JIS C 60364-1:2010 低圧電気設備―第1部:基本的原則,一般特性の評価及び用語の定義 | ページ 3

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C 60364-1 : 2010 (IEC 60364-1 : 2005)
b) 許容電圧降下
c) 地絡及び短絡電流によって受けるおそれのある,電磁力による機械的応力
d) 導体が受ける可能性のある,その他の機械的応力
e) 故障電流保護の機能を考慮した最大インピーダンス
f) 施設方法
注記 上記の項目は,基本的に電気設備の安全に関するものである。安全上要求される導体断面積よ
り大きくした場合は,運用上経済的に好ましくなる場合がある。

132.7 配線の種類及び施設方法

  配線の種類及び施設方法の選択については,次のことに注意しなければならない。
− 施設場所の性質
− 配線を支える建築物の壁,又はその他の部分の性質
− 人及び家畜の配線への接触の可能性
− 電圧
− 地絡及び短絡電流によって配線が受けるおそれのある,電磁力による機械的応力
− 電磁障害
− 電気設備の工事中又は使用中に,配線が受ける可能性のあるその他のストレス

132.8 保護装置

  保護装置の特性は,例えば,次のような影響に対する保護の機能を考慮して決定しなければならない。
− 過電流(過負荷,短絡)
− 地絡電流
− 過電圧
− 不足電圧及び無電圧
保護装置は,回路の特性及び想定される危険の可能性に対応する適正な電流,電圧及び時間の値で動作
しなければならない。

132.9 非常操作

  危険時に,電気の供給を即時に遮断する必要がある場所には,容易に認識でき,効果的,かつ,速やか
に操作できるように遮断装置を施設しなければならない。

132.10 断路装置

  操作,検査,故障調査,試験,保守及び修理が必要なときに,電気設備,回路又は個別機器を開閉及び
/又は断路できるように,断路装置を施設しなければならない。

132.11 相互の有害な影響の防止

  非電気設備との間で相互に悪影響を起こさないように,電気設備を配置しなければならない。

132.12 電気機器の接近可能性

  電気機器は必要がある場合に,次に示すように,余裕をもって配置しなければならない。
− 個々の電気機器の新設及びその後の交換のための十分な空間
− 操作,検査,故障調査,試験,保守及び修理のための接近可能性

132.13 電気設備に関する図書

  すべての電気設備は,適切な図書類を備えなければならない。

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C 60364-1 : 2010 (IEC 60364-1 : 2005)

133 電気機器の選定

133.1 一般事項

  電気設備に使用する個々の電気機器は,該当するJIS又はIEC規格に適合しなければならない。JIS又
はIEC規格が存在しない場合は,適切な国家規格に従わなければならない。妥当な規格がない場合は,設
計業者と施工業者間との合意によって当該機種を選定しなければならない。

133.2 特性

  電気機器は,電気設備の設計(箇条132参照)が基づいている値及び条件に適合するように選定し,か
つ,特に次の要求事項を満足しなければならない。
133.2.1 電圧
電気機器は,最大使用電圧(交流は実効値)だけでなく,発生するおそれがある過電圧に関しても適切
なものでなければならない。
注記 ある種の機器に対しては,発生するおそれがある最低電圧の考慮が必要な場合もある。
133.2.2 電流
電気機器は,通常の使用状態において流れる最大使用電流(交流は実効値)並びに異常時に流れるおそ
れがある電流及びその想定される継続時間(例えば,保護装置のある場合は,その動作時間)を考慮して
選定しなければならない。
133.2.3 周波数
電気機器の特性に周波数が影響を及ぼす場合は,機器の定格周波数を回路の周波数に一致させなければ
ならない。
133.2.4 負荷の特性
電力特性に基づいて選定したすべての電気機器は,設計運転条件を考慮し,機器に要求される責務に適
したものでなければならない。IEV 691-10-02参照。

133.3 施設の条件

  すべての電気機器は,その施設場所に特有の,並びに機器が受ける可能性のあるストレス及び環境条件
(132.5参照)に安全に耐えられるように選定しなければならない。ただし,機器がその施設場所に適合す
るように設計されていない場合は,完全な電気設備の一部として,適切な追加保護を行うことを条件とし
て使用してもよい。

133.4 有害な影響の防止

  電気機器は,開閉操作を含む通常の使用時に他の機器に有害な影響を与えないように,又は電気の供給
に悪い影響を及ぼさないように選定しなければならない。これに関連して影響する可能性がある要素は,
例えば,次のものがある。
− 力率
− 突入電流
− 不平衡負荷
− 高調波
− 設備中の機器によって誘起される過渡過電圧

134 電気設備の施工及び検証

134.1 施工

134.1.1  電気設備は,適任者及び適切な材料を用いて,施工しなければならない。電気機器は,機器の製

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造業者が示す説明書に従って施設しなければならない。
134.1.2 箇条133に従って選定した電気機器の特性を,施工中に損なってはならない。
134.1.3 電線の識別は,JIS C 0446に従って行わなければならない。端子の識別が必要な場合は,それら
の端子をJIS C 0445に従って表示しなければならない。
134.1.4 電線相互間及び電線と電気機器との接続は,安全性及び信頼性が確保できるような方法で行わな
ければならない。
134.1.5 電気機器は,設計された熱放散の条件を損なわない方法で施設しなければならない。
134.1.6 電気機器が高温になったり電気アークを発生するおそれがある場合には,可燃物が発火する危険
性を最小限にするように電気機器を配置又は防護しなければならない。電気機器の露出した部分の温度が,
人に傷害を及ぼすおそれのある場合は,その部分を偶発の接触を防ぐように配置又は防護しなければなら
ない。
134.1.7 安全目的のために必要な場合は,適切な警告標識及び/又は表示を備えなければならない。
134.1.8 新材料,発明又はこの規格群の規定に適合していない手段を使用することによって設備を施設す
る場合は,その設備の安全の度合いは,この規格群に従って施設したもの以上でなければならない。
134.1.9 既存設備を増設又は改修する場合,増設負荷を負担する既存機器の定格及び条件は,改修後の状
況に適したものでなければならない。
なお,増設又は改修の安全に関して適用する保護手段のために,接地及びボンディング設備が必要な場
合は,その保護手段の要求事項を満足するものでなければならない。

134.2 最初の検証

  電気設備は,この規格に従って適切な工事が行われたことを確認するために,使用前及び重大な改修後
に,検証しなければならない。

134.3 定期検証

  すべての電気設備について定期検証を行うことが望ましい。

20 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,IEC 60050-826による。附属書B参照。

30 一般特性の評価

  電気設備の次の特性は,各該当箇条に従って評価しなければならない。
− 設備の使用目的,その一般的構成及び電力供給(箇条31,箇条35及び箇条36)
− それがさらされる外的影響(箇条32)
− その機器の両立性(箇条33)
− その保全性(箇条34)
安全保護の方法の選択(JIS C 60364-4-41JIS C 60364-4-44参照)及び機器の選定及び施工(JIS C
60364-5-51JIS C 60364-5-55参照)のときには,上記の特性を考慮しなければならない。
注記 他の種類の設備,例えば,通信設備又は家庭用及びビル用電子設備 (HBES) に関しては,当該
設備の種類に関係するIEC規格を考慮する。
通信設備に関しては,ITU-T及びITU-R勧告も考慮することが望ましい。

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C 60364-1 : 2010 (IEC 60364-1 : 2005)

31 目的,電力供給及び構成

311 最大需要電力及び不等率

  熱及び電圧降下の限度内で,経済的及び信頼性のある設備の設計を行うために,最大需要電力の決定が
重要となる。一つの設備又はその一部分の最大需要電力を決定するとき,不等率を考慮してもよい。

312 導体の配列及び接地系統

  次の特性を評価しなければならない。
− 通常の運転条件での通電導体の配列
− 接地系統の種類

312.1 電流の種類に応じた通電導体

    注記 この箇条で規定する導体配列は,典型的な配列の事例であり,すべてではない。
この規格においては,通常運転状態での通電導体の次の配列を考慮している。
312.1.1 交流回路の通電導体(図1図5参照)
注* 導体の番号
図1−単相2線式
注記 位相角を考慮した場合の図である。
注* 導体の番号
図2−単相3線式
注記 位相角を考慮した場合の図である。
注* 導体の番号
図3−二相3線式

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図4−三相3線式
中性線又はPEN導体のある三相4線式。用語の定義から,PENは,充電用導体では
ないが,動作電流を流す導体とする。
注記1 三相4線式から取り出す単相2線式の場合には,2本の導体は,2本の線導体,
1本の線導体及び中性線,又は1本の線導体及びPEN導体のいずれかである。
注記2 すべての負荷を相間に接続する設備では,中性線を設ける必要はない。
図5−三相4線式
312.1.2 直流回路の通電導体(図6及び図7参照)
図6−2線式 図7−3線式
注記 PEL及びPEM導体は,それらに動作電流が流れても充電用導体ではない。したがって,呼称2
線式又は3線式を適用する。

312.2 接地系統の種類

  この規格においては,次の接地系統を取り扱う。
注記1 図31A1図31G2は,一般的に使用する三相系統の例を示す。図31H図31Mは,一般的
に使用する直流系統の例を示す。
注記2 実線がこの規格の範囲である部分を示すのに対して,点線はこの規格の適用範囲以外の系統
の部分を示す。
注記3 個別設備に関しては,電源及び/又は配電系統は,この規格が目的とする範囲にある設備の
一部と考えてよい。この場合,図はすべての部分を実線で示してよい。
注記4 ここで使用する文字記号の意味は,次による。
第1文字 電力系統と大地との関係
T : 1点を大地に直接接続する。
I : 全充電部を大地から絶縁するか,又は大きいインピーダンスを介して1点を大地に
接続する。

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JIS C 60364-1:2010の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60364-1:2005(IDT)

JIS C 60364-1:2010の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 60364-1:2010の関連規格と引用規格一覧