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C 5750-2 : 2010
A2
P3
C2 Act1
P2
D2 Plan1
Che
Do1
ck
1
図JA.2−PDCAサイクルのスパイラルアップによるディペンダビリティ マネジメントの質の向上
JA.2.2 ディペンダビリティ プログラム マネジメント
ディペンダビリティ プログラムを基にDRを有効に運用・実施するためには,対象製品及び業務形態に
よる区分,ディペンダビリティ プログラムのマネジメントとレビュー活動との関係,並びに製品ライフサ
イクルの段階及びレビューの方法を明確にし,これらを組み合わせて効率的に行う必要がある。
a) 対象製品及び業務形態による区分
対象製品及び業務形態によって,ディペンダビリティ マネジメントシステム及びレビューの方法が異な
るため,その特徴を区分して運用することが望ましい。
例えば,大形の受注システム,業務管理システムなどを中核企業を中心に,又は原形若しくはアイデア
が既にあるコンシューマ商品などを,大量生産を目的とし,一つの企業を中核にその他協力会社によって
行う,キャッチアップ形・階層形産業組織による製品開発がある。
また一方,近年の短納期開発・コストダウン対応としてのコンカレントエンジニアリング,外部委託,
又はアライアンス施策を中核としたスペシャリスト的技術協力で情報に価値を創造する,異業種企業協調
形・ネットワーク組織による製品開発がある。
このように,対象製品及び業種形態も多種多様であり,製品開発の特徴に応じた適切なDRの実施が重
要であり,また,時代要請の変化対応などが不十分でDRの実施が陳腐化及び形骸化し,運用面での対応
が必要ともなる。対象製品及び業務形態による区分例を,表JA.1に示す。
表JA.1−対象製品及び業務形態による区分例
アウトプット
製品のタイプ
ビジネス向け コンシューマ向け
大形・受注システム, テレビ,デジタルカメラ
自社製品
管理システムなど など
パーソナルコンピュータ,
オープン製品 WEBサービスなど
CDプレーヤなど
b) ディペンダビリティ プログラムのマネジメントとレビュー活動との関係
ディペンダビリティ プログラムを基に実施するレビューには,目的によってチームレビュー,プロジェ
クトレビュー及びステータスレビューの三つの方法がある。また,運用面からは,大きく分けて,DR(主
として文書及び技術的なレビュー)及びプログラム マネジメント レビュー(主としてプロジェクトなど
のマイルストーンとして行われるステータスレビュー)の二つの活動方法がある。これらの関係を,図JA.3
に示す。
――――― [JIS C 5750-2 pdf 51] ―――――
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レビューの流れ 時間
チームレビュー プロジェクトステータス
レビュー レビュー
チーム1
チーム2 承認
チーム3
DR プログラム マネジメント レビュー
図JA.3−ディペンダビリティ プログラムにおける各種レビューの関係
DRとプログラム マネジメント レビューとの運用上の境界は,表JA.1に示す対象製品及び業務形態に
よって多種多様であり,必ずしも明確ではない。図JA.3では,代表的な例として,プロジェクトレビュー
の中間点とした。
ディペンダビリティ プログラムを基にレビュー実施の構築及び見直しをするときは,図JA.3を参考に
することが望ましい。特に対象製品及び業務形態に適合した,三つの実施方法及び二つの運用面からの活
動方法の選択は,各種レビューの効率化を促進し,陳腐化及び形骸化の防止にも役立つ。
JA.3 効果的なDRの構築
製品ライフサイクルの各段階の流れに沿った,DRの具体的な展開事例としての構成概念図を,図JA.4
に示す。
DRへの出席者
図JA.4−製品ライフサイクルの各段階におけるDR展開の構成概念図
――――― [JIS C 5750-2 pdf 52] ―――――
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JA.3.1 ディペンダビリティ マネジメント
図JA.4の下部に示すディペンダビリティ マネジメントの表は,横軸に附属書Bの“製品ライフサイク
ルの各段階”を,縦軸に製品ライフサイクルの各段階で展開するPDCAサイクルを配している。これは,
これら両軸をマトリックスに,ディペンダビリティ マネジメントに必要なタスクアイテム及びレビューア
イテムを準備及び整理する。
タスクアイテムの検討には,附属書A及び附属書Cの“ディペンダビリティ プログラム要素及びタス
ク”並びにIEC 61160の附属書Dの“DR会議トピックス例”などが参考になる。
また,レビューアイテムは,タスクアイテムを具体的にレビューするもので,その検討には,タスクア
イテムのレビューアイテムへのブレークダウン展開が必要となる。この展開には,附属書E及びIEC 61160
の附属書Fに示す“DRチェックリスト質問例”などが参考になる。
製品ライフサイクルの各段階でのタスクアイテム展開例を,表JA.2に示す。
表JA.2−製品ライフサイクルの各段階でのタスクアイテム展開例
1 構想及び定義段階
1.1 Plan活動 a) 製品開発戦略の計画 b) ディペンダビリティ計画書の適用 c) 資源の運用管理
1.2 Do活動 a) ディペンダビリティ プログラムのテイラーリング
1.3 Check活動 a) 計画を立てるためのアセスメント
1.4 Act活動 a) フィードバック及びフィードフォアード
2 設計及び開発段階
2.1 Plan活動 a) ディペンダビリティ計画 b) 製品性能のパラメータ c) 必す(須)の管理プロセス
2.2 Do活動 a) 製品設計仕様書 b) 適切な設計及び解析ツール c) ライフサイクル コスト分析
2.3 Check活動 a) 戦略及び試験計画の,検証及び妥当性確認 b) 製品設計仕様書のレビュー
2.4 Act活動 a) 製造工程への適切な設計転移
3 製造段階
3.1 Plan活動 a) 新製品導入計画 b) 外部委託 c) 製品製造計画及び製造仕様書(生産への準備)
3.2 Do活動 a) 製品試験結果及び受入れの傾向 b) 信頼性ストレススクリーニング
3.3 Check活動 a) 製品試験結果及び受入れの傾向の確認 b) 信頼性ストレススクリーニングの確認
3.4 Act活動 a) 迅速なディペンダビリティ問題の不適合追跡 b) 該当段階への情報のフィードバック
4 据付け段階
4.1 Plan活動 a) 運用及び保全プロセス b) 製品導入計画及び委任プロセス
4.2 Do活動 a) 補給プロセス b) 保全支援計画
4.3 Check活動 a) 保全支援計画の確認
4.4 Act活動 a) 該当段階への情報のフィードバック b) 未処置なディペンダビリティ問題の追跡
5 運用及び保全段階
5.1 Plan活動 a) 製品サポート手順及びトレーニングプロセス b) 補給支援プロセス
5.2 Do活動 a) 補給支援の実行 b) 製品フィールド故障 c) フィールド事故報告システム d) 信頼性成長監視
プログラム
5.3 Check活動 a) フィールド事故報告システム及び信頼性成長監視プログラム b) 製品フィールド故障診断
5.4 Act活動 a) 該当段階への情報のフィードバック b) 迅速なディペンダビリティ問題の不適合追跡 c) 顧客
不満及びフィードバック情報
6 廃却段階
6.1 Plan活動 a) 廃却,リサイクル及びリユース計画 b) 製品の適切な廃却,リサイクル及びリユースのプロセ
ス並びにシステムの確立
6.2 Do活動 a) 製品の適切な廃却,リサイクル及びリユースの,考慮及び実施
6.3 Check活動 a) 製品の適切な廃却,リサイクル及びリユースの確認 b) 所有コスト分析の確認
6.4 Act活動 a) 製品の適切な廃却,リサイクル及びリユースの是正 b) 所有コスト分析の是正
――――― [JIS C 5750-2 pdf 53] ―――――
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JA.3.2 DR実施のための文書化
DRを着実に実施するために,表JA.3に示す項目について文書化することが望ましい。
表JA.3−DRを着実に実施するための文書化項目
1 計画及びスケジューリング
1.1 序文 1.3 スケジュール
1.2 調整
2 通知及び議題
3 入力データ
4 レビュー会議の指揮
4.1 オリエンテーション 4.6 アクションアイテム
4.2 一般規則 4.7 勧告
4.3 導入コメント 4.8 却下したアクションアイテム及び勧告
4.4 プレゼンテーション 4.9 記録
4.5 分析 4.10 編集
5 文書化
5.1 一般 5.3 アクションアイテム報告
5.2 詳細な経営監査プログラム及びDR報告 5.4 経営監査プログラム及びDR経緯評価データ
6 フォローアップ
JA.3.3 DRへの出席者
図JA.4の右上部に示すDRへの出席者について,チームメンバー及び責任担当事項と製品ライフサイク
ルの各段階との関係例を,表JA.4に示す。
表JA.4−チームメンバー及び責任担当事項と製品ライフサイクルの各段階との関係
製品ライフサイクルの段階
チームメンバー
責任担当事項 構想及 設計及 運用及
関係者 製造 据付け 廃却
び定義 び開発 び保全
委員長 会議の召集及び運営並びに
○ ○ ○ ○ ○ ○
中間及び最終報告
幹事 データ及び文書の,収集及び
配付,報告書の準備並びに委 ○ ○ ○ ○ ○ ○
員長の補佐
該当製品の設計 設計根拠並びに試験及び計
担当者 算から得たデータに基づく ○ ○ ○ ○ ○ ○
設計結論の提出
レビューに直接 すべての顧客要求を満たす
関係しない設計 適切な設計かどうかの建設 ○ ○ ○ ○ ○ ○
技術者 的なレビュー
信頼性技術者 要求を満たす最適な信頼性
○ ○ ○ ○ ○ ○
の設計の評価及び検証
保全性及び保全 据付け,保全及び運用を考慮
○ ○ ○ ○ ○ ○
支援技術者 した設計であることの確保
品質技術者 検査,管理及び試験が効果的
に実施できることを保証す ○ ○ ○ ○ ○ ○
る品質計画の提供
――――― [JIS C 5750-2 pdf 54] ―――――
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C 5750-2 : 2010
表JA.4−チームメンバー及び責任担当事項と製品ライフサイクルの各段階との関係(続き)
製品ライフサイクルの段階
チームメンバー
責任担当事項 構想及 設計及 運用及
関係者 製造 据付け 廃却
び定義 び開発 び保全
環境影響担当者 製造活動並びに製品の使用
○ ○ ○ ○ ○ ○
及び廃却の影響の評定
製品安全技術者 法規,警告,データ収集,是
正処置及び試験結果に関係 ○ ○ ○ ○ ○ ○
のある事項の確認
ヒューマンファ 人間の能力及び限界に基づ
クタ担当者 いた設計が便利で実用的で ○ ○ ○ ○ ○ ○
あることの評定
法務担当者 契約条件,設計妥協点の法的
な影響,並びに使用中止及び ○ ○ ○ ○ ○ ○
廃棄になる問題の評定
製造技術者 最小コストで納期どおりに
生産できる設計であること ○ ○ ○ ○ − −
の確保
調達担当者(供 コスト及び納期要求を満た
給担当者,随意)
すアイテム,部品及び材料の ○ ○ ○ ○ ○ −
確認
材料技術者 選択した材料が要求どおり
○ ○ ○ ○ ○ −
の機能を果たすことの確保
工作機械技術者 要求を満たす工作費内で要
求を満たす許容差及び機能
− ○ ○ ○ ○ −
をもつ製品が製造可能であ
ることの評定
こん(梱)包及 製品が損傷などを受けるこ
び出荷担当者 となく取り扱われることの − ○ ○ ○ ○ ○
確認
マーケット及び 顧客の要求が現実的である
販売担当者 こと及びすべての委員がよ ○ ○ ○ ○ ○ ○
く理解していることの確認
顧客(随意) 設計を承認するかどうかに
ついての意見及び特別なア
○ ○ ○ ○ ○ ○
イテムについて更に調査す
ることの要求
注記 “○”は該当,“−”は非該当を表す。
――――― [JIS C 5750-2 pdf 55] ―――――
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JIS C 5750-2:2010の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60300-2:2004(MOD)
JIS C 5750-2:2010の国際規格 ICS 分類一覧
- 03 : サービス.経営組織,管理及び品質.行政.運輸.社会学. > 03.120 : 品質 > 03.120.01 : 品質一般
JIS C 5750-2:2010の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC5750-1:2010
- ディペンダビリティ マネジメント―第1部:ディペンダビリティ マネジメントシステム
- JISQ9000:2015
- 品質マネジメントシステム―基本及び用語
- JISX0134:1999
- システム及びソフトウェアに課せられたリスク抑制の完全性水準
- JISZ8115:2019
- ディペンダビリティ(総合信頼性)用語