JIS B 8833-1:2008 クレーン―荷重及び荷重の組合せに関する設計原則―第1部:一般 | ページ 5

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z
S
h (S)
この式のαSは,次のとおりである。
h 2r
S
hS
ここに, c m (弾性力学モデルにおける自由角振動数)
D.2.3.3 すき間を通過する質量
質量mがすき間を通過するときの垂直方向の最大加速度は,次の式によって求める。
z
G
h ( G)
この式のαGは,次のとおりである。
eG
G
2
Sξ及び Gξ
D.2.4 係数
図D.4では,係数に関するξS (αS) 及びξG (αG) の曲線の,放物線形の変動関数 (par) 並びに従来導入さ
れていた余弦波の変動関数 (cos) の曲線を比較している。括弧内の数字[(1) 又は (2)]は,係数ξの有効
な区間を示している。区間 (1) はtSとtGの時間帯で,区間 (2) はその後の応答時間である。
段差又はすき間の両方の振動について,α≦1.3に対するξS又はξGの最大値は,車輪が非平たん部分を
通過した後の区間 (2) で余弦波の変動関数[cos (2)]で発生することが判明した。
この場合,次の式を用いて,係数の値を計算で決定することができる。
2 2
S G
S 2 2 2 cos( S) 又は G 2
2 2 cos( 2
G )
1 S 1 G
a) 段差上 b) すき間上
図D.4−変動関数の曲線

――――― [JIS B 8833-1 pdf 21] ―――――

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D.2.5 動的影響係数φ4
動的影響係数φ4は,次のように定義する。
mg
mz
4
mg
h
1
g
動的影響係数φ4は,両方のケースにある仮定を入れて,ξS,αS,ξG,αGの式を用い,α≦1.3を含め次の
ように計算することができる。
段差の場合
2 2
4 1 S( )
S
2 gr
すき間の場合
2 2
4 1 G( G)
2 gr
D.2.6 補足
この単純な弾性力学モデルを採用するのは,実際の動的挙動がこのモデルに対応していて,かつ,軌条
の段差又はすき間の上を通過するときに,前記と同じような励振を伴うクレーンに限定しなければならな
い。
二つ以上の要因が同時に大きな応答及び/又は回転を発生させる場合には,設計者はその状況に応じた
適切なモデルを用いて,動荷重を推定しなければならない。

――――― [JIS B 8833-1 pdf 22] ―――――

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附属書E
(参考)
加速によって生じる荷重の決定例

序文

  この附属書は,加速によって生じる荷重の決定例について記載するものであって,規定の一部ではない。
E.1 剛体力学モデル
ここで検討するモデルは剛体のクレーン(天井走行クレーン)で,四つの走行車輪によって支えられた
二つのけた(桁)をもち,一定速度で走行する。両端の一つの車輪は,独立した単純な駆動装置によって
駆動される。荷をつった横行トロリは,クレーンのけた(桁)によって支えられる(図E.1を参照)。
図E.1−天井走行クレーンに作用する荷重

――――― [JIS B 8833-1 pdf 23] ―――――

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モータによる駆動力及びブレーキによる制動力は,1段の減速機を介して,クレーンの走行車輪に伝え
られる。走行車輪はサドルで支えられ,片側のサドルは横方向に移動できず,反対側のサドルは横方向に
移動可能である。
E.2 記号
この附属書で用いる記号は,表E.1による。
表E.1−記号
記号 意味
幾何学的パラメータ(単位 m)
l クレーンのスパン
y 軌条1から荷をつったトロリの重心までの距離
a 軌条1から重心 (CG) までの距離
b 軌条2から重心 (CG) までの距離
c ホイールベース
r1 ホイールピニオン1の半径
r2 ホイールギヤ2の半径
r クレーン走行車輪の半径
質量(単位 kg)
m1 走行用駆動装置を備えたクレーンけた(桁)の質量
m2 クラブの質量
m3 つり荷
m 荷を含むクレーンの質量(m=m1+m2+m3)
質量の慣性モーメント(単位 kgm2)
θ1 モータ,カップリング,ブレーキドラム及び歯車1の質量慣性モーメント
θ2 歯車2とクレーン走行車輪の質量慣性モーメント(この例では無視されている)
内部摩擦損失
η ギヤ出力とギヤ入力との比率
速度(単位 rad/s又はm/s)及び加速度(単位 rad/s2又はm/s2)
モータ,カップリング,ブレーキドラム,歯車1の回転速度及び加速度
x x クレーンの走行速度及び加速度
トルク(単位 N・m)
M クレーン走行ギヤの第1シャフトに作用する駆動トルク
MM 停止中のモータのトルク
MB 機械式ブレーキのトルク
E.3 力
E.3.1 駆動力及び外力
クレーンの動き [x (t) ] 及び荷重の影響は駆動力に左右され,駆動力は,内部摩擦力,慣性力及び外力と
つり合う。外力には,車輪部分の機械的抵抗による摩擦力(損失)及び風荷重,並びに傾斜軌道の場合に
は重力による力も含まれる。
トルクM=MM,M=MBは,モータ又はブレーキの特性によって決まるもので,図E.2及び図E.3にその
例を示す。

――――― [JIS B 8833-1 pdf 24] ―――――

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MM : モータは,回転速度称 ータの安定した状態での出力トルク。

MM(0) : モータの起動トルク ( 0)
称 0) : モータの同期回転速度 (MM=0)
図E.2−抵抗制御の巻線モータの特性を単純化した表現
BMは一定とする。
注記1 MBは 称 桓 対方向の制動トルクである。単純化するためトルクの大きさ
注記2 数学的には, MB
−sgn( 称)
B で表せる。
図E.3−機械式ブレーキ−制動トルクの図解
E.3.2 車輪部分の摩擦損失
図E.4に,車輪部分の摩擦損失を示す。
ΔM1 : 車輪軸受けに生じる,摩擦によるトルクの損失
ΔM2 : 回転する車輪の接触面に生じる,回転摩擦による損失によるトルク
FZ : 車輪荷重
w : 等価摩擦係数 (ΔM1+ΔM2=wFZr)
図E.4−車輸部分の摩擦損失
E.4 駆動加速度
図E.5に示した駆動系は,駆動による加速度の計算に用いる。力のつり合いに作用する,この図の二つ
の駆動装置を組み合わせると,主な作用がすべて示されている。

――――― [JIS B 8833-1 pdf 25] ―――――

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JIS B 8833-1:2008の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 8686-1:1989(MOD)

JIS B 8833-1:2008の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 8833-1:2008の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB0146-1:2017
クレーン―用語―第1部:一般
JISB8830:2001
クレーン―風荷重の評価