JIS C 5630-26:2017 マイクロマシン及びMEMS―第26部:マイクロトレンチ構造及びマイクロニードル構造の寸法,形状表示及び計測法 | ページ 5

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C 5630-26 : 2017 (IEC 62047-26 : 2016)
附属書B
(参考)
計測の不確かさ
B.1 一般
計測対象をMEMS(micro-electromechanical systems)に用いられるトレンチ構造及びニードル構造に限
定し,さらに,測定量を,この規格によって規定された形状の表示法に示されている寸法としたときの計
測結果の信頼性について述べる。MEMS寸法計測における測定結果の信頼性は,不確かさによって評価・
表現するものとする。ここで定めている不確かさの定義及び表示法は,JCGM(Joint Committee for Guides in
Metrology)によってISO/IEC Guide 98-3[2] として発行されたGUM(Guide to the expression of uncertainty in
measurement)の規定に準拠する。また,本文の記述に当たってはGUMに定義された用語を用いる。
B.2 考え方
附属書Aにおいて示されている,推奨される計測法及び共通する注意事項の下で行われたMEMS寸法
計測結果の表示法について記す。
測定値(報告される値)は,n回の繰返し測定によって得られた値を用いて算出される,最良推定値(X)
によって表示する。ここで,繰返し測定回数nは410程度を推奨値とする。測定値を求めるための測定
の原理,測定の方法,使用する測定装置・機器,測定手順などを簡潔に記述する。また,直接の測定器の
読みから測定値を得るために行った補正又は平均操作などの解析手順(データ処理)を明示する。測定結
果は,最良推定値(X)及び拡張不確かさ(U)を用いて,次のように表示する。
X Uk
ただし,kは包含係数(Coverage factor)を表す。
B.3 平均トレンチ深さの不確かさの評価例
B.3.1 不確かさ評価の計測データ例
FE-SEMによる実際の測定結果を用いて,測定の不確かさ解析について表B.1に例示する。測定量は,
4.2で定義している“トレンチ構造深さ : 寸法(D)”とする。測定試料には,一例として仕様ウォール幅
150 μm,トレンチ幅100 μm及び深さ70 μmのトレンチ構造を採用する。試料断面の寸法(D)をFE-SEM
の測長機能を用いて直接測定する。測定はA.2.1.3の手順に従って実施した。
なお,不確かさ解析のため,同一試料内の計測対象箇所に対して,推奨繰返し測定回数(B.2参照)計
測し,データを収集する。ここでは,10回計測した。
B.3.2B.3.7で記述する不確かさ解析に用いる,仕様ウォール幅150 μm,トレンチ幅100 μm及び深さ
70 μmのトレンチ構造のトレンチ深さ(D)の測定データを表B.1に示す。
表B.1−トレンチ深さの測定例
単位 μm
測定回数 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
トレンチ深さD 68.5 68.0 68.0 68.5 68.0 68.0 68.0 68.5 68.0 68.0

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B.3.2 不確かさ要因
試料測定における不確かさ要因の解析は,特性要因図などを利用してなるべく詳細に検討する。この事
例では,次の三つの不確かさ要因について検討した。
a) 測定の繰返しu(s) : 同一試料を推奨繰返し測定回数だけ計測したデータから求めた実験標準偏差
b) 測定器の分解能u(R) : 測定に用いたFE-SEMの最小分解能(400倍での値)
c) 測定器の校正の不確かさu(C) : 標準器の校正の不確かさに相当するFE-SEMの校正不確かさ
B.3.3 標準不確かさの評価タイプA
同一試料の繰り返し計測結果を用いて,実験標準偏差を求めた。最良推定値は68.2 μm(68.15 μm),実
験標準偏差は0.2 μm(0.242 μm),及び平均の実験標準偏差は0.08 μm(0.076 μm)であった。よって,u(s)
=0.08 μmと見積もられる。
B.3.4 標準不確かさの評価タイプB
u(R) 及びu(C) を次のように見積もった。
a) (R) は,測定に用いたFE-SEMの最小分解能が倍率400倍で0.1 μmであるので,±0.05 μmのく(矩)
形分布と見積もった。く(矩)形分布に対する除数は3が用いられるので,u(R)=0.03 μmと見積も
られる。
b) (C) は,FE-SEMの校正証明書に記載される不確かさは,正規分布における0.05 μmの値を用いた。
正規分布に対する除数は2が用いられるので,u(C)=0.025 μmと見積もられる。
B.3.5 合成標準不確かさ
標準不確かさ成分u(s),u(R) 及びu(C) から合成標準不確かさucは,0.09 μm(0.089 μm)と求められる。
B.3.6 拡張不確かさ
包含係数を2として,拡張不確かさUは0.18(0.178)μmと求められる。
以上から,測定結果は68.2 μm±0.18 μm(k=2)となる。
B.3.7 不確かさの見積表
不確かさの見積表を表B.2に示す。
表B.2−計測の不確かさの見積表
記号 不確かさ要因(Type) 値 確率分布 除数 標準不確かさ 感度係数 標準不確かさ成分
μm μm μm
u(s) 測定の繰返し(A) 0.08 正規分布 1 0.08 1 0.08
u(R) 測定器の分解能(B) 0.05 く(矩)形分布 3 0.03 1 0.03
u(C) 測定器の校正(B) 0.05 正規分布 2 0.025 1 0.025
uc 合成標準不確かさ 0.09
U 拡張不確かさ 0.18(k=2)

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参考文献
[1] JIS Z 8317-1 製図−寸法及び公差の記入方法−第1部 : 一般原則
注記 対応国際規格 : ISO 129-1,Technical drawings−Indication of dimensions and tolerances−Part 1:
General principles
[2] ISO/IEC Guide 98-3:2008,Uncertainty of measurement−Part 3: Guide to the expression of uncertainty in
measurement (GUM: 1995)
[3] JIS B 0651 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状 : 輪郭曲線方式−触針式表面粗さ測定機の特性
注記 対応国際規格 : ISO 3274:1996,Geometrical Product Specifications (GPS)−Surface texture: Profile
method−Nominal characteristics of contact (stylus) nstruments

JIS C 5630-26:2017の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 62047-26:2016(IDT)

JIS C 5630-26:2017の国際規格 ICS 分類一覧