JIS C 4441:2021 電気エネルギー貯蔵システム―電力システムに接続される電気エネルギー貯蔵システムの安全要求事項―電気化学的システム | ページ 14

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附属書D
(参考)
環境から生じる危険源からの保護のための試験方法
D.1 一般事項
この附属書は,8.2.9.1,8.2.9.2及び8.2.9.3への適合を確認するための試験方法を記載している。試験方
法は,ANSI/CAN/UL-9540に記載されているものを基にしている。
D.2 水分露出を受ける屋外設置
等級レベルの湿気の浸入にさらされる可能性のある屋外に設置することを想定しているBESSは,ネー
ムプレートラベル及び設置指示書に記載されている環境等級に従って試験を行う。
システムの等級に基づき,JIS C 0920(又は,もしあれば,他の適切な規格)に従い防水試験を行う。
試験の最後に,8.2.1.5の絶縁抵抗試験を行い,システムに対して悪影響を及ぼすような水分が認められ
るかを確認する。
湿気への暴露の結果,危険源を引き起こす可能性のある水分の付着がなく,空間距離又は絶縁レベルの
破壊若しくは低下がない。
D.3 海洋環境付近の屋外設置
塩水にさらされる可能性のある沿岸部の屋外に設置することが想定されているBESSは,次に従って試
験を行う。
JIS C 60068-2-52の試験方法1又は試験方法2に従い,試験を行う。
塩水噴霧サイクル試験の結果として,BESSに損傷の兆候(例えば,固定具又はきょう体の弱化を生じる
可能性のある部品の腐食,絶縁への損傷など)があるかどうかを確認し,安全性に関わる危険源が生じる
可能性がないことを確認する。操作可能な場合,BESSが危険源を起こさないことを見極めるために操作
する。
試験の結果,BESSは塩水噴霧にさらされたことに起因する損傷(電気的危険,感電,過熱,物理的危険
をもたらす損傷など)を示してはならない。

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附属書E
(参考)
BESSライフサイクル安全マネジメントの妥当性検証に関する情報
E.1 概要
この附属書は,運用保守の関係者にBESSの寿命を通して安全な状態を保つための関係情報を提供する
ものである。BESSを安全な状態に保つために,運用及び保守に対して責任をもつ関係者,並びに製造業
者及びインテグレータは,この附属書に記載されている情報を利用するために,お互いに連絡を取り合い,
協力することが望ましい。
E.2 一般
BESSはその寿命においては,充·放電及び経年劣化によって電気化学的蓄電サブシステムの化学的状
態が変化する。また,運用保守作業者も随時交代する可能性がある。
そのため,予防的アプローチが重要である。通信ネットワーク(例えば,インターネット)及び作業者
による定期的な確認(例えば,監視映像の確認,現地でのパトロールなど)を通して得られたBESSの状
態に関する継続的な監視データを組み合わせることが期待される。近隣住民及び十分な訓練を受けていな
い作業者の安全を確保するために,マニュアル類,枠組み,及び設備を維持·保全することも必要である。
E.3 運転及び保守プロセス
運転及び保守プロセスは,7.13.1.2及び箇条9に従い,関連法令,関連条例,マニュアル,リスクアセス
メント及びアプリケーションによって管理することが望ましい。このプロセスは,第三者が安全な状態で
維持し,運用されることを確認するために保証されることが望ましい。
E.4 予防保全
予防保守は,7.13.1.3に従って行うことが望ましい。予防保守のために追加で推奨される実施例を,次に
示す。
運用保守作業者のID(識別情報)は,それぞれの資格及び訓練記録とともに登録する。全ての運用保守
担当スタッフのIDは,毎回記録する。
全ての消耗品類の交換及び実施された技術的タスクは,保守情報として記録する。
現地保守において,次の操作を行う。
− サブシステムの正しい運転の確認及びサブシステムの修理
− サブシステム間の物理的及びデータ通信的接続の確認
− 空調に関わるサブシステムのフィルターの確認
− 空調に関わるサブシステム,回路遮断器及び測定機器の運転確認
− 目視及び動作による点検,並びに電気化学的蓄電サブシステム周辺の清掃を行う必要があるかどうか

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の点検(例えば,漏れた電解液,端子周辺の汚れ,移行,腐食製品などの付着物を除去する。)
− 適切な国際規格に従った,ケーブルの健全性確認
− 適切な国際規格に従った,HVACサブシステムの健全性確認
− 監視システム全般の健全性確認
− 適切な国際規格に従った,火災検知·消火·警報サブシステムの健全性確認
E.5 システム健全性の測定及び監視
システムの健全性の測定及び監視は,7.13.1.4に従って行われることが望ましい。
E.6 作業者の教育訓練
7.13.1.5に従って作成された安全に関する訓練ガイドラインに沿って,定期的に適切な作業者に対して
訓練を実施することが望ましい。BESSを安全な状態で維持するために,通常の安全訓練だけでなく,緊
急時対策訓練についても強く期待される。例えば,サブシステムのトラブル例としては,自動消火サブシ
ステムが火災の際に稼働しないことを想定して,手動消火プロセスの訓練が提供されることが望ましい。
これらの緊急事態訓練は,設備の管理者又は運用管理者によって指揮されることが望ましい。
E.7 システムの部分的な変更
各サブシステム又は機器の交換は,7.13.2に従い通知されることが望ましい。交換後の確認試験は,安
全性の観点をもって行う。特に,サブシステム間の干渉及び相互影響に関しては,確認試験の前に熱及び
EMCの伝搬リスクを確認することが難しい。したがって,設備の管理者又は運用管理者は,確認試験だけ
でなく,確認試験後数時間又は数週間にわたっては点検によって安全状態に注意を払うことが望ましい。
E.8 設計の変更
7.13.3に従い安全設計の見直しを行うことが望ましい。このプロセスでは,BESSの用途の範囲に留意す
ることが望ましい。安全設計の変更によってサブシステム全体の交換が必要であることが知られている。
しかし,BESSの事故の原因となる可能性があるため,安全設計の変更が困難であるにもかかわらず,サ
ブシステムの内部装置の交換を行わなければならない場合がある。したがって,設備の管理者及び運用管
理者は,BESS全体での安全性への影響について留意すること,及びシステムインテグレータ又は製造業
者にBESS安全性のリスク分析(例えば,FMEAなど)をするよう要請することが望ましい。保護,制御
及び監視システム,並びに安全設備を交換した場合,特に分析が望まれる。

――――― [JIS C 4441 pdf 68] ―――――

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附属書F
(参考)
BESSの安全表示
安全表示は,リスクアセスメントプロセス結果(箇条6参照)及び対象国の規制に従って備えることが
望ましい。その中には,次を含めることが望ましい。
− 非常口
− 製造業者名
− 非常用電話番号
− 許可されていない人へのアクセスの禁止
− 個人用防護具(PPE)の必須使用
− 交流電圧(VAC)警告
− 直流電圧(VDC)警告
− 応急処置
− アーク及び感電−適切なPPEの要求
− 電池の種類
− ガスによる危険源

――――― [JIS C 4441 pdf 69] ―――――

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C 4441 : 2021
附属書G
(参考)
熱制御操作の評価のための試験の例
温度試験室の中に納めることができるBESSは,この形式試験を行う。形式試験の一部として,BESSの
電気化学的蓄電サブシステムの温度が製造業者の定めた限界値を超えた場合に充·放電が停止するかどう
かを確認する。BESSは,定められた最大環境温度よりも10 ℃高い室温状況に設置される。充電を試みる
前に,BESSは安定するのに十分な時間,当該室内に置かなければならない。加熱中に,BESSを充電し,
充電時の指定温度をBESSが超えた際に充電が不可能であることを確認する。類似の手法を用いて,放電
についても確認する。放電時の指定温度よりも10 ℃高い状態でBESSを,その温度で安定するまで加熱
する。指定温度よりも高い状態では放電不可能であることを確認するために,BESSの放電を試みる。

――――― [JIS C 4441 pdf 70] ―――――

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JIS C 4441:2021の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 62933-5-2:2020(MOD)

JIS C 4441:2021の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 4441:2021の関連規格と引用規格一覧