JIS B 8267:2015 圧力容器の設計 | ページ 61

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値以上とする(図S.1参照)。ただし,加熱幅の部分の温度を保持温度まで均一に上昇させ,かつ,保
持温度及び保持時間を規定どおりにできる場合に限り,加熱幅を狭くすることができる。
w : 溶接後熱処理における厚さ又は50 mmのいずれか小さい値
図S.1−管台を胴に溶接し溶接後熱処理を行う場合の加熱幅
e) 425 ℃以上の温度における加熱速度及び冷却速度は,S.5.2による。
f) 溶接後熱処理の保持温度及び保持時間は,S.5.1による。また,温度保持中,加熱中及び冷却中は,加
熱幅の部分の全体にわたり一様な温度になるようにする。
S.6.2.3 温度の測定
局部加熱による溶接後熱処理における温度の測定は,溶接ビードの中央及び溶接ビードの止端の両側で
それぞれ溶接後熱処理における厚さ又は50 mmのいずれか小さい値だけ離れた位置に熱電対を取り付け,
温度を測定し,加熱幅が,S.6.2.2 b) の規定を満足することを確認する。
S.6.3 圧力容器の内面からの加熱による方法
S.6.3.1 加熱装置
加熱装置は,S.5及びS.6.3.2の手順及び条件を満足することを確認する。
S.6.3.2 手順及び条件
溶接後熱処理の手順及び条件は,次のa) d) による。
a) 圧力容器を完全に断熱材で包む。
b) 温度分布が一様になるような温度の制御及び保持をするために,適切な温度指示計及び記録装置を用
いる。
c) 425 ℃以上の温度における加熱速度及び冷却速度は,S.5.2による。
d) 溶接後熱処理の保持温度及び保持時間は,S.5.1による。また,温度保持中,加熱中及び冷却中は,加
熱幅の部分の全体にわたり一様な温度になるようにする。
S.6.3.3 温度の測定
温度は,加熱幅の部分を対象として,熱電対によって自動的に測定する。

――――― [JIS B 8267 pdf 301] ―――――

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表S.1−溶接後熱処理の最低保持温度及び最小保持時間
最低保持温度 溶接後熱処理における厚さに対する最小保持時間 h
母材の区分
℃ t≦6 6 t 50
P-1 595 0.25 2
25 100
t 50
P-3 595 0.25 2
25 100
t 125
P-4 650 0.25 5
25 100
t 125
P-5 675 0.25 5
25 100
t 50
P-6 760 0.25 2
25 100
t 50
P-7 730 0.25 2
25 100
P-9A 1
25
595 1.0 100
P-9B
550 2
50
P-11A 2.0 25
(最大585)
P番号45のNCF800及
びNCF800H
25
(ASME規格材料で 885 1.5 5.1
25
UNS番号がN08800,
N08810及びN08811)
− tはS.3に規定する溶接後熱処理における厚さで,mmで表した数値とする。
− 最小保持時間は,連続した時間ではなく,溶接後熱処理を行った合計時間でもよい。
− P番号11Aの場合の保持温度は,焼戻し温度を超えない。溶接後熱処理と焼戻し処理を一緒に行ってもよい。
この場合には,S.5.2 a) 2) の最大冷却速度は適用しない。材料規格によって焼戻し温度からの急速冷却が必要と
される場合には,溶接後熱処理の冷却に対しても同じ冷却速度を適用する。
− P番号5グループ番号1の材料の場合には,最低保持温度650 ℃で溶接後熱処理を行ってもよい。ただし,t≦
50の場合には,保持時間を最小4 h又は4×(t/25) のいずれか大きい時間とする。また,t>50の場合には,最
小保持時間の4倍とする。
− P番号9Bの材料の保持温度は,635 ℃以下とする。
表S.2−保持温度の低減に対する最小保持時間
規定の最低保持温度から低減する温度 最小保持時間a)
℃ h
28 2
56 4
83 10 b)
111 20 b)
− 母材の区分P-9A及びP-9Bの材料の保持温度の下限値は,
540 ℃以上とする。
− 表中の値の中間の値は,補間によって計算する。
注a) 厚さ25 mm以下に対する保持時間を示す。25 mmを超える厚
さについては,25 mm当たり1/4時間を加える。
b) 母材の区分P-1グループ番号1及び2の材料にだけ適用する。

――――― [JIS B 8267 pdf 302] ―――――

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附属書T
(規定)
許容圧力確認試験
T.1 一般
この附属書は,圧力容器又は圧力容器の耐圧部分(以下,この附属書では“耐圧部分”という。)に生じ
る応力の算定が困難な場合に,試験体を用いて耐圧部分の許容圧力を確認するための試験について規定す
る。
T.2 記号の意味
この附属書で用いる記号の意味は,次による。
B : 試験温度における試験体の破裂圧力(MPa)
c : 試験体の腐れ代(mm)
f : 鋳造品の品質係数
fc : 腐れ代による補正係数
fT : 温度による補正係数
H : 試験温度における試験体の降伏圧力(MPa)
n : 試験体の形状による係数で,次による。
n=1 円筒胴,球形胴又は半頂角が60°以下の円すいの部分のような曲面(曲げ応力成分が
全応力の67 %以下の部分)
n=2 平板,フランジ又は半頂角が60°を超える円すいの部分のような平面(局所的に曲げ
応力成分が全応力の67 %未満であることが示せない部分)
Pb : 試験温度における試験体の座屈に対する確認試験の圧力で,Ptの3倍を超える圧力(MPa)
Po : 設計温度における耐圧部分の許容圧力(MPa)
Pt : 試験温度における試験体の許容圧力(MPa)
Su : 室温における試験体材料の材料規格の引張強さ(N/mm2)
Sut : 室温における試験体材料の引張強さの実測値(T.7参照)(N/mm2)
Sy : 室温における試験体材料の材料規格の降伏強度(N/mm2)
Syt : 室温における試験体材料の降伏強度の実測値(T.7参照)(N/mm2)
t : 試験体の最弱点の呼び厚さ(mm)
η : 6.2の表3の溶接継手効率
σa : 設計温度における試験体材料の許容引張応力(N/mm2)。ただし,σa≦σt
σt : 試験温度における試験体材料の許容引張応力(N/mm2)
T.3 試験体
許容圧力確認試験に供する試験体は,許容圧力を確認する耐圧部分と,同一(設計,製造,材料,形状,
寸法などが同一)とする。ただし,寸法,圧力などを試験パラメータとして,複数の試験結果の内挿によ
って許容圧力を確認する場合には,試験体は同一の形状とする。

――――― [JIS B 8267 pdf 303] ―――――

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T.4 許容圧力確認試験
T.4.1 許容圧力確認試験の形式
許容圧力確認試験の形式は,次のa) 又はb) による。
a) 降伏による試験
b) 破裂による試験
T.4.2 降伏による試験
降伏による試験は,次のa) c) のいずれかによって,材料規格の降伏比(降伏強度/引張強さ)が0.625
以下の材料だけに適用できる。
a) ひずみ測定による方法 この方法は,降伏点を示す材料及び降伏点を示さない(耐力表示をいう。)材
料に適用できる。
b) 変位測定による方法 この方法は,降伏点を示す材料に適用できる。
c) ぜい性塗料による方法 この方法は,降伏点を示す材料に適用できる。また,ひずみ測定による方法
又は変位測定による方法に先行し,適切な測定部位の選定の目的のために適用できる。
T.4.3 破裂による試験
この方法は,降伏強度(降伏点又は耐力をいう。)の代わりに引張強さを用い,全ての材料に適用できる。
T.4.4 測定部位
降伏による試験でひずみ又は変位を測定する場合には,最も大きなひずみ又は変位が発生する複数の測
定部位にひずみゲージ又は変位計を取り付ける。最も大きなひずみ又は変位が発生する測定部位の確認の
ために,ぜい性塗料による方法を最も大きなひずみ又は変位の発生が予測される複数の測定部位又は全面
に適用することができる。また,破裂による試験の場合は,全面が測定部位となる。
T.5 試験方法
T.5.1 降伏による試験
降伏による試験は,水圧又は気圧による。試験方法は,次のa) 及びb) による。
a) 降伏予測圧力の50 %の圧力まで徐々に昇圧し,保持した後に圧力0 MPaまで降圧する。
b) 降伏予測圧力の60 %の圧力に昇圧し,保持した後に圧力0 MPaまで降圧し,圧力保持時及び降圧時に
局部的な膨らみ,伸びなどの異常のないことを確認する。以下,同様の手順を,降伏予測圧力の10 %
ずつ圧力を増加させて,降伏予測圧力に達するまで繰り返す。
なお,圧力増加ごとの昇圧及び降圧は,1回だけとする。
T.5.2 破裂による試験
破裂による試験は,水圧による。破裂予測圧力の50 %の圧力まで徐々に昇圧する。その後は,破裂予測
圧力の10 %以下ずつ段階的に破裂に至るまで降圧なしで昇圧する。ただし,破裂に至るまでの途中の段階
で昇圧を中止してもよい。
T.6 補正係数
T.6.1 腐れ代による補正係数
許容圧力確認試験に用いる試験体に腐れ代が含まれる場合の腐れ代による補正係数は,次の式による。
n
t c
fc n
t
T.6.2 温度による補正係数

――――― [JIS B 8267 pdf 304] ―――――

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許容圧力確認試験の試験温度と耐圧部分の設計温度が異なる場合の温度による補正係数は,次の式によ
る。
a
fT
t
T.7 試験体材料の降伏強度及び引張強さの試験
許容圧力確認試験に用いる試験体材料の降伏強度及び引張強さの試験は,次のa) c) による。ただし,
試験の代替として,材料製造業者が発行する試験体材料の材料証明書に記載の降伏強度及び引張強さの実
測値を用いてもよい。
a) 試験片の採取 許容圧力確認試験後の試験体から試験片を3個以上採取する。ただし,試験片採取位
置は,試験時に発生する応力が降伏強度を超えない部分とする。
b) 代替試験片 試験体材料に残材がある場合には,試験体に施した熱処理と同一の熱処理を施した残材
から試験片を採取することができる。
c) 試験方法 試験方法は,試験体材料の材料規格の規定による。
T.8 降伏による試験
T.8.1 ひずみ測定による方法
ひずみ測定による方法は,次のa) d) による。
a) ひずみゲージ ひずみゲージは,次の1)4) による。
なお,試験体の表面は,ひずみゲージの取付けに適した状態にする。
1) 0.005 %のひずみ増分を指示できる。
2) ゲージは,降伏予測圧力でのゲージ長範囲の最大ひずみが,ゲージ長範囲の平均ひずみを10 %以上
超えない長さにする。
3) 降伏予測圧力での最大ひずみよりも50 %以上大きいひずみまでの測定に,信頼性が確認されている。
4) ひずみは,最も大きなひずみが発生する測定部位の最大ひずみ方向で測定する。
b) ひずみ測定 T.5.1によって圧力を負荷し,ひずみ測定は次の1)3) による。
1) .5.1 a) の圧力保持時及び降圧後に,ひずみを測定し,記録する。
2) .5.1 b) の手順の繰返しごとに圧力保持時及び降圧後に,ひずみを測定し,記録する。降圧後の圧
力とひずみの関係から,手順の繰返しによる永久ひずみの増分を確認する。
3) 手順の繰返しは,c) の降伏圧力で中止する。
c) 降伏圧力 試験温度における試験体の降伏圧力Hは,次の1) 及び2) による。
1) 試験体材料が炭素鋼,低合金鋼,高合金鋼,アルミニウム,アルミニウム合金,ニッケル及びニッ
ケル合金では,永久ひずみが0.2 %となる圧力。
2) 試験体材料が銅及び銅合金では,圧力のもとでひずみが0.5 %となる圧力。
d) 試験温度における試験体の許容圧力 試験温度における試験体の許容圧力Ptは,次の1) 又は2) によ
る。
1) .7の降伏強度の試験を適用する場合は,次の式による。
Sy
Pt 5.0H
Syt

――――― [JIS B 8267 pdf 305] ―――――

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JIS B 8267:2015の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 8267:2015の関連規格と引用規格一覧

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規格名称