JIS B 9704-1:2015 機械類の安全性―電気的検知保護設備―第1部:一般要求事項及び試験 | ページ 2

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B 9704-1 : 2015 (IEC 61496-1 : 2012)

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
ブランキング(blanking)
ESPE(3.5を参照)の検出能力(検出可能な最小直径)より大きなサイズの物体が検出区域内に存在し
ても,OSSD(3.19を参照)をオフ状態にしないようなオプション機能。
注記1 固定ブランキング(fixed blanking)は,ブランクされるエリアが運転中に変化しない。ブラ
ンクエリア以外の検出区域の検出能力は影響されない。
注記2 浮動ブランキング(floating blanking)はブランクエリアが運転中に移動する物体の位置に追
随して動く。ブランクエリア以外の検出区域の検出能力は影響されない。
3.2
制御・監視装置(controlling/monitoring device)
ESPEの一部であって,次の機能をもつもの。
− 検知器からの情報を受信・処理してOSSDに信号を送出。
− 検知器及びOSSDを監視。
3.3
検出能力(detection capability)
ESPEの検知機能(検出性能)を表すパラメータであって,ESPE供給者が,その限界内ではESPEが対
象物を検出できるとする限界値。
注記 物体の検出可能な最小サイズは,ESPEの検出機能パラメータの一つである。
3.4
検出区域(detection zone)
ESPEが規定の試験片を検出する区域。
注記 規定の人体部分を検出する区域と同じ意味である。検出区域において規定の人体部分が検出さ
れることを試験片を用いて検証するので,このように定義する。
3.5
電気的検知保護設備,ESPE(electro-sensitive protective equipment)
保護トリップ又は存在検知のために協調して作動する機器・構成品のアセンブリであって,少なくとも
次の構成品をもつもの。
− 検知器
− 制御・監視装置
− OSSD(3.19を参照)及び/又は安全関連データインタフェース
注記1 ESPEとともに用いる安全関連制御システム又はESPE自体は,ここで示した構成品の他に
SSD(3.24を参照),ミューティング(3.16を参照),SPM(3.27を参照)などを含むことが
ある(附属書Aを参照)。
注記2 安全関連通信インタフェースもESPEと同じエンクロージャ内に組み込むことがある。
注記3 この規格では,ESPEをタイプ1からタイプ4に分類し,タイプ2からタイプ4のESPEの要
求事項を規定している。
注記4 この規格で単に“ESPE”と表記する場合は,全てのタイプのESPEを意味する。特定のタイ
プのESPEを表すときは,“タイプNのESPE”と表記する。

――――― [JIS B 9704-1 pdf 6] ―――――

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B 9704-1 : 2015 (IEC 61496-1 : 2012)
3.6
外部機器モニタ,EDM(external device monitoring)
ESPEが外部の制御機器の状態を監視する手段。
3.7
故障(failure)
要求される機能を遂行する能力が,アイテムになくなる事象(IEC 60050-191:1990,191-04-01を参照)。
注記1 故障後,そのアイテムは障害をもつことになる。
注記2 “故障”は事象であって,状態を意味する“障害”とは区別される。
注記3 ここに定義する概念は,ソフトウェアだけで構成される機能には適用しない。
注記4 実際には,障害と故障とはしばしば同じ意味で用いる。
注記5 この規格では,原国際規格のfailureを故障,faultを障害と訳し分けているが,障害を故障と
読み替えても差し支えない。
注記6 アイテムとは,ハードウェア,ソフトウェア又はこれらを組み合わせたものの単位のことで
ある。
3.8
危険側故障(failure to danger)
全てのOSSDがオフ状態になるべき条件下又はオフ状態にとどまるべき条件下で,そうならない又はそ
うなることが遅れる故障。
注記 OSSDがオフ状態になるべき条件及びオフ状態にとどまるべき条件には,次のものがある(4.2.2
を参照)。
− 検出能力の喪失
− 仕様値を超える応答時間の増加
− OSSDそのものの故障(オフ不能)
− 障害検出の失敗
3.9
障害(不具合)(fault)
予防保全若しくは計画的行動又は外部資源の不足によって機能を実行できない状態を除き,アイテムが
要求される機能を実行できない状態(IEC 60050-191:1990,191-05-01を参照)。
注記1 障害はしばしばアイテム自体の故障の結果であるが,事前の故障がなくても存在することが
ある。
注記2 Faultの各国語訳は,必ずしもこの定義にそぐわないことがある。ドイツ語及びフランス語の
正式訳語もこの定義にそぐわないことが指摘されている。
3.10
最終開閉器,FSD(final switching device)
OSSDがオフ状態になったときMPCE(3.14を参照)の回路を遮断する,機械の安全関連制御システム
の構成要素。
3.11
複雑な集積回路又はプログラマブル集積回路(integrated circuit−complex or programmable)
次の基準の一つ以上に該当するモノリシック回路,ハイブリッド回路又はモジュール回路。
a) 1 000ゲート以上のデジタル回路を用いている。

――――― [JIS B 9704-1 pdf 7] ―――――

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b) 機能が異なり外部に接続可能な電気的端子が24以上ある。
c) 機能をプログラムすることができる。
注記1 ASIC,ROM,PROM,EPROM,PAL,CPU,PLA及びPLDはこの例である。
注記2 この集積回路には,アナログ,デジタル又はその組合せで作動するものがある。
3.12
単純集積回路(integrated circuit−simple)
3.11の基準に該当しないモノリシック回路,ハイブリッド回路又はモジュ−ル回路。
注記1 SSI又はMSIのロジックIC及びコンパレータはこの例である。
注記2 この集積回路には,アナログ,デジタル又はその組合せで作動するものがある。
3.13
ロックアウト状態(lock-out condition)
ロックアウト信号によって全てのOSSD及び全てのSSD(装備する場合)がオフ状態になる障害によっ
て,ESPEが正常運転できない状態。
3.14
機械の主制御要素,MPCE(machine primary control element)
機械を起動・停止するとき時間的に最後に作動する機械の定常運転を電気的に直接制御する要素。
注記 MPCEの例としては,電源コンタクタ,電磁クラッチ,電磁弁などがある。
3.15
機械の副制御要素,MSCE(machine secondary control element)
関連する危険源の主可動部分の動力源を遮断できる,MPCEから独立した制御要素。
注記1 MSCEは,通常,SSDによって制御される。
注記2 MSCEの例としては,電源コンタクタ,電磁クラッチ,電磁弁などがある。
3.16
ミューティング(muting)
制御システムの安全関連部による安全機能を一時的に自動保留する状態。
注記 ESPEのミューティングについては,A.7を参照。
3.17
オフ状態(OFF-state)
制御対象の機械を停止又は起動不能(例えば,機械の起動制御回路に制御電流が流れない状態)にする
ようなESPE出力の状態。
3.18
オン状態(ON-state)
制御対象の機械の運転を可能(例えば,機械の起動制御回路に制御電流が流れる状態)にするようなESPE
出力の状態。
3.19
出力信号開閉器,OSSD(output signal switching device)
機械の定常運転中に検知器の作動(検出)に伴いオフ状態になる,機械の制御システムに接続するESPE
構成品。
注記 OSSDは検知器の作動によってオフになるほか,ESPEが内部障害を検出してロックアウト状態
になるときにもオフになる。

――――― [JIS B 9704-1 pdf 8] ―――――

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B 9704-1 : 2015 (IEC 61496-1 : 2012)
3.20
総合システム停止性能(overall system stopping performance)
ESPEの応答時間及びESPEが応答してから機械が危険な動きを停止するまでの時間の総和からなる時
間間隔。
3.21
応答時間(response time)
検知器を作動させる事象が発生してからOSSDがオフ状態になるまでに要する最大時間。
注記1 ESPEが安全関連データインタフェースを含むときの応答時間は,安全関連データインタフ
ェースの出力において定義する。
注記2 ESPEのエンクロージャ内に安全関連通信インタフェースを含むときの応答時間は,安全関
連通信インタフェースの出力において定義する。この場合の応答時間は,通信網のプロトコ
ル及びアーキテクチャにも依存する。
注記3 ESPEが安全関連データインタフェース及びOSSDの両方をもつ場合のESPEの応答時間は,
安全関連データインタフェース出力及びOSSD出力との間で互いに異なることがある。
3.22
再起動インターロック(restart interlock)
機械の危険な運転行程中に検知器が作動した以後,機械の運転モードを変更した以後及び機械の起動制
御手段を変更した以後に,機械が自動的に再起動することを防止する手段。
注記 運転モードには,寸動,ワンストローク(一行程),自動などのモードがある。起動手段にはフ
ットスイッチ,両手操作制御,ESPE検知器のシングルブレーク又はダブルブレークなどがあ
る。
3.23
制御システムの安全関連部(safety-related part of control system)
入力信号に応答して安全関連出力信号を発生させる制御システムの部分又は附属部分。
注記1 これには監視系も含む。
注記2 制御システムの安全関連部の範囲は,安全関連信号が発生する所から動力制御要素の出力部
までである(JIS B 9700,附属書Aを参照。)。
3.24
副開閉器,SSD(secondary switching device)
機械の安全制御を適切に行うために用いることがある,ESPEがロックアウト状態のときにオフ状態に
なる機器。例えば,MSCEの駆動源を遮断するために用いる。
注記 SSDはESPEがロックアウト状態のときは必然的にオフになるが,検知器が作動したときにオ
フになることは要求されていない。
3.25
検知器(sensing device)
検出すべき事象又は状態を電気的センサで判別するESPEの部分。
注記 例えば,光電検知器は,検出区域に侵入する不透明物体を検出する。
3.26
起動インターロック(start interlock)
ESPEの電源をオンしたとき及び停電後に復電したとき,機械が自動的に起動することを防止する手段。

――――― [JIS B 9704-1 pdf 9] ―――――

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3.27
停止性能モニタ,SPM(stopping performance monitor)
総合システム停止性能が設定値以内にあるかどうかを監視する手段。
3.28
供給者(supplier)
保護設備又は機械に関する役務を提供する者(例えば,製造業者,契約者,据付者,インテグレータ)。
注記 使用者自らが供給者になることがある。
3.29
安全関連データインタフェース(safety-related data interface)
OSSDの状態(オン又はオフ)に相当する意味を表すために用いる,ESPE出力と安全関連通信インタフ
ェースとの間の1対1(ピア対ピア)直接接続によるインタフェース。
注記1 安全関連データインタフェースは,通信相手のアドレスを指定する機能はない。
注記2 安全関連データインタフェースは,送受の双方向性をもつことができる。
3.30
安全関連通信インタフェース(safety-related communication interface)
安全関連制御機能の伝送に用いる,通信バスと安全関連データインタフェースとの接続部。
3.31
(検知器の)作動[actuation(of sensing device)]
検知器が対象物を検出し,OSSDをオフにする信号を送出する動作。
3.32
検証(verification)
客観的証拠を提示することによって規定要求事項が満たされていることを確認すること(JIS Q 9000の
3.8.4を参照)。
3.33
妥当性確認(validation)
客観的証拠を提示することによって特定の意図された用途又は適用に関する要求事項が満たされている
ことを確認すること(JIS Q 9000の3.8.5を参照)。

4 機能,設計及び環境に対する要求事項

4.1 機能要求事項

4.1.1  定常運転
定常運転とは,障害が検知されず,OSSDが検知機能の状態と運転モードとによってオン状態又はオフ
状態になることができるESPEの状態である。
ESPEは定常運転中,検出能力(JIS B 9704の他の部で規定する検出可能な最小サイズ)以上の大きさを
もつ人体の一部が検出区域内に侵入又は存在するとき,これに応答して規定の出力信号を送出しなければ
ならない。
ESPEの応答時間は,供給者が指定する値を超えてはならない。ESPEの応答時間は,鍵,パスワード又
は特別な工具を用いなければ変更できないものとする。
4.1.2 検知機能
検出能力は,供給者が指定する検出区域の全域で有効でなければならない。検出区域,検出能力及びブ

――――― [JIS B 9704-1 pdf 10] ―――――

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JIS B 9704-1:2015の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61496-1:2012(IDT)

JIS B 9704-1:2015の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 9704-1:2015の関連規格と引用規格一覧