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B 7609 : 2008
3 用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 8103によるほか,次による。
3.1
協定質量 (conventional mass)
OIML D28(空気中の計量結果の協定値)に従って定められた空気中での質量測定の結果についての取
決めによる値,すなわち,20 ℃の温度で1.2 kg/m3の密度の空気中において被校正分銅と釣合う密度が8 000
kg/m3の参照分銅の質量。
注記 分銅の協定質量の不確かさの要因として,参照分銅の校正値,測定方法(環境条件,比較装置
及び技術),空気浮力(参照分銅及び校正対象分銅の体積,空気密度),質量,変化(表面状態,
磁性特性,摩耗,汚染),重力変化など校正値に影響を与えるすべてが対象となる。
[不確かさの一般的な定義は,Guide to the expression of uncertainty in measurement (GUM)によ
る。]
3.2
参照分銅 (reference weight)
校正において標準として参照される分銅。校正される分銅よりも計量特性の優れた分銅。国家標準など
SI単位を実現している標準へのトレーサビリティを保証していることが求められる。
3.3
組分銅 (set weights or weight set)
通常,一つの格納箱(容器)に納められている一連の分銅の組である。組分銅によって最小公称値の分
銅質量とすべての分銅質量の総和との間において,すべての負荷質量が最小公称値の分銅質量を最小刻み
とする任意のひょう量を可能とする。これらの分銅は類似した計量特性をもち,同一の精度等級に属する。
4 記号
この規格で用いる記号,単位及び意味は,表1による。
表1−記号,単位及び意味
記号 単位 意味
A m2 面積
B T 媒体中の磁気誘導
BE T 分銅がないときの周辺磁場に対するガウスメータの読み
B0 T 真空中の磁気誘導
C − 空気浮力の補正係数
Ca − 空気中におけるひょう量時の空気密度に対する空気浮力の補正係数
Cal − 液体中におけるひょう量時の空気密度に対する空気浮力の補正係数
Cs − 感じ分銅の密度に対する空気浮力の補正係数
D kg 偏置試験における天びんの読みの最大値と最小値との差
d kg 目盛間隔
F1 N 第1組の読みに対する質量比較器の平均質量変化を使って算出した平均力
F2 N 第2組の読みに対する質量比較器の平均質量変化を使って算出した平均力
Fa N 磁化率評価のための平均力
Fb N 磁化評価のための平均力
Fg N 重力
Fmax N 磁化率に対する最大力
――――― [JIS B 7609 pdf 6] ―――――
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表1−記号,単位及び意味(続き)
記号 単位 意味
Fz N 質量比較器と分銅との間の垂直又はZ方向の磁力
g m/s2 重力加速度
h m 高さ
H A/m 磁界強度
HEZ A/m 地磁気強度の垂直成分
hr % 相対湿度
ΔI kg 天びん表示の差異,ΔI=I1−Ir
ΔIa kg 空気中における天びん表示の差異,ΔIa=Ita−Ira
ΔIl kg 液体中における天びん表示の差異,ΔIl=Itl−Irl
ΔIs kg 感じ分銅による天びん表示の変化
I kg 天びんの表示
Ia − 幾何的補正係数
Ib − 幾何的補正係数
Idl − 置換された液体差に対する天びんの表示
Il − 容器と容器内の液体に対する天びんの表示
Il+t − 容器,容器内の液体及び分銅に対する天びんの表示
Ita − 空気中の試験分銅に対する天びんの表示
Itl − 液体中の試験分銅に対する天びんの表示
j − 試験分銅の数,又は測定の反復数に対する添え字
k − 包含係数(代表的には2である。)
m kg 固体本体(分銅)の質量
M A/m 磁化(μ0Mも参照する。)
mc kg 分銅の協定質量
mcr kg 参照分銅の協定質量
mct kg 試験分銅の協定質量
Δmc − 試験分銅と密度がρrefの参照分銅との間で観察された平均ひょう量差
md Am2 磁化率計に使用する磁石の磁気モーメント
m0 kg 分銅の公称値(例えば,1 kgである。)
mr kg 参照分銅の質量(比較時に両方とも空気中又は液体に入れた状態である。)
mra kg 参照分銅の質量(比較時に両方とも空気中にある。)
mrl kg 参照分銅の組合せ質量(比較時に参照は空気中,試験は液体中にある。)
ms kg 感じ分銅の質量
mt kg 試験分銅の質量
mwa kg 空気中の分銅の質量
mwl kg 液体中の分銅の質量
Δm kg 試験分銅及び参照分銅間の質量差
一連の質量差測定の平均値(複数の同一ひょう量過程,又はほとんど同じ標準偏差を
Δm kg
もつ複数の一連の測定からなる。)
Δmc kg 協定質量の差
n − 測定順序の番号の添え字
p Pa 圧力
Ra m 粗さ曲線の平均高さ
Rz m 粗さ曲線の最大高さ
r − 参照分銅用添え字
s kg 標準偏差
s − 感じ分銅用添え字
T K 1990年国際温度目盛(ITS-90)による熱力学的温度
――――― [JIS B 7609 pdf 7] ―――――
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表1−記号,単位及び意味(続き)
記号 単位 意味
t − 試験分銅用添え字
t ℃ 摂氏温度,ここに,t=T−273.15 K
tref ℃ 参照温度
U kg 拡張不確かさ
u kg 標準不確かさ
u(mr) kg 参照分銅の不確かさ
ub kg 空気浮力補正の不確かさ
uba kg 天びんによる不確かさ
uba( Δm)
c kg 天びんの合成標準不確かさ
uc kg 合成標準不確かさ
ud kg デジタル天びんの表示分解能による不確かさ
uE kg 偏置による不確かさ
uinst kg 参照分銅の不安定性による不確かさ
uma kg 磁気による不確かさ
us kg 天びんの感度による不確かさ
uW kg ひょう量過程による不確かさ
V m3 分銅の体積
Vrli m3 組み合わせた参照分銅のi番目の体積
Z1 m 磁石の中心から分銅の上面までの距離
Z0 m 磁石の中心から分銅の底面までの距離
ρa kg/m3 湿った空気の密度
ρ0 kg/m3 参照値としての空気密度(1.2 kg/m3に等しい。)
ρr kg/m3 質量mrをもつ参照分銅の密度
ρra kg/m3 質量mraをもつ参照分銅の密度
ρref kg/m3 参照密度(すなわち8 000 kg/m3である。)
ρrl kg/m3 質量mrlをもつ参照分銅の密度
ρs kg/m3 感じ分銅の密度
ρt kg/m3 試験分銅の密度
ρx kg/m3 合金 (x) の密度
ρy kg/m3 合金 (y) の密度
δm − 最大許容誤差
δm/m0 − 分銅の最大許容相対誤差
μ N/A2 透磁率
μr − 相対透磁率 (μ/μ0)
μ0 N/A2 磁気定数(真空の透磁率,μ0=4π×10−7 N/A2)
μ0M T 磁気分極
χ − 磁化率
5 等級
分銅の等級は,最大許容誤差によってE1級,E2級,F1級,F2級,M1級,M1-2級,M2級,M2-3級及び
M3級とする。
注記 E1級及びE2級には,証明書が添付されている。この証明書には,校正結果の不確かさを示し,
国家標準などSI単位を実現している標準へのトレーサビリティを保証していることが求めら
れる。
――――― [JIS B 7609 pdf 8] ―――――
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B 7609 : 2008
6 最大許容誤差
6.1 分銅の協定質量の最大許容誤差は,表2による。
6.2 分銅の協定質量の拡張不確かさは,表2に規定する最大許容誤差の1/3以下でなければならない。
注記 拡張不確かさの包含係数は,k=2とする。
U ≦3/1 δm (1)
6.3 分銅の協定質量は,公称値に対する隔たりが最大許容誤差と拡張不確かさとの差より大きくなく,
式(2)で表される範囲内になければならない。
m0 δm U ≦mc ≦m0 δm U (2)
なお,協定質量及び拡張不確かさが明示されているE級分銅については,使用者が協定質量と分銅の公
称値との偏差を考慮し,使用しなければならない。
表2−最大許容誤差
単位 mg
公称値 E1級 E2級 F1級 F2級 M1級 M1-2級 M2級 M2-3級 M3級
5 000 kg − − 25 000 80 000 250 000 500 000 800 000 1 600 0002 500 000
2 000 kg − − 10 000 30 000 100 000 200 000 300 000 600 000 1 000 000
1 000 kg − 1 600 5 000 16 000 50 000 100 000 160 000 300 000 500 000
500 kg − 800 2 500 8 000 25 000 50 000 80 000 160 000 250 000
200 kg − 300 1 000 3 000 10 000 20 000 30 000 60 000 100 000
100 kg − 160 500 1 600 5 000 10 000 16 000 30 000 50 000
50 kg 25 80 250 800 2 500 5 000 8 000 16 000 25 000
20 kg 10 30 100 300 1 000 − 3 000 − 10 000
10 kg 5.0 16 50 160 500 − 1 600 − 5 000
5 kg 2.5 8.0 25 80 250 − 800 − 2 500
2 kg 1.0 3.0 10 30 100 − 300 − 1 000
1 kg 0.5 1.6 5.0 16 50 − 160 − 500
500 g 0.25 0.8 2.5 8.0 25 − 80 − 250
200 g 0.10 0.3 1.0 3.0 10 − 30 − 100
100 g 0.05 0.16 0.5 1.6 5.0 − 16 − 50
50 g 0.03 0.10 0.3 1.0 3.0 − 10 − 30
20 g 0.025 0.08 0.25 0.8 2.5 − 8.0 − 25
10 g 0.020 0.06 0.20 0.6 2.0 − 6.0 − 20
5g 0.016 0.05 0.16 0.5 1.6 − 5.0 − 16
2g 0.012 0.04 0.12 0.4 1.2 − 4.0 − 12
1g 0.010 0.03 0.10 0.3 1.0 − 3.0 − 10
500 mg 0.008 0.025 0.08 0.25 0.8 − 2.5 − −
200 mg 0.006 0.020 0.06 0.20 0.6 − 2.0 − −
100 mg 0.005 0.016 0.05 0.16 0.5 − 1.6 − −
50 mg 0.004 0.012 0.04 0.12 0.4 − − − −
20 mg 0.003 0.010 0.03 0.10 0.3 − − − −
10 mg 0.003 0.008 0.025 0.08 0.25 − − − −
5 mg 0.003 0.006 0.020 0.06 0.20 − − − −
2 mg 0.003 0.006 0.020 0.06 0.20 − − − −
1 mg 0.003 0.006 0.020 0.06 0.20 − − − −
――――― [JIS B 7609 pdf 9] ―――――
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B 7609 : 2008
注記 表2の分銅の公称値は,各等級の最小及び最大の範囲を明記しており,最大許容誤差を表の範
囲外で外挿してはならない。例えば,M2級分銅の公称値は,最小100 mg最大5 000 kg であ
る。50 mg 分銅はM2級分銅としては受け入れられない。代わりに M1等級の最大許容誤差とそ
の他の要求事項(例えば,形状,表記など)を満たしていなければならない。
6.4 分銅の協定質量値mc及びその不確かさU を求める方法に関しては,附属書C及び附属書Dによる。
7 形状
7.1 一般
分銅の形状は,劣化を防ぐためにとがった周縁がなく,ほこりなどが付着しにくいよう滑らかでなけれ
ばならない。
なお,通常組分銅を構成する各分銅は,1 g以下の分銅を除いて同様の形状でなければならない。
7.2 1 g以下の分銅
1 g以下の分銅は,多角形の板状又は線状とし,表3に適合する形状でなければならない。
ただし,1 gの分銅は,円筒形であってもよい。公称値を表記していない分銅の形状は,表3に準拠しな
ければならない。
表3−1 g以下の分銅の形状
公称値 板状 線状
5 mg,50 mg,500 mg 五角形 五角形又は五線分
2 mg,20 mg,200 mg 四角形 四角形又は二線分
1 mg,10 mg,100 mg,1 g 三角形 三角形又は一線分
7.3 1 gから50 kgまでの分銅
7.3.1 1 g分銅は,1 gの倍数の分銅形状(円筒形)又は1 gの約数の分銅形状(板状又は線状)のいずれ
でもよい。
7.3.2 1 gから20 kgまでの円筒形分銅の形状及び外形寸法の代表例を図A.1及び表A.1,図A.2及び表
A.2並びに図A.3及び表A.3に示す。
7.3.3 図A.1に示す円筒形分銅は,円筒形又は少しテーパのついた円すい(錐)体であってもよい。
7.3.4 1 gから20 kgまでの円筒形分銅には,本体の直径の平均値の0.5倍1倍の間の高さのつかみノブ
を備えてもよい。
7.3.5 1 kgから50 kgまでの分銅は,円筒形の形状に加えて,直方体又は取扱いに適した形状にしてもよ
い。また,つかみノブの代わりに心棒,取っ手,フック,アイフックなど分銅に組み込んだ類以な堅固な
取扱い具を設けてもよい。
7.3.6 1 kgから50 kgまでのM級分銅は,縁を丸め,堅固な取っ手を付けた直方体の形状であってもよ
い。これらの分銅の代表的な形状及び寸法の例を図A.4及び表A.4並びに図A.5及び表A.5に示す。
7.4 50 kg以上の分銅
7.4.1 50 kg以上の分銅は,円筒形,直方体又は取扱いに適した形状にしてもよい。ただし,その形状は
安全な保管及び扱いができなければならない。
7.4.2 50 kg以上の分銅には,心棒,取っ手,フック,アイフック又は類似の堅固な取扱い具を備えるこ
とができる。
――――― [JIS B 7609 pdf 10] ―――――
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JIS B 7609:2008の引用国際規格 ISO 一覧
- OIML R111-1:2004(MOD)
JIS B 7609:2008の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.100 : 力,重さ及び圧力の測定
JIS B 7609:2008の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0651:2001
- 製品の幾何特性仕様(GPS)―表面性状:輪郭曲線方式―触針式表面粗さ測定機の特性
- JISB0659-1:2002
- 製品の幾何特性仕様(GPS)―表面性状:輪郭曲線方式;測定標準―第1部:標準片
- JISZ8103:2019
- 計測用語