JIS C 4441:2021 電気エネルギー貯蔵システム―電力システムに接続される電気エネルギー貯蔵システムの安全要求事項―電気化学的システム | ページ 3

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の末端の保護機能,及び場合によって自動再閉路装置を含む場合がある。
注釈2 スイッチ及びヒューズは,保護サブシステムから除外される。
(出典 : IEC 60050-448:1995の448-11-04を修正。定義をEESSに特化し,注釈2を一般化し,回路遮
断器だけでなく,全てのスイッチ及びヒューズを除外している。)
3.25
電力システムからの切断状態
電気エネルギー貯蔵システムが主POCから切断された動作状態
3.26
停止状態
電気エネルギー貯蔵システムが電力システムからの切断状態にあり,蓄電サブシステムが電力変換サブ
システムに接続されていない状態
注釈1 蓄電サブシステムと電力変換サブシステムとの間にスイッチが使用できない場合,他の方法で
直流電流(ガルバニック)の分離を確保してもよい(例 : 取り外し可能な電池)。
注釈2 この状態では,補助サブシステムは通電している。
3.27
シャットダウン,停止
停止以外の状態にある電気エネルギー貯蔵システムを停止状態にするための命令
注釈1 この命令は,緊急時に結果として発動される場合もある。
3.28
海洋環境
海上又は海岸での使用環境
3.29
BMS(バッテリーマネジメントシステム)
電気化学的蓄電サブシステムが過充電,過電流,過放電及び過熱したときに電流を制御するなどの機能
をもつ電子システム
注釈1 BMSは,電気化学的蓄電サブシステムの安全性,性能及び/又は寿命を担保するために,電気
化学的蓄電サブシステムの状態を監視及び/又は管理し,データを処理し,そのデータを送信
及び/又は制御する。
(出典 : JIS C 8715-2:2019の3.12を変更)
3.30
特別低電圧,ELV
JIS C 0366で規定されているバンドIの電圧制限を超えない電圧
(出典 : IEC 60050-826:2004の826-12-30)
3.31
安全特別低電圧,SELV
分離巻線変圧器のような方法で供給電力系統からガルバニック分離されている電気回路において,導体
間又はいずれかの導体と基準接地との間で,実効値が50 Vを超えない交流電圧又は120 Vを超えないリ
ップルフリー直流電圧

――――― [JIS C 4441 pdf 11] ―――――

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注釈1 特に充電部との直接接触が許可されている場合,交流電圧50 V又はリップルフリー直流電圧
120 Vよりも低い最大電圧が特定の要件で指定される場合がある。
注釈2 電源が安全絶縁変圧器の場合は,全負荷から無負荷までの間のいかなる負荷でも電圧制限を超
えてはならない。
注釈3 リップルフリーとは,従来から直流成分の10 %以下のリップル電圧(実効値)を意味し,最大
ピーク値は公称120 Vのリップルフリー直流システムでは140 Vを,公称60 Vのリップルフリ
ー直流システムでは70 Vを超えないことを意味する。
(出典 : IEC 60050-851:2008の851-15-08)

4 BESSの安全性に関する基本的な指針

4.1 一般事項

  導入することを意図し製造されたBESSに関するリスクの評価及び低減は,図1に示す手順に従い実施
しなければならない。

――――― [JIS C 4441 pdf 12] ―――――

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開始
電気エネルギー貯蔵方式の決定
=>4.2及び6.1 実験,シミュレー

リ ション,調査,発
ス 生事象の再調査な

ク ク 危険源の特定 ど
ア 分 =>6.3.1及び6.3.2
セ 析

リスクの見積り
メ =>6.3.3及び6.3.4


リスクの評価
=>6.3.3及び6.3.4
許容可能なリスクは達成されたか
はい
=>6.4
いいえ
リスクの低減
=>箇条6及び箇条7の要求事項
リスクの見積り
=>6.3.3及び6.3.4
リスクの評価
=>6.3.3及び6.3.4
いいえ 許容可能なリスクか
=>6.4
はい
確認及び文書化 =>箇条7及び箇条8の要求事項
完了
図1−一般的なBESSのリスクアセスメント及びリスク低減
リスクは,BESSの設置場所,化学種,規模など多くの要因に起因することがあるため,適宜評価する必
要がある。BESSの設置としては,個々の家庭用,商業用及び産業用から電力用規模のものまである。リス
クは,適宜評価する必要がある。BESSの電気化学的蓄電サブシステムに含まれる電池の化学種の選択は,
環境,性能特性及び関連するコスト·利益に依存する場合がある。
JIS Z 8051に記載があるとおり,設計の際にとられるリスク低減方策は,“本質的安全設計”,“防護及び

――――― [JIS C 4441 pdf 13] ―――――

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保護装置”及び“使用者のための使用上の情報”である。使用中(ライフサイクルにおける安全性管理)
の追加の方策についても,JIS Z 8051に記載されている。

4.2 BESSの安全へのアプローチ

  システム設置環境におけるBESSの設計及び意図された設置·組立ては,BESSのライフサイクルの各
段階において発生する特徴的なリスクに適応させなければならない。ライフサイクルの段階は典型的に次
のものを含むが,これらに限定しない。
− 製造·最終組立及び工場試験(FAT)(7.10,7.11及び8.2参照)
− 輸送(7.10,7.11及び8.2参照)
− 設置·コミッショニング及び現地受入試験(SAT)(7.10,7.11,7.12及び8.2参照)
− 運転(7.13参照)
− 保守及び修理(7.13参照)
− 別の目的のための再利用及び解体(7.13参照)
設置工程の間,リスクを最小化し,事故対応を容易にするための重要なサブシステム間の通信の健全性
は,保護サブシステムの誤作動を避けるために保証されていなければならない。BESSの設置後は,BESS
が完全な運用状態になる前に,これらの適切な機能をもつことを保証するため,これらのサブシステムを
検査するか又は他の適切な方法によって検証しなければならない。
設置時のBESSに適用可能な全ての衛生·安全·環境(HSE : Health, Safety and Environment)要求事項に
ついては,システム保守及び修理時に適用する。
各ライフサイクル段階における安全設計考慮事項及びリスク分析は,箇条6及び7.13に従って文書化さ
れ,明示されなければならない。
明示された信頼性及び耐久性のレベルを満たすために設計及び設置されたBESSは,明示されたレベル
を達成するのに必要なシステム全体及びサブシステムにおける設計視点として安全性レベルを含まなけれ
ばならない。サブシステムレベルにおいて,統合された電気エネルギー貯蔵装置全てが適切な安全規格(例 :
JIS C 62477-1,JIS C 8715-2)に適合しなければならない。
サブシステム間の相互作用の安全対策は,システムレベルの安全リスクアセスメント結果と一貫性がな
ければならない。
通常使用されるBESSのPOC電圧,エネルギー容量,設置場所の人の立入り有無及び電気化学的蓄電サ
ブシステムの化学種は,表1に挙げたように区別する。
箇条7及び箇条8で要求する安全性方策の詳細な実施は,表1の基本的条件を用いて,BESSのシステ
ムレベルのリスクアセスメント(箇条6参照)の結果に従い最適化することが可能である。
注記1 定置用途において一般にあまり使用されない化学種は,この規格では考慮しないが,今後の版
で考慮が加わる可能性がある。
注記2 “BESSのエネルギー容量”とは,一つのPOCの背後に設置される電気化学的蓄電サブシステ
ムの合計エネルギー容量を意味する。

――――― [JIS C 4441 pdf 14] ―――――

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表1−BESS分類
機能の分類 分類名称 説明
POC点(BESSの接続 V-L 交流1 kV以下又は直流1.5 kV以下
点)での電圧 V-H 交流1 kV超又は直流1.5 kV超
BESSのエネルギー E-S 20 kWh以下
容量 E-L 20 kWh超
電気化学的蓄電サブ S-O 常駐地[occupied site(3.2参照)]
システム設置場所で S-U 非常駐地[unoccupied site(3.2参照)]
の常駐者の有無
電気化学的蓄電サブ C-A 非水溶系電解液電池(例 : リチウムイオン電池)
システムに含まれる C-B 水溶系電解液電池(例 : 鉛蓄電池,ニッケル系蓄電池)
電池の化学種 C-C 高温電池(例 : 溶融塩電池)
C-D フロー電池
C-Z その他
注記1 この規格では,上記BESS分類はV-X/E-X/S-X/C-X(Xは分類名称の右側を示す。例えば,V-L又はV-
H)と表記する。適用制限をする必要のない分類については省略する。
注記2 BESS及びその他の化学スーパーキャパシタを含む電気化学的技術を用いたEESSは,この規格の適用
範囲内であり,特に後者のEESSは分類C-Zに含まれる。
注記3 2種類以上の異なる化学種の電池を組み合わせて使用している場合は分類C-Zに含まれる。
注記4 我が国の消防法における非水溶性,水溶性の区分に限らず,リチウムイオン電池は分類C-Aとする。
BESSの用途例を表2に示す。
表2−BESSの用途例
用途 設置形態 立入制限/稼働中·保守中の状態
家庭用 · 個々の住居単体で設置 居住者の協力なしに通常の保守を行うことができず,専門
的な操作·保守体制をもたない場合がある。
· 複数の戸建,一軒のアパートなどで共
有する形で設置
表1の分類を用いて表現する場合,次のように組合せを表記する。
例 : V-L/E-S(又はE-L)/S-O(又はS-U)/C-A(又はC-B)
商業用 · 小規模な商業施設に設置 営業時間中に通常の保守を行うことができ,専門的な操作·
· 多数の住居で共有する形で設置 保守体制をもつ。
· 区画,建物などの単位で共有されてお
り上記が混在する形で設置
表1の分類を用いて表現する場合,次のように組合せを表記する。
V-H/E-L/S-O(又はS-U)/C-A(又はC-B,C-C若しくはC-D)
産業用 · 工場,データセンタ,倉庫のような大
営業時間中に通常の保守を行うことができ,専門的な操作·
規模な商業施設に設置 保守体制をもつ。
· 街区のような住居で共有する形で設置
表1の分類を用いて表現する場合,次のように組合せを表記する。
V-H/E-L/S-O(又はS-U)/C-A(又はC-B,C-C若しくはC-D)
電力用 直接,電力系統に接続する形で設置 常に通常の保守を行うことができ,専門的な操作·保守体
制をもつ。この種のシステムは通常,アクセス制限の課さ
れたエリア内に設置されているか,又はシステム内へのア
クセス権限が付与されている人員だけに許されている。
表1の分類を用いて表現する場合,次のように組合せを表記する。
V-H/E-L/S-O(又はS-U)/C-A(又はC-B,C-C若しくはC-D)

――――― [JIS C 4441 pdf 15] ―――――

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JIS C 4441:2021の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 62933-5-2:2020(MOD)

JIS C 4441:2021の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 4441:2021の関連規格と引用規格一覧