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B 8833-1 : 2008
図E.5−クレーン駆動系(方向は取決めによる)
質量の慣性モーメントθ2を無視した場合の剛体の力学解析によって,風の影響を受けないクレーンの加
速度は,次の式による。
1
2Mr1 r2 r 1 sgn(x) mg
x 1 1 2
r2 r )
2 1 (r1 m
ここに, λ : sgn u F
u 歯車の接線周速
F : 歯車によって伝えられる接線力
注記 速度と内力の方向の取決めとして,ギヤ部品の内力は,入力側が速度の方向に作用し,出力側
が正の速度と反対方向に作用する場合は,プラスであるとする。機械部分の運動の相対的な作
用を考慮するとき,ギヤ部品の速度はクレーン動作を正とした方向に動く場合を正とする。
E.5 荷重及び荷重の影響
通常作業中のクレーンに生じる荷重及び荷重の影響は,次のような事象を考慮して計算する。
a) 事象I
各走行装置に起動トルクMM(0)がかかり,停止状態 ( 称
0 ) のクレーンを加速する。
b) 事象II
機械式ブレーキによって,定常運動状態 ( 0 ) にあるクレーンを減速する。
BM
ここに,各走行装置のトルクが,モータ駆動トルクMM ( 称 0 ) からブレーキトルク, に変わ
る。
――――― [JIS B 8833-1 pdf 26] ―――――
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この附属書に示された例では,事象I及び事象IIのトルクは瞬間的に変化すると見なしている。これら
の事象を,図E.6に示す。
図E.6−事象I及び事象IIの図
E.6 加速
E.5の事象I及び事象IIのようなトルクの変化によって生じる設計荷重の作用を計算する前に,これら
の事象に関係する初期加速度 ) i(x 桧}] ) f(x
速度
とを算定しなければならない。この計算は,次による。
a) 事象I
x) i(0
(0) 1 1
2M M r1r2 r wmg
xf( )
2 1 (r1 1r2 r 1 ) 2
m
これは, 1 as u 0 and F だからである。
b) 事象II
1 1
2MM ( )0r1r2 r wmg
x) i(0 1 1 2
r2 r
2 1 (r1 ) m
これは, 1 as u 0 and F だからである。
2M B r1 1r2 r 1
1
wmg
xf( ) 1 1 2 1
r2 r
2 1 (r1 ) m
これは, 1 as u 0 and F だからである。
これらの結果から M
(0) の場合には,事象Iの加速度 ) i(x ) f(x
事象IIの減速度
より小さいことが
M B
わかる。
E.7 機械部品の設計荷重の作用
一例として,歯車によって伝えられる接線力及び設計で考慮すべき力は,次の計算による。(E.4及び図
E.5を参照)
F M 1 r1 1
ここに, r1 1r2 r 1 x
F F) i(5 ΔF
ここに, ΔF F) f( F(i)
――――― [JIS B 8833-1 pdf 27] ―――――
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a) 事象I
F) i(0
F) f( [MM)0( r 1r2 r 1 x) f( ]r1 1
1 1
b) 事象II
1
F) i(MM ( )0r1
[
Ff( ) |M B| r r2 r xf( ) r1 1
1
1 1
1
E.8 構造部分の設計荷重の作用
一例として,クレーンのけた(桁)によって伝えられる水平荷重及び反力(設計で考慮に入れるべき要
素)は,次のように推定することができる(図E.7参照)。
水平方向の荷重及び反力は,クレーンを加速する駆動力によって生じ,スキュー(蛇行)による荷重は
含まない。
加速中の二つの駆動装置の駆動力は,慣性力 ( mxm1x m2x m3x) 及び車輪における摩擦力とつり合う。
ここで,二つの駆動装置の駆動特性は,制御特性と同様に同一と仮定している。
1 1
したがって,駆動力は両方の駆動装置に均等にかかる ( Fx 3Fx1 mx wmg )。
2 2
この結果,駆動力は,スパンの中央線に作用する。ランウェイの横方向の力Fy4=−Fy3は通常,作用と
反作用との間の距離e=l / 2−aによって力が発生し,次の式で示される。
Fy 4Fy 3
e
m(x wg)
c
a) クレーンの加速中の水平方向の荷重分布 b) 駆動力が作用し反力が生じるときの合成力
図E.7−水平方向の荷重及び反力
――――― [JIS B 8833-1 pdf 28] ―――――
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すべての事象に対する設計荷重の作用F,トルクを変化させる ) i(x f(x
速度及び
)の後に生じる加
速度を評価しなければならない。
荷重が作用することによって発生する摩擦力と同様に,慣性力 m ) i(x mび) f(x ,関連するあらゆる荷重の
作用 F) i( [N) i( ,Q) i( , M) i( ] 及び F) f( [N) f( ,Q) f( ,M) f( ] を,それぞれクレーンのけた(桁)を平面又は立体的に見て,
静的弾性計算によって計算する(図E.8を参照)。
E.4及びE.7を参照して,次の式から設計荷重への影響を計算することができる。
F F) i( 5ΔF
ここに, ΔF F) f( F(i)
事象I及び事象IIの特別な事例として : x
1
0
a) トルク (i) の変化前 b) トルク (f) の変化後
図E.8−負荷状態
――――― [JIS B 8833-1 pdf 29] ―――――
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附属書F
(参考)
スキュー(蛇行)による荷重の解析方法の例
序文
この附属書は,スキュー(蛇行)による力の解析方法の例について記載するものであって,規定の一部
ではない。
F.1 クレーンのモデル
クレーンのスキュー(蛇行)によって生じる車輪と軌条との間の力と同様に,そのガイド装置に生じる
接線方向の力を計算するためには,単純な走行系のモデルが必要である。クレーンは,スキュー(蛇行)
防止の制御はなく,一定速度で走行する場合を考える。
このモデルは一直線上に並んだn対の車輪からなり,そのうちp対の車輪は連結されている。車輪は独
立したi対のものがあり,機械的又は電気的に結合している場合 (C) と,お互いが別々に独立して取り付
けられている場合 (I) とがある。独立単一駆動の場合は,後者に当てはまる。
各車輪は剛性のある軌道上を走行する剛性のあるクレーン構造に,幾何学的に理想的な位置に配置され
る。このモデルでは車輪径の誤差は無視される。これらの車輪の横方向の動きは,固定されている場合 (F)
と移動可能な場合 (M) とがある。横方向の自由性は例えば,揺脚などで与えることもできる。
横方向に一直線上にある一対をなす車輪の各種組合せを,図F.1に示す。図F.2には走行クレーン前面
のガイド装置の位置から各車輪までの位置を,距離diで示している。
注記 外部のガイド装置の代わりにフランジ付き車輪を用いる場合は,di=0となる。
荷をつったクレーンの質量による重力 (mg) は,軌条1からμlの距離で作用し,クレーンのランウェイ
の両側の車輪nに等しく分配されると仮定した。
結合車輪 (C) 独立車輪 ( I )
固定/固定
(F/F)
固定/可動
(F/M)
図F.1−各種車輪の組合せ
――――― [JIS B 8833-1 pdf 30] ―――――
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JIS B 8833-1:2008の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 8686-1:1989(MOD)
JIS B 8833-1:2008の国際規格 ICS 分類一覧
JIS B 8833-1:2008の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0146-1:2017
- クレーン―用語―第1部:一般
- JISB8830:2001
- クレーン―風荷重の評価