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C 5750-3-3 : 2008 (IEC 60300-3-3 : 2004)
a) 繰返し性のないもの
1) 生産性工学(IE: Industrial Engineering)及び運用分析
2) 設備の構築
3) 生産に必要な専用工具及び試験装置
4) 特殊な支援及び試験機器
5) 初期の予備品及び補修用具
6) 初期トレーニング
7) 文書
8) ソフトウェア
9) 型式承認試験(認定試験)
b) 繰返し性のあるもの
1) 生産管理及び生産技術
2) 設備の保全
3) 製作(人件費,材料,その他)
4) 品質管理及び検査
5) 組立,据付け及び点検
6) 包装,保管,出荷及び輸送
7) 継続的教育訓練
A.2.4 運用及び保全
運用,保全,並びに製品及び支援機器の供給支援のコストは,システム又は製品の期待される耐用期間
をとおして必要となる。これらのコストは,一般的に次を含む。
a) 運用に関するコスト
− 繰返し性のないコスト。例えば,職員の初期教育訓練,文書,初期の予備品,機器,設備,及び特
殊工具のコスト
− 繰返し性のあるコスト。例えば,人件費,消耗品,電力,継続教育訓練,及び改良のためのコスト
b) 予防保全に関するコスト
− 繰返し性のないコスト。例えば,試験装置及び工具の取得,初期の予備品及び消耗品,職員の初期
教育訓練,初期の文書並びに施設のコスト。
− 繰返し性のあるコスト。例えば,人件費,予備品,消耗品,継続的教育訓練及び文書のコスト。
− 有寿命部品の交換(繰返し性のある場合,又は繰返し性のない場合がある。)。
c) 事後保全に関するコスト
− 繰返し性のないコスト。例えば,試験装置,工具,初期の予備品,職員の初期教育訓練,初期の文
書,及び設備のコスト。
− 繰返し性のあるコスト。例えば,人件費,予備品,消耗品,継続的教育訓練及び文書のコスト。
− 生産性又は生産能力の低下に起因する間接的な損失コスト。賠償及び利益の逸失を含む。
長期のライフサイクルにわたることによって相当な量となる可能性のある間接コストもここに含める。
A.2.5 廃却
この段階には,古い型の製品の解体及び廃却にかかるコストがある。化学産業及び原子力産業のような
公益的事業の中には,製品の廃却が重大なコスト要因になる場合がある。国によっては,環境に関する法
律制定で,自動車及び電気製品のリサイクルを義務付けている。製品の廃却コストは,典型的には次のも
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のを含む。
a) システムの操業停止
b) 閉鎖
c) 解体及び撤去
d) リサイクル又は安全な廃却
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附属書B
(参考)
LCC計算及び経済的要因
序文
この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
B.1 機会原価,割引,インフレーション及び税金
B.1.1 一般
割引,増加,機会原価,インフレーション,税金,及び為替レートがもたらす影響については,4.5.3を
参照。この附属書では,前記で述べた要因及び他の要因の中で,更に,それらの要因を考慮に入れるため
に用いられる可能性がある方法について,より詳細に記述する。
B.1.2 機会原価
製品を改善するために,ライフサイクルの初期に追加の資源を提供することがしばしばある。したがっ
て,改善された信頼性及びその必然の便益を達成するために,プロジェクトのライフサイクルの初期段階
で,試作品及び実験設備のような拡大した資源を提供することは必要である。しかし,これらの資源は,
少なくとも理論上は,投資効果による利益を得るために投資資金を認識することが,重要である。信頼性
の改善のために投資したことによって,利益を得る機会が失われる。
失われた利益は,機会原価として知られている。改善された信頼性又は他の同様の改良の利点を考慮す
る場合,ライフサイクル コスト分析は,失われた機会原価を考慮すべきである。
B.1.3 インフレーション
正確にインフレーションの発生を予測することは困難であるので,ライフサイクル コスト分析において,
不変の価格を設定することは一般的である。ライフサイクルの短いプロジェクトの場合には,時々,分析
に含めるインフレーション率を予想するか又は確定することが可能である。
インフレーションによって影響を受けるすべてのコスト要素及びそれらの依存性が,すべて完全に割り
当てられ,それらが一度だけ(二重計算がない)割当てされることを確実にすることは,重要である。
B.1.4 税金
税金及び補助金(交付金及び税金支出額を含む。)は,相対的な価格に影響を与える可能性がある。これ
らを含んでいる市場価格は,機会原価及び利益を正確に反映していない。ライフサイクル コスト分析では,
材料の選択によって税金の負担額に差が生じる場合,税金のために市場価格の調整を行うことは,適切で
ある。これは,個別的な判断によるものである。しかし,社内調達又はリースか購入かといったような異
なった契約上の取決めから生じる税金の負担額に付随する代替案間での差額を調整することは,重要であ
るかもしれない。
大多数の間接税は,除外することが望ましい。特に付加価値のようなタイプの税は,それらを含めるこ
とが分析に適切であるかどうか決定するために検討し,原価計算から除外する必要がある。
このような調整は,収入のような直接税及び法人税のために行わない方がよい。さらに,輸入税率又は
財産税(固定資産税)のためにも,直接税,輸入税及び為替は,他のコストと同様に扱われ,通常の方法
で含める必要がある。
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B.1.5 為替レート
為替レートとは,ある通貨が他の通貨と交換される価格である。この交換割合は,市場の適切な通貨を
需給条件に依存して変動する。製品又はサービスが売買される場合,異なる国々,そして異なる通貨の中
で,為替レートを考慮する必要がある。為替レートの変動についてリスクが内在している場合には,契約
の期間を定める場合がある。
B.2 財務評価技法の適用
B.2.1 一般
ある種の財務評価技法は,ライフサイクル コスティングに有効に適用される。そのため,それらの概念
は,適用される前に十分に理解されることが重要である。
B.2.2 割引現金収入価値法(DCF法)
キャッシュ フローを割り引くことは,通常,基本的に投資の評価方法に関するあらゆる現代的な技法に
適用されている基本的な原則である。割引現金収入価値(DCF)を分析する目的は,それぞれの代替案で異
なる将来のコスト発生の流れについての正味現在価値を決定することである。
B.2.3 内部利益率(IRR)
内部利益率は,将来の投資が実行可能性があるものかどうかを決定するために,投資の評価に用いられ
る可能性がある。計算された内部利益率(IRR)が投資家の要求している利益率(資本コスト)よりも大きい
場合は,そのとき,その投資機会は有利なものであると考えられる。
その投資における利益率が,正味現在価値がゼロになる場合に基づいて計算されている場合には,IRR
はDCF分析の特別なケースになる。これは,一致すべき又は超過すべき最低限の利益率を満たしながら,
割り引かれた将来のキャッシュ イン フロー及びアウト フローが釣り合っているところ(キャッシュ イ
ンフローとアウトフローとの差額がゼロ)の損益分岐点のケースを意味している。例えば,ある企業が新
しいプロジェクトに対して,そのプロジェクトに投資する価値があると判断するために12 %の利益率が
必要だと判断している場合には,計算されたIRRは最低限12 %より大きくなければならない。
B.2.4 有形固定資産の減価償却及び無形資産の償却
企業は,実際には有形固定資産及び無形資産の償却及び固定資産の償却に対して全く現金支出を伴わな
いので,これらは現金支出を伴わない費用として知られている。それらは,企業の営業キャッシュフロー
分析の感度を不明りょう(瞭)にしてしまう傾向があるので,LCCの目的上はそれらを無視することがた
いていの場合には賢明である。
減価償却は,コンピュータ,工場,機械設備などの資産価値が次第に減っていくことを説明するために,
企業がそれらの資産に対する資本的支出に関連した税金上の恩恵を得ることを認めた税金上の目的のため
に行われる会計の慣行である。ある資産が帳簿上から消去される,又は廃却されたり,取り替えられたり
する前までを,減価償却期間とすることが一般的である。
無形資産の償却とは,営業権などのような無形資産の価値を帳簿上から一定額ずつ減少させていくため
の技法である。
なお,営業権とは,他の企業を買収したときに得られるものであり,一般に認められた会計原則(GAAP)
によれば,一定の期間にわたり償却することが要求されている。
B.2.5 費用便益分析
LCCにおける一連の代替案が与えられている場合に,特定の要求を満たしているかどうかについてそれ
ぞれの代替案の有効性を認識するためには,何らかの方法が使われなければならない。
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C 5750-3-3 : 2008 (IEC 60300-3-3 : 2004)
よく知られた用語としては,bang-per-buck要素がある。それは利用可能な代替案の中で,最もコスト対
有効性が優れている解決策を発見するトレード オフ分析の結果を表現している慣用句である。
どのくらいの要求がほかの,いっそうLCCが高くなる代替案と比較して犠牲にされているかということ
を考慮せずに,最もLCCが小さくなる代替案を受け入れることは,実際にはリスクである。
LCCのトレード オフ分析に利用される一般的な要素には,次のものがある。
− 運用アベイラビリティ
− 固有アベイラビリティ
− 予備品のコスト
− 人件費
− 任務成功確率
類似した評価基準に従って代替案の比較を行わないことによって,代替案を選択するときの優先順位が
著しく変動してしまう可能性がある。
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