力
3) 出力信号
4) 制限負荷インピーダンス
なお,一体形の流量計については,a)の表示項目のほかに,b)の3)及び4)を表示しなければならな
い。
10. 選定 流量計は,使用条件に応じて,次の一般事項を考慮して選定する。
a) フルスケール流量 予想される流量の最大値を下回らないようにフルスケール流量を選ぶ。常用流量
は,フルスケール流量の50%を超えることが望ましい。
b) 口径 一般に管路と同じ口径のものを選ぶ。さらに,次の条件を考慮し,必要に応じて口径を変える
ことが望ましい。
1) 摩耗 摩耗のおそれがある場合には,流速を小さくする。
2) 沈殿物及び異物の付着 沈殿物のたい積及び異物の付着が生じるおそれがある場合は,流速を大き
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くする。
c) フランジ規格 流量計の検出器と配管との接続がフランジ結合の場合,一般には,次の規格のいずれ
かに適合する管フランジを用いる。また,フランジ挟込み形検出器の場合も,配管側の管フランジは
次による。
1) IS G 3451によるもの。
2) IS G 5527によるもの。
3) IS B 2238及びJIS B 2239によるもの。
d) 接液部の材質 ライニング,電極,接液リングなど接液部の材質は,測定流体の温度・圧力及び測定
流体による腐食・摩耗に耐えるものを選ぶ。
e) 構造 防水性,防爆などを考慮して,5.2.2に従って使用場所に適した構造のものを選ぶ。
f) 電源 供給電源の電圧及び周波数を考慮して選ぶ。
g) 応答性 脈動流及び過渡的な流れを測定する場合には,必要な応答性を考慮する。
11. 設置
11.1 設置環境
11.1.1 測定液体 測定液体についての条件は,次による。
a) 液体は,測定に必要な導電率をもち,かつ,導電率の分布はほぼ均一とみなせること。
b) 測定中,液体は常に検出器の測定管を満たして流れていること。
c) 混入物がある場合,混入物の分布は,ほぼ均一とみなせること。
d) 液体は接地されていること。
11.1.2 設置場所 流量計の設置に当たっては,次の点を注意する。
a) 混相流体を測定するときは,相の分離が起こらない場所を選ぶ。
b) 測定管内が負圧になる場所はなるべく避ける。
c) 誘導電流が測定管内に生じるおそれがある場所は避ける。
d) 測定に障害を起こすおそれがある電気機器の付近を避ける。
e) 振動の少ない場所を選ぶ。
f) 直射日光を受ける場所はなるべく避ける。
g) 腐食性雰囲気の場所はなるべく避ける。
h) 浸水のおそれがある場所はなるべく避ける。
i) 保守の容易な場所を選ぶ。
j) 一体形の場合は,特に振動,直射日光及び流体温度に注意が必要である。
k) 検出器及び変換器の周囲温度,湿度の条件は,表6による。
表6 周囲温度及び湿度
検出器 変換器
周囲温度 分離形 −1060℃ −1045℃
一体形 −1050℃
湿度 分離形 95%以下 90%以下
一体形 90%以下
11.2 検出器の取付け
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11.2.1 必要な直管の長さ 検出器電極の上流には,流速分布の均一性を確保し精度よく測定するため,検
出器の測定管を含めて直管部分を設ける(図7参照)。
a) 収縮管は直管の一部とみなすことができる。また,拡大管は気泡がたまりやすいので避けたほうがよ
い。
b) 測定管やそのすぐ下流部に磁界,起電力,及び流速分布を乱すものを,挿入又は設置してはならない。
一例として,検出器の下流側にちょう形弁を直結すると,バルブ開度によって大きな誤差を生じるこ
とがある。
なお,ちょう形弁を開いたときに,バルブが検出器の中に入らないようにする必要がある。
備考 Lは,測定管の呼び口径Dの倍数で表す。
図7 流量計の直管長
11.2.2 取付け姿勢 検出器の取付け姿勢は,次による。
a) 検出器は,図8に示すように水平,垂直,又はその他の姿勢で取り付けることができる。
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図8 流量計の取付け姿勢
b) 取付け姿勢を定めるに当たっては次の点を考慮し,これらが問題になる場合は,検出器を垂直に取り
付ける。
1) 電極面への気泡及び異物の付着。
2) 測定管内部の混入物の沈殿。
3) 混入物によるライニングの部分的摩耗。
c) 電極は,図9に示すように,水平方向に取り付けることが望ましい。
図9 流量計の取付け方法
d) 水平姿勢以外に取り付ける場合には,液体を下方から上方へ流すことが望ましい。
e) 一体形の場合は,表示機能の有無及び保守性も考慮に入れて決定する。
11.2.3 配管上の注意 配管上の注意は,次による。
a) 流量計出力信号のゼロ点の確認・調整のために,配管にバルブを設けるなどによって,検出器に液体
が充満,かつ,静止できなければならない。
b) 取付けに当たっては,配管の質量及び外力が異常に検出器に加わらないように注意する。
c) 検出器内部の点検又は清掃のため,図10に示すようにバイパス配管を設けることが望ましい。また,
取付け,取外しを容易にするためにルーズ短管を付設する方がよい。
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JIS B 7554:1997の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 6817:1992(MOD)
- ISO 9104:1991(MOD)
JIS B 7554:1997の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.120 : 流量の測定 > 17.120.10 : 閉水路における流れ
JIS B 7554:1997の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB2238:1996
- 鋼製管フランジ通則
- JISB2239:2013
- 鋳鉄製管フランジ
- JISC0903:1983
- 一般用電気機器の防爆構造通則
- JISC0920:2003
- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
- JISG3101:2015
- 一般構造用圧延鋼材
- JISG3101:2020
- 一般構造用圧延鋼材
- JISG3451:1987
- 水輸送用塗覆装鋼管の異形管
- JISG4103:1979
- ニッケルクロムモリブデン鋼鋼材
- JISG4303:2012
- ステンレス鋼棒
- JISG4303:2021
- ステンレス鋼棒
- JISG5527:2014
- ダクタイル鋳鉄異形管
- JISH4553:1999
- ニッケル及びニッケル合金棒
- JISH4650:2016
- チタン及びチタン合金―棒
- JISH4701:2001
- タンタル展伸材
- JISZ8103:2019
- 計測用語