JIS B 8829:2018 クレーン―鋼構造部分の性能照査 | ページ 4

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γm : 一般抵抗係数 γm=1.1
γsm : 部材の特定抵抗係数
・ 非圧延材料の場合 γsm=0.95
・ 圧延面の応力に対して γsm=0.95
・ 圧縮とせん断応力とに対して γsm=0.95
・ 圧延面に垂直な引張応力に対して(図1参照)
− 15 mm未満の板厚の場合 γsm=1.0
− 絞りが20 %を超える材料の場合 γsm=1.0
− 絞りが20 %10 %の材料の場合 γsm=1.16
− 絞りが10 %以下の材料の場合 γsm=1.50
材料は垂直方向の荷重伝達に適したもので,層状の欠陥のないもの。
注記 絞りは,引張試験片の初期断面積に対する破断後の最小断面積の割合であり,パーセントで表
記される。
1は圧延方向。
2は圧延面に垂直な方向。
図1−圧延面に垂直な引張荷重

5.2.3 ボルト接合部における設計限界力

5.2.3.1  支圧接合部
5.2.3.1.1 一般
接合部の抵抗は,個々の接合要素における設計限界力(FRd)の最小値をとる。
接合要素の設計限界支圧力(5.2.3.1.3参照)に加え,5.2.3.1.2以降に規定している支圧以外の条件も考慮
して,最も応力を受ける断面の支圧以外の設計限界力(FRd)についても,当該断面を構成する母材の抵抗
係数を用いて計算する。
支圧計算においては,軸部のねじのない部分だけを有効とする。
5.2.3.1.2 ボルトの設計限界せん断力
各せん断面におけるボルト又はピン1本当たりの設計限界せん断力(Fv,Rd)は,式(6)式(8)で計算する。
ねじ山がせん断面の外にある場合 :
fyb A
Fv, Rd (6)
Rb 3
ねじ山がせん断面の内にある場合 :
fyb As
Fv, Rd (7)
Rb 3

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又は簡単化する場合 :
fyb A
Fv, Rd.075 (8)
Rb 3
なお,γRb=γm×γsb
ここに, Fv,Rd : ボルト又はピン1本当たりの設計限界せん断力(N)
fyb : ボルト材料の降伏点(表4参照)(MPa)
A : せん断面におけるボルト又はピンの軸の横断面積(mm2)
As : ボルトの応力を負担する有効断面積(JIS B 1051参照)
(mm2)
γRb : ボルトの合成抵抗係数
γm : 一般抵抗係数 γm=1.1
γsb : ボルト接合部の特定抵抗係数
・ 複数のせん断面をもつ接合部の場合 γsb=1.0
・ 単一のせん断面をもつ接合部の場合 γsb=1.3
選定したボルト寸法ごとの設計限界せん断力については,附属書Aを参照。
5.2.3.1.3 ボルト及び接合部品の設計限界支圧力
一部材ごとのボルト1本当たりの設計限界支圧力(Fb,Rd)は,式(9)で計算する。
fy d t
Fb,Rd (9)
Rb
なお,γRb=γm×γsb
ここに, Fb,Rd : ボルト1本当たりの設計限界支圧力(N)
fy : 構造部材の降伏点(MPa)
d : ボルトの軸部直径(mm)
t : ボルトねじなし部と接する結合部分の厚さ(mm)
γRb : ボルトの合成抵抗係数
γm : 一般抵抗係数 γm=1.1
γsb : ボルト接合部の特定抵抗係数
・ 複数のせん断面をもつ接合部の場合 γsb=0.7
・ 単一のせん断面をもつ接合部の場合 γsb=0.9
複数のボルト穴をもつ板の場合は,次の条件を満たすものとする(図2参照)。
do
e1 ≧ 5.1
do
e2 ≧ 5.1

(pdf 一覧ページ番号 )

                                 do
p1 ≧ 0.3
do
p2 ≧ 0.3
ここに, do : ボルト穴径(mm)(図2参照)
p1 : ボルト穴ピッチ(荷重方向)(mm)(図2参照)
p2 : ボルト穴ピッチ(荷重に垂直方向)(mm)(図2参照)
e1 : 板端部からボルト穴中心までの距離(mm)(図2参照)
e2 : 板端部からボルト穴中心までの距離(mm)(図2参照)

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図2−式(10)のための図解
5.2.3.1.4 接合部品に作用する設計限界引張力
降伏に関係するボルト穴及びピン穴を考慮した正味の横断面積当たりの設計限界引張力(Fcs,Rd)は,式
(11)によって計算する。
fy An
Fcs, Rd (11)
Rc
なお,γRc=γm×γst
ここに, Fcs,Rd : 正味の横断面積当たりの設計限界引張力(N)
fy : 構造部材の降伏点(MPa)
An : ボルト及びピン穴を除く横断面の正味断面積(mm2)
(図2右の斜線部参照)
γRc : 穴をもつ断面の引張に対する合成抵抗係数
γm : 一般抵抗係数 γm=1.1
γst : 特定抵抗係数
・ 穴を含む断面の引張力に対する場合 γst=1.2
5.2.3.2 摩擦接合部に作用する設計限界摩擦力
接合部全体の抵抗は,個々の接合要素の設計限界力の合計とする。
摩擦接合部について,ボルト1本当たりの設計限界摩擦力(Fs,Rd)は,式(12)によって計算する。
Fp,d Fcr
Fs, Rd (12)
Rs
なお,γRs=γm×γss
接合部のボルトの締付け荷重は,設計締付け荷重以上とする。
ここに, Fs,Rd : ボルト1本当たりの設計限界摩擦力(N)
μ : 摩擦係数
・ 鋼砕粒又は砂によるブラスト加工された金属素地の表
面で,凹凸がない場合 μ=0.5
・ 鋼砕粒又は砂によるブラスト加工及びアルミめっき処
理がなされた表面の場合 μ=0.5
・ 鋼砕粒又は砂によるブラスト加工及び亜鉛めっき処理
がなされた表面の場合 μ=0.5
・ 鋼砕粒又は砂によるブラスト加工及び,50 μm80 μm
の厚さでアルカリ亜鉛エステル被覆処理がなされた表
面の場合 μ=0.4
・ 溶融めっきし軽くブラスト加工した表面の場合
μ=0.4

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・ ワイヤブラシ又はスカーフィングによって清浄化され
た金属素地の表面の場合 μ=0.3
・ 清浄化され,エッチングされた表面の場合 μ=0.25
・ 粗いさび,油又は汚れを除去した表面の場合(最小要
求) μ=0.20
Fp,d : 設計締付け荷重(N)
Fcr : 接合部における外部引張による圧縮力の減少(N)
γRs : 摩擦接合の合成抵抗係数
γm : 一般抵抗係数 γm=1.1
γss : 摩擦接合部の特定抵抗係数(表5参照)
表5−摩擦接合部の特定抵抗係数(γss)
接合部の滑りの影響 穴の種類
標準穴a) 過大b) 長い長穴c) 長い長穴d)
及び短い長穴c)
危険源となる 1.14 1.34 1.63 2.00
危険源とならない 1.0 1.14 1.41 1.63
短い長穴 : 穴長さがボルト直径の1.25倍以下
長い長穴 : 穴長さがボルト直径の1.25倍を超える穴。ボルト,ナットの面圧を減らすため座金を使
用する
注a) IS B 1001の中間シリーズによる隙間のある穴
b) IS B 1001の粗めシリーズによる隙間のある穴
c) 力の方向と直角な長穴
d) 力の方向と平行な長穴
ボルト1本当たりの設計限界摩擦力は,附属書Bを参照。例えば,摩擦接合部の特定抵抗係数γss=1.14
であり,設計締付け荷重(Fp,d)は,次の式で計算する。
Fp,d 7.0 fyb As
ここに, fyb : ボルト材料の降伏点(公称値,MPa)
As : ボルトの応力を負担する有効断面積(mm2)
5.2.3.3 引張荷重が作用する接合部の設計限界引張力
ここでは,ボルトの軸方向に引張荷重が作用する場合の設計限界引張力について規定する。
ボルトの締付け荷重が一つの荷重要素となる場合は,接合構成部材及び溶接継手は,次の構造部材に対
する一般則に従って計算する。
照査計算は,ボルトに対して最大外力が作用すると仮定して行う。最大外力は,複数ボルト接合の場合,
力の分布及びてこの効果を考慮する。
締付け荷重を与えられた接合部の性能照査計算では,ボルト及び被締結物の剛性を考慮する(図3参照)。

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ここに, Fp : ボルトの締付け荷重(N)
δp : 締付け荷重によるボルトの伸び(mm)
Fe,t : 外部引張力(N)
Fe,c : 外部圧縮力(N)
Δδt : 引張外力による伸びの増分(mm)
Fb : ボルトの引張力(N)
ΔFb,t : 外部引張力によるボルトの張力の増分(N)
ΔFb,c : 外部圧縮力によるボルトの張力の減少分(N)
Kb : ボルトの剛性(勾配,N/mm)
Kc : 被締結物の剛性(勾配,N/mm)
γsb : ボルト接合部の特定抵抗係数 γsb=1.0
図3−力−伸び線図
加えて,継手構造に基づく外部圧縮力の伝達経路を考慮する(図4参照)。
a) 外部圧縮力はボルト下部の圧縮域に b) 外部圧縮力はボルト下部の圧縮域を
干渉しない。 通して伝えられる。
注記 単純化するために,中央ボルトに対称な荷重と仮定する。
図4−外部圧縮力による荷重伝達経路の選択

――――― [JIS B 8829 pdf 20] ―――――

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JIS B 8829:2018の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 20332:2016(MOD)

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JIS B 8829:2018の関連規格と引用規格一覧