JIS C 4441:2021 電気エネルギー貯蔵システム―電力システムに接続される電気エネルギー貯蔵システムの安全要求事項―電気化学的システム | ページ 19

           88
C 4441 : 2021
まれる。作業者は,EESS内及びその周辺で作業するために着用する個人用防護具(PPE)についても指導
を受けなければならない。利用可能な操作手順は,訓練中に説明されることが望ましい。
作業者は,次に示す機会に訓練を受けなけれならない。
· EESSで最初に作業を開始する前
· 作業機器が初めて導入されたとき,又は変更されたとき
· 新しい技術が導入されたとき
作業者の訓練は,適切な間隔で反復し,作業者の理解度を確認しなければならない。
訓練を提供する義務は,外部委託先の作業者にも適用される。訓練は,権限のある者が行う。訓練活動
の日付及び内容並びに参加者の記録を,文書で保管することが望ましい。
JD.8 安全設計
JD.8.1 一般事項
EESSは,適切に維持される場合,一定の寿命の間動作することが期待される。この寿命の間,EESSの
動作は,次のような様々な要因によって影響を受ける。
· 部品技術の変化
· 地域の環境要因
· 市場の状況
· 新しい規制
EESSに対するこれらの要因の影響によって,その安全な運用が損なわれないことが望ましい。これを
実現するには,変更が発生したときに安全関連の設計の再検討をする必要がある。また,次のような情報
が利用可能になった場合,EESSの設計を再検討する必要がある場合がある。
· 運用経験
· 構成部品の障害
· ソフトウェア障害
· 固有の設計問題
図JD.5に,EESSの寿命期間にわたるプロセスを示す。

――――― [JIS C 4441 pdf 91] ―――――

                                                                                            89
C 4441 : 2021
安全設計 運用期間の終了
試運転後の変更要因
運用及び保守
初期 遠隔監視 廃止
安全確認期間
更新
設計変更
修正
拡張
図JD.5−初期安全設計及び設計変更
JD.8.2 初期の安全設計及びその後の設計変更
安全設計は,システム全体の設計の最初に行われる。システムに様々な変更が加えられた場合,必要に
応じて,安全設計を再度実施することが望ましい。安全性の再設計中に,リスク分析及びFMEAを再度実
施することが望ましい。
JD.8.3 軽微なシステム変更及び重要なシステム変更のための設計変更
システムに軽微な変更が加えられた場合,限定されたFMEAを統合するリスク分析がより実用的であ
る。総貯蔵容量の拡大,周辺環境の大きな変化などが発生した場合においてFMEAを実施するときは,シ
ステム全体だけでなく,システムと周辺環境との境界領域も考慮することが望ましい。

――――― [JIS C 4441 pdf 92] ―――――

           90
C 4441 : 2021
附属書JE
(参考)
システム試験
この附属書は,この規格の対応国際規格の中で参照しているIEC TS 62933-5-1:2017の箇条8を翻訳し
て作成したものである。
JE.1 一般事項
EESSの設計並びにFMEAで特定された安全機構の適切な実装及び機能を確認するために,潜在的な故
障状態に対するシステム応答を評価することが望ましい。項目の検証及び確認は,システムレベルFMEA
に基づいて決定されることが望ましい。また,EESSは,JIS C 0508-1のような安全関連システム(SRS)
を備えることが望ましい。
制御サブシステムを備えたEESSの例を図JE.1に示す。
制御サブシステム
通信サブシステム
マネジメント
サブシステム 通信インター
保護サブシステム
フェース
補助サブシステム
主サブシステム
蓄電サブシス 電力変換サブ
主接続端子 主POC
テム システム
図JE.1−EESSの主要な二つの構成

――――― [JIS C 4441 pdf 93] ―――――

                                                                                            91
C 4441 : 2021
制御サブシステム
通信サブシステム
マネジメント
サブシステム 通信インター
保護サブシステム
フェース
補助サブシステム 補助接続端子
補助POC
主サブシステム
蓄電サブシス 電力変換サブ
主接続端 主POC
テム システム
図JE.1−EESSの主要な二つの構成(続き)
EESSは,図JE.1に示すように,主サブシステム,補助サブシステム及び制御サブシステムを含み,各
サブシステムは様々な構成要素を含む。また,EESSには,これらの構成要素間の内部通信線及び監視線並
びに制御信号線が存在する。
これらのEESSの構成要素は,他のIEC規格に基づいて設計,確認及び検証を行ってもよい。例えば,
リチウムイオン電池のエネルギー貯蔵システムは,JIS C 8715-2に適合するかもしれないが,システム統
合によって,リスクが引き起こされる可能性があると考えられる。
例えば,電力変換システムによって引き起こされる電磁ノイズは,エネルギー貯蔵を管理するための中
央処理装置(CPU)に誤動作をもたらし,エネルギー貯蔵装置の動作に影響を与える可能性がある。EESS
構成要素のノイズ耐性は,IEC 61000規格群を満たしている可能性があるが,電力変換サブシステムによ
って引き起こされるノイズによってシステム構成要素の一つが故障する可能性がある。さらに,構成要素
の偶発的な誤動作も発生する可能性がある。システム構成要素及び通信の誤動作が,システムレベルにお
いて,人の安全に影響を与えないことを確認することが望ましい。
試験機器,施設又は現地受入試験(SAT)環境は,試験目的,想定される試験結果,サンプルサイズ及び
性能に適合している必要がある。
試験中に人員を保護するための適切な個人用防護具(PPE),標準操作手順及び設備を提供することが望
ましい。
試験サンプルの安全な保管,取扱い,操作,試験及び廃棄に関する標準的な手順を示すことが望ましい。
試験に使用するサンプルは,製造サンプルの代表であることが望ましい。特定の試験目的を満たすため
に,完全なEESSの代表であることが実証されている場合,部分組立品に対して試験を実施してもよい。
JE.2 補助サブシステムの障害
制御電源が失われると,システムの保護機構が適切に機能しない場合がある。指定されたレベルを超え

――――― [JIS C 4441 pdf 94] ―――――

           92
C 4441 : 2021
て制御電源電圧が逸脱すると,システムの安全性を確保する装置及び構成要素に影響する場合がある。シ
ステムレベルのFMEA及び試験では,次の項目を考慮することが望ましい。また,次に示すようなFMEA
補助システムの安全性に関する障害状態を試験することが望ましい。
a) 制御電力の完全な喪失
b) 制御電力の部分的な喪失
c) 制御電力の一時的な喪失
d) 許容電圧レベルを超過する制御電源電圧
e) 許容電圧レベルを下回る制御電源電圧
f) 冷却システムの故障
g) 他の補助サブシステムの故障
h) 制御入力の一時的な喪失
試験された全ての条件に対して,システムの安全機能は損なわれないことが望ましく,安全機能はFMEA
が予測する結果に従って反応することが望ましい。
JE.3 制御サブシステムの障害
EESSの制御サブシステムが誤った制御情報を電力変換サブシステムの処理装置に与えると,EESSが損
傷し,安全でない状態になる可能性がある。EESS管理制御障害のような安全性に関するシステム管理障
害状態のFMEAを,実施することが望ましい。
実施した試験の条件に対して,システムの安全機能は損なわれないことが望ましく,安全機能はFMEA
の予想される結果に従って作動することが望ましい。
JE.4 EESS内部通信の障害
内部通信線が短絡又は断線した場合,又は内部外部制御信号が妨害されている場合,EESSが正常に動
作しない場合がある。FMEAによって特定された安全性に関する内部通信障害状態は,次に示すような要
因について,試験することが望ましい。
a) 内部回線の開放
b) 内部回線の短絡
c) 内部回線の妨害
試験した全ての条件に対して,システムの安全機能は損なわれないことが望ましく,安全機能はFMEA
の予想される結果に従って作動することが望ましい。
JE.5 EESS外部通信の障害
EESSの安全な運用に影響を及ぼす可能性のある多くの要因を,次に示す。これらの要因は,設計プロセ
スにおいて考慮しておくことが望ましい。システムレベルのFMEA及び試験を,EESSがそれぞれの場合
に安全な状態になることを確実にするために実施することが望ましい。
a) 外部回線の開放

――――― [JIS C 4441 pdf 95] ―――――

次のページ PDF 96

JIS C 4441:2021の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 62933-5-2:2020(MOD)

JIS C 4441:2021の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 4441:2021の関連規格と引用規格一覧