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B 8223 : 2021
7.2.2 ボイラ水の水質
7.2.2.1 水質の管理項目及び管理値
多管式特殊循環ボイラの通常運転時におけるボイラ水の水質は,常用使用圧力及び補給水の種類によっ
て区分し,表6によるほか,次による。
a) イオン交換水を用いる場合で,常用使用圧力が3 MPaを超える場合,又はりん酸塩処理を行う場合は,
表10の該当する圧力区分の補給水にイオン交換水を用いる場合の水質を適用する。
b) 船用補助ボイラに用いる場合には,表6の該当する圧力区分の補給水に軟化水又はイオン交換水を用
いる場合の水質を適用する。
c) 船用補助ボイラの補給水の場合,造水器で精製した蒸留水にも,イオン交換水と同様の水質を適用す
る。
表6−多管式特殊循環ボイラのボイラ水の水質の管理項目及び管理値
区 常用使用圧力 MPa 1以下 1を超え3以下 2以下 2を超え3以下
分 補給水の種類 軟化水 イオン交換水
処理方式 アルカリ処理a)
ボ pH(25 ℃における) 11.011.8 11.011.8 10.511.5 10.011.0
イ 酸消費量(pH 8.3) CaCO3: mg/L 80600 500以下 200以下 120以下
ラ
水 電気伝導率(25 ℃における)
mS/m 400以下 300以下 150以下 100以下
(S/cm) (4 000以下) (3 000以下) (1 500以下) (1 000以下)
塩化物イオン Cl: mg/L 400以下 300以下 150以下 100以下
りん酸イオンb) PO4: mg/L 2040 2040 1030 515
亜硫酸イオンc) SO3: mg/L 10以上 10以上 10以上 5以上
ヒドラジンd) N2H4: mg/L 0.1以上 0.1以上 0.1以上 0.1以上
注a) 給水に薬品を添加しない水処理方式を含む。
注b) りん酸塩を添加する場合に適用する。
注c) 亜硫酸塩を添加する場合に適用する。
注d) ヒドラジンを添加する場合に適用する。
7.2.2.2 水質に関する留意事項
ボイラ水の水質については,次の事項について留意することが望ましい。
a) 硬度成分及びシリカによるスケール化を防止するために,不測の硬度成分(カルシウム及びマグネシ
ウム)の漏えいに注意する。
b) ボイラ水の塩化物イオンは,ボイラ水の濃縮の程度を知るとともに,腐食を抑制する目的で管理する。
船用補助ボイラの場合には,ボイラ水の濃縮倍率に配慮して電気伝導率及び塩化物イオンの濃度は,
できる限り低く維持する。
c) ボイラ水のりん酸イオンは,不測の硬度成分の漏れに対処するために,管理値の上限付近で管理する。
船用補助ボイラで用いる場合にも,りん酸イオンは海水の混入を考慮して,管理値の上限付近で管理
する。ただし,りん酸イオン以外に,カルボン酸塩系ポリマー(ポリアクリル酸塩,ポリマレイン酸
塩など),ホスホン酸塩(ヒドロキシエチリデンジホスホン酸塩,ホスホノブタントリカルボン酸塩な
ど)及び/又はキレート剤(エチレンジアミン四酢酸塩など)によって硬度成分によるスケール及び
スラッジの防止が可能である。これらの方法を用いる場合のりん酸イオンの保持濃度については,供
給する薬剤製造業者と相談するのが望ましい。
――――― [JIS B 8223 pdf 16] ―――――
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d) 船用補助ボイラに亜硫酸ナトリウムを脱酸素剤として使用する場合は,連続して投入する。
8 産業用水管ボイラの水質
8.1 産業用水管ボイラの水質(軟化水を使用する場合)
8.1.1 給水の水質
8.1.1.1 水質の管理項目及び管理値
軟化水を使用する産業用水管ボイラの通常運転時における給水の水質は,常用使用圧力によって区分し,
表7による。
表7−産業用水管ボイラの給水の水質(軟化水を使用する場合)の管理項目及び管理値
区 常用使用圧力 MPa 2以下
分 補給水の種類 軟化水
給 pH(25 ℃における) 5.89.0
水 硬度 CaCO3: mg/L 1以下
鉄 Fe: μg/L 300以下
8.1.1.2 水質に関する留意事項
給水の水質については,次の事項について留意することが望ましい。
a) 常用使用圧力2 MPa以下の水管ボイラでは,軟化水を給水として用いるが,ドレンの回収又は給水熱
交換形連続ブロー装置の設置を行う場合は,給水温度が上昇し,これらの給水系統の腐食増大の一因
となっていることから,腐食をできるだけ抑制するために,アンモニア,アミン(モルホリン,シク
ロヘキシルアミン,2-アミノエタノール,2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール,3-メトキシプロピルア
ミン,2-ジエチルアミノエタノールなど)などを添加することによってpHを7以上とし,高めに管理
する。
b) ヒドラジンを脱酸素剤として注入する場合は,注入点以降の系統の腐食を抑制するために,給水が空
気と接触しない系統のなるべく上流側に脱気器があれば,その上流側に注入することが望ましい。た
だし,100 ℃以下では反応速度が遅いので,ほとんど脱酸素効果は期待することは不可能である。
c) 硬度成分及びシリカによるスケール化を防止するために,不測の硬度成分(カルシウム及びマグネシ
ウム)の漏えいに注意する。
d) 給水に鉄が多く含まれる原因としては,原水に含まれる場合,給水系統が腐食している場合及びドレ
ン回収を行いドレン回収系統の腐食を生じている場合が考えられ,除鉄装置の利用,耐食材への変更,
復水処理剤の使用など,低減するための処置を行う。
e) 給水中のシリカ濃度が高い場合には,ボイラ水のpHが上がりにくくなるため,ブローの調整,清缶
剤の使用,又はシリカを除去する能力がある水処理装置など(例えば,逆浸透膜装置など)の併用を
行う。
8.1.2 ボイラ水の水質
8.1.2.1 水質の管理項目及び管理値
軟化水を使用する産業用水管ボイラの通常運転時におけるボイラ水の水質は,アルカリ処理方式とし,
常用使用圧力によって区分し,表8による。
――――― [JIS B 8223 pdf 17] ―――――
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表8−産業用水管ボイラのボイラ水の水質(軟化水を使用する場合)の管理項目及び管理値
区 常用使用圧力 MPa 1以下 1を超え2以下
分 補給水の種類 軟化水
処理方式 アルカリ処理
ボ pH(25 ℃における) 11.011.8 11.011.8
イ 酸消費量(pH 8.3) CaCO3: mg/L 80600 500以下
ラ
水 電気伝導率(25 ℃における) mS/m 400以下 300以下
(μS/cm) (4 000以下) (3 000以下)
塩化物イオン Cl: mg/L 400以下 300以下
りん酸イオンa) PO4: mg/L 2040 2040
亜硫酸イオンb) SO3: mg/L 10以上 10以上
ヒドラジンc) N2H4: mg/L 0.1以上 0.1以上
注a) りん酸塩を添加する場合に適用する。
注b) 亜硫酸塩を添加する場合に適用する。
注c) ヒドラジンを添加する場合に適用する。
8.1.2.2 水質に関する留意事項
軟化水を使用する産業用水管ボイラのボイラ水の水質については,次の事項について留意することが望
ましい。
a) 軟化水を補給水とするボイラでは,硬度成分及びシリカによるスケール化を防止するために,ボイラ
水中のりん酸イオンの濃度を十分に高く保持し,かつ,pHを11以上で管理する。また,軟化水を使
用する産業用水管ボイラでは,不測の硬度成分(カルシウム及びマグネシウム)の漏えいに注意する。
b) 塩化物イオンは,鋼面の酸化鉄の防食皮膜の安定性を阻害するため,なるべく低濃度に維持する。
c) ボイラ水のりん酸イオンは,不測の硬度成分の漏れがある場合に対処するために,管理値の上限付近
で管理する。ただし,りん酸イオン以外に,カルボン酸塩系ポリマー(ポリアクリル酸塩,ポリマレ
イン酸塩など),ホスホン酸塩(ヒドロキシエチリデンジホスホン酸塩,ホスホノブタントリカルボン
酸塩など)及び/又はキレート剤(エチレンジアミン四酢酸塩など)によって硬度スケール及びスラ
ッジの防止が可能である。これらの方法を用いる場合のりん酸イオンの保持濃度については,供給す
る薬剤製造業者と相談するのが望ましい。
d) ヒドラジンに代わる脱酸素剤を使用する場合,脱気器出口での溶存酸素濃度又は脱酸素剤の残留濃度
によって管理する。ただし,脱酸素剤の種類によって,残留濃度の管理値は異なることに注意する。
詳細は,B.8を参照。
8.2 産業用水管ボイラの水質(イオン交換水を使用する場合)
8.2.1 給水の水質
8.2.1.1 水質の管理項目及び管理値
イオン交換水を使用する産業用水管ボイラの通常運転時における給水の水質は,常用使用圧力及びボイ
ラ水の処理方式によって区分し,表9によるほか,次による。
a) 常用使用圧力が15 MPaを超える場合は,電力事業用循環ボイラの当該圧力区分の水質を適用する。
また,産業用水管ボイラでは,補給水量が多いことによる空気のもち込みが多い場合及び復水器のシ
ール性の劣化による空気の漏えいが抑えきれない場合があり,銅及び銅合金製の復水器管の腐食が発
生する可能性があることから,銅及び銅合金製の復水器管を使用する場合は,給水pHを9.4以下で管
理する。
――――― [JIS B 8223 pdf 18] ―――――
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b) 船用主ボイラに用いる場合には,表9の該当する圧力区分の同一水処理方式を用いた場合の水質を適
用する。
c) 船用主ボイラの補給水に造水器で精製した蒸留水を使用する場合は,表9の水質を適用する。
――――― [JIS B 8223 pdf 19] ―――――
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表9−産業用水管ボイラの給水の水質(イオン交換水を使用する場合)の管理項目及び管理値
区 常用使用圧力 MPa 2以下 2を超え 3を超え 5を超え 7.5を超え 10を超え15以下
分 3以下 5以下 7.5以下 10以下
補給水の種類 イオン交換水
処理方式 − 揮発性物質処理 酸素処理
還元剤 − あり なし なし
酸化還元性 − 還元形 低酸化形 酸化形 酸化形
[AVT(R)] [AVT(LO)] [AVT(O)] (OT)
給 pH(25 ℃における) 8.510.3 b) 8.510.3 b) 8.510.3 b) 8.510.3 b) 8.510.3 b) 8.510.3 b) 8.510.3 8.510.3 8.010.3
水 c) c) c) c) d) c) d) c) d) b) c) d) b) c) d) c)
酸電気伝導率
(25 ℃における)
mS/m − − − − − 0.05以下 0.05以下 0.02以下 0.02以下
(S/cm) − − − − − (0.5以下) (0.5以下) (0.2以下) (0.2以下)
e) e) e) e) e) e) e) e) e)
硬度 CaCO3: mg/L
溶存酸素 O: g/L − 100以下 30以下 7以下 7以下 7以下 7以下 7を超え 20を超え
20以下 50以下
鉄 Fe: g/L 100以下 100以下 100以下 50以下 30以下 30以下 30以下 10以下 5以下
銅 Cu: g/L − − 50以下 30以下 20以下 10以下 10以下 10以下 10以下
ヒドラジンa) N2H4: g/L − 200以上 60以上 10以上 10以上 10以上 − − −
注a) ヒドラジンを添加する場合に適用する。
注b) 全鉄系ユニットの場合はpHの下限を9.3以上に調節し管理することが望ましい。
注c) 低圧給水加熱器の管材が銅合金製の場合はpHの上限を9.5以下に,高圧給水加熱器が銅合金製の場合にはpHの上限を9.0以下に,復水器が銅合金製の場
合はpHの上限を9.4以下に調節し管理することが望ましい。
注d) ボイラ水に揮発性物質処理を採用する場合は,ボイラ水pHを管理値内に維持できるように給水pHを管理する。
注e) カルシウム及びマグネシウムの試験方法(JIS B 8224参照)のうち,適用した試験方法の定量下限値から硬度を算出したとき,その値より低い値とする。
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JIS B 8223:2021の国際規格 ICS 分類一覧
- 27 : エネルギー及び熱伝達工学 > 27.060 : バーナ.ボイラ > 27.060.30 : ボイラ及び熱交換器
JIS B 8223:2021の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0126:2018
- 火力発電用語―ボイラ及び附属装置
- JISB0127:2012
- 火力発電用語―蒸気タービン及び附属装置並びに地熱発電設備
- JISB8224:2016
- ボイラの給水及びボイラ水―試験方法
- JISK0410-3-7:2000
- 水質―サンプリング―第7部:ボイラ施設の水及び蒸気のサンプリングの指針
- JISK0556:1995
- 超純水中の陰イオン試験方法