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について評価する必要がある。
b) 化学的危険源 : 該当せず。電池には水反応性ナトリウムが含まれているが,システムは密閉されてい
る。
c) 電気的危険源 : 電池が危険な電圧及びエネルギーレベルにあるとき,これらの電池の定期保守に関連
する電気的危険源が存在する。
d) 貯蔵されたエネルギーの危険源 : 該当せず。
e) 物理的危険源 : これらの電池は,通常の動作条件下において非常に高温で動作するが,高温面にさら
されないように設計されている場合,これらの電池に関連する危険性はない。
緊急·異常状態下でのNaS電池の危険源に対する考慮事項は,次のとおりである。
f) 火災危険源 : これらのシステムは,セル及び保護機構内の欠陥によって熱暴走する可能性がある。セ
ル内で内部短絡などの異常状態がある場合,火災が発生する可能性がある。
g) 化学的危険源 : 密閉シールが破損し,ナトリウムが大気に暴露されると,有害な水反応性物質に暴露
される可能性がある。個人用防護具(PPE)は,異常状態での暴露に対処するために必要である。
h) 電気的危険源 : システムが危険な電圧及びエネルギーレベルにあるとき,異常状態では電気的危険源
が存在する場合がある。
i) 貯蔵されたエネルギーの危険源 : 電池が危険なレベルのエネルギーを含んでいる可能性のある異常状
態にさらされると,貯蔵されたエネルギーによる危険源が発生する可能性がある。
j) 物理的危険源 : システムの設計によっては,触れることのできる部位が過熱している場合,物理的危
険源が生じる可能性がある。
B.5.4.3 ナトリウム塩化ニッケル電池
通常動作状態中のナトリウム塩化ニッケル電池の危険源に対する考慮事項は,次のとおりである。
a) 火災危険源 : セル内に潜在的な欠陥がある場合,又はセルの熱暴走を防止する制御の設計上の問題が
ある場合,火災危険源が生じる可能性がある。システムは,これらの欠陥による伝搬を防止する能力
について評価する必要がある。
b) 化学的危険源 : 該当せず。電池には水反応性ナトリウムが含まれているが,システムは密閉されてい
る。
c) 電気的危険源 : 電池が危険な電圧及びエネルギーレベルにあるとき,これらの電池の定期保守に関連
する電気的危険源が存在する。
d) 貯蔵されたエネルギーの危険源 : 該当せず。
e) 物理的危険源 : これらの電池は,通常の動作条件下において非常に高温で動作するが,高温面にさら
されないように設計されている場合,これらの電池に関連する危険性はない。
緊急·異常状態下でのナトリウム塩化ニッケル電池の危険源に対する考慮事項は,次のとおりである。
f) 火災危険源 : これらのシステムは,セル及び保護機構内の欠陥によって熱暴走する可能性がある。セ
ル内で内部短絡などの異常状態がある場合,火災が発生する可能性がある。
g) 化学的危険源 : 密閉シールが破損し,ナトリウムが大気に暴露されると,有害な水反応性物質に暴露
される可能性がある。個人用防護具(PPE)は,異常状態での暴露に対処するために必要である。
h) 電気的危険源 : システムが危険な電圧及びエネルギーレベルにあるとき,異常状態では電気的危険源
が存在する場合がある。
i) 貯蔵されたエネルギーの危険源 : 電池が危険なレベルのエネルギーを含んでいる可能性のある異常状
――――― [JIS C 4441 pdf 61] ―――――
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態にさらされると,貯蔵されたエネルギーによる危険源が発生する可能性がある。
j) 物理的危険源 : システムの設計によっては,触れることのできる部位が過熱している場合,物理的危
険源が生じる可能性がある。
B.5.5 フロー電池(C-D)
B.5.5.1 概要
フロー電池は,燃料電池に似たエネルギー貯蔵部品であり,反応界面の外部に2種類の電解液を配置す
る形式でその活性物質を貯蔵する。使用中,電解液は交換膜と貯蔵タンクとの間で移動する。実用されて
いる二つのフロー電池技術は,臭素酸亜鉛及びバナジウムレドックスである。亜鉛臭素フロー電池は,負
極に亜鉛及び正極に臭化物があり,臭化亜鉛と他の化合物とを含む水溶液が二つの別々のタンクに含まれ
ている。充電中,エネルギーは亜鉛金属としてセル内に,ポリ臭化物として陽極タンクに保存される。放
電中,亜鉛は酸化亜鉛に酸化され,臭素は臭化物に還元される。バナジウムレドックスフロー電池には,
硫酸電解液中での様々な酸化段階でバナジウム塩が含まれている。電池を充電及び放電すると,電解液中
のバナジウムの酸化状態が変化する。
B.5.5.2 バナジウムレドックスフロー電池
通常動作状態中のバナジウムレドックスフロー電池の危険源に対する考慮事項は,次のとおりである。
a) 火災危険源 : 電力変換サブシステム,ファン,ポンプなどの一般的な電気部品に火災の危険性がある
可能性がある。
b) 化学的危険源 : これらの電池は腐食性の液体を含み,保守の一環として電解質を取扱う及び/又は補
充する必要がある場合,通常の条件下で安全上の懸念がある。
c) 電気的危険源 : 電池が危険な電圧及びエネルギーレベルにある場合,これらの電池の定期保守に関連
する電気的危険源が存在する。
d) 貯蔵されたエネルギーの危険源 : 該当せず。
e) 物理的危険源 : 電池を保守又は交換のために隔離できない場合,保守作業中に,貯蔵されたエネルギ
ーによる危険源が生じる可能性がある。
緊急·異常状態下でのバナジウムレドックスフロー電池の危険源に対する考慮事項は,次のとおりであ
る。
f) 火災危険源 : 腐食性の液体は沸騰して引火性の気体(例えば,水素)を生じることがある。また,施
設の構成部品のバランスに関連して,異常状態下で過熱及び火災の危険性をもたらすリスクがある。
g) 化学的危険源 : 腐食性物質が,大量に存在する。
h) 電気的危険源 : システムが危険な電圧及びエネルギーレベルにあるとき,異常状態では電気的危険源
が存在する場合がある。
i) 貯蔵されたエネルギーの危険源 : 該当せず。
j) 物理的危険源 : システムの設計によっては,アクセス可能な部品が過熱している場合,システムが過
熱してガスが発生しているときに圧力開放が不十分である場合,又は囲いが外れていてファン若しく
は露出したポンプ部品のような動作する危険な部品にさらされている場合,異常状態で物理的危険源
が発生する可能性がある。
――――― [JIS C 4441 pdf 62] ―――――
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B.5.5.3 亜鉛臭素(ZnBr)フロー電池
通常動作状態中の亜鉛臭素(ZnBr)フロー電池の危険源に対する考慮事項は,次のとおりである。
a) 火災危険源 : 該当せず。
b) 化学的危険源 : これらの電池には,臭化亜鉛電解質が含まれている。この電解質は腐食性(酸)で毒
性があり,NFPA 704の危険分類レベルは3である。システム内では電解質は確実に密閉されている
ことが望ましい。このため,保守又は設置の一環として電解質を追加する必要がある場合,通常の動
作条件だけで問題になる。
c) 電気的危険源 : 電池が危険な電圧及びエネルギーレベルにあるとき,これらの電池の定期保守に関連
する電気的危険源が存在する。
d) 貯蔵されたエネルギーの危険源 : 該当せず。
e) 物理的危険源 : 該当せず。
緊急·異常状態下での亜鉛臭素(ZnBr)フロー電池の危険源に対する考慮事項は,次のとおりである。
f) 火災危険源 : 施設の構成部品のバランスに問題があり,異常状態下では過熱又は火災の危険性が生じ
る可能性がある。
g) 化学的危険源 : これらの電池には,臭化亜鉛電解質が含まれている。この電解質は腐食性(酸)で毒
性があり,NFPA 704の危険分類レベルは3である。異常状態では,電解液がこぼれる可能性がある場
所に注意する必要がある。
h) 電気的危険源 : システムが危険な電圧及びエネルギーレベルにあるとき,異常状態では電気的危険源
が存在する場合がある。
i) 貯蔵されたエネルギーの危険源 : 該当せず。
j) 物理的危険源 : システムの設計によっては,アクセス可能な部品が過熱している場合,システムが過
熱してガスが発生しているときに圧力開放が不十分である場合,又は囲いが外れていてファン若しく
は露出したポンプ部品などの動作する危険な部品にさらされている場合,異常状態で物理的危険源が
発生する可能性がある。
B.5.6 リチウム金属電池(C-Z)
液体電解質を用いたリチウム金属電池は商業用に開発されてきたが,この分野では安全性及び性能の問
題があった。これらの電池は,現時点では定置形電池エネルギー貯蔵用としては開発されていない。BESS
に用いられる実用されているリチウム金属電池は,液体電解質を使用していない。現在のリチウム金属技
術は,固体ポリマー電解質,リチウム金属負極及び酸化バナジウムのような金属酸化物カソードを,リチ
ウム塩とポリマーとを組み合わせてプラスチック複合体を形成する。SPE形のリチウム金属電池を活性化
させるには,約140 °F176 °F(60 ℃80 ℃)に加熱する必要がある。
通常動作状態中のリチウム金属電池の危険源に対する考慮事項は,次のとおりである。
a) 火災危険源 : セル内に潜在的な欠陥がある場合,又はセルの熱暴走を防止する制御の設計上の問題が
ある場合,火災危険源が生じる可能性がある。システムを,これらの欠陥による伝搬を防止する能力
について評価する必要がある。
b) 化学的危険源 : 該当なし。
c) 電気的危険源 : 電池が危険な電圧及びエネルギーレベルにある場合,これらの電池の定期保守に関連
する電気的危険源が存在する。
d) 貯蔵されたエネルギーの危険源 : 電池を保守又は交換のために隔離できない場合,保守作業中に,貯
――――― [JIS C 4441 pdf 63] ―――――
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蔵されたエネルギーによる危険源が生じる可能性がある。
e) 物理的危険源 : 重大な直接的危険性は知られていない。
緊急·異常状態下でのリチウム金属電池の危険源に対する考慮事項は,次のとおりである。
f) 火災危険源 : 異常状態の結果として電池が適切な動作パラメータに維持されない場合,及び潜在的な
欠陥による伝搬を防止する能力について評価されない場合,熱暴走の可能性がある。また,内部短絡
異常による火災の危険性もある。
g) 化学的危険源 : 水反応性リチウム金属への暴露の可能性がある。
h) 電気的危険源 : システムが危険な電圧及びエネルギーレベルにあるとき,異常状態では電気的危険源
が存在する場合がある。
i) 貯蔵されたエネルギーの危険源 : 電池が危険なレベルのエネルギーを含んでいる可能性のある異常状
態にさらされると,貯蔵されたエネルギーによる危険源が発生する可能性がある。損傷した電池には
エネルギーが貯蔵されている場合があり,注意を払わなければ廃棄時に危険になることがある。
j) 物理的危険源 : システムの設計によっては,触れることのできる部位が過熱している場合,又は保護
具が外れ,ファンなどの可動する危険な部品への接触がある場合の異常状態において,物理的危険源
が生じる可能性がある
B.6 その他の技術
その他の技術があれば,次の改正版で記載する。
――――― [JIS C 4441 pdf 64] ―――――
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附属書C
(参考)
BESSの大規模火災試験
BESSの大規模火災試験は,熱暴走を受けるBESSの燃焼特性の評価を目的として行う。得られたデー
タは,BESSの設置の際に求められる火災及び爆発の保護評価に用いることが可能である。この種の試験
方法の一例としては,UL 9540Aがある。
試験方法は,BESS内で燃焼を引き起こす熱暴走状態を発生させることから始まる。UL 9540Aに記載さ
れている試験方法は幾つかの段階に分かれている。すなわち,セルレベル試験,モジュールレベル試験,
ユニットレベル試験及び設置レベル試験である。セル及びモジュールレベルの試験においては,ユニット
及び設置レベル試験のための情報を収集する。次は,それぞれの試験において収集する情報の概要である。
a) セルレベル 外部加熱のような適切な方法を用いて,それぞれのセルを熱暴走又は発火させる。噴出
したガスの物性,通気時の温度及び熱暴走時の温度といったデータを記録する。
b) モジュールレベル BESSモジュール内の一つ以上のセルを,セルレベル試験で用いた方法によって
同様に故障させる。モジュールの火災の伝搬,暴走したセル及び周辺セルの温度,噴出したガスの物
性並びに放熱といったデータを記録する。
c) ユニットレベル 完全体のBESSを,複数のターゲットBESS(ダミーBESS),及び設置の際に実際に
とられる距離から離れた壁に囲まれた状態で設置する。モジュールレベル試験は,BESS内のモジュ
ールにとって最も好ましくない状態で再度行う。BESS内の温度,ターゲットBESS及び周辺の壁の
温度(例えば,壁及びターゲットBESSにおける熱流インシデント,BESSからターゲットBESS及び
壁に対する火災の伝搬,BESS内で発生した爆発又は再発火の証拠の確認など),並びに熱流及び噴出
したガスの物性を収集する。
d) 設置レベル この試験はユニットレベル試験を行った際の試験室内で,天井にはわせるケーブルも含
め,消火設備を設置した状態で実施する。この試験は,BESSの設置状態に対して消火設備が適切であ
るか評価することを目的とする。BESS内の温度,ターゲットBESS及び周辺の壁の温度(例えば,壁
及びターゲットBESSにおける熱流インシデント,BESSからターゲットBESS,壁又は天井ケーブル
に対する火災の伝搬,BESS内で発生した観測可能な爆発又は再発火など),並びに熱流及び必要に応
じて噴出したガスの物性を収集する。
上記試験の結果として集まったデータ及びその他の情報は,BESS設置時に施される保護方策の適切さ
の決定のために用いられる。これらには,次が含まれる。
e) 試験中に集められたデータを元にした,設置に向けてのBESSの大きさ,隔離距離及び最大数の制御
f) 測定された温度及び確認可能な火災伝搬を基にした,設置構造の適切性
g) (測定された)温度及び確認可能な熱伝搬を基にした,BESS設置に向けての消火手段の適切性
h) 排出されたガスの情報を基にした,設置地域内のコード及び規制適合に必要となる換気,排気及び爆
燃保護の設計
i) 排出されたガスの情報を基にした,BESS設置場所においてのガス検出の現出地点及び方式
j) ESSの防火扉は,消防士が反応できるように選択されることが望ましい。
――――― [JIS C 4441 pdf 65] ―――――
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JIS C 4441:2021の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 62933-5-2:2020(MOD)
JIS C 4441:2021の国際規格 ICS 分類一覧
- 27 : エネルギー及び熱伝達工学 > 27.010 : エネルギー及び熱伝達工学一般
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.020 : 環境保護 > 13.020.30 : 環境インパクトアセスメント
JIS C 4441:2021の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0366:1997
- 建築電気設備の電圧バンド
- JISC0920:2003
- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
- JISC5750-4-3:2011
- ディペンダビリティ マネジメント―第4-3部:システム信頼性のための解析技法―故障モード・影響解析(FMEA)の手順
- JISC5750-4-4:2011
- ディペンダビリティ マネジメント―第4-4部:システム信頼性のための解析技法―故障の木解析(FTA)
- JISC60068-2-52:2020
- 環境試験方法―電気・電子―第2-52部:塩水噴霧サイクル試験方法(塩化ナトリウム水溶液)(試験記号:Kb)
- JISC60364-4-44:2011
- 低圧電気設備―第4-44部:安全保護―妨害電圧及び電磁妨害に対する保護
- JISC61000-6-7:2020
- 電磁両立性―第6-7部:共通規格―工業環境における安全関連機能(機能安全)の遂行を意図した装置に対するイミュニティ要求事項