JIS B 8267:2015 圧力容器の設計 | ページ 3

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1) 最高使用温度 次の1.1) 又は1.2) の温度による。
1.1) 規格材料及び同等材料は,表B.1,表B.2,表B.3及び表B.4に示す許容引張応力の温度範囲の最
高温度。
1.2) 特定材料は,ASME Section II Part DのTable 1A又はTable 1BのVIII-1の欄で規定する最高温度。
2) 最低使用温度 最低設計金属温度によって制限される最低温度。
3) クラッド鋼の最高使用温度及び最低使用温度は,次の3.1) 及び3.2) による。
3.1) 最高使用温度 合わせ材を強度に算入する場合は,母材の最高使用温度又は合わせ材の最高使用
温度のいずれか低い温度とし,合わせ材を強度に算入しない場合は,母材の最高使用温度。
3.2) 最低使用温度 母材の最低使用温度。

4.2 鉄鋼材料

4.2.1  材料の使用制限
材料の使用制限は,次のa) 及びb) による。
a) 使用制限一般 0.35 %(溶鋼分析値)を超える炭素を含有する材料は,溶接継手に使用できない。
b) 表B.1及び表B.2に示す材料の使用制限 表B.1及び表B.2に示す材料及びこれらの同等材料の使用
制限は,次の1) 及び2) による。
1) IS G 3106(SM400A,SM490A及びSM490YAを除く。)及びJIS G 3114(SMA400AW,SMA400AP,
SMA490AW及びSMA490APを除く。)の材料は,設計圧力が3 MPaを超える圧力容器の胴,鏡板
及びこれらに類する部分に使用できない。
2) IS G 3106(SM400A,SM490A及びSM490YA),JIS G 3114(SMA400AW,SMA400AP,SMA490AW
及びSMA490AP)及びJIS G 3457の材料は,次の2.1)2.4) に示す耐圧部分に使用できない。
2.1) 設計圧力が1.6 MPaを超える圧力容器の胴,鏡板及びこれらに類する部分。
2.2) 設計圧力が1 MPaを超える圧力容器で,長手溶接継手がある胴及び溶接継手がある鏡板。
2.3) 溶接継手の母材の厚さが16 mmを超える胴,鏡板及びこれらに類する部分。
2.4) 致死的物質又は毒性物質の保有を目的とする胴,鏡板及びこれらに類する部分。

4.3 材料の許容応力

4.3.1  許容引張応力
設計温度における材料の許容引張応力は,次のa) f) による。
a) 鉄鋼材料の許容引張応力は,表B.1及び表B.2に示す。
b) 非鉄金属材料の許容引張応力は,表B.3に示す。
c) ボルト材料の許容引張応力は,表B.4に示す。
d) 表B.1,表B.2,表B.3及び表B.4において,40 ℃未満の温度における許容引張応力は,“40 ℃”
の欄の値とする。
e) 設計温度における同等材料の許容引張応力は,化学的成分及び機械的性質が同等な規格材料の許容引
張応力とする。
f) 設計温度における特定材料の許容引張応力は,次の1) 及び2) による。
1) 許容引張応力は,ASME Section II Part Dに規定する値とする。
2) −29 ℃(−20 °F)未満における許容引張応力は,−29 ℃における値とする。
4.3.2 許容せん断応力
設計温度における材料の許容せん断応力は,許容引張応力の0.8倍とする。
4.3.3 許容圧縮応力

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設計温度における材料の許容圧縮応力は,許容引張応力又は許容座屈応力のいずれか小さい値とする。
ここで,許容座屈応力は,次のa) 又はb) による。
a) 円筒胴
3.0Et
cr
Dm 1( .0004E/ y)
ここに, Dm : 円筒胴の平均直径(mm)
E : 設計温度における材料の縦弾性係数(N/mm2)
t : 円筒胴の計算厚さ(mm)
σcr : 許容座屈応力(N/mm2)
σy : 設計温度における材料の降伏点又は0.2 %耐力(N/mm2)
b) 管 次の条件式を満足する場合には1),満足しない場合には2) に示す式による。
2
2 E≦ kl
条件式
y i
ここに, a : 管の断面積(mm2)
I : 管の断面二次モーメント(mm4)
i : 管の断面二次半径(mm)
i I/a
k : 管の支持方法による係数で,次の表の左欄に示す支持方法
に対応して,右欄に示す値。
管板間で支持する場合 0.6
管板とバッフル間で支持する場合0.8
バッフル間で支持する場合 1.0
l : 管の支持長さ(mm)
E及びσyは,a) による。
2
E
1) cr 2
kl
2
i
kl
2)
y
1 i
cr
2 2 2
E
2
y
ここに, E,i,k,l,σcr及びσyは,a) 及びb) による。
4.3.4 許容曲げ応力
設計温度における材料の許容曲げ応力は,許容引張応力の値の1.5倍とする。ただし,別途定められて
いる規定がある場合は,それによる。

4.4 材料の機械試験

  使用する材料は,材料規格に規定する機械試験を行い,試験結果が規定値を満足することを確認する。
ただし,次のa) に示す材料に製作中の熱処理を行う場合には,材料規格に規定する引張試験(材料規格
に曲げ試験が規定されている場合には,曲げ試験を含む。)の試験片の数は2個とし,次のb) 及びc) に
示す熱処理を試験片に施した後に試験を行い,2個の試験結果が規定値を満足することを確認する。
a) IS G 3206(SFVCM F3V及びSFVCM F22V),JIS G 4110(SCMQ4V及びSCMQ5V)及びこれらの規

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格材料に相当する特定材料で,次の1)5) に示す材料。
1) A182(グレードF3V及びグレードF22V)
2) A336(グレードF3V及びグレードF22V)
3) A508(グレード3V及びグレード22クラス3)
4) A541(グレード3V,グレード22V及びグレード22クラス3)
5) A542(全てのグレード)及びSA832(全てのグレード)
b) 1個の試験片には,材料に施す実際の最高熱処理温度から14 ℃を減じた温度以上で,かつ,実際の最
高熱処理温度以下の温度において,最高熱処理温度の実際の保持時間の80 %以上で,かつ,実際の保
持時間以下の時間を保持する熱処理。
c) 1個の試験片には,材料に施す実際の最低熱処理温度に14 ℃を加えた温度以下で,かつ,実際の最低
熱処理温度以上の温度において,最低熱処理温度の実際の保持時間の120 %以下で,かつ,実際の保
持時間以上の時間を保持する熱処理。

4.5 材料の諸特性

  設計温度における材料の諸特性は,次のa)   g) による。
a) 材料の縦弾性係数は,表D.1に示す。
b) 材料の線膨張係数は,表D.2に示す。
c) 炭素鋼及び低合金鋼の降伏点又は0.2 %耐力は,表D.3に示す。
d) ステンレス鋼の降伏点又は0.2 %耐力は,表D.4に示す。
e) ステンレス鋳鋼の降伏点又は0.2 %耐力は,表D.5に示す。
f) ニッケルクロム鉄合金(JIS B 8285の表A.1に示すP番号43及び45)の降伏点又は0.2 %耐力は,表
D.6に示す。
g) 非鉄金属材料の降伏点又は0.2 %耐力は,表D.7に示す。

5 設計

5.1 一般

5.1.1  設計で使用する寸法
圧力容器の設計で使用する寸法は,腐れ代を除いた状態の寸法を示す。
5.1.2 荷重
設計で考慮すべき荷重には,圧力(内圧又は外圧)に加え,必要に応じて次の荷重を含める。
a) 自重及び内部流体による荷重
b) 圧力容器に取り付ける配管,附属品などによる荷重
c) 風,積雪及び地震荷重
d) 熱(温度)による荷重
e) 繰返し荷重及び動的荷重
f) 取扱い,輸送,据付けなどによる荷重
5.1.3 最小制限厚さ
耐圧部分の最小制限厚さは,次のa) 又はb) に示す厚さとする。ただし,ベローズ形伸縮継手,プレー
ト式熱交換器の伝熱板,二重管式熱交換器の呼び径150A以下の内管と外管,及び多管式熱交換器の呼び
径150A以下の伝熱管には適用しない。
ただし,耐圧部分に使用する材料に腐食又は壊食が予測される場合には,適切な腐れ代を設定する。

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a) 炭素鋼又は低合金鋼 2.5 mm以上(腐食又は壊食のおそれがある場合には,3.5 mm以上。)。
b) ステンレス鋼,ニッケルクロム鉄合金及び非鉄金属材料 1.5 mm以上(腐食又は壊食のおそれがある
場合には,2.5 mm以上。)。
5.1.4 クラッド鋼
クラッド鋼は,次のa) c) による。
a) クラッド鋼の合わせ材は,強度に算入できる。合わせ材を強度に算入する場合のクラッド鋼の許容引
張応力は,次の式による。
t
b b ctc
a
tb tc
ここに, tb : 母材の厚さ(mm)
tc : 合わせ材の厚さ(mm)
σa : 設計温度におけるクラッド鋼の許容引張応力(N/mm2)
σb : 設計温度における母材の許容引張応力(N/mm2)
σc : 設計温度における合わせ材の許容引張応力(N/mm2)
b) クラッド鋼は,次の1)7) に示す規格材料とする。ただし,5)7) に示すクラッド鋼で合わせ材を
強度に算入する場合には,せん断強さ試験を実施する。
1) IS G 3601の1種
2) IS G 3602の1種
3) IS G 3603の1種
4) IS G 3604の1種
5) SME Section IIのSA263
6) SME Section IIのSA264
7) SME Section IIのSA265
c) 肉盛溶接の品質が合わせ材と同等以上の場合には,肉盛溶接を合わせ材とみなし,a) のクラッド鋼の
許容引張応力を適用できる。
5.1.5 圧力容器に設ける穴
圧力容器に設ける穴は,次のa) c) による。
a) 圧力容器には,検査,修理,清掃などに供する穴を設ける。ただし,次の1)5) に示す圧力容器は,
穴を設けなくてよい。
1) 胴の内径が300 mm以下の圧力容器。
2) 胴の内径が500 mm以下で,外径40 mm以上の取り外しのできる管を2個以上設ける圧力容器。
3) 鏡板,ふた板などを取り外すことができて,鏡板,ふた板などの大きさがb) に示す穴の大きさ以
上の圧力容器。
4) 腐食又は壊食のおそれがなく,外径40 mm以上の取り外しのできる管を2個以上設ける圧力容器。
5) 熱交換器などで,構造,形状又は用途によって,検査,修理,清掃などに供する穴を設ける必要が
ない圧力容器。
b) ) の穴の数及び寸法は,胴の内径に対応して,次の1)3) による。
1) 胴の内径が300 mmを超え,500 mm以下の場合 長径75 mm以上,短径50 mm以上のだ円形,又
は直径75 mm以上の円形の穴を2個以上設ける。
2) 胴の内径が500 mmを超え,1 000 mm以下の場合 長径375 mm以上,短径275 mm以上のだ円形,
直径375 mm以上の円形,又は長径400 mm以上,短径250 mm以上の長円形の穴(マンホール)を

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1個以上設ける。ただし,長径90 mm以上,短径70 mm以上のだ円形,又は直径90 mm以上の円
形の穴を2個以上設ける場合は,マンホールを設けなくてもよい。
3) 胴の内径が1 000 mmを超える場合 2) に示すマンホールを1個以上設ける。
c) 必要な場合には,ドレン及びベントの穴を設ける。
5.1.6 許容圧力確認試験
特殊な形状であって5.25.9によることができない圧力容器又は圧力容器の一部の耐圧部分については,
附属書Tによることができる。

5.2 胴及び鏡板

5.2.1  内圧を保持する胴
内圧を保持する胴は,次のa) d) による。
a) 円筒胴 円筒胴の計算厚さは,E.2.2による。
b) 球形胴 球形胴の計算厚さは,E.2.3による。
c) 円すい胴 円すい胴の形状は,図1に示す。円すい胴の計算厚さは,E.2.4による。
図中の記号の意味は,E.2.1による。
9 %ニッケル鋼を使用する場合の円すい胴の形状は,a) に示す。
丸み半径及び丸みに連続して設ける直線部の制限は,附属書Eの規定による。
図1−円すい胴の形状†

――――― [JIS B 8267 pdf 15] ―――――

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JIS B 8267:2015の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 8267:2015の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称