JIS B 7725:2020 ビッカース硬さ試験―試験機の検証及び校正 | ページ 2

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100FFRS
Frel (1)
FRS
ここに, F : 試験力(N)
FRS : 試験力の呼び値(N)
表2−試験力の許容差
試験力の呼び値FRS 相対偏差Frelの許容差
N %
0.009 807≦FRS<0.098 07 ±2.0
0.098 07≦FRS<1.961 ±1.5
FRS≧1.961 ±1.0

6.3 圧子の検証

6.3.1 ダイヤモンド四角すいの試料に接する四つの面は,表面にきずがなく,研磨されていなければなら
ない。
6.3.2 圧子の形状の検証は,直接測定するか,又は投影によって測定する。角度の測定に使用する装置の
正確さは±0.07°が望ましい。
6.3.3 ダイヤモンド四角すいの頂点における対面角は,136°±0.5°とする(図1参照)。対面角は,対り
ょう角から求めることが可能である。このときの対りょう角は,148.11°±0.38°となる。
6.3.4 ダイヤモンド四角すいの中心軸の圧子ホルダの中心軸に対する傾きは,0.5°以内とする。
6.3.5 四つの面は,理想的には1点に合致することが望ましいが,通常は図2のように対向面の間にりょ
う線が生じる。りょう線の長さは,圧子の先端を直接測定するか,又はくぼみの先端部を測定しなければ
ならない。その対向面によって生じるりょう線長さaの上限は,表3による(図2参照)。
6.3.6 圧子の幾何学的な偏差を示す検査成績書を添付する。
136°±0.5°
図1−ダイヤモンド圧子の対面角

――――― [JIS B 7725 pdf 6] ―――――

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a : りょう線長さ
図2−ダイヤモンド圧子の先端のりょう線長さa
表3−圧子先端のりょう線長さaの上限
試験力の呼び値FRS りょう線長さaの上限
N m
0.009 807≦FRS<1.961 0.5
1.961≦FRS<49.03 1
FRS≧49.03 2

6.4 くぼみ測定装置の校正及び検証

6.4.1 くぼみ測定装置の検証は,校正された対物ミクロメータで,くぼみの測定に使用する各倍率で行う。
2方向の対角線長さをそれぞれ異なるスケールで測定する装置の場合,両方の方向に対して校正しなけれ
ばならない。対物ミクロメータの目盛間隔の拡張不確かさは,表4を満足することが望ましい。
6.4.2 測定範囲に対して,均等な距離の4区間以上で,それぞれ3回測定する。測定は,視野の中央付近
で行う。対物ミクロメータへの要求事項,及びくぼみ測定装置の測定結果の許容差は,表4による。
表4−くぼみ測定装置の校正及び検証の要求事項
項目 要求事項
対物ミクロメータの目盛間隔の拡張不確かさ0.4 m又は測定区間長さの0.2 %の
(6.4.1参照) いずれか大きい方
くぼみ測定装置の測定結果の許容差 0.8 m又は測定区間長さの1.0 %の
(6.4.2参照) いずれか大きい方

6.5 試験時間の検証

  試験力の負荷所要時間及び保持時間は,±1秒の正確さで測定し,JIS Z 2244-1の規定を満足しているこ
とを確認する。

6.6 校正及び検証の不確かさ

  校正及び検証結果の不確かさの見積り例を,附属書Aに示す。

7 間接検証

7.1 一般要件

7.1.1 間接検証は,箇条8に規定する周期で行う。
7.1.2 間接検証は,JIS B 7735に適合する基準片によって,試験機の総合的な性能の検証を行う。
7.1.3 間接検証は,23 ℃±5 ℃の温度で行うことが望ましい。この温度範囲外で検証を行ったときは,

――――― [JIS B 7725 pdf 7] ―――――

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その温度を報告書に記載する。
7.1.4 検証及び校正に使用する機器は,国家標準にトレーサブルでなければならない。

7.2 試験力及び硬さレベル

  JIS B 7735に適合する基準片を用いて検証する。基準片は,使用する試験力と同じ試験力で校正されて
いることが望ましい。
試験力及び硬さレベルの組合せは,次による。
· 一つの試験力だけで検証する場合,表5に規定する三つの硬さレベルについて検証を行う。
· 複数の試験力で検証する場合,各試験力について表5に規定する硬さレベルから少なくとも二つ以上
の硬さレベルの検証を行い,かつ,異なる試験力での検証を通じて三つの硬さレベルが全て検証され
るように試験力と硬さレベルとの組合せを選ばなければならない。
· 試験機がもつ全ての試験力で検証する場合,それぞれの試験力について表5に規定する三つの硬さレ
ベルから少なくとも一つを選択しなければならない。
基準片は,最もよく使われる試験力と硬さレベルとを考慮して選択することが望ましい。
間接検証は,HV 0.01以上で行うことが望ましい。
試験力と硬さレベルとの組合せは,くぼみ対角線長さがくぼみ測定装置の測定範囲の20 %以上となるよ
うに選択することが望ましい。
表5−間接検証の硬さレベル
硬さレベル 基準片の硬さ値HCRM
HV
低 <250
中 400600
高 >700

7.3 参照くぼみの測定

  各基準片に付けられた参照くぼみを一つ測定する。測定した参照くぼみの平均対角線長さは,参照くぼ
みに付与された平均対角線長さとの差が1 m,又は参照くぼみに付与された平均対角線長さの1.25 %のい
ずれか大きい方を超えないことが望ましい。この測定は,近い硬さの別の基準片で行ってもよい。間接検
証において偏差が許容差を超えない場合は,参照くぼみの検証を省略してもよい。

7.4 測定点数

  硬さ試験は,各基準片について5点行う。試験は,JIS Z 2244-1による。基準片の校正をした面だけを
試験に使用しなければならない。

7.5 検証結果

  各硬さ基準片について測定したくぼみ対角線長さの平均を,大きい方からd1,d2,d3,d4,d5の順に並
べて,それに対応する硬さ値を,小さい順にH1,H2,H3,H4,H5とする。硬さの測定値の平均Hは,式
(2)によって求める。また,くぼみ対角線長さの平均dは,式(3)によって求める。
H1 H2 H3 H4 H5
H (2)
5
d1 d2 d3 d4 d5
d (3)
5

――――― [JIS B 7725 pdf 8] ―――――

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7.6 繰返し性

   Hからの割合で示す硬さ値の繰返し性rrel(硬さ値の百分率)は,式(4)によって求める。
繰返し性rrelは,表6の許容値を超えてはならない。
100H5 H1
rrel (4)
H
表6−繰返し性rrelの許容値
単位 %
基準片の硬さ値HCRM HV 5以上,HV 100以下 HV 0.2以上,HV 5未満 HV 0.2未満
≦250 HV 6.0 12.0 18.0
>250 HV 4.0 8.0 12.0

7.7 偏差

  個々の検証条件で決まる試験結果の偏差bは,式(5)によって求める。
bHHCRM (5)
ここに, HCRM : 基準片の硬さ値
割合で示すHCRMからの偏差の割合brelは,式(6)によって求める。
100HHCRM
brel (6)
HCRM
正又は負の最大偏差は,基準片の値からの割合で求め,表7の許容差を超えてはならない。
これに基づき,試験力と硬さとの対応の代表例に対し,偏差の許容差を計算した結果を附属書JAに示
す。
表7−試験結果の偏差の許容差
くぼみ対角線長さの平均 試験結果の偏差の許容差
d brel
m ±%
d<140 210/d+1.5
140≦d≦1 400 3

7.8 校正及び検証の不確かさ

  試験機の校正結果の不確かさの見積り例を,附属書Aに示す。

8 検証の周期

  試験機の直接検証は,表8による。間接検証は,少なくとも12か月に1回行われなければならず,また,
直接検証の後にも行う。13か月を超えて間接検証をしていないときには,試験機を使用する前に,直接検
証を実施しなければならない。

――――― [JIS B 7725 pdf 9] ―――――

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表8−試験機の直接検証
検証のタイミング 検証項目
試験力 くぼみ測定装置 試験動作 圧子a)
出荷時 ○ ○ ○ ○
試験力,くぼみ測定装置及び試験動作 ○ ○ ○ −
に影響する分解及び再組立後
間接検証が不合格のときb) ○ ○ ○ −
13か月を超え間接検証をしていないと ○ ○ ○ −

注a) 使用後2年を経過したときには,直接検証することが望ましい。
b) 直接検証の項目は,(間接検証の結果が満足するまで)繰り返し行ってもよい。基準圧子との組
合せ検証などによって,その許容範囲を超える要因が圧子であることを確認できる場合は,直接
検証を繰り返す必要はない。

9 検証の報告書及び校正証明書

9.1 試験機

  検証の報告書及び校正証明書には,次の情報を記載する。
a) この規格によって検証した旨の記載
b) 検証方法の種類(直接検証及び/又は間接検証)
c) 試験機の識別情報(型式,製造番号など)
d) 検証及び校正に用いた機器(硬さ基準片,力計など)
e) 校正した試験力
f) 使用した基準片の硬さ値
g) 6.1.3及び7.1.3の温度範囲外で検証を行ったときは,検証時の温度
h) 得られた結果
i) 検証及び校正の実施年月日,並びに検証及び校正を実施した機関の名称
j) 可能な場合は,検証結果の不確かさ

9.2 ビッカース圧子

  検証の報告書及び校正証明書には,次の情報を記載することが望ましい。
a) この規格によって検証した旨の記載
b) 圧子の製造番号
c) 得られた結果
d) 検証及び校正の実施年月日,並びに検証及び校正を実施した機関の名称
e) 検証結果の不確かさ

――――― [JIS B 7725 pdf 10] ―――――

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JIS B 7725:2020の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 6507-2:2018(MOD)

JIS B 7725:2020の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 7725:2020の関連規格と引用規格一覧