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6.2.2.5 適合性
a) シール,ガスケット,ホースなど 高ニトリルのニトリルゴム(NBR)及びふっ素ゴム(FKM)は,
HFASに適したシールのためのエラストマ材料である。HFASは,配合中に油を含有していないため,
エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)及びシリコーンゴムのようなエラストマ材質に適合するが,
作動油及びシール供給業者は,作動油の適合性を確認しなければならない。一部のポリウレタンシー
ル(AU及びEU)は,加水分解によって損傷することがある。皮革,紙,コルクなどの吸水材料は避
けることが望ましい。
注記 ゴムの命名法については,JIS K 6397を参照。
b) 塗装 HFASは,一般的な塗料には適合しない。油タンクの内部は塗装しないか,又は二液形エポキ
シ塗料で塗装することが望ましい。油タンク中の作動油に触れない箇所の腐食が問題になる場合は,
ステンレス鋼を油タンク及び天板に使用することを検討する。
c) 金属 鉱物油系作動油に使用するように設計された油圧システムの構造に使用される金属の大部分は,
HFASとも適合する。ただし,カドミウム,鉛,マグネシウム合金は使用しないことが望ましい。陽
極酸化及び亜鉛めっきされた部品が適合する作動油ならば,表面が不動態化されたアルミニウムが適
合する場合がある。不確かな場合は,作動油供給業者に確認する。
6.2.2.6 作動温度
過度の水分低下を避けるために,HFASを用いる油圧システムの油タンクの温度は,通常50 ℃を超えな
いことが望ましい。作動温度は,より低い方が望ましいが,凍結の危険を回避するための最低作動温度は
5 ℃である。
6.2.2.7 作動油のメンテナンス
HFAS濃縮液の希釈は,水の硬度が特に高い場合を除き,通常は飲用水道水で行うことが望ましく,硬
度が高い場合は軟水化,又は脱塩した水を使用することが望ましい。理想的には,希釈後の作動油の特性
は,混合した作動油が全ての技術的要件を満たすことを保証するために,使用者が使用する希釈水ととも
に作動油供給業者が評価することが望ましい。
作動油の水分低下は,時間の経過とともに起こる可能性が高いため,定期的に作動油を検査して水分量
が許容範囲内に収まるようにしなければならない。このことは,通常,作動油の屈折率を測定することに
よって評価することができるが,作動油によっては作動油供給業者が推奨する手順によって,特定の添加
剤の化学滴定を用いてより正確な希釈率分析を行うことができるものもある。蒸発によって失われる水は,
作動油中の塩濃度の増加を避けるために,脱塩水を用いて補充することが望ましい。
長期間の使用によって,クリーム,遊離油分,及び希釈水中の金属分と濃縮物中の添加剤との間の反応
によって生成する残留物は,HFASから分離する場合がある。著しい相分離が起こり,遊離水が認められ
る場合は,原因を調査し,速やかに調整することが望ましい。
作動油のpHは定期的に監視し,作動油供給業者の推奨範囲内に維持しなければならない。
また,作動油の微生物による汚染(例えば,細菌,酵母及びかび)についても定期的に検査することが
望ましい。未検査のままにすると,微生物の増殖によって,作動油の寿命が短くなり(例えば,作動油の
不安定化及び添加剤の消耗によって),悪臭を引き起こし,使用者に健康被害をもたらす場合がある。
6.2.2.8 ろ過
ほとんどのろ材はHFASに使用できるが,セルロース又は布を基にしたろ材については,適合性を確認
する必要がある。フィルタのろ過精度は,用途及び油圧システムの要件によって異なる。HFASは溶液(ケ
ミカルソリューション)ではあるが,非常に精密なろ過を行う場合は,作動油供給業者又はフィルタ供給
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業者に助言を求めることが望ましい。
6.2.2.9 廃棄
比較的少量のHFASを処分するための最も簡単で経済的な方法は,登録済み廃棄物業者に委託すること
である。
この作動油は化学溶液であるため,排水処理システムに直接廃棄できるように,添加剤成分を分離して
残留汚染物を十分に除去した廃水とすることは,困難である。この作動油の大部分は,本質的に生分解性
であるが,配合中の殺菌剤は,既存の微生物廃水処理装置によって処理する前に水で希釈する必要がある
場合がある。
6.2.3 HFB−W/O(油中水滴)エマルション形作動油
6.2.3.1 一般
油中水滴エマルション形作動油は,鉱物油の連続相中に水滴が分散しており,適切な乳化剤,安定剤及
び,防食剤を含有している。難燃性は,配合中の水の存在によって得られるが,HFBは,鉱物油の含有量
が高いため,HFAほどの難燃性はない。この作動油は,すぐに使用できる状態で供給され,希釈する必要
はなく,通常約40 %の水分を含有する。含水率の変化は,乳化安定性及び難燃性を低下させる可能性があ
る。
6.2.3.2 粘度
HFBは,JIS K 2001で定義されている範囲の粘度グレードに対応して供給される。最も一般的に使用さ
れる粘度グレードは,ISO VG 68及びISO VG 100である。この作動油は非ニュートン性流体である,すな
わち,測定粘度はせん断速度によって変化する。これは潤滑に影響を及ぼすため,通常同等の用途で使用
される鉱物油よりも高い粘度をもつ作動油を選択する。
6.2.3.3 潤滑性
HFBの潤滑性は,配合中の鉱物油の割合が高いため,一般的にHFAの潤滑特性よりも優れており,多
くの設備で標準の油圧機器を使用することができる。しかしながら,HFBの配合中にかなりの量の水が存
在するので,多くの場合,油圧機器の寿命を長く保つためには,圧力及び速度を制限する必要がある。用
途に懸念がある場合は,油圧機器及び作動油供給業者に確認しなければならない。
6.2.3.4 耐腐食性
HFBは,油圧システムの構造に一般的に使用される鉄系及び非鉄系金属の両方を十分に保護するために,
適切な腐食防止添加剤を配合している。
6.2.3.5 適合性
a) シール,ガスケット,ホースなど 高ニトリルのニトリルゴム(NBR)及びふっ素ゴム(FKM)は,
HFBに適したシールのためのエラストマ材料である。他のエラストマ材料でも適合性があるものもあ
るが,作動油及びシール供給業者がその適合性を確認しなければならない。一部のポリウレタンシー
ル(AU及びEU)は,加水分解によって損傷することがある。皮革,紙,コルクなどの吸水性材料は
避けることが望ましい。
注記 ゴムの命名法については,JIS K 6397を参照。
b) 塗装 鉱物油に適合する塗料のほとんどは,HFBにも適合する。
c) 金属 HFB及び金属の適合性は,鉱物油と同様である。ただし,カドミウムは使用しないことが望ま
しい。
6.2.3.6 作動温度
過度の水分低下を避けるために,HFBを用いる油圧システムの油タンクの温度は,通常50 ℃を超えな
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いことが望ましい。配合中にグリコールを含有する作動油及び低温での使用を想定した作動油を除いて,
作動油の最低作動温度は,凍結の危険を避けるため5 ℃である。一部の作動油供給業者は,これらの作動
油は凍結及び溶解を繰り返しても問題はないと主張しているが,5 ℃以上で保管することが望ましい。
最低温度を維持するためにタンクヒータが必要な場合,局部的な過熱による乳化破壊の危険性を避ける
ために,加熱部位表面でのエネルギー密度は3 W/cm2以下にすることが望ましい。
6.2.3.7 作動油のメンテナンス
作動油の水分低下は,時間の経過とともに起こる可能性が高いため,水分量が許容範囲内に収まるよう
に定期的に作動油を検査する必要がある。含水率は,エマルションを分離し,水の量を直接測定すること
によって評価することができる。また,JIS K 2275-1による蒸留方法を用いることもできる。ただし,作
動油の配合中にエチレングリコールのような水溶性成分を含有する場合,測定値は実際の含水率よりも高
くなる可能性がある。粘度測定値を用いて含水率を推定することもできるが,HFBは非ニュートン流体で
あるため,特定の温度で特定の技術を用いて測定する必要がある。粘度測定値から含水率を推定する場合,
作動油供給業者に確認しなければならない。
水分が低下した場合,可能な是正措置について作動油供給業者に確認しなければならない。低下した水
分を補充できる場合,作動油の安定性を維持するために,脱塩水,又は蒸留水を使用することが望ましい。
水の補充は,水分を豊富に含んだエマルションの層が油タンクの底にできないようにするために,油圧シ
ステム作動中に油タンクにゆっくりと行うことが望ましい。添加した水を安定乳化するためには,微細な
乳化粒径に分散するように機械的せん断を加える必要があるが,油圧システム内を循環することで作動油
がさらされる乱流及び機械的せん断では,不十分である可能性がある。水を添加する場合,十分に分散さ
せるために,添加の条件は,作動油供給業者の推奨に従って決定しなければならない。
HFBは,用途,デューティサイクル,及び汚染物質の浸入によって,使用中にある程度の相分離を示す
可能性がある。遊離油分及び遊離水分の量が作動油供給業者の推奨を超える場合,火災の危険性増加及び
油圧機器損傷の危険性を考慮して,システムの運転を直ちに停止することが望ましい。また,その原因を
特定し,修正することが望ましい。
6.2.3.8 ろ過
鉱物油に適したほとんどのろ材は,HFBに使用できるが,セルロース又は布を基にしたろ材については
適合性を確認することが望ましい。フィルタのろ過精度は,用途及び油圧システムの要件によって異なる。
精密なろ過を検討する場合,作動油が不安定になる可能性があるため,事前に作動油及びフィルタ供給業
者に確認しなければならない。
6.2.3.9 廃棄
HFBの寿命は用途によって大きく異なるが,適切に管理することによって長くできる。廃棄が必要な場
合,適切な化学薬剤を用いて乳化破壊し,油相を回収することができる。水相は,地域の規制に適合すれ
ば,廃棄物として排出することができる。
HFBの処分のための最も簡単で経済的な方法は,登録された廃棄物業者に委託することである。
6.2.4 HFC−水溶性ポリマ溶液形作動油
6.2.4.1 一般
一般的に“水グリコール系作動油”として知られる水溶性ポリマ溶液形作動油は,グリコール及びポリ
グリコールの水溶液である。この作動油は真の溶液であり,一般的に配合中に存在する体積分率35 %
45 %の水によって難燃性を得る。蒸発によって水分低下が起きると,難燃性が低下する。
注記1 水及びグリコールを主成分とする作動油で,40 ℃での動粘度が15 mm2/s(15 cSt)未満のも
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のは,HFASに分類される。
注記2 2004年以降,新しい種類の水グリコール系作動油が利用可能となった。これは,一般的に体
積分率20 %の水を含み,難燃性を幾らか低下させて潤滑特性を改善したものである。
6.2.4.2 粘度
HFCは,非常に良好な粘度−温度特性をもっているため,−20 ℃までの低温で使用できる。JIS K 2001
で規定されている粘度グレードのISO VG 15ISO VG 100で供給することもできる。
6.2.4.3 潤滑性
水及びグリコールを基本要素とするHFCは,一般的に適切な添加剤で潤滑性が増強され,満足のいく耐
摩耗性が得られる。しかし,転がり軸受では,耐摩耗性が比較的低いため,機器の寿命を長く保つには,
ポンプの圧力及び回転数を低下させる必要がある。滑り軸受を使用した油圧機器もある。
用途に懸念がある場合は,油圧機器及び作動油供給業者に確認しなければならない。
6.2.4.4 耐腐食性
HFCは,油圧システムに一般的に使用される鉄系及び非鉄系の金属を十分に保護するために,適切な腐
食防止添加剤を配合している。
6.2.4.5 適合性
a) シール,ガスケット,ホースなど 高ニトリルのニトリルゴム(NBR)は,HFCに適したシールのた
めのエラストマ材料である。HFCは,配合中に鉱物油が入っていないため,ブチルゴム(IIR)及び
エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)のようなエラストマ材料に適合する。ふっ素ゴム(FKM),
ポリウレタンエラストマなど,その他の材料の適合性は,作動油及びシール供給業者に確認しなけれ
ばならない。皮革,紙,コルクなどの吸水性材料は避けることが望ましい。
注記 ゴムの命名法については,JIS K 6397を参照。
b) 塗装 鉱物油に使用される一般的な塗装の大部分は,HFCに適合しない。作動油に継続的に触れる表
面を保護する必要がある場合,二液形エポキシ塗料が望ましく,又はステンレス鋼を使用しなければ
ならない。
c) 金属 HFCは,鉱物油用に設計された油圧システムに使用されるほとんどの金属と適合性がある。た
だし,カドミウム,亜鉛,及びマグネシウム合金は使用しないことが望ましい。アルミニウム部品は,
陽極酸化処理することが望ましい。
6.2.4.6 作動温度
過度の水分低下を避けるために,HFCを用いる油圧システムの作動温度は,通常50 ℃を超えないこと
が望ましい。グリコールが配合されているので,油圧機器の許容最高粘度を満たしていれば,0 ℃よりも
低い温度での作動が可能である。
6.2.4.7 作動油のメンテナンス
作動油の水分低下は,時間の経過とともに起こる可能性が高いため,定期的に作動油を検査して水分量
が許容範囲内に収まるようにしなければならない。水分量測定方法には,JIS K 0068のカールフィッシャ
ー滴定法,及び蒸留法がある。最適な測定技術のために作動油供給業者の推奨を求めなければならない。
水分が低下した場合,可能な是正措置について作動油供給業者に確認しなければならない。低下した水
分を補充できる場合,作動油の安定性を維持するために,脱塩水,又は蒸留水を使用することが望ましい。
水の補充は,水を迅速に分散させ,油タンクの底部に水分が豊富な層ができるのを防ぐために,油圧シス
テム作動中に,油タンクにゆっくりと行うことが望ましい。
作動油のpHは定期的に検査し,作動油供給業者の推奨範囲内に維持しなければならない。
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6.2.4.8 ろ過
鉱物油に適したほとんどのろ材は,HFCに使用できるが,セルロース又は布を基にしたろ材については
適合性を確認することが望ましい。フィルタカートリッジに使用されている接着剤がこの作動油に適合し
ているかを作動油及びフィルタ供給業者に確認することが望ましい。フィルタのろ過精度は,用途及び油
圧システムの要件によって異なる。
6.2.4.9 廃棄
HFCの寿命は用途によって大きく異なるが,適切に維持することによって長くできる。廃棄方法は,地
域の規制に適合しなければならない。
HFCの処分のための最も簡単で経済的な方法は,登録された廃棄物業者に委託することである。
6.2.5 HFDR−合成作動油(りん酸エステル)
6.2.5.1 一般
りん酸エステルは,その化学構造によって高い難燃性をもつ。常温での作動油の密度は,アルキル誘導
体の場合は900 kg/m3より大きく,アリル又はフェノール化合物の場合は1 100 kg/m3より大きい。
6.2.5.2 粘度
HFDRは,JIS K 2001で規定されている範囲の粘度グレードに対応して供給することができる。通常,
一般工業用には粘度グレードISO VG 22ISO VG 100が利用できる。鉱物油と比較して,りん酸エステル
の粘度−温度特性は一般的に劣っているため,定常的に低温で起動する場合,ヒータを油タンクに設置す
ることが望ましい。油タンクにヒータを使用する場合,作動油の熱劣化を避けるために,加熱部位表面に
おけるエネルギー密度は,0.7 W/cm2を超えないことが望ましい。加熱部位がポンプ回路に設置されている
場合,流速がはるかに高いので,エネルギー密度を2 W/cm2に増加させることができる。
6.2.5.3 潤滑性
HFDRの潤滑性は,一般的に非常に優れている(りん系添加剤は,他の種類の潤滑油の耐摩耗剤として
使用される。)。鉱物油用に設計された標準的な油圧機器は,適切なエラストマのシールが取り付けられて
いる限り,ほとんどの場合,りん酸エステルの使用に適している。鉱物油に比べて密度が高いため,流体
力学的な軸受設計及びポンプ吸込口の配置の変更が必要な場合がある。
6.2.5.4 耐腐食性
HFDRは,製品の不純物及び加水分解生成物であるりん酸が鉄と反応してりん酸鉄被膜を形成し,鉄系
金属の保護の役割を果たすため,通常腐食防止添加剤を含まない。
6.2.5.5 適合性
a) シール,ガスケット,ホースなど ふっ素ゴム(FKM)は,工業用HFDRに適したシールのためのエ
ラストマ材料であるが,脂肪族りん酸エステルが使用される航空宇宙用途向けの作動油には適してい
ない。エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)及びブチルゴム(IIR)も,工業用HFDRに適してい
る。皮革,紙,コルクなどの吸水性材料は避けることが望ましい。
注記 ゴムの命名法については,JIS K 6397を参照。
b) 塗装 従来の塗料の大部分はHFDRに適合していないため,通常は内面を塗装しないことが望ましい。
作動油に継続的には触れない表面を保護する必要がある場合,二液形エポキシ又はビニルエステル塗
料が望ましい。又は,ステンレス鋼を使用することができる。
c) 金属 HFDRは,油圧システムに使用されるほとんどの金属と適合性がある。アルミニウム部品は陽
極酸化されていることが望ましい。銅合金の適合性は,特に高温の用途で使用される場合は,作動油
供給業者に確認することが望ましい。アルミニウム合金の表面同士のしゅう動は,避けることが望ま
――――― [JIS B 9938 pdf 15] ―――――
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JIS B 9938:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 7745:2010(MOD)