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C 5750-2 : 2010
を用いて,製品の開発又はプロジェクトの各段階を記載している。利用者の様々なニーズに合わせて段階
的に実施する適切なディペンダビリティ プログラムタスクを選定するために,テイラーリングプロセスを
用いることが望ましい。
この規格は,個別の製品のニーズを満たすための,ディペンダビリティ プログラムの詳細な計画及び実
施に適用可能である。テイラーリングプロセスとは,製品又はプロジェクトの観点から,ディペンダビリ
ティ プログラム要素及び関連プロセスを選択する方法である。この規格は,ライフサイクルのすべての段
階において,いかなる契約状況であっても,種類,規模及び提供する製品にかかわらず,すべての組織に
適用可能である。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 60300-2:2004,Dependability management−Part 2: Guidelines for dependability management
(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 5750-1 ディペンダビリティ マネジメント−第1部 : ディペンダビリティ マネジメントシステ
ム
注記 対応国際規格 : IEC 60300-1:2003,Dependability management−Part 1: Dependability management
systems (IDT)
JIS Q 9000 品質マネジメントシステム−基本及び用語
注記 対応国際規格 : ISO 9000:2005,Quality management systems−Fundamentals and vocabulary (IDT)
JIS X 0134 システム及びソフトウェアに課せられたリスク抑制の完全性水準
注記 対応国際規格 : ISO/IEC 15026:1998,Information technology−System and software integrity levels
(IDT)
JIS Z 8115 ディペンダビリティ(信頼性)用語
3 用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 8115,JIS C 5750-1及びJIS Q 9000によるほか,次によ
る。
注記 特定の用語はJIS Z 8115,JIS C 5750-1及びJIS Q 9000からの引用であり,この場合,定義の
後の括弧内に規格番号及び項目番号を示す。
3.1
ディペンダビリティ (dependability)
アベイラビリティ性能及びこれに影響を与える要因,すなわち,信頼性性能,保全性性能,保全支援能
力などを包括的に記述するための総称。
注記 ディペンダビリティは,非定量的用語として一般的記述に限り用いられる。
(JIS C 5750-1の3.1参照)
3.2
――――― [JIS C 5750-2 pdf 6] ―――――
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ディペンダビリティ マネジメント (dependability management)
ディペンダビリティに関して組織を指揮し,運営管理 (control) するための調整した活動。
注記 ディペンダビリティ マネジメントは,組織の包括的なマネジメントの一部である。
(JIS C 5750-1の3.2参照)
3.3
ディペンダビリティ マネジメントシステム (dependability management system)
ディペンダビリティに関して組織を指揮し,運営管理 (control) するためのマネジメントシステム。
注記1 組織のディペンダビリティ マネジメントシステムは,包括的なマネジメントシステムの一部
である。
注記2 ディペンダビリティを運営管理するために用いる組織の構造,責任,手順,プロセス及び資
源は,ディペンダビリティ プログラムの一部である。
(JIS C 5750-1の3.3参照)
3.4
ディペンダビリティ計画書 (dependability plan)
特定の製品,契約又はプロジェクトに関連する個別のディペンダビリティの実施事項,資源及び一連の
活動を記述する文書(JIS C 5750-1の3.4参照)。
3.5
ディペンダビリティ プログラム要素 (dependability programme element)
特定の対象分野に属するディペンダビリティ プログラムの一連のディペンダビリティ プログラムタス
ク。
3.6
ディペンダビリティ プログラムタスク (dependability programme task)
製品についての特定のディペンダビリティ側面に取り組む一連の活動。
3.7
製品 (product)
プロセスの結果。
注記1 次に示す四つの一般的な製品分類がある。
− サービス(例えば,輸送)
− ソフトウェア(例えば,コンピュータプログラム,辞書)
− ハードウェア(例えば,エンジン機械部品)
− 素材製品(例えば,潤滑剤)
多くの製品は,異なる一般的な製品分類に属する要素からなる。製品をサービス,ソフト
ウェア,ハードウェア又は素材製品のいずれで呼ぶかは,その製品の支配的な要素で決まる。
例えば,提供製品である“自動車”は,ハードウェア(例えば,タイヤ),素材製品(例えば,
燃料,冷却液),ソフトウェア(例えば,エンジン コントロール ソフトウェア,運転者用マ
ニュアル)及びサービス(例えば,セールスマンの操作説明)から成り立っている。
注記2 サービスは,供給者と顧客との間のインタフェースで実行する,少なくとも一つの活動の結
果であり,一般に無形である。サービスの提供には,例えば,次がある。
− 顧客支給の有形の製品(例えば,修理するべき自動車)に対して行う活動
− 顧客支給の無形の製品(例えば,納税申告に必要な収支情報)に対して行う活動
――――― [JIS C 5750-2 pdf 7] ―――――
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− 無形の製品の提供(例えば,知識伝達という意味での情報提供)
− 顧客のための雰囲気造り(例えば,ホテル及びレストラン内)
ソフトウェアは,情報で構成され,一般に無形であり,アプローチ,処理又は手順の形を
取り得る。ハードウェアは,一般に有形で,その量は数えることができる特性をもつ。素材
製品は,一般に有形で,その量は連続的な特性である。ハードウェア及び素材製品は,品物
と呼ぶことが多い。
(JIS Q 9000の3.4.2参照)
注記3 ディペンダビリティの概念において,製品には小規模なもの(例えば,デバイス,ソフトウ
ェアアルゴリズム)又は大規模なもの(例えば,輸送システム又はハードウェア,ソフトウ
ェア,人的要素,支援設備及び活動からなる統合ネットワーク)がある(JIS C 5750-1の3.5
参照)。
3.8
システム (system)
相互に関連する又は相互に作用する要素の集まり(JIS Q 9000の3.2.1参照)。
注記1 ディペンダビリティの概念において,システムには次の事項を含む。
− 意図する機能によって表現される明確な目的
− 運用に関する規定した条件
− 明確にした境界
注記2 システムの構造は,階層化してもよい。
(JIS C 5750-1の3.6参照)
3.9
信頼性(信頼性性能)[reliability (performance) ]
アイテムが与えられた条件の下で,与えられた期間,要求機能を遂行できる能力(JIS Z 8115のR3参
照)。
3.10
保全性(保全性性能)[maintainability (performance) ]
与えられた使用条件で,規定の手順及び資源を用いて保全が実行されるとき,アイテムが要求機能を実
行できる状態に保持されるか,又は修復される能力(JIS Z 8115のMM1参照)。
3.11
保全支援能力 (maintenance support performance)
与えられた保全方針及び与えられた条件の下で,保全を行う組織が保全に必要な資源を,要求に応じて
提供できる能力(JIS Z 8115のMM2参照)。
3.12
完全性水準 (integrity level)
システムリスクを受入れ可能な範囲内に維持するために必要なアイテムがもつ性能の値の範囲(値域)
を表す表示記号。
注記 緩和機能を実行するアイテムの場合には,その性能は,当該アイテムが緩和機能を実行する場
合に満たさなければならない信頼性となる。自己の機能不全が危険な兆候をもたらす可能性の
あるアイテムの場合には,その性質は,その機能不全の発生頻度の上限値となる。
(JIS X 0134の3.9を修正)
――――― [JIS C 5750-2 pdf 8] ―――――
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3.13
アイテム (item)
ディペンダビリティの対象となる,部品,構成品,デバイス,装置,機能ユニット,機器,サブシステ
ム,システムなどの総称又はいずれか。
注記 アイテムは,ハードウェア,ソフトウェア,又は両方から構成される。さらに,特別な場合に
は,人間も含む。
(JIS Z 8115のG1参照)
3.14
プロセス (process)
インプットをアウトプットに変換するために資源を利用する,相互に関連した一連の活動。
注記1 プロセスのインプットは,通常,他のプロセスからのアウトプットである。
注記2 組織内のプロセスは,価値を付加するために,通常,管理した条件の下で計画し,実行する。
注記3 結果として得られる製品の適合が,容易に又は経済的に検証できないプロセスは,“特殊工
程”(special process) と呼ばれることが多い。
(JIS Q 9000の3.4.1参照)
3.15
サプライチェーン (supply-chain)
共通の目的を達成するための,供給者,組織及び顧客の活動を連携させる,調整した一連のマネジメン
トプロセス。
3.16
マネジメント,運営管理,運用管理 (management)
組織を指揮し,管理するための調整した活動。
注記 用語“マネジメント”が人を指すことがある。すなわち,組織の指揮及び管理を行うための権
限及び責任をもつ個人又はグループを意味することがある。
(JIS Q 9000の3.2.6参照)
3.17
トップマネジメント (top management)
最高位で組織を指揮し,管理する個人又はグループ(JIS Q 9000の3.2.7参照)。
3.18
レビュー (review)
設定された目標を達成するための検討対象の適切性,妥当性及び有効性を判定するために行われる活動。
注記 レビューには,効率の判定を含むこともある。
例 マネジメントレビュー,設計・開発のレビュー,顧客要求事項のレビュー及び不適合のレビュー
(JIS Q 9000の3.8.7参照)
3.19
ライフサイクル (life cycle)
製品の構想から廃却までの期間(JIS C 5750-3-3の3.1参照)。
3.20
テイラーリング (tailoring)
要素の選択,及びパラメータの大小の調整によって,目的・対象の個性に合わせ適応させる行為。
――――― [JIS C 5750-2 pdf 9] ―――――
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4 ディペンダビリティ マネジメントシステム
ディペンダビリティ マネジメントシステムとは,組織の全体的なマネジメントシステムの一部である。
それは,ディペンダビリティ方針の戦略的方向性,ディペンダビリティ機能の管理,及びすべてのディペ
ンダビリティ活動を調整するために組織的な枠組みを決めるものである。早い段階でディペンダビリティ
計画書及び適切な資源を割り当てることに着目することは,期待するディペンダビリティ目標を達成する
ための取組みをテイラーリングするために必要である。製品のディペンダビリティを確実にするため,信
頼性及び保全性を製品設計に組み込み,製品実現のプロセスの様々な段階でその受入れを検証することが
不可欠である。使用可能な技術では,故障のないライフサイクルを実現できないため,製品の適用におい
てディペンダビリティを維持する適切な保全支援の取組みが必要である。
ディペンダビリティ マネジメントシステムは,顧客満足も含めて,組織のビジネスの目標を満たすため,
適切なディペンダビリティ プログラム(3.3の注記2参照)を実施するための製品ライフサイクルの枠組
みを規定することが望ましい。製品ライフサイクルとは,製品の構想から開発を経て,寿命又は使用終了
までの,始めと終わりとがつながったプロセスを意味する。ライフサイクルのプロセスは,ディペンダビ
リティ プログラム要素又はタスク(附属書A参照)を関連するグループに分けるための枠組みを規定す
る。
ディペンダビリティ マネジメントプロセスの段階は,最上位のディペンダビリティ マネジメント規格
JIS C 5750-1に記載しており,次のステップを含む。
− ディペンダビリティ目標の定義
− 必要なディペンダビリティ作業の範囲及び意味の分析
− ディペンダビリティ目標を達成するための戦略及び活動の計画
− 選択したディペンダビリティ タスクの実施
− 実施したディペンダビリティ タスクの結果の分析
− 更なる改善のためのディペンダビリティ成果の評価
ディペンダビリティ マネジメントプロセスの段階を,図1に示す。ディペンダビリティ マネジメント
のためのプロセス段階及び規格を,附属書Dに示す。
――――― [JIS C 5750-2 pdf 10] ―――――
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JIS C 5750-2:2010の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60300-2:2004(MOD)
JIS C 5750-2:2010の国際規格 ICS 分類一覧
- 03 : サービス.経営組織,管理及び品質.行政.運輸.社会学. > 03.120 : 品質 > 03.120.01 : 品質一般
JIS C 5750-2:2010の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC5750-1:2010
- ディペンダビリティ マネジメント―第1部:ディペンダビリティ マネジメントシステム
- JISQ9000:2015
- 品質マネジメントシステム―基本及び用語
- JISX0134:1999
- システム及びソフトウェアに課せられたリスク抑制の完全性水準
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- ディペンダビリティ(総合信頼性)用語