JIS C 61000-3-2:2019 電磁両立性―第3-2部:限度値―高調波電流発生限度値(1相当たりの入力電流が20A以下の機器) | ページ 3

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高調波電流及び有効入力電力は同じ試験条件で測定するが,同時に測定する必要はない。
製造業者は,実測値の±10 %の値を指定してもよく,かつ,この値を用いて製造業者の適合性評価試験
の限度値を決めてもよい。この箇条で規定する電力測定値及び指定値を試験報告書に記録する。
この箇条で規定する要求事項に従って測定し,製造業者の適合性評価試験以外のエミッション試験中の
測定によって判明した電力値が,製造業者が試験報告書(6.3.3.5参照)に記録した電力値の90 %110 %
の場合には,指定した電力値を用いて限度値を確定する。測定値がこの許容幅を外れる場合には,測定し
た電力値を用いて限度値を確定する。
クラスCの機器については,製造業者が指定する基本波電流及び力率を用いて,限度値を算出する(3.6
参照)。電流の基本波成分及び力率は,クラスDの限度値を算出する場合における電力の測定及び規定と
同じ方法で製造業者が測定し,指定する。力率を得るために用いる値は,電流の基本波成分の値と同じDFT
タイムウィンドウから得られる。
6.3.3 一般要求事項
6.3.3.1 繰返し性
繰返し性(3.15参照)は,次の条件を満たす場合,観測期間全体を通して高調波電流の平均値が限度値
の±5 %の範囲内でなければならない。
・ 同一の供試機器(同形式の別の機器は不可)
・ 同一の試験システム
・ 同一の試験場所
・ 同等の試験条件
・ 気候条件が関係する場合は,同等の気候条件
この繰返し性の要求事項の目的は,必要な試験観測期間(6.3.4参照)を規定することであり,この規格
の要求事項に対する適合性評価のための合否基準を規定することではない。
6.3.3.2 再現性
異なる試験システムで同一の供試機器を用いた場合の測定の再現性(3.16参照)を,全ての供試機器,
高調波測定器及び試験器類の全ての組合せに対して算出することはできないが,±(1 %+10 mA)の範囲内
かどうかを評価することはできる。ただし,ここでいう1 %とは,全試験観測期間を通して測定した入力
電流実効値の平均値の1 %を意味する。したがって,この値よりも小さい結果の違いは無視できるが,こ
の値よりも大きくなることもある。
このような試験結果の疑義をなくすために,異なる場所又は状況で得られた全ての関連する限度値を満
足する試験結果は,繰返し性及び再現性の値よりも大きい場合でも,適合しているとみなす。
注記 同じ形式の異なる供試機器(故意に違いが出る機器は用いない。)を用いた場合の変化性(3.17
参照)は,実際の構成要素の許容差及びその他の影響,例えば,供試機器の特性と測定器又は
供給電源との相互作用によって増大することもある。これらによる影響については,規格で定
量化することはできない。同様の理由で,再現性についても同じである。この細分箇条の2段
落目の規定は,変化性についても適用されている。
変化性の限度値に関して規定することは,この規格の範囲外である。
6.3.3.3 始動及び停止
機器の一部を始動又は停止させる場合は,手動のときも自動のときも,その開閉事象に続く最初の10
秒間は,高調波電流及び電力は考慮しない。
供試機器は,その観測期間の10 %を超えて待機モード(3.14参照)にあってはならない。

――――― [JIS C 61000-3-2 pdf 11] ―――――

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6.3.3.4 限度値の適用
全試験観測期間にわたって得た個々の高調波電流の平均値は,適用限度値以下でなければならない。
さらに,各次高調波に対して,6.3.2で規定する全ての1.5秒平滑実効値高調波電流は,限度値の150 %
以下でなければならない。
試験条件で測定した入力電流値の0.6 %と5 mAとを比較し,大きい方の値未満の高調波電流は無視する。
なお,次のa)又はb)の条件を満たす場合は,これらの限度値を適用できる。
a) 次の条件を全て満たす場合は,1.5秒平滑実効値高調波電流は,限度値の200 %以下を適用する。
1) 供試機器がクラスAに属する。
2) 適用限度値の150 %を超える持続期間が,試験観測期間の10 %,又は合計で10分(試験観測期間
以内)のいずれか短い期間未満である。
3) 全試験観測期間にわたって得た高調波電流の平均値が,適用限度値の90 %未満である。
b) 次の条件を全て満たす場合,第21次以上の奇数次高調波に対して,6.3.2に従って1.5秒平滑実効値高
調波電流から算出する,全観測期間にわたった奇数次高調波ごとに得られる平均値は,限度値の150 %
以下を適用する。
1) 測定した部分奇数次高調波電流は,限度値から算出できる部分奇数次高調波電流以下である。
2) 全ての1.5秒平滑実効値高調波電流が,適用限度値の150 %以下である。
a)とb)とは,相互に排他的で,同時に使用できない。
6.3.3.5 試験報告書
試験報告書は,試験機関が製造業者から提供された情報に基づいて作成するか,又は製造業者自身の試
験の詳細を記録した文書としてもよい。試験報告書には,試験条件,試験観測期間についてあらゆる関連
情報を記載する。また,限度値を確定するために適用可能な場合には,有効電力値,又は基本波電流及び
力率を記載する。
6.3.4 試験観測期間
機器の動作タイプを四つに分類する。それらに対応した試験観測期間(Tobs : 表4参照)を考慮する。

6.4 ラック又はケース収納機器

  必要物を全て備えた独立した品目の機器をラック又はケースに設置する場合,それらは独立して電源に
接続しているとみなしてもよい。ラック又はケースとともに,その全体を試験する必要はない。この場合,
異なるクラスの機器を収納するときは,機器が電源プラグ(商用電源系統に接続する形状のプラグ)をも
たない場合でも,個々の機器について別々に測定し,各クラスの限度値を適用してもよい。

6.4A 表示

  この規格に適合していることを表示する場合には,“JIS C 61000-3-2適合品”と取扱説明書などに表示
する。
なお,この規格の適用範囲外の機器にこの規格の限度値を適用した場合は,“JIS C 61000-3-2準用品”
と表示できる。

7 高調波電流限度値

7.1 一般

  限度値の適用及び結果の評価手順を図1に示す。
次の機器については,この規格では限度値を規定しない。

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注記1 これらの限度値は,将来の規格の改正版で規定することがある。
・ 定格電力が5 W未満の照明機器
・ 照明機器を除く,有効入力電力が75 W以下の機器
注記2 この値は,将来75 Wから50 Wに低減される可能性がある。
・ 全定格電力が1 kWを超える専門家用機器
・ 定格電力が200 W以下の,対称制御した加熱素子
・ 独立形位相制御調光器
− 白熱電球を点灯したときの定格電力が1.7 kW以下のもの。
− 白熱電球以外のランプを点灯したとき,トレーリングエッジ調光器,及びトレーリングエッジに初
期設定されたユニバーサル調光器の電力が200 W以下のもの。
− 白熱電球以外のランプを点灯したとき,リーディングエッジ調光器,及びトレーリングエッジに初
期設定されないユニバーサル調光器の電力が100 W以下のもの。
分類 : 白熱電球及び他の照明機器に使用すると表示した100 W又は200 W(位相制御調光器の種類に
よる)を超え,1.7 kW以下の定格電力の独立形位相制御調光器の限度値は,白熱電球以外の照明機器
を点灯したときの値を適用する。
注記3 リーディングエッジ調光器の高次高調波は,白熱灯以外の照明器具の負荷がかかると著しく
高くなるため,リーディングエッジ調光器及びデフォルトモードをトレーリングエッジに設
定しないユニバーサル位相制御調光器のしきい値は,トレーリングエッジ調光器のしきい値
よりも低く設定している。
表1,表1A,表1B,表1C及び表3のVnomは,機器の定格電圧を示す。機器の定格電圧を電圧範囲で
示す場合は,用いることが可能な商用電源系統の全ての公称電圧をVnomとして各限度値を計算する。Pは,
6.3.2で規定する有効入力電力値をワット(W)で表した値とする。

――――― [JIS C 61000-3-2 pdf 13] ―――――

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始め :
クラスの決定
(箇条5)
6.2で許容されない はい JIS C 61000-3-2に
技術を使用してい 適合していない。
るか。
いいえ
7.1又は附属書Bに JIS C 61000-3-2に
はい
おける除外規定に 適合している。
該当するか。
いいえ
試験条件はB.2及び はい
それ以降で規定し
ているか。
いいえ
6.3.1の“共通” それらの試験条
試験条件を適用 件を適用する。
する。
関連する限度値に はい JIS C 61000-3-2に
適合しているか。 適合している。
いいえ
JIS C 61000-3-2に
適合していない。
図1−適合性を決定するための流れ図

7.2 クラスAの機器に対する限度値

  クラスAの機器の入力電流の高調波は,表1に規定する最大許容高調波電流以下とする。ただし,三相
機器については,表1Bとする。
入力電力が600 Wを超える,単相電源を用いるエアコンディショナについては表1Aの限度値,三相電
源を用いるエアコンディショナについては表1Cの限度値を適用する。
オーディオアンプは,B.3に従って試験する。照明機器用独立形位相制御調光器は,B.6に従って試験す
る。

7.3 クラスBの機器に対する限度値

  クラスBの機器の入力電流の高調波は,表1に規定する最大許容高調波電流の1.5倍の値以下とする。

7.4 クラスCの機器に対する限度値

7.4.1  一般
照明機器は,B.5の規定に従って試験する。

――――― [JIS C 61000-3-2 pdf 14] ―――――

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有効入力電力が2 W以下の単一制御モジュールの高調波電流によって7.4.2又は7.4.3の要求事項を満足
できない照明機器は,制御モジュールとそれ以外の部分の入力電流とを別々に測定可能で,制御モジュー
ルを除いた照明機器で通常動作条件下のエミッション試験時の入力電流が変わらないことを条件に,制御
モジュールの寄与を無視することができる。
7.4.2 定格入力電力が25 Wを超える場合
定格入力電力が25 Wを超える白熱電球を器具内用位相制御調光器で制御する照明器具に対する高調波
電流は,表1で規定する限度値を適用する。
定格入力電力が25 Wを超えるその他の照明機器に対する高調波電流は,表2で規定する相対的限度値
以下とする。制御手段(例えば,調光,色)をもつそれらの照明機器は,次の設定条件で試験したとき,
最大有効入力電力(Pmax)において表2で規定する百分率で示す高調波電流値以下とする。ただし,位相
制御式の照明機器(白熱電球用以外の調光器を含む。)には,限度値は適用しない。
・ Pmaxとなる制御設定。
・ 最大有効入力電力(Pmax)と次に示す有効入力電力(Pmin)との間でTHCが最大となる制御設定。
− Pmax≦50 Wの場合,Pminは5 Wとする。
− 50 W − Pmax>250 Wの場合,Pminは25 Wとする。
7.4.3 定格入力電力が5 W25 Wの場合
定格入力電力が5 W25 Wの照明機器は,次の要求事項のいずれか一つに適合しなければならない。
・ 高調波電流は,表3の第2列で規定する電力比例限度値以下とする。
・ 基本波入力電流に対する百分率で示す第3次高調波及び第5次高調波は,それぞれ86 %及び61 %以
下とする。また,入力電流の波形は,基本波入力電圧のゼロクロスを起点とし,60°又はそれより前
で電流しきい値に到達し,65°又はそれより前にそのピーク値をもち,かつ,90°より後ろで電流し
きい値以下にならなければならない。電流しきい値は,測定画面に現れる最大ピーク値の絶対値の5 %
とする。位相角の測定は,この最大ピーク値を含む周期で行う(図2参照)。9 kHz以上の周波数成分
はこの評価に影響を与えてはならない(例えば,IEC 61000-4-7:2002及びAmendment 1:2008の5.3に
規定するようなフィルタ回路を適用するなど。)。
・ THDは,70 %以下とする。基本波電流の割合として表す第3次高調波は35 %以下,第5次高調波は
25 %以下,第7次高調波は30 %以下,第9次及び第11次高調波は20 %以下,第2次高調波は5 %以
下とする。
調色,調光などの制御手段をもつ,又は複数の適合負荷をもつ照明器具の場合,高調波電流の測定は,
有効入力電力が最大になる制御及び負荷の条件でだけ行う。
注記 上記測定条件は,位相制御以外の制御方式を使用した照明機器の場合は,入力電力が低下する
とTHCも減少するという前提に基づく。
一つの照明機器に適用クラスの異なるランプ制御装置を組み込み,適用限度値の表が複数にわたる場合
は,一般的には個々のランプ制御装置ごとに測定し,各々の限度値を適用する。

――――― [JIS C 61000-3-2 pdf 15] ―――――

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JIS C 61000-3-2:2019の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61000-3-2:2018(MOD)

JIS C 61000-3-2:2019の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 61000-3-2:2019の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISC60050-161:1997
EMCに関するIEV用語
JISC7603:2004
蛍光ランプ用グロースタータ