JIS B 8411:1989 規格概要
この規格 B8411は、固体,液体及び気体燃料を使用する工業用燃焼設備に使用される排熱回収装置で,伝熱面が金属で構成される空気予熱器の性能を試験する方法について規定。(1)空気予熱器の形式は,換熱式とする。(2)熱源流体は,燃料を燃焼させた場合に生成する排ガス成分だけで構成され,ダスト,腐食成分が外部から混入していないものとする。
JISB8411 規格全文情報
- 規格番号
- JIS B8411
- 規格名称
- 空気予熱器性能試験方法
- 規格名称英語訳
- Testing methods for air preheaters
- 制定年月日
- 1979年1月1日
- 最新改正日
- 2017年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 27.060.30
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- ‐
- 改訂:履歴
- 1979-01-01 制定日, 1984-03-01 確認日, 1989-03-01 改正日, 1994-03-01 確認日, 2003-02-20 確認日, 2008-03-20 確認日, 2012-10-22 確認日, 2017-10-20 確認
- ページ
- JIS B 8411:1989 PDF [14]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
B 8411-1989
空気予熱器性能試験方法
Testing Methods for Air Preheaters
1. 適用範囲 この規格は,固体,液体及び気体燃料を使用する工業用燃焼設備に使用される排熱回収装
置で,伝熱面が金属で構成される空気予熱器の性能を試験する方法について規定する。
なお,この規格では,次の条件を満足するものを対象とする。
(1) 空気予熱器の形式は,換熱式とする。
(2) 熱源流体は,燃料を燃焼させた場合に生成する排ガス成分だけで構成し,ダスト,腐食成分が外部か
ら混入していないものとする。
備考1. 熱源流体は,工業用燃焼設備からの燃焼排ガスなので,空気予熱器入口温度は,通常3001
500℃程度である。
2. 受熱流体である空気は,通常燃焼用空気として使用されるので,空気予熱器入口圧力は,最
大20kPa [{2 000mmAq}] 程度である。
3. 伝熱面が金属で構成されていても,蓄熱式(回転再生式,切換式など)は適用外とする。
4. この規格の中で{}を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,
参考として併記したものである。
引用規格 : 14ページに示す。
2. 用語の意味 この規格で用いる主な用語の意味は,次による。
(1) 排ガス入口熱量 空気予熱器の排ガス入口部における排ガスの保有する熱量。単位は,kJ/h [{kcal/h}] で
表す。
(2) 排ガス出口熱量 空気予熱器の排ガス出口部における排ガスの保有する熱量。単位は,kJ/h [{kcal/h}] で
表す。
(3) 空気側受熱量 試験状態において空気が得た熱量。単位は,kJ/h [{kcal/h}] で表す。
(4) 排ガス側圧力損失 試験状態において計測した空気予熱器の排ガス側出入口間の静圧の差。単位は,
Pa [{mmAq}] で表す。
(5) 空気側圧力損失 試験状態において計測した空気予熱器の空気側出入口間の静圧の差。単位は,Pa
[{mmAq}] で表す。
3. 試験項目 試験は,次の項目について行う。
(1) 熱交換性能(空気予熱器の熱効率で示す。)
(2) 排ガス側圧力損失
(3) 空気側圧力損失
(4) 排ガス分析
――――― [JIS B 8411 pdf 1] ―――――
2
B 8411-1989
4. 試験方法 試験しようとする空気予熱器は,あらかじめ各部分を点検し,異状のないことを確認する。
また,空気配管,排ガス煙道などにも,異状のないことを確認する。
試験は,工業用燃焼設備が,定常運転になり,熱的に安定状態になった後に行い,原則として1時間以
上の運転結果による。
なお,計測項目は,次のとおりとする。
(1) 燃焼設備出口排ガス温度 (t5)
(2) 空気予熱器入口排ガス温度 (t1)
(3) 空気予熱器出口排ガス温度 (t2)
(4) 空気予熱器入口空気温度 (t3)
(5) 空気予熱器出口空気温度 (t4)
(6) 燃焼設備入口空気温度 (t6)
(7) 空気予熱器入口排ガス圧力(静圧) (p1)
(8) 空気予熱器出口排ガス圧力(静圧) (p2)
(9) 空気予熱器入口空気圧力(静圧) (p3)
(10) 空気予熱器出口空気圧力(静圧) (p4)
(11) 燃料流量 (F)
(12) 空気流量 (Va)
(13) 燃焼排ガス流量 (Vf)
(14) 燃焼設備出口排ガス成分
(15) 空気予熱器入口排ガス成分
(16) 空気予熱器出口排ガス成分
(17) 外気温度 (t0)
5. 測定方法
5.1 燃料
5.1.1 燃料流量の測定 燃料流量の測定は,次による。
(1) 液体燃料は,体積式流量計で量り,密度を乗じて質量に換算する。
(2) 気体燃料は,体積式又はオリフィス式流量計で計測し,標準状態0℃,1 013mbar [{760mmHg}] の体積
m3に換算する。
5.1.2 試料の測定方法 使用燃料の試料の採取,試験,分析及び発熱量の測定は,原則として次の日本工
業規格によるか,又は規格合格品の成績証明書で代用する。
JIS K 2249(原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算表)
JIS K 2251(原油及び石油製品試料採取方法)
JIS K 2270[原油及び石油製品残留炭素分試験方法(コンラドソン法)]
JIS K 2272(原油及び石油製品の灰分並びに硫酸灰分試験方法)
JIS K 2275(原油及び石油製品水分試験方法)
JIS K 2279(原油及び燃料油発熱量試験方法)
JIS K 2301(燃料ガス及び天燃ガスの分析・試験方法)
JIS K 2541(原油及び石油製品硫黄分試験方法)
――――― [JIS B 8411 pdf 2] ―――――
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B 8411-1989
5.2 燃焼用空気
5.2.1 空気流量の測定 空気流量は,オリフィス流量計,ピトー管などを用いて,空気予熱器の入口又は
出口で測定する。測定できない場合は,燃料及び燃焼排ガス組成から算出する[JIS B 8330(送風機の試
験及び検査方法)参照]。
5.2.2 空気温度の測定 空気温度は,空気予熱器の入口,空気予熱器の出口及び燃焼設備入口空気管(燃
焼機器部)で測定する。測定位置は,原則としてダクトの断面の中心又は流路囲壁内面から300mm以上
離れた流れが比較的一様に整流された位置を選ぶ。
なお,正確を期す場合には,吸引温度計又はなるべく細い熱電対を使用し,測定誤差を生じないよう配
慮するとともに適切な比較校正を行う[JIS Z 8704(温度の電気的測定方法),JIS Z 8705(ガラス製温度
計による温度測定方法),JIS Z 8710(温度測定方法通則)参照]。
5.2.3 外気温度 試験時における外気の平均温度とする。
5.3 燃焼排ガス
5.3.1 燃焼排ガス流量の測定 燃焼排ガス流量の測定は,5.2.1の測定に準じる。
5.3.2 燃焼排ガス温度の測定 燃焼排ガス温度は,燃焼設備出口,空気予熱器の入口及び空気予熱器の出
口で測定する。測定位置は,5.2.2の測定に準じる。
5.3.3 燃焼排ガスの試料採取及び分析 燃焼排ガスの試料採取位置は,燃焼設備出口,空気予熱器の入口
及び空気予熱器の出口で,温度測定位置とする。
燃焼排ガス成分の分析は,原則としてオルザット分析器,ヘンペル分析器又はガスクロマトグラフを用
いる。電気式又は機械式分析器を使用する場合は,適宜オルザット分析器,ヘンペル分析器,ガスクロマ
トグラフ又は標準ガスによって補正を行う[JIS K 0095(排ガス試料採取方法)参照]。
5.4 圧力測定
5.4.1 空気圧力の測定 空気圧力は,U字管又はその他の液柱計を用い,空気予熱器の入口及び出口で測
定する。必要に応じて送風機出口,バーナ空気箱などでも測定する。
測定は,空気流量測定点で比較的一様に整流された位置で行う。
液柱計の液体には,水又はあらかじめ比重を測定したアルコールを用いる。
液柱計と比べて校正することができる他の圧力計を用いてもよい。
静圧を測定する際は,静圧管又は管壁に直角にあけた直径26mmの静圧孔(1)を用い,その内面及び円
周面は十分滑らかにする。
注(1) 静圧孔を用いて静圧を測定する場合には,管壁の左右2か所に静圧孔を開け,各々別に測り,こ
れの平均値を取る。左右の差が甚だしく相違する場合は,その誤差を生じる原因を確かめるか,
又は別に静圧孔を開けて比較する(JIS B 8330参照)。
5.4.2 燃焼排ガスの圧力測定 燃焼排ガスの圧力は,5.4.1に準じ空気予熱器の入口及び出口で測定する。
5.5 測定時間間隔 燃料試料の採取,空気及び燃焼排ガスの流量,圧力及び温度の測定は,記録式計器
を用いて連続的に行う場合以外は,それぞれ1530分ごとに行う。
6. 計算方法
6.1 全般 試験結果から,排ガスの入口熱量及び出口熱量が算出され,また,空気の受熱量も算出され
る。この算出された値から,空気予熱器の熱効率及び外部熱損失が算出される。
また,圧力試験の結果から,排ガス側及び空気側の圧力損失が算出される。その計算方法を6.26.12
に示す。
――――― [JIS B 8411 pdf 3] ―――――
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B 8411-1989
6.2 燃料の組成 計算に用いる燃料の組成は,使用時の燃料の組成とし,次によって求める。
(1) 固体燃料の場合 JIS M 8801(石炭類の試験方法),JIS M 8810(石炭類及びコークス類のサンプリン
グ,分析並びに試験方法の通則),JIS M 8811(石炭類及びコークス類のサンプリング方法並びに全水
分・湿分測定方法),JIS M 8812(石炭類及びコークス類の工業分析方法)及びJIS M 8813(石炭類
及びコークス類の元素分析方法)によって,使用時燃料の全水分(使用時ベース),工業分析成分(恒
湿ベース)及び元素分析成分(無水ベース)を求め,ベース転換によって使用時ベースの含有率質量%
を算出する。
全水分(使用時ベース)をw%,工業分析(恒湿ベース)による水分をw1%,灰分をa1%,元素分
析(無水ベース)による炭素,水素,燃焼性硫黄,窒素をそれぞれc0%,h0%,s0%,n0%とすれば,
固体燃料の使用時ベースにおける炭素,水素,燃焼性硫黄,窒素,灰分及び酸素の含有率(質量%)
c%,h%,s%,n%,a%及びo%は,それぞれ次の式で求められる。
100 w0c 100 w
c %, h h0 % ,
100 100
100 w0s 100 w
s %, n n0 % ,
100 100
100 w
a a1 % , o 100 (c h s n a w)%
100 w1
(2) 液体燃料の場合 JIS K 2251,JIS K 2270,JIS K 2272,JIS K 2275及びJIS K 2541によって測定した
炭素,水素,硫黄,窒素,灰分,酸素及び水分の含有率質量%をそれぞれ,c%,h%,s%,n%,a%,
o%及びw%で表す。
(3) 気体燃料の場合 使用時燃料の成分ガス含有率(容積%)を求め,水素,一酸化炭素,各種炭化水素,
二酸化炭素(炭酸ガス),窒素,酸素及び水蒸気分をそれぞれ,h2%,co%,cxhy%(ch4,c2h4,c2h8,
c3h6,c3h8,c4h8,c4h10などの%),co2%,n2%,o2%及びw%で表す。
6.3 理論空気量及び空気比 理論空気量及び空気比は,燃料の種類に応じて,次によって求める。
(1) 固体及び液体燃料の場合
1 o 3
A0 .8[89c1 267. h .333s] mR / kg燃料
100 8
21
m
(O2 )(5.0CO)
21 79
(N2 )
ここに, m : 空気比=(実際使用空気量/理論空気量)
A0 : 理論(乾燥)空気量mn3/kg (mn3) 燃料
(CO2),(CO),(O2) 及び (N2) =100− [(CO2) + (CO) + (O2) ] はそれぞれ,乾き燃焼ガス中の二
酸化炭素(炭酸ガス),一酸化炭素,酸素及び窒素の各体積%を表す。
また, c1 : c−c2=実際に燃焼した炭素分%
c2 : au/ (100−u) =未燃炭素分%
a : 使用燃料中の灰分%
u : 燃え殻中の平均未燃炭素分%
液体燃料の場合は,c2=oすなわちc1=cとすることができる。
備考 ガス分析試料は,なるべく燃焼室に近い所から採る。オルザット分析で求める (CO2) 中には,
――――― [JIS B 8411 pdf 4] ―――――
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B 8411-1989
排ガス中の (SO2) も一緒に吸収されて含まれている。
(2) 気体燃料の場合
1 1[ 1 y
A0 co h2 x cxhy o2 ] mn3 / mn3 燃料
21 2 2 4
21 (O2 ) n2
m 1
(O2 )(5.0CO) (N2 ) 21A0
21 79
(N2 )
ここに, n2は,燃料ガスの窒素含有量 (%)
備考1. 燃料の発熱量から理論空気量A0を概算することができる。
Hl 2300
石炭の場合 A0 .0241 mn3 / kg燃料
1 000
Hl' 550
A0' .101 A0 mn3 / kg燃料
1 000
JIS M 8814(石炭類及びコークス類の発熱量測定方法)によって,恒湿試料で測定された
高発熱量をH0 [{H0'}] とし,
100 w
使用時燃料の高発熱量 Hh H0 kJ / kg燃料
100 w1
100 w
Hh' H0 kcal / kg燃料
100 w1
使用時燃料の低発熱量 Hl=Hh−25 (9h+w) J/kg燃料
{Hl'=Hh'−6 (9h+w) cal/kg燃料}
100 (w1 a1 ) 100 w
元素分析を行わない場合は h 7.5 %
100 100 w1
とすることができる。ここで係数5.7は,我が国の石炭の平均水素含有率%(無水無灰ベ
ース)である。
Hl 4 600
重油の場合 A0 .296 mn3 / kg燃料
10 000
Hl' 1 100
A0' 12.38 A0 mn3 / kg燃料
10 000
JIS K 2279によって測定した高発熱量Hh [{Hh'}] から,低発熱量Hl [{Hl'}] を次の式で求める。
Hl=Hh−25 (9h+w) J/kg燃料
{Hl'=Hh'−6 (9h+w) cal/kg燃料}
元素分析を行わない場合は,h (%) は,次の値とし,A重油13%,B重油12%,C重油11%
w=0として上の式でHl [{Hl'}] を概算することができる。
気体燃料の場合[Hl>14 650kJ/mn3 [{Hl'>3 500kcal/mn3}] の場合]
Hl
A0 .264 2.0 mn3 / mn3 燃料
10 000
Hl'
A0' 11.05 2.0 A0 mn3 / mn3 燃料
10 000
JIS K 2301によって高発熱量Hh [{Hh'}] を測定し,低発熱量Hl [{Hl'}] は,次の式で求める。
――――― [JIS B 8411 pdf 5] ―――――
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JIS B 8411:1989の国際規格 ICS 分類一覧
- 27 : エネルギー及び熱伝達工学 > 27.060 : バーナ.ボイラ > 27.060.30 : ボイラ及び熱交換器
JIS B 8411:1989の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB8330:2000
- 送風機の試験及び検査方法
- JISK0095:1999
- 排ガス試料採取方法
- JISK2249:1995
- 原油及び石油製品―密度試験方法及び密度・質量・容量換算表
- JISK2251:2003
- 原油及び石油製品―試料採取方法
- JISK2270:2000
- 原油及び石油製品 ― 残留炭素分試験方法
- JISK2272:1998
- 原油及び石油製品―灰分及び硫酸灰分試験方法
- JISK2275:1996
- 原油及び石油製品―水分試験方法
- JISK2279:2003
- 原油及び石油製品―発熱量試験方法及び計算による推定方法
- JISK2301:2011
- 燃料ガス及び天然ガス―分析・試験方法
- JISK2541:1996
- 原油及び石油製品―硫黄分試験方法
- JISM8801:2004
- 石炭類―試験方法
- JISM8810:1994
- 石炭類及びコークス類―サンプリング,分析並びに試験方法の通則
- JISM8811:2000
- 石炭類及びコークス類―サンプリング及び試料調製方法
- JISM8812:2004
- 石炭類及びコークス類-工業分析方法
- JISM8813:2004
- 石炭類及びコークス類-元素分析方法
- JISM8814:2003
- 石炭類及びコークス類―ボンブ熱量計による総発熱量の測定方法及び真発熱量の計算方法
- JISZ8704:1993
- 温度測定方法―電気的方法
- JISZ8705:1992
- ガラス製温度計による温度測定方法
- JISZ8710:1993
- 温度測定方法通則