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動が引き起こされる可能性がある。
· 清掃及び消耗品交換のスケジュールは,運用·保守計画に含まれていることが望ましい。
· 供給者又は製造業者によって,使用者に提供される,設計又は構築の安全情報の特質及び内容。これ
は,次のことを含んでいなければならないが,これらに限定されない。
− 安全に関する全てのサブシステムのパラメータ
− 同等装置(交換装置)がシステム安全性に影響を与える可能性のあるサブシステム及びソフトウェ
アの組合せ
− 同等と思われる装置の交換に関連した過去のトラブル事例,事案,及び質的問題
− 測定の正確さ及び計測器の設置状態
− 精密さ及びガス計測器の設置状態
供給者によって指定された操作中に,装置はこの規格の範囲内で危険をもたらす可能性が低いことにつ
いての情報を,使用者に提供しなければならない。
装置の操作,設置,稼働,輸送又は保管の際に,危険を避けるために特別な予防策を講じる必要がある
場合は,必要な指示を明示しなければならない。
7.13.1.3 予防保守
定期的な保守スケジュールは,製造業者又はシステムインテグレータによって設定されなければならな
い。当該スケジュールは,使用の頻度,時間経過,及び周辺環境を考慮することが望ましい。保守は,シ
ステム全体,各サブシステム,及びサブシステム機器を対象とすることが望ましい。
注記 システムインテグレータとは,個々のサブシステムを一つのシステムに統合し,一つのシステム
として適切に機能するように完成させる者をいう。
システム監視状態における清掃及び消耗品交換のような通常の定期保守は,システムの観点において安
全性に関わる重要なポイントである。想定されない気象状況による水の浸入若しくは土砂の侵入,又は鳥,
ネズミなどといった動物の侵入によってシステムのきょう体が損傷を受けたときのように,定期保守の実
施が追いつかず,システムの健全性に影響が発生することがある場合に,臨時対応保守が求められる。
長期使用によるシステム又はサブシステムの構成部分及び/又は部品の故障及び性能劣化について考慮
することが望ましい。これらは,明確な兆候が見られない可能性がある。遮断器,電灯,換気扇の羽の故
障についても,明確な兆候がない可能性がある。例えば,回路遮断器が固渋している場合などに回路遮断
機能が作動しない可能性がある。また,電灯及び換気扇の羽の故障は,それぞれ稼働後でないと気づくこ
とができない可能性がある。7.13.1.4に規定するシステム健全性の測定及び監視は,BESSの安全性を高め
るために考慮に入れなければならない。
7.13.1.2に規定するBESSの安全性に関する運用·保守マニュアルは,訓練された操作者及び/又は保守
作業者に監督された,作業者によって,使用されなければならない。
7.13.1.4 システム状態の測定及び監視
システム健全性の測定及び監視は,予防及び随時対応保守の基本である。システム健全性試験における
測定及び監視を構成する事項は,過去のインシデントから収集した知識,及びFTA,FMEAなどを用いた
リスク分析に基づくことが望ましい。故障及び性能の劣化の検出を考慮することが望ましい。多くの場合,
訓練された操作者がいない状態で,BESSは遠隔操作状態となるが,このような場合,BESSの健全性は遠
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隔で監視されていることが望ましい。
リスク分析の間は,少なくともシステムの状態を示す重要なパラメータ(電圧,電流,温度,SOCなど)
は全て測定及び監視され,そのログ情報は操作者が利用可能でなければならない。
操作中及びシャットダウン後においては,安全性の観点から,電池の状態を把握するためのパラメータ
を監視することが重要である。例えば,電力システムから切り離した後であっても,電池内で熱暴走がお
こる可能性がある。遠隔監視機能を備えるBESSの場合,切り離し後も,システムの健全性の遠隔監視を
継続しなければならない。
自動制御下及び/又は遠隔制御下において,BESSの異常状態の検知のために,監視及び機能制御を継
続的に保持しなければならない。
7.13.1.5 作業者の訓練
分類E-SのBESSにおいては,BESS供給者の作業者の訓練を対象に,7.13.1.5の要求事項を全て適用す
る。
分類E-LのBESSにおいては,リスクアセスメントの結果に従い,BESS供給者及び操作者の訓練を対
象に,7.13.1.5の要求事項を全て適用する(箇条6参照)。
作業者の訓練は,安全性に関するスキル及び情報を含む。設置段階においては,BESS供給者及びサブシ
ステム製造業者は,所有者,設置者及び操作者に,操作及び安全性に関するマニュアルを提供しなければ
ならない。これらのマニュアルには,禁止する操作及び容認する操作を記載しなければならない。
訓練ガイドライン及びマニュアルは,7.12に規定する情報を用いて作成することが望ましい。この情報
は供給者から提供され,次のことを含むことが望ましいが,これらに限定しない。
− 退避手順
− 退避ガイダンス
− 消火器の使用方法,又は該当する場合は,初期段階における消防システムの使用方法
− 情報通信
− 基本的な保護具の使用方法[例 : 保護装置,個人保護具を含む保護機器,BESSのサブシステムにおけ
る主要な化学物質の安全データシート(SDS)など]
− やけど及び感電を防ぐための知識の記録方法及び保存方法
− BESSそのものの保護方策及び制御ロジック
− 安全方策の実施方法
− 全ての保護サブシステムの施錠及び解錠手順
製造業者は,機器又は安全性システムを操作する人物に対する能力及び管理権限レベルの要求事項に関
するガイダンスを提供しなければならない。ガイダンスは,制限区域に立ち入るための操作者の訓練又は
許可に関する要求項目を考慮に入れなければならない。
7.13.2 システムの部分的な変更
システムが部分的に変更される際に,当該部分の互換性及び適合性が確認されることは重要であり,互
換性及び適合性の検証を考慮することが望ましい。BESSの安全レベルに影響のある全ての変更を考慮す
ることが望ましい。加えて,BESSの移設についても上記と同様に考慮する場合がある。
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BESSの安全性は,次の状況において再評価しなければならない。
− 異なる場所にBESSが移動又は移設された場合
− BESSの運用期間中の変更(修理用部品·材料)によるシステム自体の変化(例えば,経年変化,再設
置工程,分解,輸送及び組立による劣化)(その変更後もBESSの安全状態に変化がないことを確認し
なければならない。)
− システム若しくは部品の故障,又はBESSの安全性及び完全性に影響を及ぼす可能性のあるインシデ
ントの結果求められる変更
− BESSの用途変更
− 恒常環境の変化(温度,湿度,建屋の基礎,風雨環境,換気,防火規定及び周辺環境を含むが,これ
らに限定しない。)
変更の際は,次を留意しなければならない。
· 使用者が交換可能な部品のリスト
· 出力及び効率の変化
· 付帯的なダメージが大きく影響を及ぼす可能性のある場所(巨大なビル,ショッピングセンターなど),
及び厳しい環境状態がある場所(著しい温度変化)にBESSを設置する場合
· 移設及び関連する設置の間,輸送中の電池の劣化及び/又は品質につながる可能性のある化学的リス
クは最小限に抑えることが望ましい。
· 保守の記録を,再設置時ごとに参照することが望ましい。
7.13.3 設計の変更
BESSは,長期にわたる使用が見込まれる。BESSはその寿命の間,部品の劣化,技術の更新,環境的変
化,市場の変化又は規制の変更といったことを経る。こうした変化がいつ起こるかによらず,システムの
観点から人体の安全を確保する方策は適宜更新することが望ましい。そのため,安全設計の再設計は,初
期設計段階だけでなく,設計が変更になるたび,行わなければならない。リスク分析は,初期安全設計及
びあらゆる再設計の最重要部の一つでなければならない。
安全計画及び再設計のためにも,リスク分析及びFMEAは繰り返し行われることが望ましい。しかし,
変化の度合いによっては,変更がもたらされたシステム部分及びシステムに影響を及ぼす箇所において
FMEAだけが必要になる場合もある。
図4に,変更が行われる際のBESSの安全設計考慮事項を示す。適切な技術規格によって確認されたサ
ブシステム全体又は部品の交換は,システムレベルの安全性リスクが生じたり,BESS内全体の容量の不
一致及び/又は使用リスクが生じたりする場合があり,これらはシステムレベルの危険を引き起こす可能
性がある。利用可能な場合には,技術的に同一のサブシステム又は部品を優先的に交換に用いることが望
ましい。
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サブシステム
不適切なサブシステムへの交換
図4−BESS内の容量及び/又は使用の不一致
設計の変更によって引き起こされる可能性のある不一致の例を,表4に示す。
表4−設計の変更によって引き起こされる可能性のある不一致の例
変更 不一致
電気化学的蓄電サブシステムの更新 建屋の強度,消火設備,HVAC
PCSの更新 HVAC,その他のサブシステムのノイズ耐久力など
電池,その他のサブシステムの冷却容量など
BESSの用途の変化(周波数に対する調整)及び/
又はシステム制御の更新
換気,空調及び消火サブシステムの仕様書は,再設置に関わる周辺環境の変化を考慮して決定すること
が望ましい。
BESSの再設置は,初期の建設又は設置の際に用いられたものと同じプロセスで行う。
7.13.4 運用終了時の管理
BESSは,運用終了時に別々のサブシステムごと又は別々の部品ごとに安全に分解できるよう設計され
ていることが望ましい。分解されたサブシステム又は部品は,適切な規格,製造業者の指示書,関連法令,
関連条例などに従い扱われることが望ましい。
7.13.5 ライフサイクル安全管理を検証するための方策
7.13.17.13.4の適合性は,適切な検証に従って確認しなければならない。附属書Eにこれらの検証の良
い実施例を示す。
8 システムの検証及び試験
8.1 一般事項
BESSの試験は,7.10に規定する“BESSの本質的安全設計”及び7.11に規定する“防護及び保護方策”
の安全性及び効果について評価するために行う。試験プログラムは,規模(電圧及びエネルギー容量),設
置場所(例 : 屋外,屋内),技術(例 : 鉛蓄電池)及び露出状態(例 : 家庭用)によって左右される。例え
ば,家庭用で,屋内に設置されているリチウムイオン電池を使用した240 V電圧,1 kWh容量のBESSに
適用される試験プログラムは,多様な部品で構成され,現地で設置して初めて完全なBESSとなるような
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大規模かつ複雑な電力用のシステムで用いられる試験プログラムとは異なる方法で実施される。
家庭用のBESSは,典型的には単一のきょう体に搭載され,大量に生産されるとともに,形式試験が行
われる電気製品と同様の方法で評価される。工場出荷前に工場試験(FAT)が行われ,設置時にはまれに小
規模な現地受入試験(SAT)が行われる場合もある。複雑で,独自の設計がなされているような公共用の
システムにおいては,そのサブシステムの評価の判断基準として,主要な部品又はサブシステムの形式試
験を行う場合がある。部品に対しては,工場試験(FAT)が行われる。現地受入試験(SAT)は,通常,BESS
は設置される場所で組み立てられるまで完全な状態にないことから,BESSの完全性を評価するために,
より包括的であることが望まれる。
システムの形式試験プログラムは,全ての安全性に関連する観点を包含することが望まれる。システム
構成部品が既に単体に対する規格に従い認証機関によって評価されている場合は,部品の形式試験を再度
実施する必要はない。
工場試験(FAT)は,少なくとも次の点を満足していなければならない。
· ヒューズ及びブレーカーの設置並びに正しい定格
· 漏電遮断器,絶縁監視及び地絡検出器の設置並びに正常動作
· 自動及び手動遮断器の設置並びに正常動作
· 電池パック部品に対し個々に工場試験(FAT)が実施された場合,システム工場試験(FAT)は,部分
的に設置された電池パック又は模擬品に対し実施してもよい。
· 次の状態に一つでも合致した場合は,システムを設置場所に設置してもよい。
− 工場試験(FAT)中に全ての試験をシステムが合格する。
− 工場試験(FAT)を通した一定の試験をシステムが合格するとともに,不合格となった点について
も,設置時に合格水準まで改善し,安全性に関わる状況に悪影響を及ぼさない状態であることを現
地受入試験(SAT)で再試験を行う。
設置後,システムは,現地受入試験(SAT)の対象となる。この試験では,少なくとも次の点について満
足しなければならない。
a) 接地の点検及び抵抗測定
b) 漏電遮断器,絶縁監視,地絡検出器並びに自動遮断器及び手動遮断器の正常動作
c) 正しい設置
d) 現地で組まれる電気的,機械的及び排水接続の試験
e) マニュアル,リスク分析,関連法令,関連条例などに基づくコミッショニング
現地受入試験(SAT)中,地元検査官,消防局及び所管官庁は,システムの最終的な受入れに関与する場
合がある。
附属書JEに示す一般要求事項を適用する。
BESSの主サブシステム間の全ての相互作用の設定の確認試験を行う。
システム検証及び試験によっては,関連する措置を実施しなくとも,安全性事項が明確に達成されてい
ることをリスクアセスメントにおいて明確に証明することができる場合,免除されることがある。
表5にBESSに対する検証及び試験のリストを示す。
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JIS C 4441:2021の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 62933-5-2:2020(MOD)
JIS C 4441:2021の国際規格 ICS 分類一覧
- 27 : エネルギー及び熱伝達工学 > 27.010 : エネルギー及び熱伝達工学一般
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.020 : 環境保護 > 13.020.30 : 環境インパクトアセスメント
JIS C 4441:2021の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0366:1997
- 建築電気設備の電圧バンド
- JISC0920:2003
- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
- JISC5750-4-3:2011
- ディペンダビリティ マネジメント―第4-3部:システム信頼性のための解析技法―故障モード・影響解析(FMEA)の手順
- JISC5750-4-4:2011
- ディペンダビリティ マネジメント―第4-4部:システム信頼性のための解析技法―故障の木解析(FTA)
- JISC60068-2-52:2020
- 環境試験方法―電気・電子―第2-52部:塩水噴霧サイクル試験方法(塩化ナトリウム水溶液)(試験記号:Kb)
- JISC60364-4-44:2011
- 低圧電気設備―第4-44部:安全保護―妨害電圧及び電磁妨害に対する保護
- JISC61000-6-7:2020
- 電磁両立性―第6-7部:共通規格―工業環境における安全関連機能(機能安全)の遂行を意図した装置に対するイミュニティ要求事項