JIS C 5750-2:2010 ディペンダビリティ マネジメント―第2部:ディペンダビリティ マネジメントのための指針 | ページ 7

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継続的教育コースで産学で協業するだけではなく,正規の教育及び実地訓練を奨励すること並びに社内教
育制度及び研修制度を導入することで達成できる。
力量の強化とは,ディペンダビリティ知識の導入における短期間の技術的な向上と考えることが望まし
い。これは,技術的な会合及び適切なディペンダビリティのテーマの専門セミナーに個人が積極的に参加
すること,ネットワークを利用したディペンダビリティの問題解決を目的としたグループ討議並びに産業
におけるディペンダビリティの適用経験を得るためのクロス ファンクショナル チームによって達成でき
る。ただし,そのような開かれた討議では,組織の知的財産権及び非開示の規程に従うことが望ましい。
A.6.4 タスク32 : マネジメントシステムの改善
ディペンダビリティ マネジメントシステムの有効性を,定期的に評価することが望ましい。これによっ
て,改善プロセスの開始が許可できる。ディペンダビリティ マネジメントシステムの改善においては,次
の活動を考慮することが望ましい。
− トップマネジメントは,創造性,効率性,権利拡大,達成可能なビジネスの結果,及びディペンダビ
リティ改善プロセスの促進するために作業環境を作り,かつ,インフラストラクチャーを奨励する。
− ディペンダビリティは,しばしば市場及び革新的技術によって促進する。組織及びそこで働く人々は,
生涯学習プロセスを継続的に発展させ,そのディペンダビリティの力量及び知識ベースを強化する。
− トップマネジメントは,競争力のための達成可能な目標,ベンチマークの性能及びディペンダビリテ
ィ活動の開発を設定する。
− ディペンダビリティの改善及びコスト削減問題に関する新しい考えを,組織及びそこで働く人々の間
に伝達し,共有する。
− 改善結果の達成を奨励するため,認定及び報酬プログラムを確立する。
− ディペンダビリティの改善の取組みの利点を正当化し,その取組みを実行するために,適切な性能の
記録を情報源として維持する。

――――― [JIS C 5750-2 pdf 31] ―――――

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附属書B
(参考)
製品ライフサイクルの各段階
B.1 構想及び定義段階
製品ライフサイクルにおける構想及び定義段階とは,製品のニーズを確立し,目標を定める段階である。
この段階では,製品のディペンダビリティ及びそのライフサイクル コストの見積りを固める。この段階で
の決定事項は,製品の性能機能及び所有コストに,最も大きな影響を及ぼす。
次の段階以降の指針となるディペンダビリティ計画書を確立することが望ましい。構想及び定義段階で
適用するディペンダビリティ プログラムタスクは,意図した製品の目標を達成すること及びディペンダビ
リティにかかわる性能機能の持続に不可欠な支援を決定することを重視する。代替方法の開発及び評価を,
構想及び定義段階で考慮することが望ましい。
B.2 設計及び開発段階
製品ライフサイクルにおける設計及び開発段階とは,システムの構成,ハードウェア及び/又はソフト
ウェアを作成する段階である。この段階に続くハードウェア製造,組立て,ソフトウェアのコーディング
及び複製並びにシステム統合を促進するために,適切な製品情報を獲得し,文書化する。
設計及び開発段階で適用するディペンダビリティ プログラムタスクは,ディペンダビリティ設計仕様書
の妥当性,設計リリース前の設計検証及び妥当性確認の完全性並びに製品運用,保全支援及び廃却につい
ての保全支援戦略の適用可能性を確実にする。ISO 10007によるコンフィグレーション管理を,製品の明
確化,トレーサビリティ及び管理のために開始することが望ましい。適切な場合には,設計変更について,
ディペンダビリティ及び性能の劣化に対する潜在的な影響を評価することが望ましい。システム統合のた
めに顧客が提供した製品は,プロジェクトの調整のために明確に識別することが望ましい。
B.3 製造段階
製品ライフサイクルにおける製造段階とは,製品の生産,ソフトウェアの複製及びシステムの構成品を
組み立てる段階である。
製造段階で適用するディペンダビリティ プログラムタスクは,一貫した品質のアウトプットを得るため
に確立したプロセスに適合すること並びに試験結果の検証及び妥当性確認によって規定した性能目標に適
合することを,重視することが望ましい。必要かつ適切であれば,初期のフィールド返品削減につながる
製品受入れ時の歩留まり傾向を確立するために,試験歩留まりデータを監視するための管理プロセスを開
始することが望ましい。潜在的な不具合を取り除くために,必要,かつ,実行可能であれば,信頼性スト
レススクリーニングを採用してもよい。不適合案件にかかわるディペンダビリティ上の着目点として,製
品又はプロセスの改善のための根本的原因の問題に対処するのがよい。
B.4 据付け段階
製品ライフサイクルにおける据付け段階とは,製品を適用及び運用するために,使用する場所に設置す
る段階である。その活動は,システムの据付け,保全支援機能の統合並びにフィールドでの試行運用のた
めのハードウェア及びソフトウェアを組み込んだ新製品導入を含む。統合システム又は最終製品は,運用

――――― [JIS C 5750-2 pdf 32] ―――――

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のための最終受入れに先立ち,実際の運用環境において性能を実証しておく。
B.5 運用及び保全段階
製品ライフサイクルにおける運用及び保全段階とは,製品をその意図した目的で使用する段階である。
適用できる場合には,その継続的な運用のために製品を保全する。製品の有用寿命は,保全支援のコスト
の増加,技術の陳腐化又は復旧できないほどの損害などの要因によって,運用が経済的でなくなったとき
に終了する。
運用及び保全段階で適用するディペンダビリティ プログラムタスクは,製品の性能の監視を確実にする
ことが望ましい。つまり,性能の結果を収集し,予防処置及び是正処置を保全支援の取組みにおいて促進
することである。製品の性能の目標達成を援助するために,適用できる場合にはデータ収集,故障の報告
及び分析,保全支援並びに統合した補給支援プロセスを効果的に用いる。
B.6 廃却段階
製品ライフサイクルにおける廃却段階とは,製品の使用終了,設置場所からの撤去,分解,破壊,リサ
イクル又は適切な場合には保管する段階である。
廃却段階で適用するディペンダビリティ プログラムタスクは,適用できる場合には,分解した材料のリ
サイクル及び再使用(リユース)並びに寿命終了製品の破壊及び廃棄の手段に関する規制及び環境の要求
事項に従うことが望ましい。“引取り”及び“払戻し”の問題についての契約上の合意事項は,法律上の義
務だけでなく,廃却段階についても考慮することが望ましい。

――――― [JIS C 5750-2 pdf 33] ―――――

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附属書C
(参考)
製品ライフサイクルの各段階と
適用可能なディペンダビリティ要素及びタスクとの関係
製品ライフサイクルの各段階と適用可能なディペンダビリティ要素及びタスクとの関係を,表C.1に示
す。
表C.1−製品ライフサイクルの各段階と適用可能なディペンダビリティ要素及びタスクとの関係
製品ライフサイクルの段階
ディペンダビリティ要素及びタスク 構想及 設計及 運用及
製造 据付け 廃却
び定義 び開発 び保全
要素1 : マネジメント
タスク1 : ディペンダビリティ計画書 ○ ○ ○ ○ ○ ○
タスク2 : ディペンダビリティ仕様書 − ○ ○ ○ − −
タスク3 : プロセス管理 − ○ ○ ○ ○ −
タスク4 : 設計管理 − ○ ○ ○ − −
タスク5 : 監視及びレビュー − ○ ○ ○ ○ ○
タスク6 : サプライチェーンマネジメント − − ○ ○ ○ ○
タスク7 : 製品の導入 − − − ○ ○ −
要素2 : ディペンダビリティ規範
タスク8 : 信頼性技術 ○ ○ ○ − − −
タスク9 : 保全性技術 ○ ○ ○ − − −
タスク10 : 保全支援技術 − ○ ○ ○ ○ −
タスク11 : 標準化 − ○ ○ ○ ○ −
タスク12 : ヒューマンファクタ ○ ○ ○ ○ ○ ○
要素3 : 解析,評価及びアセスメント
タスク13 : 適用環境の解析 ○ ○ ○ − − −
タスク14 : 信頼性のモデル化及びシミュレーション ○ ○ ○ − − −
タスク15 : 部品の評価及び管理 − ○ ○ − − −
タスク16 : 設計解析及び製品評価 − ○ ○ − − −
タスク17 : 原因・結果の影響及びリスク解析 − ○ ○ ○ ○ ○
タスク18 : 予測 ○ ○ ○ − − −
タスク19 : トレードオフ解析 ○ ○ ○ − − −
タスク20 : ライフサイクル コスティング ○ ○ ○ ○ ○ ○
タスク21 : 信頼性成長 − − − ○ ○ −

――――― [JIS C 5750-2 pdf 34] ―――――

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表C.1−製品ライフサイクルの各段階と適用可能なディペンダビリティ要素及びタスクとの関係(続き)
製品ライフサイクルの段階
ディペンダビリティ要素及びタスク 構想及 設計及 運用及
製造 据付け 廃却
び定義 び開発 び保全
要素4 : 検証及び妥当性確認
タスク22 : 検証及び妥当性確認の戦略 − ○ ○ ○ − −
タスク23 : ディペンダビリティの実証 − − − ○ ○ −
タスク24 : 信頼性ストレススクリーニング − − ○ − − −
要素5 : 知識ベース
タスク25 : 知識ベースの確立 − ○ ○ ○ ○ ○
タスク26 : データ分析 − ○ ○ ○ ○ ○
タスク27 : データ収集及び普及 − ○ ○ ○ ○ ○
タスク28 : ディペンダビリティの記録 − ○ ○ ○ ○ ○
要素6 : 改善
タスク29 : 予防処置及び是正処置 − ○ ○ ○ ○ −
タスク30 : アップグレード及び部分変更 − − − ○ ○ −
タスク31 : 力量の開発及び強化 ○ ○ ○ ○ ○ −
タスク32 : マネジメントシステムの改善 ○ ○ ○ ○ ○ −
注記 “○”は該当,“−”は非該当を表す。

――――― [JIS C 5750-2 pdf 35] ―――――

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JIS C 5750-2:2010の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60300-2:2004(MOD)

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