JIS C 60364-4-42:2022 低圧電気設備―第4-42部:安全保護―熱の影響に対する保護 | ページ 2

           4
C 60364-4-42 : 2022 (IEC 60364-4-42 : 2010+AMD1 : 2014)
421.3 恒久接続された機器から正常運転時にアーク又はスパークが発生するおそれのある場合,その機
器には次のいずれかの措置を施さなければならない。
· 耐アーク材料で機器全体を囲む。
· 耐アーク材料のスクリーンを設置することによって,機器とアークなどの放射が有害な影響を及ぼす
可能性のある隣接材料との間を遮蔽する。
· アークなどの放射が有害な影響を及ぼす可能性のある材料から十分な距離を保つことによって,放射
の影響を安全に消滅するように機器を据え付ける。
この保護手段に用いる耐アーク材料は,不燃性で,熱伝導率が小さく,かつ,適切な機械的強度をもつ
厚さのものでなければならない。
注記 例えば,厚さ20 mmのグラスファイバーシリコンのシートは,耐アーク材料であると考えてよい。
421.4 熱の集中を引き起こす固定された機器は,固定された物体又は建築部材が通常状態で危険な温度
にさらされないよう十分な距離を保たなければならない。危険な温度とは,例えば,固定された物体又は
建築部材の発火温度以上の温度である。
その固定機器の製造業者からの情報の全てを考慮するのがよい。
注記 (対応国際規格の注記の内容は規定であるため,点線の下線を施して本文に移動した。)
421.5 同一場所にある電気機器が相当量の可燃性液体をもつ場合は,液体,炎及び燃焼生成物の拡散を
防止するための適切な予防措置を講じなければならない。
注記1 この予防措置には,次の例がある。
· 液体が漏れた場合はためます(溜枡)に集めることで,火災時の消火を確実にする。
· 機器を適切な耐火性があり,液体が建築物の他の区域へ拡散するのを防止するための堤そ
の他の措置を講じた室に設置し,その室は外気だけの換気とする。
注記2 相当量の最低値は25 Lと,一般に認められている(数値は,対応国際規格の注記の記載であ
る。)。
注記3 25 L未満の場合は,液漏れ防止措置を行うことで十分である(数値は,対応国際規格の注記の
記載である。)。
注記4 液体の燃焼生成物には,炎,煙及びガスが考えられる。
注記5 火災が発生した場合,電源を切るのが望ましい。
421.6 電気機器の据付工事の施工中,電気機器の周囲に設置するエンクロージャの材料は,その機器に
よって発生するおそれのある最高温度に耐えるものでなければならない。
このエンクロージャの構成材としては,可燃性材料は不適切である。ただし,熱伝導率が小さい不燃性
又は難燃性材料で覆うなど発火に対して予防手段を施した場合は除く。
421.7 次の場所又は建物の分岐回路におけるアーク発生の影響に対して保護するために特別な手段を講
じることを推奨する。
− 宿泊施設のある構内
− 処理又は保管する材料の性質によって火災の危険がある場所,すなわち,条件BE2の場所 (例えば,
納屋,木工場,可燃性材料を扱う店)
− 可燃性の構造体材料がある場所,すなわち,条件CA2の場所(例えば,木造建築物)

――――― [JIS C 60364 pdf 6] ―――――

                                                                                             5
C 60364-4-42 : 2022 (IEC 60364-4-42 : 2010+AMD1 : 2014)
− 火災が延焼する構造物,すなわち,条件CB2の場所
− 貴重な物品が危険にさらされる場所
注記1 ISO 1182及びISO 1716に適合して,燃焼を持続させない物質は不燃物とみなされる。
注記2 条件BE2,条件CA2及び条件CB2は,JIS C 60364-5-51:2010の表51A“外的影響の特性”の記
号を示す。
交流回路において,IEC 62606に適合するアーク発生検出装置(AFDD)の使用は,上記の推奨事項を満
たす。
使用する場合は,AFDDを被保護回路の源点に設置しなければならない。
注記3 AFDDは,アーク発生を検知したときその回路を遮断することによってアーク発生の影響を軽
減することを意図した機器である(附属書B参照)。
AFDDの使用によって,この規格の他の箇条における保護手段の適用を省略してはならない。
注記4 AFDDの使用を法的要求事項とするか又は推奨事項とするかは,その国の当局によって決定さ
れることがある。

422 特別な火災の危険がある場所の予防措置

422.1 一般事項

422.1.1 422.3.5に従った配線設備を除き,火災の危険がある場所での電気機器の使用の必要性を制限し
なければならない。
422.1.2 通常の使用での温度及び故障時の予見可能な温度上昇が火災を引き起こすことがないように電
気機器を選定し,施工しなければならない。
これらの措置は,機器の構造及び設置の条件によって影響を受けることがある。
表面の温度が近くの物質の発火を引き起こす可能性がない場合は,特別な対策を必要としない。
422.1.3 温度過昇防止装置は,手動復帰だけとしなければならない。

422.2 非常時の避難条件

  条件BD2 : 居住密度が低く,避難が困難
条件BD3 : 居住密度が高く,避難が容易
条件BD4 : 居住密度が高く,避難が困難
(JIS C 60364-5-51:2010の表51Aによる。)
注記 条件BDの適用は,建築物の建設,公共での集会,防火などについて責任のある当局が指定する
ことがある。
422.2.1 条件BD2,条件BD3及び条件BD4では,避難経路内に配線設備があってはならない。ただし,
配線設備における配線を,ケーブル配線方式自体又は他の方法によって被覆するか又はエンクロージャに
収めた場合は,この限りでない。

――――― [JIS C 60364 pdf 7] ―――――

           6
C 60364-4-42 : 2022 (IEC 60364-4-42 : 2010+AMD1 : 2014)
避難経路内の配線設備は,アームズリーチ内にあってはならない。ただし,それらの配線を避難の間中,
機械的損傷を受けるおそれがないように保護している場合は,この限りでない。避難経路内の配線設備は,
できるだけ短くしなければならず,かつ,難燃性のものでなければならない。
注記1 次の製品を使用することで,この要求事項に適合する場合がある。
− JIS C 3665-1-2の火災条件下での試験を満たすケーブル及びIEC 60332-3-21,IEC 60332-3-
22,IEC 60332-3-23,IEC 60332-3-24及びIEC 60332-3-25の適切な火災条件を満たすケー
ブル
− JIS C 8461-1に従った非延焼性等級の電線管システム
− JIS C 8471-1に従った非延焼性等級のケーブルトランキングシステム
− IEC 61537に従った不燃性等級のケーブルトレーシステム及びケーブルラダーシステム
− 電源用ライティングダクトに関しては,JIS C 8473及びIEC 61534規格群
条件BD2,条件BD3及び条件BD4において,安全設備用回路に電源供給する配線設備は,建築材料に
関する規則によって定めた時間か,又はそのような基準がない場合は,1時間のいずれかの耐火性能をも
たなければならない。
注記2 火災条件下での安全設備用の配線設備の機能を維持するための要求事項については,IEC
60364-5-56を参照。
避難経路内の配線は,発煙の割合を制限したものでなければならない。
ケーブルの規格に定める詳細な要求事項がない場合は,IEC 61034-2に従って試験した全てのケーブル
に対して,60 %以上の光透過率の値の採用を推奨する。
注記3 (対応国際規格の注記の内容は規定であるため,点線の下線を施して本文に移動した。)
422.2.2 条件BD2,条件BD3及び条件BD4において,安全設備のうち,避難を容易にするための装置を
除いて,開閉装置及び制御装置は,管理責任者だけが接近できるようにしなければならない。
これらを通路に設置する場合,不燃材又は難燃材で作ったキャビネット又はボックス内に収めなければ
ならない。
注記 この箇条では,難燃性のプラスチック製エンクロージャを禁止してはいない。
422.2.3 条件BD3及び条件BD4並びに避難経路においては,可燃性液体をもつ電気機器を使用してはな
らない。
注記 機器に組み込んだ個々のコンデンサには,この規定を適用しない。この例外規定は,主として,
放電灯及びモータスタータのコンデンサを考慮している。

422.3 処理又は貯蔵物質の性質による火災の危険がある場所

  条件BE2 : 火災の危険性(JIS C 60364-5-51:2010の表51Aによる。)
注記1 可燃性材料の量又はその場所の表面積若しくは体積は,責任のある当局が指定することがある。
注記2 爆発の危険性に関しては,JIS C 60079-14参照。
422.3.1 照明器具は,可燃性材料から適切な離隔距離を保持しなければならない。製造業者から情報が提
供されていない場合は,スポットライト及びプロジェクタは,可燃性材料から次の最小離隔距離以上で設
置しなければならない。

――――― [JIS C 60364 pdf 8] ―――――

                                                                                             7
C 60364-4-42 : 2022 (IEC 60364-4-42 : 2010+AMD1 : 2014)
100 W以下 0.5 m
100 Wを超え300 W以下 0.8 m
300 Wを超え500 W以下 1.0 m
500 Wを超える より大きい離隔距離が必要となる。
製造業者の指定がない場合は,全ての方向に上記の距離を維持する。
注記1 (対応国際規格の注記の内容は規定であるため,点線の下線を施して本文に移動した。)
照明器具のランプ及び他の部品は,予見可能な機械的応力に対して保護しなければならない。そのよう
な保護手段は,ランプホルダに固定してはならない。ただし,それらが照明器具の不可欠な部品である場
合は,この限りでない。照明器具の改造はしてはならない。
故障時に可燃性物質を放出する可能性のあるランプを備えた照明器具は,製造業者の指示に従ってラン
プに対する安全保護遮蔽を取り付けなければならない。
注記2 通常の可燃性材料表面への直接設置に適した照明器具は,以前はJIS C 8105-1:2005に従った記
号 F で表示していた。しかし,JIS C 8105-1:2010の改正に伴い,直接設置に適した照明器具
は,特別な表示はせず,通常の可燃性材料の表面上に設置するのに不適切な照明器具だけを記
号 及び/又は で表示される(詳細は,JIS C 8105-1:2010のN.4参照)。
422.3.2 ヒータ,抵抗器などの電気機器のエンクロージャが,次の温度を超えることを防ぐ手段を講じな
ければならない。
· 通常状態で90 ℃
· 故障状態で115 ℃
火災の危険を引き起こすのに十分なじんあい又は繊維のような物質が電気機器のエンクロージャにた
(溜)まるおそれがある場合は,上記の温度を超えないような適切な処置をエンクロージャに施さなけれ
ばならない。
注記 JIS C 8105-2-24に適合した D 表示のある照明器具は,表面温度を制限するように設計されて
いる。
422.3.3 保護,制御及び断路のための開閉装置は,条件BE2以外の場所に置かなければならない。ただ
し,422.3.11を適用する場合を除き,IP4X以上の保護等級,じんあいのある場所ではIP5X以上の保護等
級又は導電性のじんあいがある場所ではIP6X以上の保護等級の適切なエンクロージャ内に設置する場合
は,この限りでない。
422.3.4 配線及び配線設備が不燃材の中に埋め込まれる場合を除き,非延焼性配線設備だけを使用しなけ
ればならない。
機器は,少なくとも,次の要求事項に従って選定しなければならない。
− ケーブルは,JIS C 3665規格群に規定する燃焼試験に合格しなければならない。
− 電線管システムは,JIS C 8461規格群で規定する耐延焼性試験に合格しなければならない。
− ケーブルトランキングシステム及びケーブルダクトシステムは,IEC 61084規格群に規定する耐延焼
性試験に合格しなければならない。
− ケーブルトレーシステム及びケーブルラダーシステムは,IEC 61537に規定する耐延焼性試験に合格
しなければならない。

――――― [JIS C 60364 pdf 9] ―――――

           8
C 60364-4-42 : 2022 (IEC 60364-4-42 : 2010+AMD1 : 2014)
− ライティングダクト方式は,JIS C 8473及びIEC 61534規格群に規定する耐延焼性試験に合格しなけ
ればならない。
延焼の危険性が高い場所,例えば,結束したケーブルの長い垂直敷設では,そのケーブルは,IEC 60332-
3規格群に示す延焼特性に適合することが望ましい。
注記1 (対応国際規格の注記の内容は規定であるため,点線の下線を施して本文に移動した。)
注記2 ケーブル配線方式に対する延焼性試験は,常に垂直敷設の状態で行われる。
422.3.5 条件BE2の場所を通過するが,そこでは使用されない配線設備は,次の条件を満足しなければ
ならない。
· 配線設備は,422.3.4の要求事項に適合しなければならない。
· これらの場所内の経路で接続してはならない。ただし,接続が,耐火性のエンクロージャ内で行われ
る場合は,この限りでない。
· 422.3.10の規定に従って過電流保護を行う。
· 裸導体を使用してはならない。
422.3.6 強制通気暖房設備において,空気の取込みは,可燃性のじんあいが予想される場所以外でなけれ
ばならない。
排気温度は,排気口で火災が起きない温度でなければならない。
422.3.7 自動若しくは遠隔操作,又は連続監視しない電動機は,温度に反応する装置によって過度の温度
上昇から保護しなければならない。ただし,本質的に熱を制限するように特別に設計したものについては,
この限りでない。
422.3.8 全ての照明器具は,次の要求事項に適合しなければならない。
· その場所に適している。
· IP4X以上,又はじんあいがある場合はIP5X,若しくは導電性のじんあいがある場合はIP6Xの保護等
級の適切なエンクロージャを提供する。
· 表面温度は,JIS C 8105-2-24に適合する。
· ランプが照明器具から落下しない構造である。
じんあい又は繊維による火災の危険がありそうな場所では,じんあい又は繊維が危険となるほどた(溜)
まらないように照明器具を設置しなければならない。
注記 照明器具は,JIS C 8105規格群に関連した規格にも要求事項がある。JIS C 60364-5-55の箇条559
(照明器具及び照明設備)参照。
422.3.9 分岐回路及び電気使用機器は,絶縁劣化に対して次のように保護しなければならない。
a) TN及びTT系統では,定格感度電流IΔnが300 mA以下の漏電遮断器を使用しなければならない。加
熱フィルム素子をもつ高架暖房のような絶縁劣化が火災を引き起こすおそれがある場合は,定格感度
電流IΔnは,30 mA以下でなければならない。
b) IT系統では,音響及び視覚信号の両方を備えた設備全体を監視する絶縁監視装置又は分岐回路中に漏
電監視装置を備えなければならない。a)に規定する定格感度電流の漏電遮断器を代替として使用して
もよい。故障中に次の故障が発生する第2故障の場合は,遮断時間に関してJIS C 60364-4-41を参照。

――――― [JIS C 60364 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS C 60364-4-42:2022の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60364-4-42:2010(IDT)
  • IEC 60364-4-42:2010/AMENDMENT 1:2014(IDT)

JIS C 60364-4-42:2022の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 60364-4-42:2022の関連規格と引用規格一覧