JIS C 60068-2-64:2011 環境試験方法―電気・電子―第2-64部:広帯域ランダム振動試験方法及び指針(試験記号:Fh) | ページ 3

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C 60068-2-64 : 2011 (IEC 60068-2-64 : 2008)
注記 大きな構造物又は広い振動数範囲(例えば,20 Hz2 000 Hz)で試験する場合に,多点制御が
必要になる場合がある。

4.3 横運動

  製品規格で規定している場合,横運動を観測する。横運動は,試験前に製品規格で規定するレベルの正
弦波振動若しくはランダム波振動で調査する,又は直交する2軸にモニタチャンネルを追加して試験中に
監視する。
規定の軸に直交する2軸の監視点では,500 Hzを超える各振動数の加速度スペクトル密度が基本運動の
規定値を超えてはならない。また500 Hz以下では規定値の−3 dB以下とする。規定の軸に直交する各軸
のrms値は,規定した軸に対するrms値の50 %以下とする。例えば,小形の供試品のような場合,製品規
格で,横運動の許容値を,基本運動の−3 dB以下に制限してもよい。
大形の若しくは質量の大きな供試品又は特定の振動数において,これらの値を実現することが困難な場
合がある。また,製品規格に,広いダイナミックレンジをもつ厳しさを要求する場合にも,同じように困
難な場合がある。そのような場合,次の要求事項のいずれかを製品規格に規定する。
a) 上記の値を超える横運動は,全て試験報告書に記載する。
b) 供試品に危害がないことが分かっている横運動なので観測をしない。

4.4 取付け

  供試品は,JIS C 60068-2-47に従って取り付ける。ただし,通常,防振装置とともに使用する供試品を,
防振装置のない状態で試験する場合は,そのことを考慮して,加振レベルを修正することが望ましい。こ
の場合,JIS C 60068-2-6の図A.1(防振装置の一般化した伝達率)から該当する伝達率曲線を選択して,
規定の加速度スペクトル密度に,この曲線から得た値の二乗値を乗じて修正を行う。

4.5 測定系

  測定系は,基準点の試験軸方向で測定した振動レベルが,試験で要求する許容差内であることを判断で
きる特性とする。
センサ,シグナルコンディショナ及びデータ収集・処理装置を含む計測系全体の振動数応答は,測定の
精度に重大な影響を与える。測定系の振動数範囲は,有効振動数範囲より広くする(図1参照)。測定系
の振動数応答は,この振動数範囲において,±5 %以内で平たん(坦)とする。測定系の特性がこの範囲
を逸脱する場合,試験報告書にそのことを記載する。

――――― [JIS C 60068-2-64 pdf 11] ―――――

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dB
+3 dB
加速度スペクトル密度
−3 dB
最終傾斜
−24 dB/oct
初期傾斜 以下
+6 dB/oct
以上
0.5f1f1 fa fb f2 2f2
振動数 Hz(対数目盛)
図1−加速度スペクトル密度の許容差範囲

4.6 振動の許容差

4.6.1  加速度スペクトル密度及びrms値
基準点の規定の軸方向での,図1に示すf1とf2との間の表示加速度スペクトル密度は,計器誤差及び偶
然誤差を含んで規定値の加速度スペクトル密度の±3 dB以内とする。f1とf2との間で測定又は計算した加
速度rms値は,規定の加速度スペクトル密度に基づくrms値の±10 %以内とする。これらの値は,基準点
及び架空の基準点の両方に適用する。
ある振動数において,これらの値を実現することが困難な場合がある。また,大形の供試品又は質量の
大きな供試品の場合にも,これらの値を実現することが困難なことがある。このようなとき,製品規格に,
より広い許容差を規定する。
初期傾斜は+6 dB/oct以上,最終傾斜は−24 dB/oct以下とする(B.2.3参照)。
4.6.2 分布
基準点の加速度瞬時値は,図2に示すように,ほぼ正規(ガウス)分布でなければならない。このこと
は,通常の装置校正の場合に確認する(B.2.2参照)。
駆動信号クリッピングは,2.5以上とする。製品規格に特に規定がない限り,基準点における加速度波形
の波高率を調べて,信号が規定のrms値の3倍以上の値を含むことを確認する。
架空の基準点を制御に使用する場合,波高率の要求事項は,制御加速度スペクトル密度の計算に用いる
全ての監視点に適用する。
確率密度関数は,試験中の2分間,基準点について計算する。許容できる正規分布からの逸脱を,製品
規格に規定する。

――――― [JIS C 60068-2-64 pdf 12] ―――――

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加速度瞬時値 3
2
rms値
確率
時間 0
2
加速度瞬時値 3
図2−ランダム振動の時刻歴波形及び正規(ガウス)分布(波高率=3の場合)
4.6.3 統計的確度
統計的確度は,統計的自由度及び信頼水準から求める(図3参照)。統計的自由度は,式(1)によって求
める。
Nd 2Be Ta (1)
ここに, Nd : 統計的自由度
Be : 振動数分解能
Ta : 有効平均化時間
統計的自由度は,製品規格に特に規定がない限り,120以上とする。製品規格が信頼水準を規定する場
合には,図3を使用して統計的確度を計算するとよい。

――――― [JIS C 60068-2-64 pdf 13] ―――――

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dB %
5
300
4 250
99 % 信頼水準
3 200
95 %
2
150 90 %
1 50 %
的確度
統計
0 100
90 50 %
1 80
90 %
70
2
60 95 %
99 %
3 50
4 40
30 40 50 60 70 80 90 100 120 200 300 400 500
統計的自由度
図3−種々の信頼水準及び統計的自由度に対する加速度スペクトル密度の統計的確度
4.6.4 振動数分解能
真の加速度スペクトル密度と表示加速度スペクトル密度との差を最小にするために,必要な振動数分解
能は,式(2)によって求める。
e
B (2)
fhigh / n
ここに, Be : 振動数分解能(Hz)
fhigh : デジタル振動制御器が分析する最大の振動数(Hz)
n : 試験振動数範囲を超えてfhighまで均等に分散している振動数
ラインの本数
fhighは,最大振動数の2倍以上,すなわち,fhigh≧2f2であることが望ましい(図1参照)。
振動数ラインの本数nは,200以上とする。振動数分解能は,製品規格によって規定し,試験報告書に
も記載する[箇条11 j)参照]。
振動数分解能は,f1及び0.5f1の振動数を含むように規定する。また,初期傾斜の中で2本の振動数ライ
ンが存在するように規定する。その結果,異なる二つの振動数分解能を得た場合,小さい方の振動数分解
能を選択する。
注記 振動数分解能を小さくすると,スペクトルを細かく定義できるが,長い制御ループタイムを必
要とする。振動数分解能を規定する場合は,これらのバランスの検討が必要となる。

4.7 制御方法

4.7.1  1点制御及び多点制御
製品規格には,1点制御又は多点制御のどちらを使用するかを規定する。多点制御を使用する場合,監
視点の信号の平均値を規定値に制御するのか,又は選択した点(例 最大振幅をもつ点)の信号の値を規

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定値に制御するのかを,製品規格に規定する。さらに,多点制御の場合は,制御する加速度スペクトル密
度に大きな影響を与えた入力信号の有無を,試験報告書に追加するのが望ましい。
注記 1点制御が実施できない場合は,監視点における信号の平均値又は極値を用いた多点制御を使
用するのがよい。多点制御の場合の基準点は架空の基準点である。使用した制御方法は,試験
報告書に記載するのがよい。
多点制御では,次の方法を利用することができる。
4.7.1.1 平均値制御
この方法では,制御信号を各監視点からの信号によって計算する。監視点からの信号値を,振動数ごと
に算術平均をとり,制御加速度スペクトル密度とする。この算術平均をとった制御加速度スペクトル密度
が規定の値となるように制御する。
4.7.1.2 重み付き平均値制御
各振動数の制御加速度スペクトル密度は,複数の監視点からの加速度スペクトル密度に重みを付け,式
(3)によって求める。
w1 a1 w2 a2 wn an
ac (3)
w1 w2 wn
ここに, ac : 各振動数の制御加速度スペクトル密度
an : 各監視点の加速度スペクトル密度
wn : 各監視点の重み付け
n : 監視点の数
重み付き平均値制御では,各振動数の制御信号に対する,監視点ごとの影響度合いを変えることができ
る。
4.7.1.3 極値制御
極値制御では,制御加速度スペクトル密度を,各監視点で測定した各振動数ラインの信号値の最大値又
は最小値から求める。各振動数の制御加速度スペクトル密度は,各監視点からの信号値を包絡する関数,
又は信号値の下限値の関数として求める。
4.7.2 複数基準制御
製品規格で規定する場合は,異なる監視点又は測定点ごとに,複数の基準スペクトルを規定できる。さ
らに,力による制限を加えた振動試験のような,異なる制御量について複数基準スペクトルを定義しても
よい。
複数基準制御を指定する場合,次のどちらかによって制御方法を規定する。
− 制限法 : 全ての制御信号を該当する基準スペクトルより小さくする。
− 優先法 : 全ての制御信号を該当する基準スペクトルより大きくする。

4.8 振動応答検査

  振動応答検査は,振動試験結果の評価をするのに有効な方法である。振動応答検査の目的,効果及び方
法については,JIS C 60068-3-8を参照するとよい。振動応答検査に正弦波振動を使用する場合の要求事項
は,JIS C 60068-2-6に,ランダム振動を使用する場合の要求事項は,この規格による。
非線形な応答をもつ供試品を正弦波振動で検査する場合,固有振動数が掃引方向によって変化するので
注意する。ランダム振動の場合は,非線形性の影響が固有振動数の挙動として現れる。正弦波振動及びラ
ンダム振動いずれの場合も,共振振動数での増幅度合いは,入力する振動の大きさ及びQ値に依存する。
内容物が不明な供試品を振動応答検査する場合は,駆動力,速度など,異なる信号を計測するのがよい。

――――― [JIS C 60068-2-64 pdf 15] ―――――

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JIS C 60068-2-64:2011の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60068-2-64:2008(IDT)

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