この規格ページの目次
- 5 試験装置
- 5.1 一般
- 5.2 塩水噴霧槽
- 5.3 湿潤槽
- 5.4 標準大気条件の試験槽
- 5.5 乾燥槽
- 6 塩溶液
- 6.1 塩化ナトリウム溶液の作製
- 6.2 pH調整
- 6.3 ろ過
- 7 初期測定
- 8 前処理
- 9 試験
- 9.1 試験槽
- 9.2 供試品の準備
- 9.3 塩水噴霧の条件
- 9.4 試験方法
- 9.5 試験方法1から試験方法8までの試験サイクル
- 9.6 供試品の取外し
- 10 後処理(最終サイクル後)
- 11 最終測定
- 12 製品規格に規定すべき事項
- 13 報告書に規定すべき事項
- JIS C 60068-2-52:2020の引用国際規格 ISO 一覧
- JIS C 60068-2-52:2020の国際規格 ICS 分類一覧
- JIS C 60068-2-52:2020の関連規格と引用規格一覧
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C 60068-2-52 : 2020 (IEC 60068-2-52 : 2017)
湿潤条件では,供試品表面の塩水濃度が結露によって低下することなく,塩水噴霧が終了した状態の供
試品表面の湿り気を保持している。
4.1.5 標準大気状態
緩やかな乾燥及び最も厳しい腐食反応から解放される標準大気条件に,供試品を保持する。乾燥条件の
期間は,実際には,例えば週末のような試験中断期間にかかることがある。このような乾燥期間を含む場
合には,一定の湿潤条件の場合とは腐食メカニズムが大きく異なる可能性がある。試験スケジュールは,
9.4に示すスケジュールを考慮して決めなければならない。乾燥期間を追加することは(例えば,週末など),
避けなければならない。
5 試験装置
5.1 一般
それぞれの試験方法は,二つ以上の環境条件を含んでいる。これらの環境条件は,複数の試験槽又は複
数の環境条件に自動的に移行できる単一の試験槽を用いて実現できる。いずれの場合でも,環境条件の移
行はすぐには行うことができない。試験槽間の移動に伴う有害な影響を最小限にするようにしなければな
らない。
5.2 塩水噴霧槽
試験槽は,JIS Z 2371の箇条5(装置)の要求事項に適合しなければならない。温度は35 ℃±2 ℃に維
持する。
注記 塩水噴霧試験装置の一例を附属書Aに示す。
5.3 湿潤槽
試験槽は,JIS C 60068-2-78の要求事項に適合しなければならない。相対湿度は,40 ℃±2 ℃の温度で
(93±3)%に維持するか,又は50 ℃±2 ℃の温度で95 %以上を維持する。
5.4 標準大気条件の試験槽
試験槽は,JIS C 60068-1の要求事項に適合しなければならない。相対湿度は,23 ℃±2 ℃の温度で,
(50±5)%を維持する。
5.5 乾燥槽
試験槽では,60 ℃±2 ℃の温度で,相対湿度30 %以下を維持する。
6 塩溶液
6.1 塩化ナトリウム溶液の作製
溶液は,JIS Z 2371の4.1(試験用の塩溶液の調製)の要求事項に適合しなければならない。
注記 噴霧する塩化ナトリウム溶液濃度は,50 g/L±5 g/L である。
6.2 pH調整
6.2.1 中性塩溶液
pH調整は,JIS Z 2371の4.2(試験用の塩溶液のpHの調整)の中性塩溶液試験の要求事項に適合しな
ければならない。
6.2.2 酸性塩溶液
5 %中性塩化ナトリウム溶液10 Lに,硝酸12 mL(HNO3, ρ=1.42 g/mL)及び硫酸17.3 mL(H2SO4, ρ=
1.84 g/mL)を加え,その後,十分な量の質量分率10 %の水酸化ナトリウム溶液(NaOH)を用いて溶液の
pHが3.5±0.1になるように調整する(300 mL程度が必要)。試験槽内で採取する噴霧溶液のpHは,25 ℃
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±2 ℃の温度で3.43.6の範囲になるようにする。
6.3 ろ過
噴霧装置を詰まらせる可能性がある固形物を取り除くために,必要がある場合,装置の貯水槽に入れる
前に溶液をろ過する。
7 初期測定
製品規格の規定に基づき,供試品の外観を目視によって調べ,必要がある場合,電気的測定及び機械的
点検を行う。
8 前処理
試験直前に適用する洗浄方法は,製品規格による。例えば,一時的な保護皮膜を除去する。
洗浄方法は,供試品に対する塩水噴霧の作用を阻害しないようにし,また,いかなる二次的腐食の発生
もないようにする。試験前の供試品表面には,できるだけ素手で触れないようにする。
9 試験
9.1 試験槽
後述の9.4の試験方法1及び試験方法2では,塩水噴霧槽及び湿潤槽を用いる。
試験方法3試験方法6では,塩水噴霧槽,湿潤槽及び標準大気条件の試験槽を用いる。
試験方法7及び試験方法8では,塩水噴霧槽,乾燥槽及び湿潤槽を用いる。
全ての試験方法は,必要な試験条件を満足する単一の試験槽で実施してもよい。複数の試験槽を用いる
場合には,供試品表面に付着した塩水の損失及び供試品を手動で移動させることで生じる供試品への損傷
を避けることが望ましい。試験方法7及び試験方法8では,供試品を手動である試験槽から別の試験槽に
移動しようとすると,乾燥及び再湿潤を素早く行うことが困難なので,複数の試験条件を同じ試験槽で実
現することが望ましい。
試験方法8では,専用の試験槽を用いることを推奨する。その理由は,試験方法8の後に試験方法1
試験方法7を行う場合,試験方法8で用いる酸性塩溶液の残留の影響が無視できないためである。
9.2 供試品の準備
供試品の準備は,JIS Z 2371の箇条7(試験片)の要求事項に適合しなければならない。
注記 JIS Z 2371の箇条7の点線の下線を施した参考事項は,この規格では参照しない。
9.3 塩水噴霧の条件
塩水噴霧の条件は,JIS Z 2371の箇条9(試験条件)の要求事項に適合しなければならない。
注記 JIS Z 2371の表2(試験条件)の中性塩水噴霧の試験条件を参照する。
9.4 試験方法
9.4.1 一般
製品規格には,9.4.29.4.9に示す八つの試験方法のうち,いずれの試験方法を適用するかを明記しなけ
ればならない。それぞれの試験方法の詳細を附属書Bに示す。規定しない場合には,試験方法について当
事者間で合意しなければならない。
この規格の使用者は,各試験条件の間に腐食減量を把握していることが望ましい。
9.4.2 試験方法1
1サイクルは7日間とする。塩水噴霧を温度35 ℃±2 ℃で2時間,及び温度40 ℃±2 ℃,相対湿度(93
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±3)%の湿潤条件で6日と22時間を1サイクルとする。サイクル数は,4サイクル(28日間)とする。
手動で供試品を移動させる場合,移動時間(最大2時間)は,6日と22時間の湿潤条件の中に含める必
要がある。
9.4.3 試験方法2
1サイクルは1日間とする。塩水噴霧を温度35 ℃±2 ℃で2時間,及び温度40 ℃±2 ℃,相対湿度(93
±3)%の湿潤条件で22時間を1サイクルとする。サイクル数は,3サイクル(3日間)とする。
手動で供試品を移動させる場合,移動時間(最大2時間)は,22時間の湿潤条件の中に含める必要があ
る。
9.4.4 試験方法3
1サイクルは7日間とする。塩水噴霧を温度35 ℃±2 ℃で2時間,及び温度40 ℃±2 ℃,相対湿度(93
±3)%の湿潤条件で22時間の試験を4回繰り返す。その後,供試品を標準大気条件[温度23 ℃±2 ℃,
相対湿度(50±5)%]に3日間保持し,これを1サイクルとする。サイクル数は,1サイクル(7日間)
とする。
手動で供試品を移動させる場合,移動時間(最大2時間)は,22時間の湿潤条件及び3日間の標準大気
状態の中に含める必要がある。
9.4.5 試験方法4
試験方法3のサイクル数を2サイクル(14日間)行う。
9.4.6 試験方法5
試験方法3のサイクル数を4サイクル(28日間)行う。
9.4.7 試験方法6
試験方法3のサイクル数を8サイクル(56日間)行う。
9.4.8 試験方法7
1サイクルは8時間とする。塩水噴霧を温度35 ℃±2 ℃で2時間,温度60 ℃±2 ℃,相対湿度30 %
以下の乾燥条件で4時間,温度50 ℃±2 ℃,相対湿度95 %以上の湿潤条件で2時間を1サイクルとする。
温湿度条件の移行時間(条件を変更した後に,規定する温湿度条件に達する時間)は,次に示す項目か
ら選択し,報告書に記載する。
− 塩水噴霧から乾燥条件 : 30分間以内,又は30分から60分までの間1)
− 乾燥条件から湿潤条件 : 15分間以内,又は15分から30分までの間1)
− 湿潤条件から塩水噴霧 : 30分間以内
これらの移行時間は,次の条件が終わるまでの期間に含めなければならない(例えば,塩水噴霧から乾
燥条件の移行時間は,乾燥条件の期間に含む。)。供試品への塩溶液の噴霧は,塩水噴霧を開始すると同時
に始まる。
推奨するサイクル数は,3サイクル(1日間),6サイクル(2日間),12サイクル(4日間),30サイク
ル(10日間),45サイクル(15日間),60サイクル(20日間),90サイクル(30日間),150サイクル(50
日間)及び180サイクル(60日間)とする。
注1) 長時間の移行時間は,他の塩水噴霧サイクル試験のJIS(例えば,JIS H 8502)には記載されて
いない。
9.4.9 試験方法8
1サイクルは8時間とする。試験方法7に規定した方法のうち,中性塩溶液の代わりに酸性塩溶液を用
いる。
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C 60068-2-52 : 2020 (IEC 60068-2-52 : 2017)
推奨するサイクル数は,試験方法7と同様とする。
9.5 試験方法1から試験方法8までの試験サイクル
試験方法1から試験方法8までの試験サイクルを表1に示す。
表1−試験方法1から試験方法8までの試験サイクル
試験方法 サイクルの詳細 推奨サイクル数
塩水噴霧 湿潤条件
35 ℃±2 ℃ 40 ℃±2 ℃
(93±3)% RH
6日と22時間 4サイクル
試験方法1
(28日間)
1サイクル=7日間
手動で供試品を移動させる場合,移動時間(最大2時間)は,6日と22時間
の湿潤条件の中に含める必要がある。
塩水噴霧 湿潤条件
35 ℃±2 ℃ 40 ℃±2 ℃
2時間 (93±3)% RH
22時間 3サイクル
試験方法2
1サイクル=1日間 (3日間)
手動で供試品を移動させる場合,移動時間(最大2時間)は,22時間の湿潤
条件の中に含める必要がある。
塩水噴霧 湿潤条件 標準大気状態 1サイクル
試験方法3
35 ℃±2 ℃ 40 ℃±2 ℃ 23 ℃±2 ℃ (7日間)
2時間 (93±3)% RH (50±5)% RH
22時間 3日間 2サイクル
試験方法4
4回繰り返し (14日間)
4サイクル
試験方法5 1サイクル=7日間
(28日間)
8サイクル
手動で供試品を移動させる場合,移動時間(最大2時間)は,22時間の湿潤
試験方法6
条件及び3日間の標準大気状態の中に含める必要がある。 (56日間)
塩水噴霧 乾燥条件 湿潤条件
35 ℃±2 ℃ 60 ℃±2 ℃ 50 ℃±2 ℃
試験方法7 2時間 ≦ 30 % RH ≧ 95 % RH
4時間 2時間
3, 6, 12, 30, 45,
60, 90, 150, 180
1サイクル=8時間
サイクル
(1, 2, 4, 10, 15, 20,
温湿度条件の移行時間(条件を変更した後に,規定する温湿度条件に達する
30, 50, 60 日間)
時間)は,塩水噴霧から乾燥条件では30分間以内,又は30分から60分まで
試験方法8
の間a),乾燥条件から湿潤条件では15分間以内,又は15分から30分までの
間a),湿潤条件から塩水噴霧では30分間以内とする。これらの移行時間は,
次の条件が終わるまでの期間に含めなければならない。
注記 温度及び相対湿度の許容差とは,槽内が平衡状態の間,運転で調節する設定値とセンサの指示値との正負の
偏差で定義した許容できる変動のことである。これは,設定した値に対して実際の値が正負に振れることに
よって,設定値を変えてもよいことを意味するものではない。
注a) 長時間の移行時間は,他の塩水噴霧サイクル試験のJIS(例えば,JIS H 8502)には記載されていない。
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C 60068-2-52 : 2020 (IEC 60068-2-52 : 2017)
9.6 供試品の取外し
試験は,単一の試験槽で行うことを推奨する(図A.1を参照)。複数の試験槽を用いる場合には,供試品
表面に付着した塩水の減少及び供試品を手動で移動させることで生じる供試品への損傷を避けることが望
ましい。
10 後処理(最終サイクル後)
供試品を水洗するかどうかは,製品規格による。供試品を洗浄する場合,水道水で5分間水洗後に蒸留
水又は脱イオン水で仕上げ洗浄し,手で供試品を振って水切り又は空気の吹付けで水滴を飛ばす。その後,
温度55 ℃±2 ℃で1時間乾燥させ,JIS C 60068-1の4.4.2(管理下にある後処理条件)の条件で1時間以
上2時間以内で冷却する。
必要がある場合には,製品規格に供試品を水洗及び乾燥するための他の方法を記載する。供試品は,管
理された後処理条件で1時間以上2時間以内で冷却する。水洗に用いる水は,温度が35 ℃を超えてはな
らない。
11 最終測定
製品規格の規定によって,供試品の外観,寸法測定,電気的測定及び機械的点検を行う。
製品規格には,供試品の合否判定の基準を記載する。
12 製品規格に規定すべき事項
製品規格にこの試験を規定する場合,適用可能な範囲で次の詳細項目を規定する。“*”の付いた事項に
は特に注意し,必ず記載する。
a) 塩溶液,6.1と異なる場合(箇条6を参照)
b) 初期測定*(箇条7を参照)
c) 前処理(箇条8を参照)
d) 適用した試験方法*(箇条9を参照)
e) 後処理条件(箇条10を参照)
f) 最終測定*(箇条11を参照)
13 報告書に規定すべき事項
次の項目は,できる限り試験報告書に記載する。
a) 試験規格(JIS C 60068-2-52:2020)
b) 試験日(試験開始日)
c) 試験方法(試験方法1試験方法8のうちの一つ)
d) 前処理
e) 初期測定の方法及び結果
f) 試験条件及び期間
g) 試験期間中の動作及び負荷状態
h) 後処理条件及び期間
i) 最終測定の方法及び結果(箇条11を参照)
j) この規格から外れた点
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- IEC 60068-2-52:2017(IDT)
JIS C 60068-2-52:2020の国際規格 ICS 分類一覧
JIS C 60068-2-52:2020の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC60068-1:2016
- 環境試験方法―電気・電子―第1部:通則及び指針
- JISC60068-2-78:2015
- 環境試験方法―電気・電子―第2-78部:高温高湿(定常)試験方法(試験記号:Cab)
- JISZ2371:2015
- 塩水噴霧試験方法