JIS C 4210:2001 一般用低圧三相かご形誘導電動機 | ページ 4

14
C 4210 : 2001

7.3 抵抗測定

 任意の周囲温度で一次端子間の抵抗を測定する。

7.4 拘束試験

 任意の周囲温度で回転子を拘束し,一次端子間に定格周波数の電圧を加え,全負荷電流
に近い電流を通じて,そのときの電圧,電流及び入力を測定する。

7.5 無負荷試験

 任意の周囲温度で定格電圧及び定格周波数のもとで電動機を無負荷で運転し,入力が
一定になった後,各相に通じる一次電流及び入力を測定する。各相の無負荷電流とその平均値との差は,
平均値の上下5%を超えてはならない。

7.6 温度試験

 温度試験は,電動機に定格周波数の定格電圧を加え,定格出力でその温度上昇が一定と
なったと認められるまで連続運転して行う。固定子巻線の温度上昇は,抵抗法によって算出する。固定子
巻線以外の温度は,温度計法によって測定し,温度上昇は,電動機の運転中及び運転停止後において達す
る最高温度と冷媒温度との差をもって表す。
a) 負荷の方法 電動機を,定格出力でその温度上昇が一定となったと認められるまで連続負荷する。た
だし,実負荷法による温度試験を行うことが困難な場合には,等価負荷法によることができる。
b) 冷媒温度の決定法 冷媒温度は,試験される電動機から12m隔たった箇所で,電動機の床上高さの
ほぼ中央の高さに温度計数個を電動機又は他からの熱放射若しくは通風の影響を受けないように設置
して温度を測り,その平均値をとる。温度試験中に冷媒温度が変化する場合には,1時間以下の等間
隔で測定した記録から,全試験中最後の4分の1の時間における平均値を冷媒温度とする。
c) 抵抗法 巻線の抵抗の増加を測定して,巻線の温度上昇を,次の式によって算出する。
R2
2 a 1 T 1 1 a
R1
ここに, 燿 巻線の温度上昇 (K)
R2 : 熱状態(温度 における巻線抵抗
R1 : 冷状態(温度 における巻線抵抗
試験直後における巻線温度 (℃)
冷状態においてR1を測定したときの温度 (℃)
懿 試験における冷媒温度 (℃)
T : 定数
銅に対しては, T=235
アルミニウムに対しては T=225

7.7 負荷特性及びトルク特性の算定

 電動機の負荷特性算定には,等価回路法,損失分離法,ブレーキ
法又は動力計法があり,特に指定のない場合は,等価回路法を用いる。また,トルク特性のうち,最大ト
ルクの算定については,等価回路法を用いる。等価回路法において,二重かご形,深みぞかご形など特殊
かご形効果の大きい電動機に対しては拘束試験法A又は拘束試験法Bを用いる。小容量の特殊かご形効果
の小さい電動機に対しては,拘束試験法Cを用いてもよい。
7.7.1 等価回路法
a) 等価回路 等価回路法とは,電動機の1相を図4のT−II形定常等価回路と考えて,回路計算によっ
て特性を求める方法である。ただし,図は星形換算の1相分であり,記号の意味又は定義は,次のと
おりである。
V : 一次星形相電圧
I1 : 一次電流
r1 : 一次抵抗
rM: : 鉄損抵抗
s : 滑り

――――― [JIS C 4210 pdf 16] ―――――

                                                                                             15
C 4210 : 2001
r2t=愀
xt=愀 x2+xM) −愀
≒x1+x2
X0= 愀 xM+x1
上記計算式における記号の意味又は定義を,次に示す。
x+
M x1
xM
ここに, r2 : 二次抵抗(一次換算値)
x1 : 一次漏れリアクタンス
x2 : 二次漏れリアクタンス(一次換算値)
xM : 励磁リアクタンス
図4 T−II形定常等価回路
xtは,大電流の範囲では電流の関数となるので,最大出力及び最大トルクを算定するためのxtの値
を,定格電流の約2倍の電流における拘束試験の結果から求めてもよい。
b) 基本量の算定 図4の等価回路に基づいて特性算定を行うために,次の基本量を求める。
1) 一次巻線抵抗 基準巻線温度における一次巻線の1相の抵抗(星形換算値)は,次のように定める。
R1 235+T
r1 ( )
2 235 t
ここに, R1 : 各端子間で測定した一次巻線抵抗の平均値 ( 圀
t : 抵抗測定時の巻線温度 (℃)
T : 基準巻線温度 (℃)
耐熱クラスEの温度上昇の場合 T=75℃
耐熱クラスBの温度上昇の場合 T=95℃
耐熱クラスFの温度上昇の場合 T=115℃
2) 無負荷試験 任意の周囲温度で定格電圧及び定格周波数のもとで電動機を無負荷で運転し,入力が
一定になつた後,一次電圧を定格電圧より少し高い電圧から次第に低下させ,ほぼ同期速度を保つ
最低電圧までの各点で一次電圧,一次電流及び入力を測定する。
2.1) 入力と電圧との関係を表す曲線を,電圧0まで延長して機械損 (Wm) を求める。
2.2) 定格電圧のときの一次電流及び入力から次の計算を行って,機械損がないとした場合の無負荷イン
ピーダンスを求め,更に鉄損抵抗を求める。
W0 Wm
g0 21
V
2
3V1I0 W20
b0
V21

――――― [JIS C 4210 pdf 17] ―――――

16
C 4210 : 2001
g0
R0 20
g b20
b0
X0 20
g b20
rM=R0−r10
ここに, V1 : 定格電圧 (V)
I0 : 無負荷時の一次電流 (A)
W0 : 無負荷時の入力 (W)
R0 : 無負荷インピーダンスの抵抗分 ( 圀
X0 : 無負荷インピーダンスのリアクタンス分 ( 圀
rM : 鉄損抵抗 ( 圀
r10 : 無負荷試験時温度における一次抵抗(星形換算値) ( 圀
2.3) 拘束試験法Bにおいては,定格電圧の6070%程度の電圧 (V1') のときの一次電流 (I0') 及び入力
(W0') からb)2.2)と同様の計算を行って,rM'及びX0'を求める。
3) 拘束試験 次の3.1)3.3)のいずれかの拘束試験法によって回路定数r2t及びxtを求める。
3.1) 拘束試験法A
3.1.1) 定格周波数拘束試験 定格周波数において拘束試験を行う。定格電流又はそれに近い一次電流 (IS)
が流れたときの印加電圧 (VS) 及び入力 (WS) から,
VS
ZS
一相の等価インピーダンス 3IS
WS
RS
ZSの抵抗分 3I2S
ZSのリアクタンス分 XS Z2S R2S
を求める。
3.1.2) 1/2定格周波数拘束試験 定格周波数のほぼ1/2の周波数において拘束試験を行う。定格電流又はそ
れに近い一次電流 (IS) が流れたときの印加電圧 (VS') 及び入力 (WS') から
VS
ZS
一相の等価インピーダンス 3IS
WS
RS
ZS'の抵抗分 3IS
2
2 2
ZS'のリアクタンス分 XS ZS RS
を求める。
3.1.3) 運転時の定数の算定 定格周波数をfR,1/2定格周波数拘束試験の周波数をfLとし,次の計算を行
って運転時の回路定数r2t及びxtを求める。
fL
k Rf
XS
XS
k
XS XS
h
RS RS

――――― [JIS C 4210 pdf 18] ―――――

                                                                                             17
C 4210 : 2001
k2 1(h2 )
m
1 k2
R RS m(RS RS ) (耐熱クラスEの温度上昇の場合)
.016 [RS m(RS R'S ) ]
(耐熱クラスBの温度上昇の場合)
.113 [RS m(RS RS ) ]
(耐熱クラスFの温度上昇の場合)
RT
2 R r1
XT XS m( XS XS )
R2T
g3
R2 T X2T
XT
b3 2 2
R2T XT
rM
gM 2
rM X20
X0
bM 2
rM X20
g2 g3 gM
b2 b3 bM
g2
rt2 2 2
g2 b2
b2
xt 2 2
g2 b2
更に,2倍電流の拘束試験によって最大出力及び最大トルクを求める場合は,定格電流の約2倍
に等しい電流を流して定格周波数拘束試験と1/2定格周波数拘束試験を行い,同様の計算でr2t及び
xtに対応した定格電流の約2倍の電流におけるr2tm及びxtm求める。
3.2) 拘束試験法B
3.2.1) 1/2定格周波数拘束試験 7.7.1のb)3.1)と同様の方法で,RS'及びXS'を求める。更に,この試験にお
f=kとして次の計算によって滑りがkに等しい場合のr2tS'及びxtS'を
L
ける周波数をfLとするとき, fR
求める。
R2S'=RS−r1S
ここに,r1Sは,拘束試験時温度における一次巻線抵抗(星形換算値)である。
R2S'
g3S'
R2S'2 XS'2
XS'
b3S'
R2S'2 XS'2
rM'
gM' 2
krM' kX0'2
X0'
bM' 2
krM' kX0'2

――――― [JIS C 4210 pdf 19] ―――――

18
C 4210 : 2001
g2S' g3S' gM'
b2S' b3S' bM'
g2S' r1
r2 tS' 2 2
g2S' b2S' rS1
1 b2S '
xtS'
k g2S'2 b2S'2
3.2.2) 1/4定格周波数拘束試験 定格周波数のほぼ1/4の周波数において拘束試験を行う。定格電流又はそ
れに近い一次電流 (IS) が流れたときの印加電圧 (VS'') 及び入力 (WS'') から
一相の等価インピーダンス VS
ZS
3IS
ZS''の抵抗分 WS
RS 2
3IS
2 2
ZS''のリアクタンス分 XS ZS RS
fL'
'k
を求める。更に,この試験における周波数を蕨fL'とするとき, fR として,次の計算を行う。
R2S''=RS''−r1S
ここに,3.2.1)におけるR2S', XS'及びkの代わりに各々R2S'',XS''及びk'を用いて滑りがk'に等し
い場合のr2tS''及びxtS''を求める。
3.2.3) 運転時の定数の算定 次の計算を行って運転時の回路定数r2t及びxtを求める。
fL
rt2 r2 tS' (r2 tS' r2 tS'')
fL fL'
fL
xt xtS' (xtS'' xtS')
fL fL'
更に,2倍電流の拘束試験によって最大出力及び最大トルクを求める場合は,定格電流の約2倍
に等しい電流を流して1/2定格周波数拘束試験と1/4定格周波数拘束試験を行い,同様の計算でr2t
及びxtに対応した定格電流の約2倍の電流におけるr2tm及びxtmを求める。
3.3) 拘束試験法C
3.3.1) 定格周波数拘束試験 3.1.1)と同様の方法でRS及びXSを求める。
3.3.2) 運転時の定数の算定 運転時の回路定数r2t及びxtを次の計算によって求める。
R2S=RS−r1S
R2S
g3S 2 2
R2S XS
XS
b3S 2 2
R2S XS
rM
gM 2 2
rM X0
X0
bM= 2 2
rM +X0

――――― [JIS C 4210 pdf 20] ―――――

次のページ PDF 21

JIS C 4210:2001の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60034-12:1972(MOD)
  • IEC 60034-1:1996(MOD)
  • IEC 60034-2:1972(MOD)
  • IEC 60034-9:1997(MOD)
  • IEC 60072-1:1991(MOD)

JIS C 4210:2001の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 4210:2001の関連規格と引用規格一覧